Q.オバホってミリオのダメージ残ってたの?
A.部下と融合した時にリセットされてるから残ってない。森岸が自力で殴り倒しただけ。
Q.エリちゃんから見た森岸ってどんな感じ?
A.言われたまま"魔法使いのお兄さん"。原作と違い緑谷が関わらなかった分、ミリオと同じく自分を助けてくれたヒーローとして認識している。
Q.脳無達が繰り返し唱えてた単語って?
A.ざっくり言うと『小さい火球飛ばすヤツ』と『少量の水を飛ばすヤツ』と『小規模の爆発を起こすヤツ』を唱えてた。
片や指定敵団体にしてオール・フォー・ワンの残党と関わりのあった"死穢八斎會若頭オーバーホール"。片や国際テロを企てていたカルト教団"ヒューマライズ最高指導者フレクト・ターン"。
どちらか一人でも大ニュースとなる超大物敵の同時検挙はすぐに日本中を駆け巡り、フレクト・ターンについては世界にも知れ渡った。
後処理は大人の役割だからと、インターンに来ていた森岸達の役目は報告書の提出やその他の手続きを終えた時点でなくなった。
雄英に戻ってからも大差はなく、インターンについての報告書や手続きがあった為に帰寮する頃には夜の帳が落ちた後だった。
「帰ってきたァアアア!!! 奴らが帰ってきたァ!!!」
「うわビックリした」
「大丈夫だったかよォ!? ニュース見たぞおい!!」
「皆心配してましたのよ」
「お騒がせさん達☆」
ハイツアライアンスの出入口を潜った先に待っていたのはインターンに向かっていた五人以外のA組全員。
五人のインターン先のヒーロー事務所がニュースになっていた為、心配して帰りを待っていたようだった。
聞きたいことはいくらでもある。何があったのか、誰と戦ったのか……中には心配のあまり涙目になっている者さえいた。
「
「何で言ってくんなかったんだよ! 俺達もう仰天だったよ!」
「箝口令しかれてたんだよ……ワリィ」
「説明しようにもどっから話せばいいのか分からんしなあ……」
「お茶子ちゃん梅雨ちゃ〜ん!!」
「う」
「ケロ」
肩を組まれたり揺さぶられたり、正面から抱きつかれたりと反応は様々。砂藤なんかはお手製のガトーショコラを緑谷の口に突っ込んだり、八百万はハーブティーの準備を始めたりしている。
中でも話題となるのはやはりフレクト・ターンについて……森岸の戦果だ。
「ヒューマライズと戦ったって本当!?」
「ああ。フレクト・ターン一人しかいなかったし、準備もできてなかったんだろうな。アイテム類もほとんど使ってなかったから楽に倒せたよ」
「国際テロ組織のリーダー倒して楽だったとか言える奴早々いないよ……」
あれだけの事をしていたけれど、オーバーホールは所詮国内の敵でしかない。その点フレクト・ターンは国際指名手配がされているテロ組織のリーダーだ。当人の実力はどうであれ、ニュースでも重点的に取り上げられていた。
それを撃破し逮捕まで漕ぎ着けた人物としてA組がよく知る名前が挙がっていたものだからそりゃあもう大混乱。アイツ何してんだ、とか何をしたらそうなるんだ、とか推測が飛び交っていた。
蓋を開けてみれば『何か死穢八斎會の所にいた』以上の回答はなく、一時世界を戦かせた危険な薬品等は何一つ関わっていなかったものだから肩透かしもいい所である。
「『ちょっと強い個性の敵と戦ったなあ』くらいの感想しかないよ。それも時間稼ぎみたいな役割で出てきただけだったし」
「じゃあ詠士達に何か薬とか色々しようとしたわけじゃなかったの?」
「多分。何か企んでたとしてもその前にぶっ飛ばしちゃったし」
「おお……さすが脳筋……」
「んだと上鳴テメェ」
余計なことを言った上鳴に森岸がアイアンクローを食らわせているとハーブティーができたらしい八百万が戻ってくる。少々騒がしいが時間外れのティータイムとなった。
とは言っても彼らがインターン先で体験してきたことのほとんどはニュースで語られている。後は当人達の感想や語られていない戦闘のことくらいしかない。
リューキュウやねじれと共に幹部を制圧したことやファットガムと協力して二人を倒したこと、そして……
「脳無が……!?」
「うん……氷の塊を飛ばしてくるだけだったけど……」
「そんな奴いたのか。分断されてたから知らんかったな」
A組に、雄英にとって忘れたくとも忘れられない怪物"脳無"がいたこと。
彼らの知る脳無はUSJにてオールマイトが倒した個体と保須市に現れたという複数体、そして神野で廃工場に隠されていたという情報の三通りしか把握していない。
しかしそのどれもが強敵である事を覚えており、何より敵連合が関わる目印のようなものになっていた。
敵連合自体は神野の一件で死柄木弔と黒霧が出頭したことにより事実上解散したことになっているが、解散したメンバーの中に脳無を生み出していた人物がいたとは考え難い。
「……あの神野の敵の残党がいる、ってことか」
「そう考えた方が自然だろ。敵連合のスポンサー……いや、
「まだ敵との戦いは終わってねえんだな……」
暗い話になってしまったが脳無の存在は伝えられた。どこか『もう大丈夫だろう』と思っていた緩みを引き締められただけヨシとするべきだろう。
飯田の「彼らも疲れているだろうし、早く休ませてあげるべきだ」という言葉に同意したA組はインターン組を労いながら解散することとなった。
◇
「疲れてるんだから休ませろー……」
「んー……やだー……」
解散って言ったのに何で響香さんは俺の部屋に来てるんですかね。割と本当に疲れてるから抱き抱えて寝落ちすんぞ。いいのか。
いやまあ前科があるから強くは言えないんだけども。思ったより大々的に報道されてたもんだから今になって心配とか不安が噴き出したんだろう。合宿後の時と似た雰囲気を感じる。
とはいえここに相澤先生が踏み込んできたら言い逃れのしようもないんじゃなかろうか。うつ伏せの俺の上に同じくうつ伏せで響香が乗っかってるのは結構だいぶギリギリセウトじゃないか?
