・ただの中学校がまさかの決闘学園に。
・カードショップでデュエル、レタスを添えて。
・スーパーに隠れるのよ!
書くのが遅いせいで不定期ですが、見てくれた方が急増して驚いております。
お気に入り登録数も、もりもり増えていて驚きました!これも全て皆様のおかげです。本当にありがとうございます!
感謝しつつ3話もぶっぱします。
※1/20:カードの種類が間違っていたので修正しました。
※1/21:カードの発動条件が異なっていましたのでデュエル内容を少々変更しました。ついでに内容もちょこっとだけ弄りました。
俺『三伏 修』は今、スーパーマーケット『百八(ひゃっはー)』の中で目的もなくブラブラしている。正確には『町の変化点を探す』という目的はあるのだが、スーパーでは達成できないだろう。それよりも、もう1つの目的を達成してしまった方がいいだろうと決意した瞬間、俺の腹の虫がやかましく鳴り響く。そう、もう1つの目的というのは、この腹の虫を大人しくさせることである。
「三伏、まだお昼には早い」
俺の横から今の時刻は11時17分だと告げるのは、全体的に白い肌に、白を基調とした服を着て、白と呼ぶより銀と呼んだ方がしっくりくる長い髪を揺らしながら歩いている全身真っ白系女子『水野 鏡子』だ。んなこと解ってるけど減る物は減るんだよ、しょうがないだろ。
「そういうテメェは腹減ってねぇのかよ」
「うん」
水野が頷いた直後、奴の腹の虫がくぅという音を上げた。それと同時に水野の顔が赤くなる。何だ、口ではそう言ってても体は正直じゃないか。
「んだよ、やせ我慢か?」
「いや、その、嘘じゃないんだ、空腹感は感じていないっ」
赤い顔のまま水野はあたふたしている。俺はこいつが嘘を吐くような性格ではないことは知っているが、どうでもいい。それよりも腹が減った。いつもはもうちょい腹持ちがいいんだが、環境の変化のせいだということにしておこう。
「そっか、んじゃ俺は適当に何か買ってくるわ。水野も昼飯持ってきてねぇなら買っとけ」
「……そうしよう」
少しは落ち着いたのか、顔色が少しずつ元に戻っていく水野。っと、そんなことよりも食料を確保しなくては。俺は早足で探索に向かった。
***
少し歩くとパン売り場を見つけたので、そこで何か買うことにした。近くにあった『たまごパン』に手を伸ばしたが、誰かの手とぶつかった。
「あぁ?」
「おっと」
俺は反射的にその手の主を見る。そいつの目は糸のように細く、黒いハットを被り、黒い上着を羽織っていて、黒いズボンに黒い靴……服装は全てが黒一色という奇妙な男だった。だが俺はこの葬式帰りのような格好をした男を初めて目にした訳ではなかった。
「んだよ、灰崎か」
「って、三伏君じゃないですか!こんなところで会うなんて奇遇ですねぇ」
こいつの名前は『灰崎 真(はいざき まこと)』、性格は一見礼儀正しいように見えるが、飄々としておりどこか胡散臭く、人のペースをかき乱してくる。噂好きなのか、色々な情報を集めてくる。というか情報収集を頼むと、どんなことでも調べてくる恐ろしい男だ。見た目や性格で誤解されがちだが、こいつは性悪なだけで悪人ではない。
俺と水野と灰崎は一緒に行動することが多いが、流石に今日は会わないと思っていた。出かけた理由もこいつらと遊ぶってわけじゃなかったし。
こいつのことをボケーっと考えていた俺の隙をついたのか、灰崎は素早くたまごパンを手に取る。
「あ、このパンはあげませんよ?」
手に取ったパンをあからさまに俺から遠ざける灰崎。好きにしろ、俺はとりあえず腹に入るものならなんでもいいんだ。そう思い今度はジャムパンに手を伸ばした。すると今度は見覚えのある白い手とぶつかる。ぶつかったその手は素早く引っ込んだ。
「今度はテメェか」
手の主である水野は隣のジャムパンを取ると、無言で頷いた。それを見た俺もいくつかパンを取り、何故か置かれていたおにぎりも手に取っておいた。誰かが面倒だから戻さずここに置いたんだろうが、どうでもいい。
「あれ、水野さんも一緒だったんですか!本当に奇遇ですねぇ」
「うん」
こんな会話が横から聞こえてきたが、色々と限界だった俺はレジの方へ向かって歩いていく。
***
俺たちは近くの公園にあった屋根はあるけど壁がない休憩所で昼飯を食っている。実は我慢出来なかったので公園に向かいながらパンを1つ食った、そしたら行儀が悪いと2人に言われたが知らん、そんなことは俺の管轄外だ。
「……そういやこの公園、昨日も来たな」
「えっ、昨日もですか?ここ危ないんですよ」
灰崎はここを危険地帯と認識しているようだが、どうしてだろうか。ただ不審者のおっさんとデュエルをしただけだぞ。
「何でそんな驚いてんだよ」
「いえね、近頃この辺りで『アンティ魔』が出没するんですよ。知りませんか?」
灰崎は急に立ち上がると、デュエルディスクを装着して某満足同盟のようなポーズを取る。アンティ魔ねぇ、昨日のおっさんはアンティ仕掛けてきたけど恐らく別人だろう。あんな変人が常習犯だったら瞬く間にゴヨウされているだろうし。それに灰崎のポーズから察するに満足手錠とかリアルトラップカードとか使ってくるんだろう、そりゃ犯罪者扱いされるわ。
「いや、知らねぇな」
灰崎は俺にアンティ魔についての説明をし始める。『アンティ魔』とはその名の通り、遭遇したデュエリストにアンティルールでデュエルを挑む奴のことだ。それがまた悪質で、小学生・中学生くらいの子供をターゲットにしている上に、アンティ魔が勝ったら無理矢理にでもカードを奪っていくらしいのだ。あまりに悪質なので窃盗・強盗犯扱いされた挙げ句警察まで動いたが、目撃者によると複数犯だったり単独犯だったり様々で、犯人は被害者のデュエルディスクの戦歴も消しているので犯人の名前すら解っていない状況だそうだ。唯一の共通点は『20代くらいの男性』だということらしい。
水野は知っていたようで、特に何の反応も示さなかったが、俺は思わず絶句してしまった。何故なら、昨日戦ったおっさんと共通点がありすぎるからだ。
「……それ、昨日のおっさんじゃねぇか!」
昨日のおっさんが灰崎が説明した『アンティ魔』で間違いないだろう。ふと気まぐれを起こして水野を見てみると、驚いたのか目を丸くしてこちらを見ている。
「三伏、アンティ魔とデュエルしたのか?」
水野が少し焦ったように質問してきた。いや、まだあのおっさんがアンティ魔と決定したわけじゃないぞ。もしかしたらただの変人かもしれないんだからさ。だって言ってること滅茶苦茶だったし。
「多分な」
その後、水野に色々聞かれた。カードは取られていないか、外見はどんな感じだったか、使ってきたカードは何だったか、とりあえず色々だ。そして灰崎はそれを微笑ましそうに見ていた、めんどくせぇから助けてほしいんだけど。
***
しばらく答えているとようやく質問の嵐が止んだので、俺は溜め息を吐きペットボトルに口を付ける。ペットボトルに入っている水で喉を潤していると、ある人物がこちらに近づいてきているのに気づいた。それは、腕にデュエルディスクを着けた紺色のスーツ姿の男だった。顔立ちは比較的幼めで、髪は黒く長さは短め、身長はなんと俺より低い。どうやら噂してたおっさんではないようで安心した。その男は俺たちに向かい合うように座ると薄気味悪い笑みを浮かべながら口を開いた。
「おい、デュエルしろよ」
安心してたらサテライトのクズ野郎がデュエルを仕掛けてきた。随分と血気盛んな兄ちゃんだな、こんな公園でデュエルとかバカなのだろうか。あのおっさんもそうだけどよ、どうしてカードショップ行くって発想が出来ないんだ?
