前回の感想欄「緑谷と爆豪がキスしたのかと……」
(눈_눈)……?
(゚д゚) !!
言われるまで気づかなかった……。
ただ訂正するのも何か勿体ないので前回の前書きに雑に文章追加しておきました。
Q.で、先ぱ……ナガンさんはショタコンなの?
A.ショタコンではない。でも【ホイミ】の気持ちよさが忘れられなくてちょくちょく会いたがっている。
Q.添い寝の件は耳郎ちゃん知ってるの?
A.知ってる。森岸がこっそり話した。その日の晩は一緒に寝てたらしい。
Q.ぶっちゃけヒロインだったりする?
A.もうちょい歳が近かったらとっくに食ってたとの事。今のナガンさんから見た森岸は私が
Q.後輩どこ行ったか知らないか?
A.あっちの方に行きました……。
夏休みが終わってから三日後。緑谷があと一日、爆豪が二日で戻ってくるという頃。
始業式の日からインターンの話がされることはなく、A組も後期の授業や訓練に必死で半ば頭から抜け落ちた今日。相澤は朝のホームルームをこう切り出した。
「本当は二人が戻ってきてからするつもりだったが……本格的にインターンについて話していこう」
「お、来たァ!」
「結局できるのかしら」
「その前に……入っておいで」
ようやくか、と沸き立ったのも束の間。相澤は教室の入口の方へと声をかけた。
インターン担当の先生がいるのかとも思ったが、相澤の話し方から見るにおそらく大人ではない。なら一体誰が来ているのか。
疑問符を浮かべるA組にこう続ける。インターンがどういうものか、職場体験とどういう違いがあるのか。直に経験している人間から話してもらう、と。
「多忙な中都合を合わせてくれたんだ。心して聞くように。現雄英生の中でもトップに君臨する3年生3名───」
そうして教室に入ってきたのは3人の雄英生。
つぶらな瞳に丸い鼻と愛嬌のある顔立ちながら首から下はまるで別人のように鍛え上げられている男子。
膝まで伸びた空色の髪を揺らし、ニコニコと微笑んでいるどこか浮世離れしたような女子。
やや猫背気味で伸びっぱなしの黒髪の奥から鋭い目付きを覗かせている男子。
「通称ビッグ3の皆だ」
「雄英生のトップ……!?」
「あの人達が……! そういう人がいるとは聞いてたけど……!」
しかし一部、去年の体育祭を覚えている者にはまだ疑問が残っている。
去年の体育祭二年生の部において彼らは表彰台に立っていなかった。それどころか記憶に残るほどの活躍をしていたわけでもなかった。
現雄英生最強と言うにはあまりにも見覚えがなく、同級生と比較して飛び抜けた何かを持っているようには見えなかった。
本当にそんな凄い人達なのか? と疑問の視線が集まる中、相澤が天喰から自己紹介をしてくれと猫背気味の男子が呼ばれ……。
「っ…………!!」
「うおっ……!?」
ただの一睨みで全員が黙らされた。
まるで痺れが走るような一瞥は、その肩書きに相応しいだけの威圧感を放ってみせた──……の、だけども。
「……駄目だミリオ……波動さん」
「?」
「ジャガイモだと思って臨んでも……頭部以外が人間のままで依然人間にしか見えない……どうしたらいい……言葉が、出てこない……!」
「!?」
天喰は口を開いた途端、震えた声でそんな事を言い出した。挙げ句の果てには『頭が真っ白になって辛い、帰りたい』と言いながら全員に背を向けて黒板に頭を預ける始末。その見た目でその態度かよ。
雄英のヒーロー科トップだよね? と尾白が恐る恐る尋ねてみると、何故か天喰本人ではなく隣にいた女子が代わりに話し始めた。
「そういうのノミの心臓って言うんだって! ね! 人間なのにね! 不思議!」
「え……」
「彼はノミの天喰環! それで私が波動ねじれ。今日はインターンについて皆にお話してほしいと頼まれて来ました」
ああ、彼は変わり者で彼女……波動ねじれがマトモ枠か、と思ったのも束の間。真面目になりそうな雰囲気をねじれ自らがぶち壊した。
