Q.強化長持ちしすぎじゃね?
A.今まで全く触れてこなくて申し訳ありません。どこかで触れるつもりが完全に忘れてました。初期は余程大人数でなければ一時間までで、10人以上だと半分の30分という設定でした。
現在は個性伸ばしや覚醒を踏んだ為何人でも解除しない限りは12時間は保つまで成長しています。
Q.ジェントルだいぶ頑張ったっぽい?
A.原作でも負けた相手がちょっと強くなってる上に3倍のスピードになってるからかなり健闘した方。
Q.原作と比較して緑谷どのくらい強いの?
A.原作だとこの時点では20%で体が軋んでいた。本作だと30%でノーリスクになってるのでだいぶ強くなってる。
今回の歌詞の日本語訳は公式様の日本語字幕からそのまま引用させて頂いております。
「いくぞコラァア!!」
爆豪の怒号、そして【爆破】を使いながらドラムが叩かれる。まさに爆音と呼ぶに相応しい音色を轟かせ、火蓋が切られた。
それに続くように上鳴と森岸のギター、八百万のシンセサイザー……そして耳郎のベースが重なっていく。
爆発から畳み掛けるように音色を重ね、一気に観客達を惹きつける。
「よろしくお願いしまァス!!」
耳郎のハスキーボイスが会場へと響き渡る。照れも恥も見せない、ただ全力で魅せる為に口を開いた。
制服でも体操服でもないイエローのダンス用衣装。爆豪のドラムを合図に動き出した彼らに硬さはなく、とても一ヶ月そこらでの仕上がりとは思えない息のあったダンス。
初心者向けのステップは音楽のリズムを振動という形で観客に伝え、徐々にだが確実にリズムを取ろうと揺れ出す観客が増えていく。
"楽しい"が波及していく。睨むような顔をしていた生徒達も目を見開き、無意識のうちにリズムを取りだしていく。
目敏い者は奏者達の技術に驚かされ、或いはダンス隊の息がピッタリな事に喝采を送っている。
高まる期待感の中、歌はサビへと突入する。
「いくよ!」
「ウィ☆」
サビが終わる直前に緑谷と青山が動き出す。すれ違うように飛び出した先で交錯する一瞬、腕を引っ掛けて青山の体が空中で逆さまになりロープによって勢いよく引き上げられる。
そして緑谷によって加えられた回転を殺さぬまま【ネビルレーザー】を短く乱射。ミラーボールよりもずっと眩い光を放ち会場を照らした。
「レーザーだ!」
「人間花火かよ!」
美しくもシュールな光景が笑い声を生み、相澤も僅かに感心する。いつの間にやら随分と細かい制御が効くようになった教え子を見て口角をほんの少しだけ緩めていた。
「アイツだけずっとロボットダンスしてる!」
「やたらキレキレじゃねえか!」
どうしても硬さの抜けなかった飯田のダンスも、こうなれば却ってアクセントとして受け入れられる。それを見つけてしまった普通科の女子は思わず吹き出しそうになった。
何を絆されてんだ、と隣で顰めっ面をしていた男子もそう長くは保たない。何故なら次に控えていたのは峰田のパートだった。
「オイラの時代キタァァアア!!」
「何だアイツ腹立つ!」
「ぶふっ……」
楽器も引けないボーカルもできないと拗ねていた峰田のやる気を引き出させる為のハーレムパート……ドヤ顔の峰田をダンス隊の女子四人が崇めるような振り付け。
あまりにも小憎たらしい顔に!誰からかのツッコミが飛び、男子もまた堪えきれずに吹き出してしまった。
そうしている裏で演出隊は準備していた。
サビに入るタイミングで切島が合図を出し、瀬呂と轟が個性を使用。そして口田が個性で鳥へと指示を出し光源を上下左右に動かしていく。
「うおおおお!?」
「すげえええ! メッチャ綺麗!」
射出された瀬呂の【テープ】を骨子に轟の氷結が架け橋のようにかかっていく。
そこへライトアップによる光の反射、そして八百万が【創造】したバズーカクラッカーからテープや紙吹雪が放たれる。
一瞬で生み出された幻想的な光景は更に観客のボルテージを上げていく。
天井の梁の上を走りながら氷の塊を削り雪のように降らせる切島、【魔法】で強化されたスピードとパワーで青山を再び引き上げる口田。そこに無駄な人員など一人もいない。
A組全員でステージを作っていた。観客達へと届かせていた。
(……夢、一個叶っちゃったなあ)
観客達の視線を、期待を、スポットライトの光を浴びながら耳郎はそんな事を考えていた。
脳裏を過ぎるのは小学生の頃。授業で将来の夢について考えていた時の光景。
ヒーローになりたいけれど、自分も両親と同じ音楽の道を進まなければならないんだろうとどこか諦観を持っていた頃。
その時は誰が隣にいて欲しいか、なんて何も考えていなかった。音楽にしろヒーローにしろ、叶えばいいなくらいの事しか考えていなかった。
(詠士も覚えてるかな……あの日の事)
皆の将来の夢を聞いてようやく自覚した。音楽は好きだけど、自分がなりたいものはヒーローなんだと。
だからこそ言えなかった。音楽が好きで両親から教わっていた音楽が無駄になるかもしれないと思うと、それを言い出すのが怖かった。
──その時は一緒に音楽やるか?
どうすればいいのかと尋ねた時、彼は当たり前のように言ってくれた。どっちを選んでも一人にはしないと、最初から一緒にいるのが当然みたいに。
それだけで十分だった。迷いは晴れた。もしダメでも一人じゃないとわかれば躊躇うことはなかった。
結局耳郎の迷いは杞憂で、両親は笑って頷いてくれた。好きにやっていいと、自分の為に生きていいんだと言ってくれた。
だからこれはとても贅沢で欲張りな夢。一緒にヒーローになって、一緒に音楽をやる。どっちも手放さなくてどっちも選ぼうとする強欲な願い。
故に、耳郎響香はここに立っている。
楽しくて仕方がない。あの日手放さなかった夢がこんな形で叶うなんて。
好きが伝わる。楽しいが広がる。それは一人の少女にも届いていた。
「わああ!!」
「…………100点だよ、耳郎」
恐怖に囚われ絶望に失われた笑顔が、満開の花のような笑顔を浮かべてエリちゃんは心の底から楽しそうに声を上げていた。
観客よりもダンス隊よりも誰よりも。今この時を最も楽しんでいる二人の笑顔を森岸は穏やかに微笑みながら見つめていた。
耳郎「ウチ、ヒーローやりたい!」
耳郎父「何だそんな事か。いいy──」
耳郎「駄目だったらアイツと一緒に音楽やるから!」
耳郎父「何だと!? どこのどいつだ言ってみろ!」
耳郎「へ? え、詠士だけど……?」
耳郎父「………………まあ、彼なら」
耳郎(いいんだ)
耳郎母(かなり悩んだなあ)