ハイスクールD×D~Stand up to~   作:ライダーマスク

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悪魔の遊戯―――開戦前の語り

〔イッセーSIDE〕

 

 

 

 

修業期間は終わり、グレモリー先輩の将来がかかったレーティングゲームが行われる日の夜。

 

グレモリー先輩たちと俺は指定された待機部屋である、日本神話駒王町支部にある会議室で待機していた。

 

グレモリー先輩達は初めてのレーティングゲームで緊張しているが、それぞれ出来るリラックス法をしている。

 

グレモリー先輩と姫島先輩はお気に入りの紅茶を飲みながら談笑。

木場はお気に入りのライトノベルを読書。

塔城は軽めのお菓子をつまんでいる。

 

アーシアはというと、俺の隣に座って何とか気を保っている状態だ。

 

グレモリー先輩、姫島先輩、木場、塔城はある程度の戦闘馴れをしているが、アーシアは過去一度たりとも戦闘を経験していない。

 

俺の修業である程度の胆力は付いたが、あくまで修業の範疇。

こうして模擬的でありながら敵と戦うのは初めてなことに変わりない。

 

「怖いか、アーシア」

 

「……はい。イッセーさんの修業で少しは強くなれたと思いましたが、いざ本番となると…。すみません」

 

「別に謝ることはねーよ。誰だって初めての実戦は怖いもんだ。俺だってそうだった」

 

「そうなんですか?」

 

「ああ。怖くて…足がすくんで何もできなくて、そんで目の前で大切な人が死んで、その怒りで戦った」

 

「え…」

 

「意外だって顔だな? まあ、こう言っちゃなんだが、俺の両親と最初の恩師は殺されたんだ―――人間から化け物になった存在にな」

 

「そんなことがイッセーさんの過去に…」

 

「ある意味教会の戦士になる人間に近い形で俺は異形の世界に足を踏み入れた。それから色々な事を経験した。新たな仲間と新たな恩師の出会い。この世界の現実、運命との戦い、仲間や恩師との戦いの中での死別。そうやって俺は色んなことを経験して立ち向かいこうして生きている」

 

「やっぱりイッセーさんは凄いですね。私もイッセーさんみたいに強くなれるのでしょうか?」

 

「まあ、普通の人生じゃあ無いし、精神力とかも常人から遥かに逸脱しているのは自覚している。だが―――俺を目指すのは違うぜ?

 

「そうなんですか?」

 

「皆それぞれ千差万別の強さがある。それは誰にも真似できない強さだ。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。だからこそ自分が持っている唯一無二の持ち味を鍛え上げた方が良い―――まあ、俺の持論だからどう受け取るかはアーシア次第だがな」

 

「難しいですね…」

 

「いきなり理解しなくていい。今はざっくりと覚えておきな。もしかしたら俺よりも納得のいく言葉をくれる奴が未来で現れるかもしれないぜ」

 

「わかりました!」

 

結局自分が納得しなきゃ意味が無いからな。

 

納得は全てにおいて優先する。

じゃないと、ソイツは前へ進めない。

どこへも。

未来への道も探す事は出来ない。

 

グレモリー先輩は今回の婚約について自分が納得できないからこそ、身の回りにある者全てを使って今回のレーティングゲームに挑んだ。

 

グレモリー先輩は、俺がこの方法を提示する際に覚悟した。

 

このレーティングゲームを始めるにあたって確定する未来。

自分の悪魔としての評価に泥が着く事。

自分の家名に傷をつける事。

両親に対して親不幸に等しい行為をする事。

 

その全てを納得し、自分の将来を勝ち取るという[覚悟]を決めた。

 

後はその[覚悟]が本物かどうかを俺に魅せるだけ。

 

だから俺に見せてくれよ―――リアスという1人の存在が未来を勝ち取る為の足掻きを。

 

そう想いながら俺はグレモリー先輩を見る。

 

すると、待機している会議室から銀色に光るグレモリー家の家紋が刻まれた転移魔方陣が出現。

 

それと同時にそこからグレモリー家のメイド長であるグレイフィア・ルキフグスが現れた。

 

「皆様、準備はお済になりましたか?」

 

現れると同時に声をかけられ、俺達は立ち上がり無言の準備万端を知らせる。

 

「問題ないようですね。では、レーティングゲーム開始時刻前に私が転移してきた魔方陣に入ってください。開始時刻と同時に専用のゲームフィールドにあるリアス様陣営の拠点へと転移されます。レーティングゲームに使われる使い捨ての疑似空間なので遠慮なく自分の力を振るってください」

 

そう言いながら俺を見るグレイフィア・ルキフグス。

 

最後の説明は俺用って意味だと思うが、俺はそんなド派手な攻撃は出来ないんだよな。

 

どっちかって言うと相手を確実に倒す攻撃とかだし、漫画とかアニメによくある攻撃の余波で周囲の構造物吹っ飛ばすとかは出来ない―――ていうか、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「今回のリアス様とライザー様の婚姻契約を決めるゲームにおいてグレモリー家とフェニックス家の現当主及びその御家族もご覧になられています。そして、現魔王ルシファー様も今回の戦いを拝見しています。そのことをお忘れなきように」

 

「お兄―――魔王様も見られるのね」

 

グレモリー先輩の表情が今以上に引き締まった。

俺に頼る現状を自分の長であり実の兄である存在に見られるとなると余計に気が引き締まるのは当然か。

 

まあ、余計にグレモリー先輩の悪魔としての立場に傷がつくがそれを納得しての俺の参戦だからな。

 

「では、開始五分前となりましたので転移魔方陣の上に入ってください。本来は悪魔専用ですが、今回の特例として兵藤一誠様も今回限り使用可能です」

 