「まずは自己紹介からかな。僕は『桜奈 灯夜(さくらな とうや)』、ただのデュエリストだよ」
桜奈と名乗った男は立ち上がった。それを見ていた灰崎はいつも通りの薄ら笑いを浮かべながら口を開く。
「その名前、貴方が噂のアンティ魔ですね。まさかこんな真っ昼間から行動しているとは」
灰崎が桜奈に向けてそう告げると、桜奈はピンポーンと言いにっこりと笑う。ああ、こいつがアンティ魔か。ってあれ、さっきの説明と矛盾しているぞ。
「おい灰崎、アンティ魔の名前は解ってないんじゃなかったのか?」
「それは無能な警察の話です。私の情報網と一緒にしないで頂きたいですねぇ」
とは言え、解ってるのは桜奈って名前だけなんですよと灰崎が苦笑いしながら語る。お前の情報網なんか知らないけど、確かに頼めば色々調べてきてくれる。誰かさんにお節介焼いた時もこいつに色々頼んだしな。
「僕たちもそれなりに有名になったようだ」
桜奈がくすくすと笑うと、ポケットからデッキを取り出してデュエルディスクにセットする。それを見た灰崎が腕に着けたままだったデュエルディスクにデッキをセットして構える。それを見た俺も急いで鞄を開けてデュエルディスクを取り出す。
「灰崎、私がデュエルをする」
だが、いつの間にかデュエルディスクを着けていた水野が灰崎の前へ出て構えていた。見てからじゃ遅かったか、タイミングを逃した俺はデュエルディスクを机の上に置いた。
「僕もモテモテだ、嬉しいな。それより君は変わった外見をしているね」
「……何が言いたいんだ」
男の悪意ある言葉に水野が嫌悪感を露にするが、桜奈はその薄気味悪い笑みを崩さない。
「君のその肌、先天性白皮症だろう?ここじゃ狭いから外でデュエルをするんだ。だから僕の相手はやめておいた方がいいよ」
僕のデュエルはのんびりだからねと付け加えると、桜奈は休憩所から出ていく。すると水野の後ろにいた灰崎が水野の前へ出た。
「私が行きましょう。三伏君は水野さんと一緒に応援でもしてて下さいね」
灰崎が水野を後ろへ退けると、桜奈が立っている方向へゆっくりと歩いていく。
「しゃあねぇな、んじゃ大人しく観戦でもしようぜ」
「わかった」
水野は踵を返しこちらに歩いてきた。そして俺の隣に座ると、デュエルディスクを外し始めた。向こうの広場では灰崎と桜奈が向かい合っている。
「お待たせしました、貴方の相手は私です。どうかお手柔らかにお願いしますよ」
そう言い、灰崎は黒のハットを外し、桜奈におじぎをする。
「お手柔らかにか。わかった、なら僕と僕のお友達が君を精一杯もてなすよ」
「あと、僕が勝ったら君のデッキからカードを1枚貰うかも」
構いませんよと言いながら灰崎はハットを被り直す。ん、こいつ今『かも』って言ったか?
「なら私は……そうですねぇ、『貴方達』の情報を頂きましょうか」
「構わないよ。君が僕に勝てるかどうか楽しみだ」
2人はにこやかな笑みを浮かべながら、デュエルディスクを構える。
Sakurana vs Haizaki
Duel Mode:Normal Duel
Duel Rule:Master Rule Ⅲ
Forbidden List:2015.1
Duel Start!!
『デュエル!』
「先行は僕のようだね、ならモンスターとカードを伏せてターンエンド」
桜奈のデュエルディスクにカードが差し込まれると、横向きに1枚、縦向きに1枚、裏向きのカードが出現した。
桜奈
LP:8000
手札3枚
「では私のターン、ドローっと」
「はぁ、様子見されてるって感じですが行きましょうか。まずは《ナイト・ショット》発動!」
「セットされた魔法・罠カードを1枚破壊するカードです。選択されたカードは、このカードに対して発動が出来なくなります」
灰崎がデュエルディスクにカードを差し込むと、フィールドに緑色のカードが表側で出現し、そこから放たれた一筋の光線が桜奈のフィールドに縦向きで伏せられたカードを貫き破壊する。
「《ゴーストリック・ロールシフト》が破壊されたよ」
ゴーストリックか、名前は聴いたことあるが初めて見るデッキだな。
「面倒なデッキですねぇ。手札から《レスキューラビット》を召喚!」
レスキューラビット
★4:ATK/400
ポンという音と共に灰崎のフィールドに現れたのは、頭にヘルメットを被った白い毛並みの兎だ。くりっとした丸い瞳が愛らしさを感じさせる。
「では召喚成功時、手札の《カゲトカゲ》の効果を使いましょう。レベル4モンスターの召喚成功時、手札から特殊召喚できます」
レスキューラビットの影が伸びていき、そこから真っ黒な薄っぺらいトカゲが現れた。
カゲトカゲ
★4:ATK/1100
「では、レスキューラビットにもそろそろ仕事をしてもらいましょう。効果発動!」
灰崎が指を鳴らすとレスキューラビットが名残惜しそうに前足を振る。するとレスキューラビットは徐々に半透明になっていき、そのまま消えてしまった。
「このカードを除外し、デッキからレベル4以下の通常モンスター2体を特殊召喚します。ただし同名モンスターでなければならず、エンドフェイズに破壊されます」
「デッキから《エーリアン・ソルジャー》を2体特殊召喚!」
ガラスの割れるような音が鳴ったかと思うと、灰崎のフィールドには空間がそのまま割れたかのような裂け目が出現し、レスキューラビットがトカゲとミノタウロスを足して2で割ったような生き物を2体ほど次元の裂け目から放り投げてきた。
エーリアン・ソルジャー
★4:ATK/1900
エーリアン・ソルジャーという名前のトカゲタウロスたちは、次元の裂け目から顔を覗かせているレスキューラビットに視線を移した。すると次元の裂け目は、ガラスを割った光景を逆再生するかのように徐々に塞がっていった。
「ではバトルフェイズ、エーリアン・ソルジャーでセットモンスターに攻撃!」
「この子は、《ゴーストリック・キョンシー》だよ」
エーリアン・ソルジャー:ATK/1900
ゴーストリックの人形:DEF/1800
裏側のカードが表になり、モンスターが実体化する。キョンシーを小さくしたような可愛らしいモンスターが両手の掌をエーリアン・ソルジャーに向けている。そして手に握られている剣を掌で止めた。だがエーリアン・ソルジャーはそのまま伸し掛りキョンシーを押し潰した。
「キョンシーがリバースした時、僕のデッキからフィールドにいる【ゴーストリック】モンスターの数以下のレベルを持った【ゴーストリック】モンスターを手札に加えることができるんだ」
