Q.緑谷ってナガンからも指名来てなかった?
A.後出しで来たのもあって忘れてる。なんなら作者も忘れてた。すいませんでした。
Q.ヘドロってファブと重曹で何とかなるの?
A.獄中のAFO曰く「知らん……何それ……怖……」だそうです。
Q.ナイトアイの件原作と少し変わってる?
A.森岸の
週末。つまり土曜日。俺達学生にとっては貴重な休みの日。ミッドナイト先生風にいうならアオハル用の時間。
友達と遊んだり彼氏彼女とキャッキャウフフして今しかできない、味わえない時間を楽しむ為の日と言っても過言では無い。らしい。
でもそれは普通の学生の話。珍しく一年生時点で仮免を取ってたり敵活性化の真っ只中にいたりする俺達雄英生にそんな余裕あるはずもなく。
「おはようございますエンデヴァーさん」
「……ああ」
今現在この俺森岸詠士は某アニメ映画の主人公よろしく『ここで働かせてください!』と直談判をしに来ている。
相澤先生からヒーローインターンの話を聞いた日、俺は轟にすぐ相談を持ちかけた。
体育祭の後の職場体験のスカウトは頂いていたけれど、麗日さんや梅雨ちゃんが言っていたようにエンデヴァー側の都合が悪かったらどうしようもない。
その辺も含めて尋ねたところ物凄く嫌そうな表情で多分大丈夫との事。やったぜ。
にしても轟、エンデヴァーと何があったんだろうか。体育祭までは
その後すぐさまエンデヴァーに連絡してみたところ一度会って話をしてみてから考える、と。
話がトントン拍子に進んでラッキー。なんて思っているとふとある事を思い出した。ホークスが引き取った燈矢って確かエンデヴァーの子供だったって言ってたな。
気になるし何か教えてくれないかなーと軽い気持ちで電話をかけて──まあまあ重い過去が出てきた。
エンデヴァーは個性婚……子供により優れた個性を継がせる為の結婚をしていたらしく、轟を自身の後継者としてNo.1ヒーローにする為に酷い事をしていたという。
燈矢は最初こそ順調に育っていたものの、途中で自身の熱に耐えられないことが発覚してからはヒーローから遠ざけられ、それでもヒーローの夢を諦めきれなくて訓練を続けた結果山火事で焼死……した事になった。
そして燈矢がヒーローから遠ざけられて山火事が起きるまでの間、燈矢では不可能となったNo.1ヒーローになる素質を持った子供を求め続けて生まれたのが轟だった。
燈矢を犠牲にした──と思っている──以上、轟を何がなんでもNo.1ヒーローにしなければならないエンデヴァーは虐待も同然の過酷な訓練を轟に強いていたらしい。
「……で、何でその事を燈矢じゃなくてホークスが知ってるんだ?」
『後半はまだ伝えてないんだよ……というか話そうとしたら「聞いても俺にできることはないから」って聞こうともしないし』
「ええ……絶対燈矢がちょっと顔だすだけで多少は改善するだろ……?」
肝心の燈矢が知っているのは山火事が起こるまで。その後の話はホークスが公安に頼んで調べてもらったそうだ。
山火事の後は悲惨も悲惨。轟の訓練はますます過酷なものになり、我が子がそんな目にあっているのを見ていることしかできない母親はノイローゼ。轟の火傷の痕は母親によるものだったんだと。
つまり轟から見たらエンデヴァーは母親を追い詰めて壊した奴になる。そりゃあ憎みもするしそんな父親の
エンデヴァーからすればようやく実現した理想の個性を持っているのに、何で言うことを聞いてくれないんだ、と。いや聞くわけないってそんなん。
問題はその悲劇のキッカケとなった死人が生きてるって事なんだけども。聞いてるか燈矢。
一連の流れを聞いた感じどうも燈矢の死亡事故をキッカケに轟家が狂っていったように思う。それだけでは解決しない部分もあるだろうが、少なくとも今よりはずっとマシだったんじゃなかろうか。
インターンの話ししに行くんだけど教えていい? と聞いたら答えはNO。どうせ信じないし燈矢にも戻る気がないんだそうだ。
とまあそんなわけで、俺は目の前の現No.1ヒーローのヤベー裏側を隅々まで知った上でここにいる。うっかり口が滑らないようにしないと。
