Q.謹慎期間原作より延びてる?
A.オールマイトを引退させた負い目等の一部理由が消えて「つまり八つ当たりかよ」的な扱いになった為、一日だけ延びた。
Q.爆豪の精神的成長少し減ってない?
A.少し減った。その代わり訓練内容がハードモードになってるので肉体的成長は原作より上。どこかで勝手に帳尻が合うと思われる。
Q.あの二人手を繋いでたりする?
A.手は繋いでなかったけど部屋に戻る前に一回キスしてる。
58.インターンis何
始業式が終わればいつも通り。緑谷と爆豪のいない19名のA組は教室に戻ってホームルームのお時間。
本日は座学のみだが後期からはより厳しい訓練になっていくぞ、と忠告を飛ばして話は終わり……では少々納得できない言葉があった。
梅雨ちゃんが手を挙げ、直接相澤へと尋ねる。
「さっき始業式でお話に出てた"ヒーローインターン"ってどういうものか聞かせてもらえないかしら」
「そういや校長が何か言ってたな」
「先輩方の多くが取り組んでらっしゃるとか……」
"ヒーローインターン"。少なくともA組の誰も耳にした事の無い単語。壇上で校長が語っていた内容にあった、2、3年生が取り組んでいるという何か。
その名前から大方の予想はつくものの、実際の所はどうなのかと意欲的な視線が相澤に向けられる。
相澤は話すべきか迷っているように頭を搔いた後、先に話しておいた方が合理的だろうと説明を始めた。
「ヒーローインターンってのは平たく言うと『校外でのヒーロー活動』……以前行ったプロヒーローの下での職場体験の本格版だ」
「そんな制度が…………ん? じゃあ体育祭の頑張りは何だったんですか!?」
なるほど、と納得しかけたがまた疑問が増える。インターンがあったのならば体育祭のスカウトを貰う為に頑張ったのは何だったのかと。
プレミアムデラックスエディションを手に入れたと思ったらただのアーリーアクセス版でしかなかったみたいな気分だ。
しかし相澤はそれを否定。というのもヒーローインターンはその体育祭で得たスカウトを所謂コネとして使うのだと。
それにヒーローインターンは授業の一環として全員が行うものではなく、生徒が任意で行う活動。むしろ体育祭でのスカウトがない者は活動そのものが難しい。
「元々は各事務所が募集する形だったんだが、雄英生徒を引き入れる為のイザコザが多発してそういう形になったそうだ」
「……早とちりしてすみませんでした」
「わかったら座れ」
加えてもう一つ。ヒーロー仮免許がなければ本格的・長期的な活動の参加が難しい。
雄英であっても一年生時点での仮免取得は珍しい例であり、敵の活性化も相まって一年生のヒーローインターン参加は慎重にならざるを得ないのが現状である。
まとめると、そもそも本来は一年生が参加する事のない活動であり、参加条件は満たしているけれど参加できるかどうかはまだ分からない、と言った所だろうか。
「まあ体験談も含め後日ちゃんとした説明と今後の方針を話す。こっちの都合もあるんでな」
何にせよ今すぐどうこうできるものではない。相澤は話を切り上げると英語担当のプレゼントマイクと入れ替わるように教室を後にした。
◇
何だかんだで寮生活になってから何日経ったか。一人暮らし……じゃないな、集団生活だもんな。とにかく、親元を離れての生活だから多少の不安はあったが割と慣れるものだな。
授業が終わったら徒歩で帰寮。帰ってきてからも学校の友人達といるというのも最初のうちはもう少し新鮮だった。今は謹慎の二人が頑張ってるのを見て皆とヤジを飛ばすくらいには馴染んでしまった。
「あらあら爆豪クンこのホコリは何ですか?」
「そこデクだ! 俺じゃねえザケンな!」
「さっさとおしシンデレラ」
「ぶっ殺すぞ!」
でもあんまり弄ると手出るだろうから適度なところで止めとけ。そろそろ危ういぞ。
謹慎弄りはさておき、何か今日の授業はやたらと難易度が高かった。当然のように授業で扱っていない文法が出てきたものだから皆時々フリーズしてた。
