魔法って言うならもっとこう……あるだろう!?   作:南亭骨帯

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 Q.もしかして最終回近い?
 A.もしかしなくても近い。いくつかその後の話を書いたあとは時間ぶっ飛ばして卒業後書いて終わります。

 Q.もしAFOが【魔法】を得たらどうなった?
 A.移植した場合は結合してしっちゃかめっちゃかになる。何を唱えても強制的に【パルプンテ】みたいに何が起こるか分からなくなる。個性で奪った場合は魔力がないのですぐには使えない。

 Q.この先ボスはいないんですか?
 A.自分をオールマイトだと思ってるイタリア人くらいしか残ってないし、出てきたとしても戦力が万全過ぎるのでナレ死する。





128.大怪獣バトルの後始末

 

 

 

 決戦から二日後。後始末という名の爪痕だけを残した戦いは未だ世間には知れ渡っておらず、ヒーローや関係者のみが四苦八苦していた。

 

 そのほとんどは蛇腔総合病院から避難させていた患者の受け入れ先や、職員達にオール・フォー・ワンとの繋がりがあったかどうかの調査など……異能解放軍しかいなかった群訝山荘とは比べ物にならないタスクが積み重なっている。

 

 それからもう一つ。約4万人程の異能解放軍の扱いについて。

 

 群訝山荘にいた最高指導者と幹部陣、そして各地に点在していたシンパの拠点を制圧した結果がその数だ。

 

 ホークスからの報告……というかリ・デストロや幹部達の話では10万を超える人数のはずなのだが、どうも調べた限りだと名ばかりの構成員もかなり多かったらしい。

 

 今回捕えられたのはタルタロス襲撃計画に賛同するような過激派達。残る異能解放軍の構成員に関しては『そもそもそんな組織に所属した覚えすらない』と語るものさえいたという。

 

 

 現時点で確定しているのはオール・フォー・ワンの部下である殻木球大とウォルフラム、そしてリ・デストロを始めとした幹部達。彼らは揃ってタルタロス送りが決定している。

 

 対応が違ったのはナインとギガントマキア。この二人は一足先に死刑が行われている。

 

 ナインはダメージを受け過ぎた身体で無理に【ドラゴラム】を決行し、その後にも多くのダメージを受けた事で肉体が耐えきれなかったのか自我が崩壊していた。ほとんど脳無と変わらぬ存在になっていた。

 

 マキアについては言うまでもない。脳無になってしまっている以上、人間としての生はとっくに終えたものとして扱われている。動く死体となんら変わらない。

 

 

 とある会議室の中では書類一枚に目を通す度に、誰かしらのため息や頭に手を当てる音が聞こえていた。

 

 集まっているのはヒーロー公安委員会。その上層部。中にはホークスなど公安直属のヒーローの顔も並んでいた。

 

 彼らは決戦直後から山積みとなったタスク処理に追われており、二日後とは思えない疲労感を蓄積している。

 

 やや草臥れた様子の会長はもう何度目になるか分からない報告書の確認を終えると、重いため息の後に口を開いた。

 

 

「プラスかマイナスかで言えば間違いなくプラスですが……皺寄せが大き過ぎますね」

「この程度ならまだマシな方でしょ。現場で命張ってるヒーローからすれば尚更ね」

「……現場の苦労も分かってるつもりです。それでも少しくらい愚痴りたくもなります」

 

 

 ホークスの自嘲じみた指摘から逃れることはしない。しかしたった二日でこれなのだ、今後更にタスクは増えていくと思うとそりゃあ愚痴の一つや二つくらい出てくるだろう。

 

 

 潜伏していた異能解放軍というどデカい膿──それもオール・フォー・ワンの残党までついてきて──を絞り出せた事は幸運だった。何も知らぬまま準備が整っていたらと思うと恐ろしく思う。

 

 だが表だろうが裏だろうが大きな組織が消えるというのは影響が出てくるもの。特に幹部達は企業のトップだったり政党やメディアの関係者だったりと、影響が出ないわけがない肩書きばかりだ。

 

 四ツ橋力也(リ・デストロ)の会社である『デトネラット社』は株価が急転直下。急成長中の起業だった事もあり、巻き込まれた人間の数は計り知れない。

 