「リバース効果モンスターの効果は、フィールドを離れる前に処理される。よってレベル1の《ゴーストリック・スペクター》を手札に加えるよ」
へぇ、そうだったのか。てっきり墓地なり除外ゾーンなりで発動する効果だと思ってたぞ、だってハデスが無効にしてくるし。
「エーリアン・ソルジャー、行っちゃって下さい!」
「くっ……」
エーリアン・ソルジャーは桜奈に斬り掛かった。桜奈が少し怯むとライフポイントが削られる。
桜奈LP:8000→6100
「カゲトカゲで追撃します!」
「え?うわぁっ!」
カゲトカゲが目を光らせ、桜奈を衝撃で吹っ飛ばした。何だこのトカゲ、眼力だけで成人男性を吹っ飛ばしたぞ。
桜奈LP:6100→5000
「痛いなぁ……。なら僕がダメージを受けた瞬間、手札の《ゴーストリック・マリー》を捨てて効果発動!」
フィールドに浮遊する丸い鏡が現れる。その鏡には紫色のドレスを着た銀髪の女の子が映っていた。
「デッキから【ゴーストリック】モンスターを1体、裏守備で特殊召喚する。《ゴーストリックの魔女》に頼もうかな」
ゴーストリックの魔女
★2:DEF/200
鏡が光を放つと、そこには魔女っぽい帽子を被り、黒いドレスを着た金髪の女の子が箒に乗ってふよふよと浮いていた。魔女が裏側のカードの下に隠れるように消えると、役目を終えた鏡はゆっくりと消えていった。
「ではメインフェイズ2に入ります。2体のエーリアン・ソルジャーをオーバーレイ!」
灰崎が指を鳴らすと、エーリアン・ソルジャーは土色の光となって近くに出現した渦に吸い込まれていった。
「2体のモンスターで、オーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!」
一対の光を飲み込んだ渦が爆発を起こし、周囲を光に染め上げる。
「さあ、お願いしますよ《キングレムリン》!」
光が収まると、そこには筋骨隆々なグレムリンの王がマントのような皮膜と白く立派な鬣を靡かせ、腕を組んで立っていた。
キングレムリン
☆4:ATK/2300
素材:2
「へぇ、エクシーズモンスターを持っているんだ」
桜奈は感心するように手を叩く。
「まだ褒めるには早いです。オーバーレイユニット1つを使い、キングレムリンの効果発動!デッキから爬虫類族モンスターを1枚手札に加えます」
キングレムリンが自身の周りを飛び交っている光を握りつぶすと、灰崎のデッキがデュエルディスクによって自動でシャッフルされ、1枚のカードが飛び出す。灰崎はそれを手に取ると、対戦相手である色音に開示した。
「わたくしは《エーリアンモナイト》を手札へ」
「そしてリバースカードを2枚伏せ、わたくしのターンは終了です!」
灰崎が2枚のカードをディスクに差し込み、ターンエンドを宣言する。
「しかし、アンティ魔というのは随分と可愛らしいモンスターばかり使うんですね」
俺の話を一応聴いていた灰崎としては、厳ついおっさんが気持ち悪い鳥やベエルゼを使ってくるというイメージを抱いていたのだろう。だが、目の前にいるのはどこか可愛らしい感じにデフォルメされたお化けや妖怪たちだ。
「ふふふ、賞賛の言葉をありがとう」
2人の表情は笑顔だ。端から見れば楽しそうにデュエルしているように見えるかもしれないが、これはアンティルールだ。灰崎、お前ちょっと暢気すぎる気がするんだけど。
灰崎
LP:8000
手札2枚
「ドローして、とりあえず魔女を反転召喚しようかな」
裏側だった1枚のカードが表になり、そこから魔女が姿を現した。
ゴーストリックの魔女:ATK/1200
「《ゴーストリック・シュタイン》を召喚」
光と共にフィールドに現れたのは、体の至る所に縫い目があり肌の色が青く、頭にボルトがついている大男だ。
ゴーストリック・シュタイン
★3:ATK/1600
「じゃあ、ゴーストリックたちのお家へ招待しようか。フィールド魔法《ゴーストリック・ハウス》発動!」
公園がまるでお化け屋敷のように暗い洋風の屋敷の一室へ姿を変えた。俺と水野が座っていた椅子がソファーになっており、灰崎と桜奈は部屋の開けた場所で向かい合って立っている。
「おやおや、なんというか不気味なフィールドになりましたねぇ」
「このカードがある限り裏側守備表示モンスターを攻撃対象にできず、相手のフィールドに裏側守備表示モンスターしかいない場合は直接攻撃できる」
「そして、このカードがある限り、【ゴーストリック】以外のモンスターが戦闘で与えるダメージと、効果ダメージが半分になるよ」
つまりずるずると遅延しますよってことか。なるほど、『僕のデュエルはのんびりだから』とか抜かしてた理由が解った。
「ほうほう、それはまたのんびりできそうな効果ですねぇ」
「ところで、その攻撃力ならカゲトカゲは殴り倒せますけどキングレムリンは無理でしょう?」
桜奈は頷いた。ってことはカゲトカゲ殴っておしまいってことか、随分と消極的な戦いになりそうだ。
「キングレムリンは倒さないよ、だって倒す必要がないから。魔女の効果を発動!」
箒に乗って浮いていた魔女が右手の人差し指をキングレムリンに向かって伸ばす。指先が淡く光り、星型の形をした黄色い光の塊が出現する。
「このカードは1ターンに1度、相手フィールドの攻撃表示モンスター1体を裏側守備表示にできる。キングレムリンには裏になってもらうよ」
光り輝く星は、弾丸となりキングレムリンに飛んでいく。星はキングレムリンに当たると、キングレムリンを光に包み込んだ。するとキングレムリンは身動きが取れなくなったのか固まってしまい、しばらくすると裏側守備表示になってしまった。
「ああ、私のキングレムリンが裏側に」
「強力なモンスターも、裏になれば何もできない。攻撃することも、効果を使うこともできないし、シンクロ・エクシーズ召喚の素材にすることだってできやしない」
確かに裏側守備表示にされると大抵のモンスターは無力化される。《月の書》というフィールドのモンスターを1体裏側守備表示にするカードが存在するが、このカードが長らく制限カードに留まり続けていることがそれを証明していると言えるだろう。まあ速攻魔法だから使いやすいってのもあるけどな。
「それじゃバトルフェイズ、まずはシュタインでカゲトカゲに攻撃しようかな」
シュタインはカゲトカゲに向かって走っていき、その拳を打ち付けようとする。だが灰崎はそれを気にせずにデュエルディスクのボタンを押した。
「攻撃宣言時にリバースカードをオープン!《ダメージ=レプトル》、爬虫類族の戦闘によって私が受けた戦闘ダメージ以下の攻撃力を持った爬虫類族モンスターを、1ターンに1度だけデッキから呼び出せます。あ、永続トラップですよ」