確かに相澤先生も後期からの訓練は厳しくなるとは言っていたけど、まさか座学の方も難易度が上がっているとは。また少ししたらヤオモモの勉強会とか開いた方がいいのかもな。
それと、やっぱり気になるのはインターンの件。スカウトを貰えなかった人は勿論のこと、スカウトを貰っていた人でもインターンを受け入れて貰えるかはまた別の話。ミルコは多分受け入れてくれるとは思うんだが……。
「職場体験、詠士はどこ行ってたっけ?」
「ミルコんとこ。でもインターンは違う所行きたいからどうすっかなあ……」
「違う所?」
職場体験の時は俺が全部やる、自分一人で戦う力が欲しくてミルコを選んだ。でも今は少し違う。俺一人じゃなくて皆で戦える力が欲しい。
そうなるとサイドキックを持たないミルコはちょっと参考にならないというか、俺が学びたいものを持ってないというか……理想とは異なるスタイルだから別の事務所がいい、という俺の我儘だ。
「そういう響香は?」
「職場体験の時と同じギャングオルカの所に行こうと思ってたんだけど……ほら、仮免試験に出てたじゃん? もしかしたら仮免補講の方で忙しいのかもって」
「ああ、行きたいけど時期が悪い的な……」
言われてみればそういうパターンもあるのか。受け入れることはできるけどタイミングが悪い、と。
ああ、仮免試験の時にギャングオルカが言ってたのはそれか。試験後に『あの稚魚は元気か』と聞かれて返事に困った。どの稚魚だよと思ってたが響香のことだったんかい。
インターン先に関しては体育祭の時にスカウトくれた事務所のリストを確かめれば一つか二つくらいは受け入れてくれるだろう。こんなんでも俺体育祭優勝してるし。五千くらいスカウト来てたし。
問題はその中に俺が行きたい所があるかって話。サイドキック多めで本人も強くて……となるとどうしても上位層に限られてくる。
それかプッシーキャッツみたいなチームの事務所。こっちは更に少ないけどないわけではないのでそちらも候補として考えておこう。
「まあ最終的には相澤先生の許可待ちになるんだろうけど」
「やっぱそうだよねえ……」
「インターン先どころかまず参加すらできな……っと、電話だ」
何だ? 仮免試験の時に連絡先交換した人達の誰かか……って、ナガンさん? ナガンさんから電話が来るとは珍しい。また被身子ちゃんが血吸いたくなったのかな。
「はいもしもし?」
『もしもし……元気そうだな』
「今日は訓練はなかったんで体力が有り余ってるだけですよ。どうしたんです?」
ナガンさんが電話をかけてくる時は主に二つ。被身子ちゃんが血を吸いたくて駄々を捏ねているか、少し真面目な話をするか。
この雰囲気だと恐らく後者。長くなりそうだし自室に戻りながら話すか。
『色々話はあるが……まずは仮免取得おめでとう。まさか一年生で取るとは思わなかったぞ』
「あれ? 見てたんですか?」
『
「……個人情報の扱いとかどうなってるんですかねあの鳥」
今はあんまり公安と関わりたくないって言ってたナガンさんがどこで知ったのかと思えば鳥かよ。スカウト来てたし、俺に目をつけてただけかもしれんがそれはどうなんだ。
燈矢と被身子ちゃんがプロヒーロー免許取ったのは去年だっけ? そっちの方が凄くないかと思ったが、ナガンさん達によると『半分はコネみたいなもの』って言ってたっけ。今思うといいのかそれ。
今回は俺が仮免を取得した事だし、全寮制になってなかったらお祝いにどこか美味しい店に連れて行ってやりたかったと言ってくれた。あら嬉しい。
『後輩も似たような事を言っていたよ。いい店を知ってるってさ』
「相澤先生に外泊申請書持っていこうかな……」
『ハハッ、やめとけ。全寮制に移行したばっかりだろ』
「えー……トッププロが見つけたいい店行ってみたいんですけどー……」
『それはまた今度だな。それで……仮免を取ったんならインターン、行けるようになったんだろ?』
あー……そういう。仮免取得したからうちにインターン来いよってお誘いでしたか。
「それがまだ微妙なんですよね。一年の仮免取得は前例が少ないとか、敵の活性化があるからとかで」
