魔法って言うならもっとこう……あるだろう!?   作:南亭骨帯

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 Q.結局蘇生魔法は習得できないの?
 A.可能性はあるけど倫理感がブレーキになってて今は実現不可。倫理感が振り切れてたら普通に黒霧を白雲朧に戻してる。

 Q.死柄木弔=志村転孤をオールマイトは知ってるの?
 A.後でグラントリノから教えてもらった。この後森岸にお礼を言いに突撃してくる。

 Q.トゥワイス以外は出頭してないの?
 A.今の所はしてない……が、少々行動中。






115.インフレ特急

 

 

 

 時は少し遡り、相澤達が雄英を出た直後の事。

 

 

 森岸を除いた20名は冬休みの間に得た成果や課題等を共有する為、グラウンドαに集合していた。

 

 実戦の場を経て再び装備を見直した者も多く、中には装備の一部に機能を追加したり方向性をガラリと変えたりと一目でわかるものからパッと見では分からない変化まで様々だ。

 

 そして相澤の代役となったのはオールマイト。冬休みの間に思いついた渾身のギャグ……『私が来た』と『綿菓子機だ』をかけた掛け声で登場するも水の如く流されてしまった。

 

 

「まあいいや。今日はインターンの成果を見せてもらおう! 相手は勿論私──と、言いたいところだが、入試の時にも使ったロボットでやってもらうよ!」

「だろうな」

「オールマイト相手だと成果も何もあったもんじゃないし……」

 

 

 ということでインターン先が同じだった者で班分けし、ロボットを相手にお披露目しましょうという事に。

 

 オールマイトが作った綿菓子を片手に同級生達の成長を観戦し始めた。

 

 

 

 

『去ねヤ人類! 俺タチがこの世界のスカイネッ──』

【ネビルセーバー】

 

 

 最初に出たのは青山優雅。【ネビルレーザー】の射程を抑えつつ、放出を継続しレーザーで焼き切るという技を習得。両手を自由にしたまますれ違いざまに物騒な言動のロボットを真っ二つに斬り裂いた。

 

 そこで止まらない。葉隠が青山に近寄ると【ネビルセーバー】に手を伸ばし──グニャリ、と青山の背後に迫っていたロボットの方へと軌道を捻じ曲げた。

 

 

「光の屈折をグイッとできちゃうんです!」

「本当はもっとやれるけど範囲がね☆」

 

 

 尚、本気でやる場合は【ネビルレーザー】を更に自在に操ることもできるのだとか。具体的には魔貫光〇砲くらいなら再現できるらしい。

 

 

『えぇい、カカレ! 審判の日は今日なり!!』

 

 

 呑気に話していると再び援軍という名の補充が現れる。土煙を上げて二人へと迫り───

 

 

「粘性MAX……【アシッドマン】!!」

 

 

 ──全身を粘度の高い酸液に包んだ芦戸に割り込まれ、ドロリと溶けた機体が崩れ落ちた。

 

 これまで手からの放出ばかり使っていた芦戸だったが、ついに全身からの放出をものにした様子。一瞬で全身を酸液の着ぐるみのようなもので包めるまでに到達していた。

 

 

「こーんな」

「感じでーす」

「素晴らしい! 皆、拍手だ!」

 

 

 彼女達が行った先は具足ヒーロー・ヨロイムシャの事務所。攻防一体の策が多く、また大ベテランでもあるヨロイムシャについて行く為にコンボや新技を開発していた。

 

 特に最後の芦戸が使った【アシッドマン】は切島の【安無嶺過武瑠】を参考にしたらしく、使い方次第では【安無嶺過武瑠】よりも凶悪な性能になり得るだろう。

 

 

「この調子で各々のインターンの経過を見せてくれ!」

「「「はい!!」」」

 

 

 

 

 尾白猿尾&砂藤力道。インターン先はライオンヒーロー・シシド。手数と先読みの力を獲得した二人の連撃はオールマイトですら目を見張るものがあった。

 

 

「一発一発を仕留めるつもりで……【シュガーラッシュ】!!」

「数と威力を両立! 足を止めない事!」

 

 

 【シュガードープ】による強化が乗ったラッシュがロボット達を殴り砕き、その隙を埋めるように尾白の【尻尾】が突きを放つ。

 

 目に見えて向上した攻撃力と手数は近接戦という二人の強みを更に磐石なものへと変えた。

 

 

 

 障子目蔵&口田甲司。鯱ヒーロー・ギャングオルカの元でインターンに参加。

 

 

「索敵の強化と」

「円滑なコミュニケーション……!」

 

 

 こちらは目立った変化は見られなかったものの、目に見えない部分が着実に強化されていた。

 

 障子は耳郎に遅れを取っていた聴覚での索敵範囲を更に拡大。加えて耳を増やすことで聞き分けにおいても十分な性能を獲得。

 

 口田はギャングオルカから声の響かせ方を伝授され、より広範囲の動物に声を届けられるように。また前よりも細かい指示も出せるようになった。

 

 

 