灰崎のフィールドにある裏側のカードが表になるが、攻撃が止まるわけもなくカゲトカゲはシュタインにぶん殴られた。カゲトカゲは吹っ飛び、地面に叩き付けられると消えた。
灰崎LP:8000→7500
「戦闘ダメージを与えたのでシュタインの効果発動、デッキから【ゴーストリック】魔法・罠カードを1枚手札に加えることができる」
「それなりのダメージですね……ではその効果にダメージ=レプトルの効果をチェーンしましょう。デッキから攻撃力0の《レプティレス・ガードナー》を守備で特殊召喚しますね」
灰崎のフィールドに体色が緑で甲羅が黄色の亀が出現する。亀は出てきた途端、甲羅に身を隠してしまった。
レプティレス・ガードナー
★4:DEF/2000
「シュタインの効果で《ゴーストリック・アウト》を手札に加えるよ」
デュエルディスクが選んだカードを灰崎に公開し、手札に加える桜奈。
「守備力2000もあるんだ、じゃあどうしようもないからメインフェイズ2に入るよ」
「ゴーストリックたちは1ターンに1度、自分の表示形式を裏側守備表示にできる効果を持っているんだ」
「サイクル・リバースモンスター、ですか。ハウスのせいで戦闘破壊もできないじゃないですか」
サイクル・リバースモンスター、自分自身を裏側守備表示にする効果を持つモンスターのことをこう呼ぶ。大抵はリバース効果を持っている。裏になることで相手に攻撃されなくなるハウスとゴーストリックの相性はバツグンだ、灰崎はこれをどう切り崩すのだろう。
「シュタイン、魔女を裏側守備表示に変更」
2体のモンスターは幽霊のように透明になっていき、姿を消した。残ったのは横向きに伏せられたカード2枚だけだ。
「リバースカードを伏せて、僕はターンエンドだ」
桜奈がターンを終了した瞬間、灰崎がデュエルディスクのボタンを押した。
「待って下さい、エンドフェイズにリバースカードをオープンします!《毒蛇の供物》です!」
灰崎のフィールドに伏せられたカードが表になり、そこから蛇の群れが雪崩れ込むかのように現れた。蛇の群れは桜奈の伏せられている魔法・罠カード2枚と灰崎のフィールドにいる亀に群がっていた。
「このカードは、私のフィールドの爬虫類族モンスター1体と、相手フィールドの2枚のカードを選択して破壊します!伏せカード1枚とシュタインのいた位置の裏守備モンスターとレプティレス・ガードナーを破壊します!」
「やってくれたね、破壊されたのは《ゴーストリック・アウト》だ」
蛇が群がったカードは、ガラスが砕けるような音を立てて破壊された。そんなことを言う割にはどこか余裕そうな桜奈。灰崎、気をつけろよ。
「では、レプティレス・ガードナーの効果を発動しましょう。破壊されて墓地へ送られたとき、私のデッキから【レプティレス】モンスターを1枚、手札に加えます」
「《レプティレス・スキュラ》を手札に加えます」
桜奈
LP:5000
手札2枚
「さてと、私のターンですね。ドローっと」
「とはいえ、ハウスを残さざるを得なかったのでしばらくは貴方のペースですね」
灰崎がやれやれといったポーズを取って溜め息を吐く。ならどうしてハウスを破壊しなかったのだろうか。
「ならハウスを破壊すればよかったのに」
「まあ面倒ですし、ハウスは割っておいた方がよかったですよね」
2人とも笑いながら言葉のキャッチボールを交わしている。端から見れば仲良し2人のデュエルにしか見えないが、これはカードを賭けたデュエルだ。桜奈はともかく奪われる立場の灰崎はちょっと緊張感が無さ過ぎる気がするのだが、大丈夫だろうか。
「まあ、気を取り直してメインフェイズから行きましょう。キングレムリンを反転召喚します」
「キングレムリンの効果を使いましょう。手札に加えるのは《カゲトカゲ》です」
これで灰崎の手札は5枚にまで増えた。その内3枚はバレているが。
「ところで桜奈さん」
「どうしたんだい?」
桜奈は唐突に呼ばれたせいか素の表情になってしまっている。
「ハウスがあるから、モンスターは大丈夫とか思ってませんか?」
まるで三日月のように口を歪め、今までより不気味な笑みを浮かべる灰崎。知らない人が見たら灰崎がアンティ魔にしか見えないだろう。
「その通りだよ。それとも、君の手札にハウスを破壊できるカードがあるのかな?」
「ありませんよ?でもどうにかするカードはあります。チューナーモンスター《エーリアンモナイト》召喚!」
エーリアンモナイト
★1:ATK/500
現れたのは大量の触手を持ったアンモナイトのような形状をしたモンスターだ。そいつがその大量の触手を紫色の魔法陣の中に突っ込む。
「モナイトの効果発動!召喚に成功した時、わたくしの墓地からレベル4以下の【エーリアン】を特殊召喚します。ただしそのモンスターはエンドフェイズに破壊されてしまいます。エーリアン・ソルジャー復活!」
エーリアン・ソルジャー
★4:ATK/1900
モナイトの触手で簀巻きにされた状態で魔法陣からエーリアン・ソルジャーが引き上げられた。
「へぇ、釣り上げ効果を持ったチューナーとはいいカードを使ってるね」
「褒めても何も出ませんよ?では、レベル4のエーリアン・ソルジャーにレベル1のエーリアンモナイトをチューニングッ!」
エーリアンモナイトと簀巻きにされたエーリアン・ソルジャーが光を放つと1つの光の輪と4つの光の球になり、光がフィールドを覆う。
「シンクロ召喚!現れて下さい、超ド級の宇宙生物!《宇宙砦ゴルガー》!」
宇宙砦ゴルガー
★5:ATK/2600
光が消えると、そこには何もなかった。
「あれ?君のモンスターはどこにいるのかな?」
桜奈が左右に首を動かして周囲を確認するが、どこにもモンスターはいなかった。だが灰崎は笑みを浮かべて窓の外を眺めている。
「何を言ってるんですか?ほら、あそこですよ」
灰崎は眺めている窓を指差した。俺は横にある窓をちらりと見てみると、そいつはいた。
「うわ、本当に超ド級だね……」
桜奈も見つけてしまったのだろうか、目を丸くして驚いていた。何故なら窓の外には空を覆い尽くさんばかりの巨大な宇宙生命体が屋敷の上空に佇んでおり、目玉のついた触手を屋敷のあちこちに伸ばしていたからだ。
「ふっふっふ、驚くのはこれからですよ。ゴルガーの効果発動!フィールド上に表側で存在する魔法・トラップカードを任意の枚数、持ち主の手札に戻します。ハウスとダメージ=レプトルを戻しましょう.
