ハイスクールD×D~Stand up to~   作:ライダーマスク

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遂にシスターちゃん登場です!


彷徨うシスター

〔クロガネSIDE〕

 

 

 

 

「なんか嫌な予感がするんだよなあ~」

 

学園が休みな土曜日。

 

俺は日課の修業を終えて駒王町を散策していた。

 

街そのものは平和で堕天使が暗躍していたなんて雰囲気はない。

ていうか、クソアマのお陰で日本神話の外交担当が現在死ぬほど忙しくなっている。

 

日本に住む堕天使全員を一度拘束してクソアマとの関係性を精査したり、[神の子を見張る者]に日本神話のルールを破られたことに対しての言及など。

 

承太郎さんは日本に住む堕天使達への事情聴取でもう数日も家に帰ってないと徐倫からメールが来た。

 

花京院さんやグレモリー眷属達も事件が起きた町の職員として忙しく、学園ではグレモリー眷属本人達ではなく姿や言動を似せた別の職員が来ているくらいだ。

 

まったく…堕天使共は日本ではた迷惑な騒ぎを起こすことが文化になっているのか?

 

一度堕天使の総督を再起不能にしてやりたいところだぜ。

 

そんなことを考えていると―――

 

「はうわっ!?」

 

女の驚いた声と同時に誰かが転ぶような音が聞こえた。

 

聞こえた方向を振り返ると、そこには金髪の少女がパンッ!2〇見え*1の状態ででんぐり返しの中途半端な状態で倒れていた。

 

どうやって転んだらあんな態勢になるんだ?

まあ、見た以上は仕方ねぇな。

 

助けるか。

 

俺は変な態勢で倒れていた少女を飼い猫の情藩士を持つように持ち上げてその場に立たせた。

 

「うわっ!?」

 

「大丈夫か?」

 

「は、はい! ありがとうございます!」

 

勢いよく頭を下げてお礼を言う少女。

ていうか喋ってるのラテン語じゃあねぇか。

 

容姿は濃いめのブロンドヘアーをストレートにのばした髪。

瞳は緑というよりも翡翠色のような緑。

顔立ちはまさに美少女で、雰囲気は守ってあげたくなるような儚さを持った感じだ。

しかも格好は正規のシスターではないが、教会のシスターを思わせるような服装。

 

よく見たら彼女が首にかけている十字架は、異形世界のシスターがかけている祝福されたやつじゃあないか。

 

敵意は無いしぱっと見の実力は一般人程度。

だが、コイツからは神器の力を感じるな。

 

警戒して探りを入れるか。

 

「アンタ、よく見たら教会のシスターぽいけどこの町に何か用なのか?」

 

「え…わかるんですか!?」

 

「その格好と祝福された十字架を見ればな。言っておくがこの町に教会はないぞ」

 

「そうなんですか!? 私今日からこの町の教会に赴任する事になっているのですが……」

 

この町の教会に赴任?

そもそもこの町の教会自体、クレーリアさんが絡んだ事件で職員は日本神話から全員国外追放されている。

そして約2年前の[界厄禍津日大神]との戦い以降、[日本神話]以外の他神話や異形勢力の組織的活動は禁止されている。

 

勿論一般人が行う宗教活動はゆるされているが、この少女は異形サイドのシスターらしき者。

 

かなり怪しくなってきたな。

 

「この町の教会に赴任とは随分と怪しい発言だな……もしかして教会のスパイか?」

 

俺は彼女をいつでも攻撃できるように構える。

今まで見てきて一見無害だが、こういった奴ほど誰かに利用されて、妙な仕掛けで不意打ち喰らってヤバい状況になるのは今までの戦いで散々経験してきた。

 

「あ…いえ…私は……その………」

 

俺が教会のスパイ―――正確には教会所属を示唆した瞬間、焦りと罪悪感が表情に出た。

 

演技っぽくは見えねぇな。

まだ警戒を解かないが、話し合う余地は多少なりあるって感じか。

 

ここはふっかけてみるか。

 

「おい、女。俺が教会所属を示唆した瞬間急に焦ったり罪悪感を感じたな。もしかして―――はぐれシスターか?