『……まあ、そりゃそうか。仮免取ったからすぐインターン、とはいかないか』
どうも被身子ちゃんから聞かれたらしい。雄英のインターンでうちに来たりしないの? と。
また血が吸いたくなったのかと聞くと半分はそうらしく、もう半分は合宿の時の謝罪を改めて直接したいからだそうだ。別に気にしなくていいんだけどなあ。
それに後輩……ホークスも似たような状況らしい。燈矢が同じく合宿の時の事を謝罪したいんだとか。
……もう合宿の誘拐の件については後でまとめて対応します、じゃダメなんだろうか。この分だとプッシーキャッツからも何かありそうな気がしてきた。
ちょっと面倒だなと思っているとナガンさんが少し気恥しそうに続けた。
『それとは別に私も久しぶりに会いたかったんだが……ほら、体育祭は見てたがどうせなら直接会いたいだろ?』
「俺もうショタって見た目じゃないですよ」
『人をショタコンみたいに言うんじゃない。というかあの時の気の迷いは忘れろ。忘れてくれマジで』
「いや流石に無理です。下手しなくても半分くらい未成年淫行みたいなことされて忘れろって方が無理です」
『くっ……あの時の私はどれほど血迷っていたんだ……!』
アレなあ……今でもちょっとどうかと思う。
その時の俺は中学一年生。ナガンさんは公安からの指令を受けたとかで俺をスカウトに来てたんだが、俺と直接会った時に『こんな子供を公安に引き入れろと? 本気か?』となったらしい。
どうも当時のナガンさんは色々あって心身ともに擦り切れそうになっていたらしく、いざ声をかけてみたらあまりにも普通の子供過ぎて罪悪感に押し潰されそうになったんだとか。
それがキッカケに全てが嫌になったのかナガンさんは公安直属の立場を捨てて一般ヒーローとして活動再開。しばらく経って夏休みの頃にまた会うことがあったんだが……。
「まさか事務所まで連れて行かれて抱き枕代わりにされるとは思わないじゃないですか」
『頼むから忘れてくれよ……あの時はもう何か全部駄目だったんだよ……』
何か死ぬほど疲れてたから【ホイミ】あげたら泣きそうな顔になって連れて行かれたんだよね。その先で抱き枕みたいにされてそのまま寝落ちされたし。
曰く『疲れきったところに純粋に優しくされてみろ。今時の社会人なら誰でも同じことをするぞ』だそうだ。してたまるかそんな事。
今もそうだけど思春期真っ只中の男子。それが皆の憧れの女性ヒーローに抱きしめられたんだぞ。そりゃもう色んな意味でヤバかった。何か柔らかかったしいい匂いしたしで眠れるはずもなく。
気がついたら数時間経ってて滅茶苦茶焦った。その頃には遅くまで走り込みとかするのが日課になってたから特に何も言われなかったけど、家に帰るまで気が気じゃなかった。
『ま、まあとにかくだ。インターンが始まったらうちの事務所も候補として考えてくれ。できればでいいからな』
「とりあえずホークスよりは優先的に考えておきますね」
『……私が言うのも何だが、アイツ随分と嫌われてるなあ』
ホークスそのものはそこまで嫌いじゃないですよ。その後ろにいる公安にいい思い出がないってだけなんで。
そこまで話すと電話は切れた。インターン先にレディ・ナガン事務所か。無くはないけど……まあ言われた通りに候補に入れておくくらいに考えよう。
あーあ、どっかいないかなあ。サイドキック多めかチーム組んでるトップクラスのプロヒーロー……?
「これ、エンデヴァー事務所ピッタリじゃないか?」
ナガン(目を覚まさせてくれたお礼が言いたい)
森岸「何か疲れてます?【ホイミ】」
ナガン「あっあっ……もうヤダ疲れた……」
森岸「うわ何をするやめ」
ナガン「( ˘ω˘ ) スヤァ…」
森岸「ええ……?」
森岸「やーいショタコンスナイパー」
ナガン「ぐぬぬ……」
森岸「ざぁこざぁこ♡メンタルボロボロ♡しっかり休んで♡」
ナガン「おいやめろどこで覚えたそんなの」
森岸「そう言う割には目が怖いんですがあの」
ナガン「わからせたくなるからやめろ」
森岸「ヒエッ」