アブダクション・ビーム!」
ゴルガーがその触手から赤いリング状の光線を屋敷に向かって放った。すると周囲の景色が揺れ、しばらくすると元の公園に戻った。
「……ハウスを割っておいた方がよかったなんて、よく言えたものだね」
「はて、何のことですか?効果には続きがありまして、戻したカード1枚につき1つ、Aカウンターをモンスターに乗せることができます。ではゴルガーに全部乗せしますね」
宇宙砦ゴルガー
Aカウンター:2
「ゴルガーのもう1つ効果発動、フィールドのAカウンターを2つ取り除くことで、相手フィールド上のカードを1枚破壊します」
「魔女のいた位置のセットモンスターを破壊します!デストラクション・ビーム!」
ゴルガーの口に青い光が収束し、一筋の光が放たれる。その光が対象に着弾した瞬間、大爆発を起こした。
「くっ……」
「手札から永続魔法、《王家の神殿》を発動します」
灰崎がカードを発動すると、背後に神殿が出現した。最深部を守るように漆黒のジャッカルの姿をした『アヌビス』の像がある。新年エラッタ組か、灰崎はこいつをどう悪用するのやら。
「王家の神殿がある限り、私の伏せたトラップを1ターンに1度だけ、伏せたターンに使えるようにできます」
桜奈が苦笑いしながら王家の神殿を見上げると、呆れたように口を開いた。
「随分と強力なカードだね、これ」
灰崎が笑顔で首を縦に振り、まあ制限カードですからねとひと言。
「カードを2枚セットしてバトルフェイズ、まずはキングレムリンでダイレクトアタック!」
キングレムリンが桜奈に突っ込んでいく。だが全身に霜が発生し、キングレムリンは体を抱いて震え始める。しばらく震えていると、裏側守備表示になってしまった。
「手札の《ゴーストリック・フロスト》の効果発動、直接攻撃してきたモンスターをセットして、このカードを裏側守備表示で特殊召喚するよ」
ゴーストリック・フロスト
★1:DEF/100
直接攻撃を実質無効にして、モンスターを残すカードか。除外されないみたいだし単純に考えるとフェーダーの相互互換か。
「まぁそうなりますよね、見てましたし。ならゴルガーでフロストに攻撃しましょう」
ゴルガーの触手についた目玉から細い光が裏側のカードに向かって照射され、しばらくすると大爆発を起こした。この攻撃には流石に耐えられなかったのか、フィールドには何も残っていなかった。
「フロストが戦闘破壊されたから手札の《ゴーストリック・スペクター》の効果を発動するよ」
桜奈がカードをデュエルディスクに置くと、屋敷の中を顔が書かれた白い布を被ったモンスターが飛び回り始めた。そのモンスターは飛び回りながらケケケケと不気味な笑い声を屋敷中に響かせると、お化けのように消えてしまった。
「このカードは僕のゴーストリックが戦闘・効果で破壊され墓地へ送られた時、手札から特殊召喚してカードを1枚ドローする!」
桜奈のモンスターゾーンに裏側守備表示のモンスターが出現し、桜奈がカードを1枚引く
ゴーストリック・スペクター
★1:DEF/0
「あらら、モンスターが残っちゃいましたか。ターンエンドです」
灰崎
LP:7500
手札2枚
「僕のターン、ドローするよ。ゴルガーが厄介だなぁ」
「とりあえずハウスを発動、スペクターを反転召喚して《ゴーストリック・ランタン》を召喚」
ゴーストリック・ランタン
★1:ATK/800
周囲の景色がまた古ぼけた屋敷に変わり、先ほどの白い影の主、スペクターが現れた。その後ボロ布を身に纏ったハロウィンのカボチャがフロストの隣に現れた。手にはランタンを持っており、薄暗い室内をぼんやりと照らしている。
「僕は、レベル1のゴーストリック・スペクターとゴーストリック・ランタンをオーバーレイ!」
二体のモンスターが紫色の光に変わり、屋敷を飛び回る。
「2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚!」
光は桜奈の眼前に出現した渦に飲み込まれていき、爆発を起こしたかのように光が周囲を包み込んだ。
「博物館の物言わぬ甲冑よ、汝に騎士の魂を憑依する。目覚めろ、《ゴーストリック・デュラハン》!」
白馬に跨がった甲冑騎士が、光のカーテンを切り裂いた。白馬が前足を上げてその場に止まると、その衝撃で頭に被っていた兜が外れる。だが頭があるべき場所には何もなかった。デュラハンは焦って兜を左腕で抱えるようにして受け止めた。
「デュラハンの攻撃力はフィールドのゴーストリック1体につき、200ポイント上昇するよ」
ゴーストリック・デュラハン
☆1:ATK/1000→1200
素材:2
「デュラハンの効果発動!オーバーレイユニットを1つ、ランタンを使って相手のモンスター、ゴルガーの攻撃力をターン終了時まで半分にする」
デュラハンが兜を左腕で抱えたまま右手に持った剣を掲げる。すると周囲に飛び交う光の1つが剣に触れ、弾けると剣は光を放つ。デュラハンは屋敷を出て白馬をゴルガーへ向かって走らせると、なんと馬上で跳躍した。弾丸のようにゴルガーに迫っていく騎士は、手に持った剣でゴルガーを切り裂いた。するとゴルガーが真っ二つに割れて光に包まれる。光が収まると、なんとゴルガーのサイズが半分になっていた。
宇宙砦ゴルガー:ATK/2600→1300
「なるほど、ですがその攻撃力じゃ私のモンスターを倒せませんよ?」
「なら越えるまでだよ。僕はゴーストリック・デュラハンでオーバーレイ!」
「え、エクシーズモンスターを素材にした!?」
灰崎が驚いた瞬間、デュラハンが紫色の光となって天へ昇っていく。
「1体のモンスターでオーバーレイネットワークを再構築、エクシーズチェンジ!」
光はどんどん昇っていき、ついに雲を突き抜けていった。そして雲を吹き飛ばすように爆発が起こり、周囲が眩しいまでの光に覆われる。
「怠惰に生きる堕ちた天使よ、騎士の魂を依り代に降臨せよ!《ゴーストリックの駄天使》!」
二度目の爆発が収まると、黒いドレスを着ている翼の生えた女性型モンスターが雲の割れ目から陽の光と共に降りてきた。気になる箇所は色々あるがとりあえず翼が気になった。何故なら先端の羽根の配色がまるで気まぐれを起こしたかのように不規則に白だったり黒だったりするのだ。おかしいってこれ。
ゴーストリックの駄天使
☆4:ATK/2000
素材:2
「バトルフェイズ、駄天使でゴルガーを攻撃。感染する怠惰!」
「おっとと、一応ダメージ=レプトルを表にしておきますね」
駄天使がゴルガーに投げキッスを送ると、縫い目だらけのハートが飛んでいく。それがゴルガーに触れた瞬間、ゴルガーは地面に向かって落下していく。しばらくすると轟音と共にゴルガーが地面に叩き付けられた。ゴルガーは地面に落ちた後、でかい欠伸を1つすると消えていった。
ゴーストリックの駄天使:ATK/2000
宇宙砦ゴルガー:ATK/1300
灰崎LP:7500→6800
「うわぁ、ひどい攻撃ですね……。ではダメージ=レプトルで攻撃力0の《毒蛇王ヴェノミノン》を出しましょう」
たなびくマントを身に着け、蛇の頭部を模した黄金色の兜を被った気品溢れる後ろ姿が灰崎のフィールドに姿を現した。だが中身は頭部も体も巨大な蛇だ、しかも腕に至っては5匹の蛇が指みたいな役割を担っている。結構気持ち悪い見た目をしているが、このモンスターが灰崎のデッキの主軸である。
「ヴェノミノンは墓地の爬虫類族1体につき、攻撃力を500上昇させます」
毒蛇王ヴェノミノン
★8:ATK/0→3000
「ならメインフェイズ2、駄天使の効果を発動しよう。オーバーレイユニットを1つ、デュラハンを使うことでデッキから【ゴーストリック】魔法・罠を1枚手札に加える」
いつの間にか屋敷に戻ってきてた駄天使が周囲に飛び交ってる光をうざったそうに叩くと、光は弾けて消えてしまった。それと同時に桜奈のデッキから1枚のカードが出てきた。
「手札に加えるのは《ゴーストリック・ロールシフト》。更に墓地へ送られたデュラハンの効果も発動。墓地のゴーストリックを手札に加える。ランタンを戻そう」
桜奈は墓地からカードを手札に加えると、カードを1枚伏せてターンを終了した。
桜奈
LP:5000
手札2枚
「私のターン、ドローっと。キングレムリンを反転召喚し、《レプティレス・スキュラ》を召喚します」
レプティレス・スキュラ
★4:ATK/1800
出てきたモンスターの下半身は犬の頭部のような形状をしており、そこから女の上半身が生えている。その姿は正に異形の一言に尽きる。
「そして手札のカゲトカゲを捨てることで、手札の通常魔法《スネーク・レイン》を発動します!」
灰崎がカードを発動すると、天から大量の蛇が降り注いできた。水野はそれを見た瞬間、傘を開いて防御したが、俺の頭には夥しい量の蛇が乗っかった。まだまだ降り注ぐ蛇は俺の首元から背中に入り込み、もぞもぞと蠢いている。その瞬間、俺の身体中に鳥肌が立つ。
「ちょっ、なんだこれきめぇ!」
「何だか騒がしいですが、このカードはデッキから爬虫類族モンスターを4枚墓地へ送るだけのカードです。ではぽいぽいっと」
墓地送り
《レプティレス・ガードナー》
《カミソーリトカゲ》
《ヴェノム・スネーク》
《爆風トカゲ》
灰崎は黙々とカードの効果を処理しており、俺のことなど眼中にもないようだ。と、なると助け舟を出してくれそうなのは横で傘を差している水野さんだけなのだが、奴は傘の中で心底哀れむような視線を俺を向けていた。待て待てズボンに入ってくんな、つかシャツをズボンに入れてねぇのに何でズボンにまで入ってんだよ!