インターンの説明が始まると思われた瞬間、話題が突如彼女の前にいた障子への疑問に移る。
「けどしかし、ねえねえところで君は何でマスクを? 風邪? オシャレ?」
「これは昔に……」
「あら、あとあなた轟くんだよね!? ね!? 何でそんなところを火傷したの!?」
「……!? それは……」
それに障子が答える前にねじれの興味疑問は轟の火傷へ。そこからまた轟が答える前に芦戸の角、峰田の髪の毛に梅雨ちゃんはどのカエルなの? とまるで幼稚園児のように質問が移り変わっていく。
驚く間もなく質問対象が変わるものだから答えなど返ってくるはずもないが、ねじれは自身の興味が最優先なのかまるで気に留めていない。
先の天喰と正反対のような態度に困惑し、教室全体に何とも言えない空気が漂い始める。
流石にこれはどうなんだ、と思い始めたあたりで相澤も同じように思ったのか「合理性に欠くね?」と不機嫌そうに通形ミリオと呼ばれていた最後の一人を睨む。
これにはミリオも焦ったのか冷や汗をかきながら口を開いた。
「安心してください! 大トリは俺なんだよね!それじゃあ……前途──!!?」
……が、こちらもやや空回り。今この瞬間が初対面の相手にコーレスを要求するのはどうなんだろうか。
当然返事が返ってくるはずもなく、一瞬教室が静まり返った後にミリオは一人笑いながら話を続けた。
「多難ー! つってね! よォしツカミは大失敗だ!」
「ビッグ3という割には……なんか……」
「風格が感じられん……」
ああ、どうやら前途多難でコーレスをしたかったらしい。前途も何も今この空気が既に多難なんですがそれは。
「まあ何が何やらって顔してるよね。必修てわけでもないインターンの説明に突如現れた3年生だ。そりゃわけもないよね」
「本当にな……」
「それはごめんなさいですねイレイザーヘッド!」
良かった。自覚はあった。頭が痛そうな相澤の呟きにも頭を下げ、ミリオは気を取り直しA組全員を見回すととんでもないことを言い出した。
「一年から仮免取得……今年の一年生って凄く元気があるよね!」
「君たちまとめて俺と戦ってみようよ!!」
「「「…………え!?」」」
堂々たる1対19宣言。それも一人ずつなどではなくまとめて一度に。許可を求めるミリオに対し、相澤は目を細めて許可を出した。
◇
場所を移して体育館γ。通称TDL。
前の訓練で使っていたのか圧縮訓練の時のようなセメントの柱が複数残されており、模擬戦のフィールドとしては十分な状況。
そこに体操服に着替えたビッグ3とA組19名。乗り気でストレッチをしているミリオや好戦的なA組の中、瀬呂が困惑を隠しきれない顔で本当にやるのか? と尋ねた。
ミリオの返答は当然YES。彼から言い出した事であり丁寧なストレッチをする様はやる気十分と言ったところ。
しかしそれに異を唱える人物が一人。同じくビッグ3の天喰が壁の方を向いたまま忠告のように説得していた。
「やめた方がいい……皆が皆上昇志向に満ち満ちているわけじゃない。立ち直れなくなる子が出てはいけない……」
「あ、聞いて。知ってる。昔挫折しちゃってヒーロー諦めちゃって問題起こした子がいたんだよ! 知ってた!? 大変だよねえ。通形ちゃんと考えないと辛いよ。これは辛いよー」
その内容は無謀だ、とミリオを咎めるものではなくA組への心配からくるもの。暗に『A組の心を折る気か』とでも言いたげだ。
流石にそこまで言われると誰でもカチンとくる。いくら3年生とはいえそこまで下に見られる程弱いつもりはない。
怒り半分、困惑半分で切島が尋ねる。
「そんな心配されるほど……俺らザコに見えますか……?」
「いつどっからかかって来てもいいよね! 一番手は誰だ!?」
ミリオの返答は会話になっていないようで返答になっていた。
──いいから来やがれ、と。
