魔法って言うならもっとこう……あるだろう!?   作:南亭骨帯

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 感想貰えたわーい。
 お気に入りも24件もらえたー。
 評価も☆9が二つ……二つ!? ☆7もあるやんけ!?

 ってなりました。ありがとござます。





3.さては初日がアレだっただけかこれ

 

 

 

 初日こそ色々とアレだった雄英高校。流石にあれだけ突飛な事が毎日続くわけではないようで、その翌日は想像よりもずっとまともな授業だった。強いて言えばプレゼントマイクがやたらうるさかったりするくらい。

 

 とはいえまだ二日目。新しい友達ができた、と言うには少々距離が離れているし付き合いも浅い。どこかで一度クラス全体で自己紹介をする時間とか取って欲しいなとか思ってたんですが。

 

 

「む、丁度よかった。今君の個性について考察していたところでな」

「よかったら一緒にご飯食べない!?」

「……そっちの緑谷、くんは?」

「え、あ、えと、僕も知りたいかな、って……」

「……いい?」

「いいんじゃない?」

 

 

 メガネ君──飯田の方から声をかけられました。緑谷……お前説明会で詰められてたと思うんだが仲良くなってたのか。

 

 で、声をかけられた理由は俺の個性を予想していたものの、まったく答えが出そうになかったから本人に聞こうということらしい。

 体育祭の事とか考えるとまだ秘密にしておきたいけど……まあバレたところでどうしようもないしいいか。

 

 ちなみに隣には響香もいる。昨日の時点で学食の存在を把握していたので『一回行ってみようぜ!』的な約束をしていた。

 

 

「あー……俺の個性なんだが【魔法】って言ってな?」

「【魔法】……?」

「名前だけ聞いたらそうなるよねー」

「俺もそう思う。んでどういう個性かっていうと……」

 

 

 凄くザックリまとめると"呪文を唱えて望んだ現象を引き起こす個性"だ。

 

 ちょっと細かく説明すると、俺は【魔法】を発動する為の目に見えないエネルギー……適当に『魔力』と呼んでいるものを持っている。

 

 で、その魔力を変換して望んだ効果を引き出す必要があるのだが、その変換する際に必要なのが呪文。これを唱えないと【魔法】を使うことはできない。

 

 

「一つの呪文では一つ分の効果しかないし、複数人に使う場合は一人ずつかけなきゃならねェしで微妙に使いにくいんだよな」

「では、実技試験や個性把握テストの時はどんな魔法を使っていたんだ?」

「あの時は……パワー強化の【バイキルト】とスピード強化の【ピオラ】と、あと防御力を上げる【スカラ】だったっけ。個性把握テストん時は前二つだけな」

「十分凄くない!?」

 

 

 うん、凄いは凄いよ? ただ無い物ねだりと言いますか、俺の理想像とは方向性が違うよなーってだけで。

 

 

 それに、今羅列した【強化魔法】とは別に【回復魔法】もある。

 

 骨折くらいまでなら一回で治せる【ホイミ】と、ちぎれた手足をくっつけ治したりできるレベルの【ベホイミ】、そしてまだ未完成だけど時間経過で回復し続ける【リホイミ】とか。

 

 

 本当ならそうした【強化魔法】や【回復魔法】で後方支援するのが一番いいんだろうけど……俺の心情を抜きにしてもそれができない理由がある。

 

 

「唯一の欠点は『視界内にいる対象にしか使えない』ってところがな……」

「遠隔は無理なのか」

「あー無理無理。詠士も前に何度か試してたけどうんともすんとも言わなかったから」

「残念ながらね」

 

 

 しかも見えてても離れすぎてると使えない始末。多分俺を中心に半径50メートル内にいないと無理。

 

 

 

「そういえば攻撃できる【魔法】とかないん?」

「………………ない」

「え?」

「あー……詠士の【魔法】さ、全部【補助魔法】なんだよ」

「何? そうなのか?」

「うん、昔っからそう。一時はヤケになってトレーニング狂いになってたくらい」

 

 

 ……麗日さん。時に真実は残酷なまでに人を傷つけるんだぜ。あと響香、サラッと黒歴史をバラすんじゃあない。

 

 

 そうだよクソッタレめ。どんだけ念じてもどんだけ呪文を並べても火の粉一つ静電気一つ起こせやしない。何でもできそうなのに何でもはできない半端者だよ。

 