まあ、そうしないと意味無いしな。

さすがに俺の参戦を妨害するとか、ライザーが負けそうになったら色々こじつけて向こうの勝利とかの工作は無いと信じたいな。

 

ぶっちゃけ、レーティングゲームの上位ランカーの内、1位と2位以外のランカー同士のゲームの大半は運営陣と古い悪魔共間による利権に絡む癒着が生じたほぼ八百長みたいな不正が当然のように行われているからそこんところ不安だ。

しかも[王の駒]というレーティングゲームにおいてチート行為が蔓延している領域だしな。

 

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その影響か常に1位と2位や例外のランカーどうしでのランキングは固定されることなく入れ替わっている状態で、その2チームがレーティングゲームで戦う際は勝敗が終盤の終盤まで読めない試合で俺も生中継を見ている。

 

そもそもクレーリアさんに関わるレーティングゲームの闇に関する案件に関わった際にその出場者本人と知り合って仲良くしてもらっている。

そういうつながりもあってその悪魔ともう1人の悪魔の試合だけは見ていて、時には現地で一番良い席に招待されて鑑賞しに行っているしな。

 

それから俺達はグレイフィア・ルキフグスが用意した転移魔方陣に入り、開始時刻と共に転移の光に包まれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

転移の光が消えると、目の前に広がったのは古びた校舎だった。

 

窓から見える景色的に―――

 

「ここは、駒王学園高等部の旧校舎二階の一室ね」

 

「ええ。去年大掃除の時に来て以来ですわ」

 

グレモリー先輩と姫島先輩の言葉通りに、ここは駒王学園高等部敷地にある旧校舎二階の一室。

 

そうなると今回のレーティングゲームフィールドは―――

 

《〘レーティングゲーム開始時時刻と同時に、リアス・グレモリー様陣営、ライザー・フェニックス様陣営双方のゲームフィールド総員の転移を確認しました〙》

 

ゲームフィールド全体にグレイフィア・ルキフグスのアナウンスが響く。

 

《〘今回の非公式レーティングゲームについてですが、ルールは単純な王を取りある[リアルウォーズチェス]*1となります。ゲームフィールドはリアス・グレモリー様陣営の皆様が通う[駒王学園高等部]の全敷地内となります〙》

 

だろうな。

学園をゲームフィールドにしたのは、向こうの余裕かグレモリー先輩に最後の学園での思い出をという皮肉なのか。

 

まあ、どんなフィールドだろうがグレモリー先輩がちゃんと覚悟を見せる以上は俺が勝たせるつもりだ。

 

《〘双方の本陣についてですが、リアス・グレモリー様は駒王学園高等部旧校舎全域。ライザー・フェニックス様は駒王学園高等部新校舎全域となります。[兵士]の方は[昇格(プロモーション)]は相手本陣へと侵入してください〙》

 

「まあ、私達には無用のルールね」

 

「ええ。あの子はまだ表に出られませんし」

 

「数的には不利ですけどね」

 

「…仕方がありません」

 

そういえばそこらへんが気になっていたな。

 

「グレモリー先輩」

 

「どうしたの?」

 

「いや、前々から気になっていたんッスが、どうしてグレモリー先輩には[兵士]がいないんですか? 一応いるみたいな雰囲気ですけど…」

 

「正確には居るわ。それも私が持つ[兵士]の駒8つを全部使わないと転生できなかったくらいに。でも、その反面あの子は力が強すぎて基本的に表に出せないのよ」

 

「力が強すぎる…。もしかして上位の神器所持者ッスか?」

 

「ええ。しかも五感で発動するタイプで本人もその力を制御し切れていないから余計にね」

 

多分というかほぼ確実にその[兵士]は戦力じゃなくて、グレモリー先輩が助けたいために[兵士]にしたんだろうな。

 

ていうか、彼女は戦力として勧誘というよりも自分で出来る範囲で助ける結果で眷属が集まっているって感じがするな。

 

じゃなきゃ、木場のような神器所持者はともかくとして、堕天使の気配がする姫島先輩や猫魈の気配がする塔城が光の力や仙術を使わずに戦う理由にならないからな。

 

ぶっちゃけ、この2人が種族特有の力を使えばライザー・フェニックス相手に勝てるんだが、使えない理由があるのだろう。

そして、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

理由はそれ相応にあったとして、グレモリー先輩は純粋に王の器に相応しいと評価できる。

 

まあ、勧誘されても俺は眷属になる気はないけどな。

 

《〘それと、今回眷属悪魔出ない参加者である兵藤一誠様の扱いはリアス・グレモリー様が未使用の駒である[戦車]に割り振られます。但し戦車の特性を得る事はなくキャスリングも出来ませんのでご注意を〙》

 

「お、俺は塔城と一緒って感じか」

 

「…みたいですね。このゲームの間ですが私がリアス先輩の[戦車]としての先輩なのでよろしくお願いします」

 

「ああ。よろしく頼むッスよ塔城先輩」

 

「…悪くはありませんね」

 

まあ、対格差的に親子と間違われても不思議じゃあないが今は関係ないな。

 

《〘制限時間は6時間となります―――レーティングゲームスタートです〙》

 

さて、二回目の非公式レーティングゲームか。

一回目はクレーリアさんと俺、徐倫、エルメェス、FFでやったが今回のゲームにおいて俺と釣り合う味方が一人もいない。

 

さあ、グレモリー先輩達―――アンタ達の覚悟を魅せてくれよ?

*1
オリジナル設定。シンプルなレーティングゲームルールの呼称




因みにリアスの兵士はオリジナルキャラではなくちゃんとした原作キャラです。
そして―――リアスは[変異の駒]を持っていません。

では!

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