「……ちゃんとこうして無事に帰ってきたから。怪我も何もしてないよ」
「…………ん」
どうやら正解を引いたらしい。短く返すと俺の背中にグリグリと猫のように頭を擦り付けてきた。マーキングされてんのかな俺。
でも考えてみればここ最近忙しくてこういう時間取れてなかったな。訓練とかインターンとかで二人きりになる時間全然なかった。
そう思うと心配や不安もあるけどシンプルに寂しかったのかな? 悪いことしたなあ。
試しに一度起き上がってベッドに腰掛けたまま手を広げて待ってみる。いわゆる『ハグ待ち』の体勢だ。
こういうのは響香みたいな可愛い女の子がするからいいと思うんだが……あ、躊躇なく来た。相変わらず細くて軽い。そのまま二人でゴロンと横になった。
「……何か久しぶりな気がする」
「そこそこの頻度でしてなかったっけ?」
「そうだけどそうじゃないって言うか……わかんない」
「そっかあ」
昔と比べたら訓練で鍛えられてるんだろうけど、こうして俺の腕の中にすっぽり収まる姿を見るとどうしても普通の女の子にしか見えない。ちょっと強く抱き締めたら折れてしまいそうだ。
まあこうしてる間にもプラグ胸にぶっ刺されて心音聞かれてるんだけども。殺される2秒前みたいになってんなこれ。
……あー、何かエリちゃんの事思い出した。あの子は響香よりもずっと細かったなあ。
「……どうかしたの?」
「ん?」
「何か心音、揺れてたから」
「……俺以外にやるとストーカー確定のヤバい発言やめようね」
「言う機会もないよ。それで、インターンで何かあった?」
何か……エリちゃんのことだろうなあ。心音が揺れる原因それくらいしか思い当たらないし。
正直、俺はエリちゃんの件で滅茶苦茶動揺してる。
ヒーローを目指す過程で色んな事件の事も調べたし、子供が被害に遭う事件も知識として知っていた。
でもどっかに驕りがあった。『俺がいたら治せるのに』という自負があった。それを今回の事件で鼻っ柱を折られた。
「……肉体は治せても心は治せないんだよなあ、って」
「……!」
薄々気づいてはいたんだけど、とうとう今回直視させられた。目を背けることが許されなくなった。
もうどこも痛くないのに、苦しくないのに。エリちゃんは泣くことはできても笑うことはできなくなっていた。
「ちょっと……クるものがあるなあ」
「……」
元々自分を天才だと思ったことはなかったけれど、俺の【魔法】じゃどうしようもない事だと突きつけられると流石に凹む。
そもそも個人でどうこうできることじゃないと分かってはいるんだけども。それはそれとしてやっぱり無力感とか諸々が出てくる。
「詠士……」
「まあそれをバカ正直に相澤先生に言ったら『自惚れんな阿呆』って言われたけど」
「詠士?」
「ついでに何回かチョップされた」
「詠士??」
それはそう。本当にそう。自分一人でやる必要はない、誰かを頼ってもいいって考えができるようになってきたのにすぐこれだもの。そりゃチョップのひとつやふたつ飛んでくる。結構痛かった。
むしろ個性で他人の心に干渉できるようになったらそれこそヤベー奴だわな。心操の【洗脳】よりもよっぽど敵向きだ。
相澤先生からも『そんな【魔法】あったとしても使わせるわけないだろ…………ないよな? そんな【魔法】ないよな?』って言われたし。無いので安心してください。
大体こんなもん。少しスッキリした。何か響香は訝しげな目でこっちを見てるけどなんでだ。
というか本当に眠たくなってきた。俺が思ってたより俺、疲れてたのかも。【ザメハ】つかえばいいんだろうけど……もうねてもいいんじゃないかな。
「なんか色々吐き出したらねむくなってきた……」
「ちょちょちょ、この状態の寝落ちはまずいから! もうちょっと頑張って!?」
「むり。安心かんすごい」
「あ、これ本当に寝落ち寸前のヤツだ! せめてウチを離してからにしろぉ!?」
いいじゃんもう。せんせーにはきょか取ってるし。なんかいいにおいするし。んじゃおやすみー…………
「……え、マジで寝た? 嘘でしょ?」
「ちょ、ヤバ……腕取れないんだけど……!」
「待ってこれ本当にマズあ顔近」
起きたら隣に響香いたけど大丈夫なやつかこれ???
告白してから急に色々森岸を見る目が変わって若干距離感を測りかねていたけどハグとかスキンシップは前と変わらなくて何が違うんだろうと悩んでいたところに抱き枕にされたまま寝落ちされて滅茶苦茶パニクってる耳郎「はわわ……」
何も知らない森岸「zzz……」
ようやくインターン編終わった……インターン編長くなり過ぎィ! 次回から文化祭編になります。