「……本来ならば焦凍を最優先にしたい所だが、どういうわけか焦凍は
「あ、それ聞いてますよ。何でも試したいことができたから多少なりとも形にしてからあなたに見せたいって」
「むぅ……それこそ俺を頼ればいいものを……!」
そうそう、その轟はというと何やら
エンデヴァーとしては轟こそ自分の手で育てたかったようだが、その轟がいないんじゃしょうがない。轟が来るまでの間は面倒を見てやると条件付きで許可を貰えた。
「ありがとうございます!」
「……俺としてもお前の個性には目を見張るものがある。強くなりたいのならまずはお前のことを教えろ」
「自己紹介ですか?」
「違う。お前が今できることと抱えている課題、そしてできるようになりたい事を言え」
ああ、そっちか。
まず今できることだが、これは一々説明すると長くなるので予め資料に纏めてきている。ので、こちらに目を通していただけると。
そんで課題。こっちは幾分か分かりやすい。というかこの為にエンデヴァーの所を尋ねたわけだし。
「今渡した資料にも記載していますが、俺の個性は自分以外を強化することもできます」
「……そのようだな」
「はい。なので俺自身が強くなるのは当然として、俺以外……サイドキックやチームアップでの効率的な思考力が欲しいんです」
俺の弱点というか欠点。それは物事を考える時にどうしても自己完結させてしまうという悪癖がある事。
【魔法】はその気になれば最強の個人を作り出せる個性だ。オールマイトがそうしていたように自分一人で全てを解決できるのならばそれでいいと
一人でできることには限界がある……なんてありふれた言葉じゃない。もっと単純。この超人社会では個性次第でオンリーワンの能力を持った人間がいくらでも現れる。
例えば俺がどれほど【魔法】を使っても響香みたいな聴覚は手に入らないし、どれだけ【魔法】を捏ねくり回しても峰田の【もぎもぎ】ほど優れた拘束力のあるものは作れない。
俺はどこまでいっても
だから俺以外。俺にはできないことをできる人間を俺が守る。それ以外を任せられる、指示できる力が欲しい。
「仲間の能力を100%活かす為の判断力、思考力を俺自身の強化と並行して身につけたいんです」
「……並列思考か。それを身につけたいと?」
「はい」
言語化上手いなエンデヴァー。そんな言葉あったわ。そう言えばよかった。
「先に言っておこう。それは基礎中の基礎だ」
「え?」
「救助、避難、そして撃退。ヒーローに求められる基本三項……通常は救助か撃退のどちらかを基本方針に事務所を構える」
最初の方の授業で習ったなそれ。エンデヴァーは撃退のイメージが強いが一応三項全部対応してたはず。神野の決戦の後に救助活動をしていたのも見た。
「管轄の街を知り尽くして僅かな異音も見逃さず、誰よりも早く現場に駆けつけて被害が拡大しないように
「はい!」
「お前の言う仲間の能力を100%活かすという目標はその延長線上にある。故に──」
「焦凍が来るまでのインターンの間、一度でも俺より早く敵を退治してみせろ。そこがお前の
それはまた……随分と難易度の高い、燃える課題を出してくれたもんだ。
いいぜ、やってやる。ガキの意地から抜け出した俺の目標の為にいくらでもやってやるよ。
「……ところでレックス」
「なんです?」
「この【魔法】について聞きたいんだが……」
ああそれか。最近完成した新しい【魔法】なんだが試したいけど試す機会が中々なくてまだおなじ人で一、二回くらいしか使っていないんだよね。
そうだ、エンデヴァーなら使えるはずだし試させてもらえないだろうか。
「…………卒業したらうちのサイドキックに来ないか?」
「いきなりどうしました?」
「給料はこのくらい出るぞ。福利厚生はこっちに書類が……」
「すんませーん。サイドキックの方来てくれません? エンデヴァーがおかしくなったんですけど」
突然どうしたエンデヴァー。札束で殴るような真似をしないでくれませんか?