 近属友保(スケプティック)は大手IT企業の『Feel Good Inc.』取締役。こちらも株価が暴落し、少なくない数の人間が首を吊った事だろう。

 

 花畑孔腔(トランペット)に至っては国会議員。『心求党』の党首というとんでもない肩書きの持ち主であり、政治家の世界でも混乱が起こるのは必至だろう。

 

 気月置歳(キュリオス)は出版社である『集瑛社』の専務。こちらも後に調査を入れる必要があるだろう。何せメディアとはそれだけの力があるのだから。

 

 

「やることも考えることも多すぎる……私があと三人くらい欲しいわ……」

「……流石に無理でしょ。そういう個性でもなきゃ」

「そうよね……」

 

 

 会長がポロッと零した言葉にホークスは一瞬とある男の顔が頭を過ぎったが、ろくな事にならなそうなので黙っておくことにした。

 

 しかし個性の話題からもう一つ。ホークスは無視できない話題を思い出し、会長へと尋ねた。

 

 

「そういえばなんですけど……イレイザーヘッドが回収したっていう【オール・フォー・ワン】はどうしたんです?」

「ああ、あれ?」

 

 

 殻木の研究室にあった騒乱の火種にしかなり得ないもの。【オール・フォー・ワン】の個性因子が保管されていたケース。報告書で存在を知ったホークスはその扱いがどうなったのかを知らない。

 

 殻木の言葉が真実であれば、移植しただけで人の身体を乗っ取ってしまうような劇物。まさかとは思うが何かに利用するつもりではないだろうなと釘を刺すように尋ねたのだが。

 

 会長は一際長いため息を吐いた後、吐き捨てるようにこう言った。

 

 

「……回収された森岸(レックス)の腕と同様、処分しました。そっちは確実に使い物にならなくなるよう、徹底的に」

「あ、そう……」

「当然です。あんなもの、下手に何かに利用されても困ります」

 

 

 何か思ったよりも強い反応が返ってきたのでホークスの方が驚かされた。お、おう……みたいな感じになった。

 

 

 そもそも何故イレイザーヘッドがその場で【オール・フォー・ワン】を処分しなかったのかと言うと、殻木の言葉を完全には信じていなかったという理由がある。

 

 殻木は『培養液が漏れてしまえばその時点で使い物にならない』と言っていたものの、それが【オール・フォー・ワン】にまで適用されるかは怪しい。

 

 何せ【オール・フォー・ワン】は異例中の異例。万が一、億が一の事を考えて確実に処分する為、その場では何もせず持ち帰って確実な手法を取りたかった。

 

 そう聞かされた会長はすぐに準備を整え、処分を開始。塩酸の中に突っ込んだり熱を加えたり電気を流したりして徹底的に壊し、最後はエンデヴァーの【プロミネンスバーン】で跡形もなく消してもらったとか。

 

 ちなみに腕は普通に焼却された。まあ返されても困るし。

 

 

「思ってた数倍ガチだった」

「あそこまですれば流石に安心していいでしょう」

「それでまだ何かしてきたら、もうどうしようもないでしょ……」

 

 

 最大の懸念だったものが片付いていたことに安堵しつつ、目の前のタスクにうんざりしながらもホークスは再び手を動かすのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 

 

 

 

 やあ。あの戦いで頑張ったお陰で通帳の残高がとんでもないことになっていてひっくり返った森岸だよ。すいません、確定申告ってどうやるんです?

 

 

 あの後、俺達雄英生は一度集合してからミッドナイト先生の引率で帰寮となった。

 

 その間、爆豪と緑谷は罰ゲームみたいな札を首から提げさせられていたが……まあ、でしょうねとしか。散々弄り倒されていた。

 

 で、ハイツアライアンスに戻ってきてからは相澤先生のターン。爆豪、緑谷、轟の三人を正座させて修羅の形相だった。

 

 何を言うでもなくしばらく睨んだ後、それぞれに沙汰が下された。なんと爆豪、除籍処分。流石に爆豪の顔も青ざめていた。何故か緑谷はもっと顔を青くしていた。何でや。

 

 

「……まあ形だけだったっぽいけど」

「十分効いてるみたいだけどね」

「爆豪のあんな顔初めて見た」

 

 

