Q.スパイにばれなかったの?
A.治療能力は知ってるけどオールマイトの怪我の件は把握してないから普通の治療能力程度の認識。だからAFOも【超再生】より下だと思ってる。
Q.冬美さんルートだと【メドローア】いける?
A.いける。最終的にオールマイト以上の超火力をエンデヴァー以上の精密さで撃って来るので"戦闘力においては"最強のヒーローになる。
Q.【魔法】の効果知ってたら奪いに行く?
A.全部放り出して奪いにいって【⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎】で酷い目にあって終わる。
29.テスト前の何とも言えない焦燥感
時は流れ六月最終週。大人にとっては洗濯物が乾かないとか熱中症とかが心配になっている頃。
学生にも学生なりの悩みがある。まさに彼らA組にも期末テストという学生の本業が一週間もしないうちに訪れるのだ。
「全く勉強してね───!!!」
「あっはっはっは!!」
見るがいい哀れにも現実を直視してしまった彼らを。頭を抱えて悲痛な叫び声をあげる
中間テストはまだよかった。入学したてで範囲が狭く、特にテスト対策をせずとも赤点になるほどの難易度ではなかった。
しかし期末テストは違う。体育祭や職場体験が重なった為に勉強時間の確保が難しく、範囲も中間テストより広い。そして何より───
「演習試験もあるのが辛ぇとこだよな……」
「あんたは同族だと思ってた!」
「お前みたいな奴はバカではじめて愛嬌が出るんだろうが……! どこに需要あんだよ……!?」
「"世界"……かな」
「「ムカつく!」」
……ありもしない平行世界を見ている
もし期末テストの筆記か演習のどちらかで赤点を取ってしまった場合、補習地獄が待ち受けている。
これが単なる補習であればまだいい。いやよくはないけど。問題はその先……期末テストの後には夏休みの林間合宿があるということ。
『期末テストで合格点に満たなかった奴は……学校で補習地獄だ』
と、この通り相澤から念入りに脅されている。
一応、相澤は時々合理的虚偽だなんだと言って先に宣言していたことを覆すこともあるのだけれども。生徒の彼らからすればどれが合理的虚偽になるかなんてわかりやしない。
結局彼らにできることはどっちであっても大丈夫なよう、赤点を取らない努力をしておくしかないのだ。
「が、頑張ろうよ! やっぱ全員で林間合宿行きたいもん! ね!」
「うむ!」
「普通に授業受けてりゃ赤点は出ねえだろ?」
「言葉には気をつけろ!!」
その様子を見かねた
「お二人とも……座学なら私がお力添えできるかもしれません」
「「ヤオモモ───!!!」」
「演習の方は自信が持てませんが……」
学年一位の救世主降臨。今この時ばかりはオールマイトやエンデヴァーよりも頼もしいヒーローかもしれない。最終的には自分次第になることを忘れてないだろうか?
だが八百万が教えてくれる、という言葉は他の皆にも聞こえていた。どこか自信なさげな自虐的な笑みを浮かべていた彼女に数人が声をあげた。
「お二人じゃないけどウチもいいかな? 二次関数ちょっと応用つまずいちゃってて……」
「わりィ俺も! 八百万古文わかる?」
「できれば俺もいいかな?」
「え、え? …………良いデストモ!!」
上から順に
「この人徳の差よ……」
「俺もあるわテメェ……教え殺したろか」
「おお! 頼む!」
その影でひっそりと
しかし耳郎が頼るならば
「俺、放課後に相澤先生と訓練してる時に勉強見てもらってたから……」
「何それ面白そう。どんな感じなの?」
「めっちゃ普通。一対一で一つずつ予習復習してるだけだし」
「そんなことしてたの? いいなー」
尚、その時間は心操がヒーロー科編入に向けての勉強に付き合っているのが大半だったり。心操の特訓に付き合っている特権というヤツだろう。
だが忘れてはいけない。期末テストに頭を悩ませている彼らだが、そもそも雄英高校ヒーロー科という日本トップクラスのエリート高校生であることを。
成績最下位の上鳴ですら他所の普通の高校では上位層に位置するくらいには勉強ができたりするのだ。
そんな彼らが必死こいて勉強しなきゃいけない内容を、普通科で過ごしていた心操が追いつこうとすればどうなるのか?