「水野ぉー!背中のこいつを何とかしてくれー!いや、今はズボンの中だ!」
「やだ」
ですよねー。哀れにも見捨てられてしまった俺は覚悟を決めて席を立つとベルトを外そうとする。それを見ていた水野は慌てて顔を手で覆い隠した。だがケツの妙な感触が消え失せたことに気づいた。
「お、消えた……のか?」
どうやら効果処理が終わったのでスネーク・レインのカードが墓地へ行ったので、ソリッドビジョンも消えたようだ。よかった、危なくこいつらの前でベルトを外してズボンを脱がなければならないところだった。俺はとりあえず周囲にパンツを晒すことにならなくて済んだのだが、横からの視線が痛々しい。
「変態」
水野がゴミを見るような目で俺を見ている。いやいや、これは不可抗力だろ、そんな目で見んな心が痛い。
「いや、その、なんだ……すみませんでした」
色々考えたが、結局頭を下げることしかできなかった、非力な俺を許してくれ。いや、だってよ、変態扱いされてんなら何言ってもアウトだろう。なら素直に謝っておいたほうがいいだろう。
「……今回は大目に見るけど、私の前では効果処理が終わるまで我慢してくれ」
許して貰えたが、今後3人で出かけるときは傘を持っていった方がよさそうだ。そういやデュエルはどうなって……
「バトルフェイズ、キングレムリンで駄天使に攻撃します!」
……キングレムリンが今度は駄天使に向かって走っていく、だがキングレムリンの正面にランタンが出現し、正面から衝突する。吹っ飛ばされたランタンの姿は消え、裏側のカードがフィールドに残った。
「あれ、もしかしてこれって攻撃無効だったりするんですか?」
「その通り、手札のランタンの効果を発動したのさ。ランタンは、僕かゴーストリックを対象にした攻撃を無効にして、フィールドに裏側守備表示で特殊召喚されるんだ」
ゴーストリック・ランタン
★1:DEF/0
「あらら、そういうことするんですか。ならヴェノミノンで駄天使に攻撃しましょう。ヴェノム・ブロー!」
「させたくないなぁ。永続罠、《ゴーストリック・ロールシフト》発動!」
次はヴェノミノンが駄天使に向かっていく。だが桜奈の発動したカードがお互いのフィールドの間に壁を作り出す。
「このカードは2つの効果があってね、使うのは僕の裏側守備表示モンスターを表側攻撃表示にして、それがゴーストリックだったら相手のモンスターを1体裏にする効果!」
ヴェノミノンが壁に突っ込むと、壁はヴェノミノンと裏側守備表示のカードを巻き込んで忍者屋敷の隠し扉のように回転する。ランタンがフラフラながらも表になり、目を回したヴェノミノンの表示形式が裏になり、役目を終えた壁は消えてなくなった。
「うっぷ、酔いそうな効果ですねぇ。ではスキュラで駄天使に攻撃しましょう」
スキュラが駄天使に向かって走っていく。上半身は下半身が一歩踏みしめる度に酷く揺れており、かなり不安になる。だが爆走空しく、駄天使が半ばヤケ気味に飛ばしたハートに当たると、ずっこけて消えてしまった。
レプティレス・スキュラ:ATK/1800
ゴーストリックの駄天使:ATK/2000
灰崎LP:6800→6600
「おお痛い痛い、ダメージ=レプトルの効果により2体目のヴェノミノンを出しましょう」
灰崎のフィールドにヴェノミノンが現れた。
「ではヴェノミノンで駄天使に攻撃!ヴェノム・ブロー本日二度目!」
駄天使目掛けてヴェノミノンが口から毒を吐く。駄天使に毒が直撃すると、すごく気持ち悪そうな顔になって地面に落ち、そのまま消えてしまった。
毒蛇王ヴェノミノン:ATK/6000
ゴーストリックの駄天使:ATK/2000
桜奈LP:5000→3000
「6000まで上がってたのか、痛いなぁ」
桜奈の表情が少し歪んだ。どうやら追いつめられてきているようだ。
「では、これでターンエンドです」
灰崎
LP:5000
手札0枚
「では僕のターンだね、ドロー。モンスターカードを伏せてランタンを守備表示に変更してターン終了だよ」
桜奈
LP:3000
手札0枚
桜奈はカードを2枚出して終了という結果にも関わらず、余裕そうに笑っている。あれは何かいいカードを引いたに違いない。
「私のターン、ドロー!ならばカードを1枚セットし、ヴェノミノンを反転召喚」
「バトルです、ヴェノミノンでダイレクトアタック!ヴェノム・ブロー本日3度目!」
ヴェノミノンが桜奈に向かって突撃していく。
「ごめんねランタン!リバースカードオープン、《つり天井》!」
屋敷の天井から金属音が鳴り響き、屋敷全体が一瞬だけ揺れる。反射的に上を見ると、天井には鈍く光る針がびっしりと生えており、その天井が勢いよくモンスターゾーンに向かって落下してきた。
「これはフィールド上に存在するモンスター数が4を越えている時に発動できるカードでね、効果はお互いのフィールドに表側で存在するモンスターを全て破壊するんだ!」
天井についていた針が床板に突き刺さり、お互いのフィールドからガラスが割れたようなモンスターの破壊音が聞こえてきた。
「……」
灰崎は何も言わずに下を向いている。全てのモンスターを破壊され、召喚権も使ってしまって成す術もないのだろうか、体は僅かに震えていた。それを見ていた桜奈は手を叩きけらけらと笑っている。
「あはは、引っかかった引っかかった。ヴェノミノンを裏のままにしておけば、ここまで壊滅的なフィールドにはならなかったのにね」
大人しく降参する?なんて言いながらもデッキトップに手をかけている桜奈。『サレンダーは認めない』とか言うつもりじゃねぇのかこいつ。
「はい、困っちゃいましたよ……。ヴェノミノンがチェーン1で効果破壊されてしまったんですから!」
灰崎が桜奈の方へ向き直る。灰崎は笑っていたのだ、口を三日月のように歪め、まるで思い通りに事が進んでいたかのように。そしてその表情のままデュエルディスクのボタンを押した。
「リバースカードオープン、《蛇神降臨》!」
灰崎が指を鳴らすとフィールドの地面からドス黒い流動体が吹き出した。その液体は床板を溶かしている。これは恐らく毒性の強い液体なのだろう。
「私のフィールドでヴェノミノンが効果破壊された時、デッキより《毒蛇神ヴェノミナーガ》を降臨させます!」
吹き出している液体が1つに纏まり何かを形成する。それは上半身が女性、下半身が蛇のように見えた。
「ヴェノミナーガ、恐らくヴェノミノンの上位種だろうけど、たった一体でフィールドを制圧しようなどと思わないでほしいな!」
「誰が1体だって言いました?」
「へ?」
灰崎の言葉に桜奈が素っ頓狂な声をあげた。まさか……
「2体ですよ!このターンに伏せたリバースカードも《蛇神降臨》ですからね!」
……王家の神殿の櫃の中から流動体が吹き出してきた。伏せが2枚ともそれとか、下手すりゃ大事故だったじゃねぇか。
「では、2体の蛇神をフィールドに降臨させます!」
女性の腰から上を爬虫類にしたような形状の上半身と、蛇そのものの下半身を持ったモンスターが灰崎の両隣に現れた。ヴェノミナーガの髪の毛も蛇であり、両腕はヴェノミノンと異なり巨大な蛇となっていた。