 実際は除籍という名の謹慎処分だった。ただ、扱いとしては本当に除籍になっているらしく、下手すると留年するんじゃなかろうか。

 

 緑谷は除籍じゃない謹慎処分。期間は爆豪が一ヶ月で緑谷は二週間となっており、その間は寮内の清掃等を全て請け負うように言い渡されていた。

 

 轟が一番軽く、五日間の謹慎処分で終わり。滅茶苦茶しょんぼりしてた。

 

 後は共通で反省文と家族との面談があるらしいが、そこら辺は俺らが知れることじゃないから何とも言えない。

 

 

 そんで今日は学校はお休み……というか先生方が忙しすぎて授業ができず、一部の訓練施設が解放されて『自主トレしててくれ』という状態。何もしなくても特にお咎めはない。

 

 今日はやるとしても昼からかなあ、と思い共有スペースで響香や上鳴と雑談中。皆も同じような感じなのか少しずつ顔を出している。

 

 

「……こうやって見るといつもと何も変わらないんだよな」

「あんな事があってからまだ二日しか経ってないのにな。ネットニュースはやべえのばっかだけど」

 

 

 俺達は今のところ特に影響はないけど、世間は大混乱真っ最中だからなあ。二つの大企業のトップが異能解放軍だったもんだから下請けやら取引先やらがドミノ倒しになっているとか。本当に可哀想。

 

 ヒーロー達はそんな事とは関係なく今日も事後処理やパトロールに勤しんでいる。落ち着いてきたらまたインターンも再開できるだろう。だけど……

 

 

「……でもしばらくはいいかなあ」

「? 何で?」

「今回ので色んなところに目をつけられたっぽくてさ……スカウトが凄いことになってる」

「ああ……」

 

 

 今回の戦いで俺の【魔法】がヒーロー達に知れ渡り、あっちこっちから『是非うちの事務所に来てくれ!』的な文言がズラっと並んでたんだよな。

 

 俺に届く前に一回雄英というワンクッションが挟まるから特に何も起きていないように見えるが、昨日なんかメールフォームがパンクしかけたらしい。校長が発狂しかかってた。ごめんなさい。

 

 流石にこれはヤバいという事で、ホークス経由で公安委員会に頼み込んで『お前ら一回落ち着け』と沈静化してもらったくらいだ。

 

 それもあって下手にインターンを再開すると、妙な期待を抱かせてしまいそうで面倒事に発展しそうだからやめておこう……というわけだ。

 

 ちくしょう、色々悩みを吹っ切ったつもりでいたのに元の木阿弥じゃねえか。サイドキック適性の高さは自覚してるけどそれ目的でスカウトすんじゃねえ。

 

 

「ちょっと泣きそう」

「おおよしよし、可哀想に」

「棒読み過ぎない? もうちょっと心を込めて欲しいなあ」

 

 

 響香が酷い。ぴえん。上鳴に至っては想像もつかないのか興味がないのかスマホを見ている。お前失礼すぎないかそれ。

 

 すると上鳴はふと思いついたようにこっちを向いた。

 

 

「なあ、どっかで打ち上げ的なのしたくね?」

「打ち上げ?」

「ほら、俺らもうすぐ二年生になるしさ。それも兼ねて」

「いいじゃん。上鳴にしてはいい事言うね」

「へへへ……って、それ褒めてる?」

 

 

 打ち上げか。いいなそれ。やるにしても寮の中でやることになると思うけど、俺もそういうのは好きだ。

 

 あ、でも謹慎ボーイズどうするよ?

 

 

「そこはほら、初除籍記念?」

「殺されんぞお前」

「爆豪相手にそれ言えたら大したものだよ」

 

 

 命知らずかお前。【榴弾砲着弾】飛んでくるからやめとけ。

 

 

 

 

 ……そういや青山も昨日から見ないんだよな。何してんだろ?

 

 

 






会長「やれ」
部下A「はい」
AFO因子「あの」

会長「やれ」
部下B「うっす」
AFO因子「ちょっ」

会長「お願いします」
エンデヴァー「了解した」
AFO因子「」


爆豪「」
緑谷「」
轟「(´・ω・`)」
切島「轟だけなんか違くね?」
瀬呂「やめろその顔w」


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