 何がムカつくって、使える【魔法】自体はちゃんと強い事だよ。無駄に期待持たせやがって。

 

 

 

「で、でも凄い個性だと思うよ! 実技試験の時も結構重傷だったのにすぐ治ったし! それに個性把握テストの記録も上の方だったし……あれ? そうなると持続時間とかどうなんだろう? 目に見えないエネルギーを変換して強化してるし使い過ぎると身体に負担があったりとか……いやでも森岸くんにそんな様子は見られなかった……なら──」

「なになになに!? いきなりどうした緑谷!?」

「あ、ご、ごめん! 昔からの癖でつい……」

 

 

 こえーよ。

 

 でもちょっと面白かったな。何か不思議な個性とか教えたらこうなるのか?

 

 

 って、いけね。そろそろ昼休み終わるじゃん。昼からは確かヒーロー基礎学だったっけ?何やるか楽しみだし早めに戻っとくか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「わーたーしーがー!!」

 

「普通にドアから来た!」

 

 

 意外ッ! それはオールマイトッ!

 

 

 はい。

 

 

 オールマイト。それはこのヒーロー飽和社会ともされる現代において長らくNo.1ヒーローとして君臨し続けている超ド級のフィジカルモンスターを指す。

 

 大災害が起こった日にたった一人で千人以上を救い出したり、パンチ一振りで天気をも変えてしまったり……少し乱暴な表現になるが正しく究極の脳筋とでも言うべき存在だ。

 

 そんな彼が何故雄英にいるのかは知らないが、今年度から教壇に立つことだけは聞いていた。何と俺達は入学二日目にしてオールマイトの授業を受けられるようだ。やったぜ。

 

 

「早速だが今日はコレ! 戦闘訓練!!!」

 

「そしてそいつに伴って……こちら!!」

 

 

 いきなり戦闘訓練ってマジ? てか壁からなんか出てきて……番号が振られたロッカー?

 

 

「入学前に送ってもらった『個性届』と『要望』に沿ってあつらえた戦闘服(コスチューム)』!!」

 

「「「おおお!!!」」」

 

 

 あ、そっから出てくるんだ!? てっきり授与式的なのやるもんだと……いや相澤先生が『そんな無駄な時間作ると思うか?』とか言ってそうだなうん。

 

 何はともあれ着替えよう。要望通りなら重たい鎧みたいな戦闘服になってるはずだからな。着替えるのに時間がかかる。

 

 んじゃ俺の番号は20だからコレ……ん? なんか軽くね? ちょっと更衣室行く前に確認……。

 

 

 

 

 

「………………あれぇ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、詠士やっとき…………そんなんだっけ?」

 

 

 ……えー、早くも想定外です。

 

 材質まである程度指定して提出していた戦闘服案ですが、同封されていたメモにこう書かれてました。以下意訳した文章になります。

 

 

『こんなもん作ったら重すぎて動けなくなるぞ。つか仮に動けたとしても過剰過ぎるわ。どうしてもこれがイイというならプロデビューしてからにしときな?』

 

 

 ……とまあこんな風に言われまして。中に入ってた戦闘服も俺が求めていた鎧とかじゃなく布でできたものに変わってました。クソわよ。

 

 上下共にイエローのシャツとズボン。その上から空色のチュニックを着て腰周りと右肩から腰にかけてをベルトで固定。レザーブーツとレザーグローブ、それから銀の無骨なサークレットを着けたら最後に赤紫色のマントで完成。

 

 鎧の下に着る予定のデザインをちょっと弄って形にしてくれたのはまあいいんだけども。

 

 

「これはこれでいいけどなんか違う……」

「あー……似合ってる、よ?」

「アリガト……あ、響香のもわかっちゃいたけどいざ見るとオシャレだな。シンプルに纏まってていい感じ」

「でしょ?」

 

 

 なんか違う感は拭えないんだぜ響香ちゃん……ポ〇モンはポ〇モンでもスカーレットとバイオレットじゃ違う的なアレだ……。

 

 ちなみに響香は要望通りっぽい。丈の短いレザージャケットとスピーカーらしき機構が見られるブーツ。それ以外はデザイナー任せかな? シンプルかつオシャレでいいね。

 

 

 他の人達も個性派揃い。半身を氷みたいなもので被ってる男子とかパツパツの宇宙服みたいな女子とか全身フルアーマーの飯田とか……って、あれが許されて俺のは何でダメだったんだよ! あれがいいならいいだろ!