「攻撃力上昇効果はヴェノミノンと同様です。なので7500ですね」
毒蛇神ヴェノミナーガ
★10:ATK/0→7500
「7500……か、流石に笑えないなぁ。これじゃ僕のライフが0になっちゃうよ」
「バトル続行!ヴェノミナーガで……あれ?セットモンスターに攻撃します」
ヴェノミナーガは裏側のモンスターに両腕を伸ばしていった。
「え、何で僕のモンスターを攻撃しているの?」
「ヴェノミナーガはカード効果の対象にならず、効果も受けません。なのでハウスの効果なんか知ったこっちゃないみたいですねぇ」
「セットモンスターは《ゴーストリックの人形》だよ。守備は1200だから破壊される」
裏側のカードが翻り、まるで西洋のアンティーク・ドールのようなモンスターが手に花束を持って現れた。だがヴェノミナーガの右腕の蛇が一呑みにしてしまった。持っていた花束は、ぱさりと音を立てて地面に落ちた。
「では2体目のヴェノミノンでダイレクトアタック!アブソリュート・ヴェノム!」
「はぁ、次はもうちょっと頑張ろうかな」
桜奈は呆れたようにそう言い、2体目のヴェノミナーガが放った毒を受けた。
毒蛇神ヴェノミナーガ:ATK/7500
桜奈LP:3000→0
Winner:Haizaki
「あーあ、負けちゃった。ならこれをあげるよ、僕の所属してるチーム『バンデッド』の情報さ」
桜奈はそう言い灰崎にA4サイズくらいのプリントの束を渡す。それを受け取った灰崎は目を通し始めたが、桜奈はそれじゃと言うと背を向けて歩き出した。
「待って」
それを引き止めたのは水野だった、桜奈は立ち止まると振り返る。
「まだ何かあるのかな?」
「どうして私たちに情報を?」
確かにそうだ、何のために俺たちに情報を流したんだろうか。大体、今まで正体すら掴めなかったのにこうもあっさり正体をバラすなんてリスクでしかないはずだ。
「それはただのご褒美だ、カードを賭けてまで僕とデュエルしてくれたデュエリストに対してのね」
「それに遅かれ早かれ君たちは僕たちの名前を耳にすることだろう。何故なら今度開かれる大会に出るつもりだからね、優勝賞品は僕たち『バンデッド』が頂く」
桜奈は大会へ出場することを明かした。つまり大会をこいつら犯罪者が荒らすと言いたいわけか。
「テメェらが出るのは構わねぇが、テメェらが優勝するってのは気に入らねぇな」
真っ当に努力してる奴らが優勝するなら文句はない。だがガキから無理矢理カード取り上げてるような奴らなら話は別だ。俺は席を立ち桜奈に向かって歩き出した。
「そう?なら大会で僕たちを倒してみせてよ。さっき戦った子はともかく、君たちが強いかは知らないけどね」
「上等じゃねぇか、ならテメェらは俺が叩き潰してやる」
俺は桜奈を指差してそう宣言すると、水野も椅子から立ち上がり口を開いた。
「三伏、『俺』じゃない。私も灰崎もいるから『俺たち』だよ」
水野の言葉を聴いた灰崎はこちらを見ながら『私もですか?まぁ、考えておきますよ』と言うと、再びプリントに視線を移す。それを聴いた桜奈は腹を抱えて笑い出した。
「あははははは……あー、面白かった。いいよ、受けて立つ。君たちみたいな子供を相手にするならリーダーも喜びそうだしね」
そう言うと再び背を向けて歩き出す桜奈。そしていつの間にか灰崎は俺の隣に座っていた。
「はぁ、やられました。これ、名前とチーム名は載ってますけどそれ以外はほとんど役に立ちません」
そう言いプリントを机に置く灰崎。そのプリントに書いてあったのは桜奈を含めた3人の名前だった。だがそれ以外はデュエルチームとしての活動予定だったり大会に向けた抱負が書いてあったりしただけで何の役にも立ちそうになかった。
「これでは、この人たちがデュエル魔なんですと言っても信じてもらえる証拠がありませんし」
灰崎はそう言うとデュエルディスクとプリントを鞄にしまった。
「さっきの大会って、何のこと?」
「ああ、そういえば気になってて調べようと思ってたんですけど、すっかり忘れてました」
水野の問いに灰崎はスマホを取り出しちょいちょいと操作し始める。それを見た俺は大通りで貰ったパンフレットを思い出し、鞄を開けた。
「おいテメェら、これ見た方が早いと思うぜ」
俺は取り出したパンフレットを机の上に広げた。そこには大会の概要、ルール、参加条件、賞品、注意事項等がしっかり書かれていた。
大会名は『六木町内決闘大会』、普通だな。
ルールはチーム戦、1チーム3人の構成で先に2勝した方を勝利とする。
参加条件は『デュエルディスクと40枚以上60枚以下のデッキ、0枚以上15枚以下のエクストラデッキを持っていること』だそうだ。
優勝賞品は限定パック1カートンと特別な3枚のカード、準優勝者には限定パック1ダース、3位には限定パック3箱、最下位には『デュエルディスクで使える限定称号:馬の骨』が贈呈されるそうだ。最下位の扱いが酷ぇ!
「んで、カートンってどれくらいなんだ?」
「24箱だね」
おおう、太っ腹じゃねぇの。注意事項をそれとなく読み飛ばし、スポンサー名を確認する。こんな太っ腹なことしてくれる企業はどこのどいつなんだろうか。どれどれ……KCってとこと、I2社ってとこか。
「は?」
間の抜けた声が口から漏れ出た。いやいやいや、KCってKONAM○ Corporationとかそういう奴だろ、きっと。そう思いKCのロゴを見るが、『海馬コーポレーション』って書いてある。
I2ってのは『インダストリアル・イリュージョン』って書いてあった。
「海馬コーポレーションに、インダストリアル・イリュージョン社だと?」
もうわけがわからなくなっていた。KONA○Iはどこへ行ってしまったんだ?そう思い俺は自分のデッキからカードを1枚引き抜き、カードの裏側を確認する。なかった。左上にKON○MIのロゴも、右下に遊戯王のロゴも。
「随分豪勢ですねぇ。町内大会のスポンサーをI2社とKCに頼むなんて」
「三伏、顔色が悪いけど大丈夫か?」
大げさに驚く灰崎に、俺を気遣う水野。それに構わずカードの表面を確認したが、右下に書かれていたのはカズキング、スタジオ○イス、集○社の名前ではなく、ペガサス・J・クロフォード、I2、KCの名前だった。嘘だろ、あのでかい会社がこんなあっさりと消えるもんなのか?
「どういう……ことだ……」
俺の中である疑問が芽生える。それは昨日まで生きてきた世界と、今いるこの世界は偽物なのではないかというものだ。だってあんなでかい会社がこうもあっさりと消えてしまうと、そう感じずにはいられなくなる。疑問は膨れ上がっていき、あらゆる物が偽物なのではないかと疑ってしまう。
「三伏?」
「水野さん?……って、うわ!三伏君がすごい顔してます、まるで死人じゃないですか!」
もしかして昨日まで生きてきた俺の人生も、今のこの瞬間も全て偽物なのか?いやいやちょっと待て、確かに色々変わったけど、変わってないものもある。何だ、何が変わってないんだ?