◇
昨日森岸から電話が来て少し驚いた。
まさかホークスの所にインターンに来るのか!? と若干期待していたんだが、どうも違うらしかった。
森岸はお父さんの、エンデヴァーの所に行くつもりだった。それで焦凍に話を聞いたらしいが、どうにも焦凍の様子がおかしかったから何かあったのか聞きたくてかけてきたそうだ。
「……まああの時、お父さんもお母さんも俺もヤバい表情してたもんなあ」
今でも思い出す。焦凍が生まれてきた時の光景を。
いや誰が悪いのかと言えば俺とお父さんなんだけども。やっと理想の個性が生まれたって表情のお父さんと、これで終われるって感じの表情したお母さん。それを今にも死にそうなくらい絶望した顔で見てる
今思えばあれは嫉妬じゃなくて絶望だった。焦凍なんかどうでもよくてもう俺を見てくれたりはしないんだなあって感じの、悟りと諦めが混ざってグッチャグチャな感情だった。
……本音を言えば帰りたい。帰ってお父さんとお母さんを一発ずつぶん殴りたい。
俺にも落ち度はあったかもしれないけど、俺を産んだのはアンタらだろって。アンタらの子供なんだからちゃんと見てくれよって怒鳴ってやりたい。
でもそれをしたら今度こそ俺とお父さんを繋ぐものが無くなってしまう気がする。それ以上何もする事が無くなってしまいそうで、怖い。
「だって今でも皆のこと好きなんでしょ?」
「うげっ、いたのかよホークス」
「そりゃいるでしょ。ここ俺の事務所なんだもん」
「そりゃそーだ……」
聞かれて……たよなクソ。ニヤニヤしやがって。焼き鳥にしてやろうか。
ああそうだよ。今でも俺は皆のことが好きだよ。好きだからこそ、家族にしてやりたいことを残しておきたい。それがないともう二度と関われない気がして勇気が出ない。
でも、このままずっと何もしないままでいられるわけないよなあ。
どう足掻いても
そしてそれは皆も同じ。お父さんは俺を死なせてしまった事はもうどうしようもないし、お母さんの中では我が子を死なせてしまった後悔だけがずっと残り続けているはずだ。
……そろそろ年貢の納め時、か。
「なあホークス、俺がいなくなったあとの家ってどうなってたんだ?」
「……いいのか?」
「んー……いい加減逃げてばっかりってのもよくないよなあって」
もうダメだ。一度心配すると無限に心配になってくる。
俺がいなくなった家で焦凍はどんな目にあっていたのか、俺がいなくなった後のお母さんはどれほど自分を責めたのか。俺がいなくなった後のお父さんはどれだけ追い詰められてしまったのか。
夏くんも冬美ちゃんも元気にしてっかな。やっぱり俺の事嫌いになってるかもなあ。俺のせいで家ん中滅茶苦茶になっちまってるだろうしなあ。
「教えてくれよホークス。俺が逃げ続けてきた罪を、地獄を、全部」
「……わかった。少し長くなるけど、全部話すよ」
いやちょっと想像以上に酷くない???
「何してんだお父さん!? そうはならねえだろ!?」
「なってるんだよねえ……いやホントに」
ごめん皆! ちょっと今からお父さん殴りに帰ってくるから待ってて!
──エンデヴァーはまだ幼い轟焦凍を嘔吐する程厳しい訓練を行わせて何度も怪我をさせており……
燈矢( ゚д゚)
──精神的に限界だった轟冷は沸騰したヤカンを反射的に轟焦凍へと投げつけてしまい重度の火傷を負わせ……
燈矢( ゚д゚)
──轟冷はノイローゼになり入院。轟焦凍はエンデヴァーを憎むようになって炎を使わなくなり……
燈矢( ゚д゜)
ホークス「だから聞けって言ったのに……」
燈矢「そんなになってると思わないじゃん……」
ホークス「で、どっちから行く? お父さん?」
燈矢「まずお父さんを殴る。話はそれからだ」
ホークス「デスヨネー」