 

 お、まだ一人残って……あの、緑谷さん? その頭の角らしきパーツは何? あとこう、あんまり言うのもあれだけどジャージっぽく見えるんですが。

 

 

「始めようか有精卵共!戦闘訓練のお時間だ!」

 

 

 おっともう始まるのか。とりあえず話を聞こう。

 

 

 今回行うのは屋内での対人戦闘訓練だそうだ。

 

 よくニュースになるヴィラン事件は屋外で行われていることが多いが、その実統計で見ると屋内の方が凶悪なヴィランの出現率は高いらしい。

 

 言われてみれば力を誇示する阿呆はすぐに鎮圧されて終いだが、誘拐や監禁だったり裏商売だったりと水面下で活動するヴィランの方がヤバそうだ。

 

 それを意識し、今回は『ヴィラン組』と『ヒーロー組』に分かれて2対2(・・・)の屋内戦をすると…………あれ?

 

 

「そういや……21人(・・・)いません?」

「あれ? ほんとだ」

「1クラス20人じゃなかったっけ?」

 

 

 確か募集要項にもそんな風に書かれていたはずなんだが、今この場にいる生徒は21人。通常より1人多い。今更気づいたのかって?余裕がなくて言及できなかったんだよ。

 

 当然疑問に答えて欲しい俺達の視線はオールマイトに向かう。するとオールマイトもその雰囲気を察したのか、気まずそうに頭をかきながら答えた。

 

 

「えっとね? 今回の新入生、3人も同点がいたんだよ。それで教師達の間でも対応に悩んで……それならいっそ3人とも入れちゃえ! ってことになって……」

「いいんすかそれ!?」

「いつもならこうはならないらしいんだけどね? 今回はその、筆記試験まで含めての同率だったものだから……」

 

 

 ……そりゃ悩むわ。あの実技試験と筆記試験含めてまったく同じ点数とかそうそうないだろうしな。あったとしても面接なりなんなりでまた絞れそうだけど……その辺も似たりよったり? そっかあ……。

 

 

 それはさておき。

 

 

 状況設定はヴィランが『核兵器』をアジトに隠していて、ヒーローはそれを処理しようとしているというもの。アメリカンな設定だな。

 

 ヒーローは制限時間内に『ヴィラン』か『核兵器』を確保するのが勝利条件。

 ヴィランは制限時間まで『核兵器』を守るか『ヒーロー』を捕縛するのが勝利条件となる。

 

 また互いに相手を確保する場合は確保証明のテープを巻き付ければそれでOKらしい。

 

 

「コンビ、及び対戦相手はクジで決める! あ、一組だけ3人になるけどその場合は2人が確保された時点で負けになるからね!」

「はい!」

 

 

 俺の味方は誰になるかな。できればわかりやすい強みがある人と組めるといいんだけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

「よろしくお願いしますわ」

「雄英最高じゃね?」

 

 

 

 ……んー、3人組かあ。えーと八百万さん? と、峰田くん、ね。よろしくね。

 

 






 【元ネタ解説コーナー】

・ホイミ、ベホイミ

 HPを回復する呪文。ベホイミはホイミの上位互換。これが使える頃はMPを攻撃に回した方が早いので大体『やくそう』か『上やくそう』に出番を取られがち。
 モンスターズや最近の本編作品では使用者のステータスによって効果が上昇したりする。でも最終的にもう1つ上の呪文に負ける。


・リホイミ

 所謂リジェネ呪文。しばらくの間ターン終了時か行動後に回復するようになる。本編だと10、11、HDリメイクの1と2で登場。多分あんまり使う人いない。
 本作品で使うことはないがモンスターズには似たような呪文として【リザオラル】というものがあり、死んだ瞬間に蘇生させる時限発動するもの。対戦環境をイカれさせた有名な呪文。


 森岸が提出した要望にあった戦闘服はぶっちゃけ【ロトシリーズ装備一式】そのまま。重さやら機能性やらで却下された。代わりに渡されたのがドラクエⅢの男勇者の服。防刃性や耐火性やらで滅茶苦茶優秀。

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