「三伏」
「もしもしー?三伏君、生きてます?……あれ、ここまで言ったのに襲いかかってこないんですか?」
あ、こいつらと未だに腐れ縁ってことは、こいつらが変わっちまった訳でも、俺が生きてきた痕跡ってのが無くなっちまった訳でもねぇってことだ。KO○AMIは消えたが、俺と俺が生きてきた軌跡は消えてない。色々変わっちまったけど、こいつらは変わってない。親父やお袋だって変わってなかった。
「三伏、三伏!」
「もしもし三伏君、生きてますか?」
「うっせぇな、ちょっと考え事してただけだっての」
水野と灰崎は俺の反応に安心したのか、表情が少し柔らかくなる。やべ、大分心配かけちまったみたいだなこれ。
「……あー、その、何だ……悪かった」
この事を考え始めると変な方向に暴走し兼ねないが、冷静に考えると変わったのは『デュエル』に関することだけだ。俺や俺の周辺の人間が消えたりしたわけじゃない。ならそれでいいじゃないか、ポジティブに行こう。
「ま、何でもねぇから気にすんな。もうちょい遊んでこうぜ」
俺の案に2人は賛成したので、水野の買い物に付き合わされたり大通りのでかいカードショップを見に行ったりした。
***
俺は今自分の部屋でカードを整理している。家に戻ってからカードの整理をしていなかったことに気づいたので、とりあえず色々見てみることにしたのだ。
「あ、やっぱシグナー竜が無くなってやがる」
俺が持っていたジャンプの付録のレモンとゴールドシリーズのスタダと安かったエンシェント鰻とBF竜と地味に高かったブラロが消えてしまっていたのだ。企業が消えたのだ、今更カードが数枚消えたところで気にならない。パワーツール?そもそも買わなかった、だって機械族だし。
「ま、決闘竜は残ってたしいいか」
手元に残ってたのはスタダとレモンとパワーツールとエンシェントだ。ブラロは買い忘れ、ブラックフェザーは効果がドM過ぎて使う気にならなかった。ドラゴネクロとベエルゼ?PP買っても出なかったし素材縛りあったしで使わないかと思って買ってなかった。しかし俺はここである事に気づく。
「そういや俺、スタダ本とレモン本は3冊買ってたんだよな」
そう、俺は高騰を見越して3冊買っていたのだ。2冊は開封したが、残りの4冊は未開封で封印してある。だってこいつら汎用性高いし、絶版になれば高くなるかなと思ったんだよ。今日見かけた決闘竜はベエルゼとブラロだけだったが、片方は19万の値がついており、もう片方は限定カードとなっている。もしかして超暴騰あるんじゃないのかと思った俺は部屋の隅にある本棚へ向かい、本棚を漁り始めた。
***
必死になって2時間ほど探したが買ったはずの本が影も形も無かった。いやいやおかしいだろ、何で本が消えてるんだ。まさか、カードはOKで本はNGってことなのか?いやいや訳わかんねぇよ、どういうことだよ。
「こんなことなら開封してスリーブに入れときゃよかった……」
俺は過去の行動に後悔し、絶望を味わった。俺にとって資金は何よりも重要だ、パック運がないのでシングル買いしなければ強力なカードが手に入らないのだ。唯一可能性のあった決闘竜が消え失せてしまったので、俺は今残ってるカードだけで戦うしかない。中学生の小遣いではパックをいくつか買うのが限界だしな。だが俺はここでエンシェントとパワーツールはそれぞれ4枚ずつくらいは持っていることを思い出し、シンクロのカード束を漁る。幸いなことにすぐ発見できた。
「こいつら売れば今後の資金源くらいにはなるんじゃねぇか?」
とは言ったものの大分不安である、何故ならこいつらの元々の金額は300円だ。それが数千円クラスに化ければいいのだが、PPが販売されていたら詰みだ。俺は少ない期待と大きすぎる不安をごちゃ混ぜにしながら一日を終えた。
後書きです。【爬虫類族】という至って普通のデッキになってしまいましたが、これで主要キャラが揃いました。
今回手札の枚数とか色々ミスってるかもしれません、一応チェックは行いましたが基本的にザルなので間違っていたらご指摘お願いします。
※1/20:盛大にミスってました、修正しましたのでもう大丈夫な筈です。
※1/21:『もう大丈夫な筈です(キリッ』とか抜かした結果がこれだよ!ダメージ=レプトルの発動条件を間違えてたので修正しました。昨日の今日で本当に申し訳ありません。もしかしたらまたミスっているところがあるかもしれません、ザルチェックですが確認はしたので今度こそ大丈夫のはずです!……多分。
本編と関係ないおまけ~今日の最低カード~
「よう、ここは本編とは関係ないご都合空間って奴らしいぜ」
「この空間は今回限りかもしれないが、今日の最低カードのコーナーだ。このコーナーは本編で大いなる間違いが発生した結果、誕生してしまった最低なカードを紹介するコーナーだ」
「既に本編は修正されちまってるが、修正前の内容を知らない読者にもこの話の汚点ってのを曝け出そうと思ってこの空間が生まれたってわけだ」
「んでゲストは水野と灰崎だ」
「よろしく」
「私のデッキに違法カードが入ってた件について」
「大丈夫だ、もう普通のカードに変わってるから」
「んじゃ行くぞ、今日の最低カードは、速攻魔法《スネーク・レイン》!何故かこのカードの種別を速攻魔法と勘違いした結果、生まれてしまった極悪カードだ」
「修正前はヴェノミノンの攻撃宣言後、バトルステップに使っていた」
「通常魔法の横に稲妻っぽいマークを着けるだけであら不思議、相手ターンにも墓地を肥やせる最強カードに大変身です」
「おいおい、こんなカード相手ターンに使っていい代物じゃないだろが、攻撃見てから墓地肥やし余裕でしたってか?」
「何をどう間違えたらこうなるんだろう」
「普段使わないカードを使おうとした結果だろ」
「そうですね、やはり某カードwiki先生を見ながらやると正確だと思うんですが」
「で、実は豪華二本立てなんだわこのコーナー」
「あれ、またやらかしたんですか?」
「2枚目の最低カードは永続罠《ダメージ=レプトル》だ、爬虫類族以外の戦闘でも効果が発動するキチガイ効果だぜ」
「修正前はシュタインの直接攻撃で発動してた。報告に感謝だね」
「まあ、その、アレですね。これじゃ私グールズじゃないですか!」
「ま、教訓としては知ってるカードも舐めるように見てから使った方がいいってこった。『カードの効果はなんとか把握してますー(キリッ』とか言ってたが、所詮こんなもんだ」
「……『そのせいでデュエル内容をそれなりの量変更して疲れました』ってカンペが出てきたけど、自業自得じゃねぇか」
「前までワイアームのレベルを8だと勘違いしてたりもしてた」
「ピリカで釣り上げたモンスターを攻撃表示で出しちゃったりもしましたし、完全に節穴ですよ」
「もっと酷いのがゴルガーでヴェノミノン対象にした安全地帯戻して蛇神降臨撃ちやがったことだな」
「カウンター置くのでタイミング逃すんですよ……。まぁ、こういったミスがまたあるかもしれませんので、見かけることがありましたら報告して頂けると助かります」
「他力本願じゃねぇか、どっかの鰻かよ。ま、こういったミスがこれ以上起こらないのが最善なんだけどな」
「怠慢、慢心、ダメ絶対」