なるほど、余程自信があるらしい。ミリオの挑発を受け取ったA組はそういうことならと遠慮を捨てた。
「だったら一番手は俺だァ!!」
「む!」
真っ先に仕掛けたのは会話をしていた切島。そこまで言われちゃ黙ってられないとばかりに全身を【硬化】させてミリオへと殴りかかった。
スピードこそないもののパワーと硬さが乗ったパンチは盾としても矛としても申し分ない。あたればそれなりのダメージが期待できる。
跳躍しながら叩き潰すように拳が振り抜かれ──
「なっ……!?」
「わ゙ぁぁぁあああ!!?」
──拳が身体を
避けられたとか防がれたのではなく、そもそも当たらない。完全に顔面を捉えたはずの拳が、跳躍していた切島の身体がまるでそこに何もなかったかのように通り抜けていった。
まさか瞬間移動。そう思い振り返ってみればミリオはそこに立ったまま。どこかに移動していた様子もなければ回避行動を取ったようにも見えない、棒立ちの状態。
そして何故か全裸になっていた。これには麗日お茶子も大絶叫。
当の本人は脱げてしまった事を詫びつつも動じた様子はなく、いきなり顔面を狙ってきたことを笑いながら賞賛していた。
その間にもA組の攻撃は止まらない。切島が仕掛けた時には構えていた遠距離攻撃可能な個性の一斉攻撃が放たれる。
氷や酸液、テープに音波とまともに食らえば切島でも危うい怒涛の攻撃。その場から飛び退いた切島に対し、やはりミリオは棒立ちのまま。
今度こそ、と思われたが煙が晴れたところにミリオの姿はなかった。
「どこに──」
「まずは遠距離持ちだよね!」
現れたのは後衛……遠距離攻撃を放ったメンバーの真後ろ。一体どういう個性なのか無数の攻撃を傷一つなくやり過ごし、一瞬でワープまでして見せた。
「すり抜けるだけじゃねえのかよ!? どんな強個性だよ!」
「あててみな、よっ!!」
「うぐっ!?」
「ん……?」
動揺した隙を見逃さない。まずは一番近くにいた耳郎の腹へとパンチを捩じ込んだ。
しかし違和感。まともに入ったしちゃんと効いている手応えがある。ある、のに倒れない。
多少の加減はしているとはいえ倒しきれない程加減したわけではない。見誤ったかと反省しつつ、次はその隣にいた瀬呂にも腹パンを打ち込む……が。
「ってェ!? この人滅茶苦茶強え!」
「あれェ!? 今年の一年生タフだなあ!」
こちらも倒れない。女子の耳郎よりも加減を薄めた強めの一撃だったのだが、顔を顰めてこそいるものの戦闘不能には程遠い。
想定外の打たれ強さに困惑しながらも手と足は止めない。ならば倒せる相手から倒していけばいいとばかりに手当り次第に遠距離攻撃のメンバーを殴ってまわる。
「……いや本当に硬いね!? 一通り殴ったけどまるで堪えてないじゃん! 何で!?」
「
「おわっ!? はっや……! 本当今年の一年生どうなってんだ!」
しかし誰一人としてノックアウトにならない。加減をやめて割と本気で殴ってるのに女子の一人すらも倒せない。なんなら殴った側の手が痛いまである。
これにはさしものミリオも動揺を隠せず、ほんの一瞬立ち止まったところに尾白の飛び蹴りが飛んで来るのを見て慌てて転がっていた。
驚いているのはミリオだけではない。外から見ていた天喰やねじれも同じ。初見殺しもあって瞬殺されるとばかり思っていただけにこの現状に目を見開いていた。
「な……耐えたのか……!?」
「ええー!? 何で何で!?」
数分と保たないと思われていた一年生の耐久力に愕然とし、興味深そうに見つめている二人。対して担任の相澤はただこう呟いた。
「森岸を不参加にさせた方がよかったな……」
ですよね。
耳郎「【魔法】あってもちょっと痛い」
瀬呂「あの人スゲーパワーだ……!」
森岸「大丈夫か?【ホイミ】いる?」
通形「いや硬すぎない? 同級生どころか敵もワンパンできるくらいでやったんだけど……?」
天喰「一年生怖い……」
ねじれ「すっごーい!」