 

「ッ!? ど、どうしてわかったんですか!?」

 

うわ、いくつかふっかけるつもりが初っ端から当たりやがった。

 

「様子や服装だな。それに今の日本―――正確には[日本神話]勢力圏内では他神話や異形勢力の組織的活動は全面的に禁止されている」

 

「そうだったんですか!?」

 

「ああ。とある事件で[日本神話]は寛容になりすぎて、危うく自分達だけじゃなくて世界が滅ぶ一歩手前に来た。その教訓でな」

 

「そうだったんですね…。もしかして貴方は[日本神話]所属の人ですか?」

 

「どこの異形勢力にも所属してない。[日本神話]とは仲が良くて付き合いがある。それだけだ」

 

「そうなんですね…。それで私は…どうなるのでしょうか?」

 

「そうだな。この場で俺に包み隠さず、お前が[駒王町]来た理由を吐いてもらおうか。言っておくが嘘をつけばそれなりに痛い目に合うからな」

 

俺は目の前のシスター風の女に注意と脅しをかけておく。

 

「はい…」

 

それから俺はシスター風の女に聞きたいことを全て聞いた。

波紋を使って彼女の声の揺らぎや声紋のブレを確認して嘘をついていないかどうかも確認した上でだ。

 

まずこのシスター風の女は“アーシア・アルジェント”

今年で17歳で見た目通り女。

所属に関しては[教会・天界]ではなく[堕天使]…しかもあのクソアマ(レイナーレ)に拾われたはぐれシスターだ。

 

追放された理由に関してはシスター時代に傷ついた悪魔が現れ可哀そうに思って、宿している治療系[神器]で治療したら、その場面を見られて教会にとって女性信徒の異端の烙印である[魔女]という体裁と烙印を体に刻まれて追放処分を受けている。

 

追放されてもなお、信仰心はあるようで[聖書の神]に祈りを続けながらも各地を転々として怪我した人たちを神器で治療しながら、そのお礼を貰ってその日暮らしをしていた。

 

そんで、ある時にクソアマに拾われて指示に従うようにこの[駒王町]に来たらしい。

 

「―――他に聞きたい事はありませんか?」

 

「いいや大丈夫だ」

 

波紋での嘘探知を欺くような術式の発動も怪しいそぶりも一切なかった。

どうやら俺が警戒するほどの存在でもないって事が決まったな。

 

「そうか。ともかく君は巻き込まれただけの様だな。キツイ当たり方をして悪ぃな」

 

「い、いえ。先ほどのやり取りで[日本神話]の方達が他の異形勢力の皆様と難しい関係になっているのも…」

 

「そうか。それでお前はあのクソア……レイナーレにこの町にある教会に来いと言われていたんだよな?」

 

「そうなっています。この紙に行き方のルートとか書かれています」

 

そういってシスター風の少女―――アーシア・アルジェントが一枚の紙を出して来た。

 

俺はそれを受けとり内容を見た。

 

彼女が言う通りの内容が書かれており、駒王駅からかつてこの町で活動していた[教会]の支部。

俺としてはもう何年もあってない幼馴染の家でもある場所へのルートが用意されていた。

 

内容的に組織的とまではいかないが、相当な人数の[神の子を見張る者]所属の奴等がこの町に侵入しているようだな。

 

そしてそいつらの拠点はアーシア・アルジェントが向かうべきだったこの町の[廃墟となった教会]という訳か。

 

これは良い情報だな。

 

俺はすぐに携帯を取り出し花京院さんに電話をした。

 

ワンコールで花京院さんが出た。

 

〘君から電話とは珍しいね。何かあったのかい?〙

 

「ええ。例のクソアマと関りが有るはぐれシスターと接触して拘束とはいきませんがこの場にとどめています」

 

〘それは本当かね?〙

 

花京院さんの声音が変化した。

 

「はい。色々と情報も聞けたり得ることも出来ました。恐らくですがこの件はクソアマだけではなく数十人単位の[神の子を見張る者]所属の奴等が関わっている可能性があります。そして既にこの[駒王町]にそいつらの拠点があるようです」

 

〘なるほど。流石イッセー君、色々とトラブルに関して巻き込まれたり、その解決の糸口につながる何かと出会いやすいね〙

 

「そういうのは後に欲しいッス」

 

〘そうだね。実はついさっき良くない情報が[高天ヶ原]から来たんだ〙

 

「[日本神話]の本部からですか?」

 

〘ああ―――何者かの暗躍で堕天使レイナーレが脱獄したようだ〙

 

どうやら事態は急変してきたようだ。

*1
花京院とポルナレフのあのやり取り良いよね。by作者




さて、アーシアとの邂逅ですが原作通りとはいかず、あくまで日本の駒王町に住む異形とかかわりのある者として今作イッセーは接しました。

ぶっちゃけこの話の前日単である[イッセーの奇妙な冒険]において、日本での[荒振神]関係の事件すべてにあらゆる神話勢力や異形勢力が暗躍しまくっていて、その影響と被害をイッセーやその仲間たちは酷い目に合っています。

その影響で他の異形所属、特にイッセーが第一印象最悪TOP3の第1位である[教会・天界]の元所属であり、第2位である[神の子を見張る者]所属となるとなおさらですからね。

ここからどうイッセーとアーシアが絆を深めていくかはお楽しみに!

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