 上鳴電気&瀬呂範太&峰田実。インターンはチーム・ラーカーズ……Mt.レディとシンリンカムイ、エッジショットの元へ。

 

 

「「「最短効率チームプレイ!」」」

 

 

 拘束に秀でた個性を持つ瀬呂と峰田は拘束効率が向上。最低限で最大限の効果を発揮させるようなコントロールを身につけ、あっという間に大量のロボットを拘束した。

 

 そして上鳴は瞬間出力アップ。連携に遅れぬようにと食らいついた結果、最大出力までかかる時間が短縮。更に最大出力自体も強化され、一撃に限れば轟や爆豪に並ぶ攻撃力を獲得。

 

 

 

 飯田天哉。ノーマルヒーロー・マニュアルの元でインターン。

 

 兄のインゲニウムの事務所ではないのか? と尋ねたところ、その兄から『うち以外で見聞を広めてこい』と言われたらしい。

 

 加えて『ヒーロー殺しに負けた俺が悪い』と絶賛鍛え直し中らしく、弟を見る余裕がないのだとか。

 

 

「物腰! 柔軟性!」

 

 

 そうしてマニュアルの事務所にて学んだのが物腰の柔らかさ。後ろに(物理)とついていそうな感じである。

 

 今まではどうしても直線的な挙動だった飯田の動きに柔軟性が加わり、流れるように連続の蹴りが放たれた。

 

 

 

 それからも成果発表は続く。ホークスの元でスピードを重点的に総合力を向上させた常闇、ファットガムの元で効率的に戦意喪失を狙えるようになった切島等……プロの現場にて学んだものを遺憾なく発揮していく。

 

 そして最後。現No.1ヒーロー・エンデヴァー事務所に向かった五人……から森岸を除いた四人。

 

 恐らく今回のインターンで最もレベルが高い事務所。それだけに彼らの注目も一入。

 

 まず最初に動いたのは爆豪。個性の発生源が汗腺ということもあり、冬はスタートダッシュがどうしても出遅れるという弱点があったが……

 

 

「──溜めて、放つ」

 

 

 【徹甲弾(A.Pショット)】の感覚を応用しての圧縮撃ちにより通常時に劣らぬ、否、それまでを超える速度と威力を手にしていた。

 

 後に【クラスター】と名付けられたそれはロボット群なぞ鎧袖一触。腕の一振でバラバラに吹き飛ばされた。

 

 

 続けて轟。爆豪と同じく『溜めて放つ』を課題とされていた彼もまた圧縮撃ちを習得。特に長らく嫌悪していた為に拙い部分があった炎のコントロールが飛躍的に向上している。

 

 エンデヴァーに見せた新技は未だ完成には至らぬものの、左右の力を同時に扱うには苦労しなくなった。

 

 

「まだ足りねえ……もっと……!」

 

 

 氷での足止めから炎での猛攻。並行して放たれた広範囲制圧、及び殲滅の一撃は一歩たりとも動かぬまま迫るロボットを返り討ちにした。

 

 

 それから耳郎。誰よりも早く課題を達成した事もあり、経験値の多さではトップクラス。かつての火力不足という悩みはどこへやら、今や爆豪や轟にも引けを取らぬ破壊力を得ている。

 

 

「速度、パワー、立ち回り……全部!」

 

 

 時には音の衝撃波で吹き飛ばし、時には爆豪のような三次元機動からの撃ち下ろし。A組の中で最も大きな変化を遂げた耳郎の実力にオールマイトすら口をあんぐりと開けて驚いている。

 

 同じ事務所で活動していた三人は見慣れてしまったのか、驚きよりも『何か一つでも盗めるものはないか』と目をギラつかせている。

 

 

 そして緑谷。B組との対抗戦で目覚めた【黒鞭】の操作に対する不安があったが、エンデヴァー事務所でのインターンという極上の経験値を得たことにより制御能力を獲得。

 

 短い間ではあるが超パワーと【黒鞭】の併用も可能となり、あの日の暴走から大きく様変わりしていた。

 

 

「並列思考……! 二つの事を同時に!」

 

 

 解き放たれた【黒鞭】がロボット達を空へと釣り上げ、即座に解除。すぐさま【フルカウル】を50()%()まで引き上げ、全てを粉砕した。

 

 

「おお……! 緑谷少年……!」

 

 

 それに誰よりも驚き、感動するオールマイト。頼りなかった少年の背中は遠く、己の心配すら吹き飛ばしてみせた。

 

 本人に言うことはないけれど、胸の奥にあった焦燥も不安もとっくに消え失せた。緑谷出久という少年が自分の後継者と名乗りを上げても疑うものはいないだろう。

 

 ほんの少しの寂しさと、それを遥かに上回る歓喜に満ちた目で緑谷の背中を見つめていた。

 

 

 






上鳴「耳郎がすんごい進化してる」
葉隠「ズルいや!」
耳郎「エンデヴァー事務所凄かったよ本当……」
芦戸「森岸は?」
耳郎「詠士は……まあ、うん」
上鳴「待ってアイツもっとヤベーの?」



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