「おーい……おーい……? ダメだ起きない」
「先生ダメみたいです。心操くん起きません」
「……マイク先生呼んでこようかな?」
「まずいマジで起きろ心操! 鼓膜と一生のお別れをすることになるぞ!」
「ぅ…………zzz……」
休み時間になった直後に寝落ちし、次の授業が始まってからも目を覚まさなくなっていた。
この後プレゼントマイクが滅茶苦茶シャウトした。
◇
今日も今日とて昼休みの時間だ。なんか普通科でプレゼントマイク先生がクソデカシャウト決めてたらしいけど何があったんだろうか。
さっきの事もあって話題は期末テストについて。緑谷も言っているが普通科目は授業の範囲内からでどうとでもなるんだけど、演習試験についてがなんの説明もないから怖い。
「突飛なことはしないと思うが……」
「普通科目はまだなんとかなるんやな……」
飯田もこの通り。何か
「一学期でやった事の総合的内容……」
「とだけしか教えてくれないんだもの相澤先生」
「戦闘訓練と救助訓練……あとはほぼ基礎トレだよね?」
「職場体験……は個人によるから違うかな」
試験勉強と演習に向けてのトレーニングもしなきゃならないとなるとやる事が多くて困る。【ホイミ】の回復がなかったらもっと悩んでたかもしれん。
「あイタ!?」
「ん? どした緑谷。【ホイミ】いるか?」
いきなり緑谷が悲鳴をあげた。どした? とりあえず【ホイミ】で治してやろう。
「ああごめん。頭が大きいからあたってしまった」
「B組の! えっと……物間君! よくも!」
「待て何だそのワイングラス。中身酒じゃねェだろうな」
「そんなわけないだろう!? 学食なんだから! 飲み物をお任せしたら何故かこれで出てきたんだよ!」
ランチラッシュさん何してんの。あとお前も困ってたんかい。
物間は一度わざとらしく咳払いをすると、見下すように目を細めて口角を吊り上げて話し始めた。
「ふん……君らヒーロー殺しに遭遇したんだってね?」
「ん? ああ」
「体育祭に続いて注目を浴びる要素ばかり増えていくねA組って。ただその注目って決して期待値とかじゃなくてトラブルを引きつける的なものだよね」
「!?」
なんだコイツ。いや言いたいことは分からんでもないけど。本当になんだコイツ。
「あー怖い! いつか君達が呼ぶトラブルに巻き込まれて僕らにまで被害が及ぶかのしれないなあ! ああ怖──ひゅっ!」
「シャレにならん。インゲニウムの件知らんの?」
「あ、拳藤さん」
「首トンだー!」
なんという早業。首トンしつつ飯が乗ったお盆を迅速に回収しおった。前から思ってたけど凄いねそれ。
拳藤さん曰く物間はちょっと心がアレなんだそうだ。まあ見ればわかる。
すると先程までの会話を聞いていたのか、少し申し訳なさそうに「お詫びと言っちゃなんだけど」と話を切り出した。
「期末の演習試験、入試の時みたいな対ロボットの実戦演習らしいよ」
「え、本当!? 何で知ってるの!?」
「ちょっとズルだけど、私先輩に知り合いいるから聞いてみたんだ」
あー……そういう方法があったか。思えば先輩を頼るって考え自体なかったな。情報収集もヒーローの能力として必要なものなんだからもっと考えるべきだった。
でも対ロボットかあ。思ってたより緩いのな。入試の時とまんま同じ形式なら不安が残るが、ただロボットを倒せってだけならなんとかなるだろう。
……でも何でだろう。相澤先生がそんな温い試験で済ませるはずがないという変な信頼がある。実はその辺フェイクの情報をばら蒔いてますとかそういうパターンだったりしない?
「バカなのかい拳藤……せっかくの情報アドバンテージを! ココこそ憎きA組を出し抜くチャンスだったんだ……」
「憎くはないっつーの」
それはそれとして物間は何なんだ。アイツから恨みを買うようなことをした覚えはないんだが。
◇
そして演習試験当日。コスチュームへと着替えたA組の前には同じくコスチュームを着込んだ教師達が立っていた。
「それじゃあ演習試験を始めていく。この試験でももちろん赤点はある。林間合宿行きたけりゃみっともねえヘマはすんなよ」
はて、何故こんなに教師が揃っているのだろうか。試験監督というには多すぎやしないか? と疑問はあれど先輩という信用しかない出処から試験内容を聞いている。気のせいだろうと切り捨てて話を聞くことにした。
それは相澤も想定内だったようで、何をするかは調べているだろうという前提で話し始めた。
「残念! 諸事情あって今回から内容を変更しちゃうのさ!」
「校長先生!?」
「何故相澤先生の捕縛布から出てきたんだ……?」
ただし校長がな。何してんの校長。
実は職員会議にて敵の活性化が議題となっていた。
入試したばかりの生徒らを敵連合が襲撃し、ヒーロー殺しの思想にあてられた者が動き始めている。これからの敵は現状より強く凶悪な者が増えるだろうと予想されている。
そうなると決められた動きしかできないロボットとの戦闘訓練は実戦的とは言い難い。
そもそもあのロボットは『入学試験という場で人に危害を加えるのか』というクレーム回避の為のもの。
対人戦闘を見据えるのならばより実戦に近い、まさに対人戦闘そのものを行うべきだ。
そういった理由により演習試験は変更された。
「諸君らにはこれから
「先生方と……!?」
「ペアの組と対戦する教師は既に決定済み。動きの傾向や成績に親密度……諸々の条件を考慮した上で独断で組ませてもらった」
そうして組と対戦相手が発表されていく。しかし一つ、あることがひっかかっていた。
「あの……二人一組だとまた一人余りません? また三人組のチームがひとつできるんです?」
「その事なんだが……」
森岸がおそるおそる尋ねると、相澤は頭を掻きながら困ったように口を開いた。
「……お前に関しては誰と組ませても、誰と戦わせてもどうにかするだろうという話になってな」
「……まさか不戦勝ですか?」
「流石にそれはない。お前の演習試験は最後に回すというだけだ。それまではリカバリーガールと共に待機しててくれ」
まさかの後回し。コスチュームに着替えて準備万端で出てきてこの扱いである。
嘘だろ!? と愕然としているが相澤としてもどうしようもない。それだけ森岸の【魔法】は対応が難しいのだから。
「それじゃあ移動しろ。時間が勿体ない、学内バスに速やかに乗れ」
「な、納得がいかねェ……!」
こうして1名を除いたA組達の期末テストが始まった。
上鳴「【インテ】で頭良くならない!?」
森岸「解けた瞬間滅茶苦茶頭痛くなるからやめた方がいい」
芦戸「試したんだ」
森岸「試すっていうかいつもやってる。頭痛と引き換えに時間短縮できるから」
二人「「ええ……?」」
耳郎「家で勉強してた時に鼻血出してたのそれか!」
相澤「ちょっと話がある」
森岸「やっべ失言」