ポケモンが好きだ。
なにもバトルだけがポケモンの全てではない。
コンテスト、それもひとつの魅了ではあるだろう。
生活でも力になってくれる。引越し、掃除、農作etc
何が言いたいか。
全部含めてポケモンの魅力だということ。
いや、もっと端的に言おう。
んぎゃわいいいいいいいいいいああああああああああ!!!!!!
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「父さん、次は?」
「次はカントー地方だよ。ついに世界的にも有名なオーキド博士のところだ!これまでと違って長くなるかもな!」
俺の父さんは研究者だ。様々な地方を巡って著名な方々の研究を聞いたり手伝ったり、良く言うと頼りにされている。悪く言うと便利屋だ。いや、それだけ有能なのだろう。誇らしいことだ。
今回は夢にまで見たオーキド博士のところに行けると張り切っている。
「ほら、もう遅い。今日は寝てしまえ」
「うん、おやすみ父さん」
「ああ、おやすみレイン」
カントーか……アローラともお別れなんだな。
自然がいっぱいで、バトルだけじゃなくボケモンとの共存がよくできてる地方だった。
よく釣りをしてた子とか、食堂を継ぐんだって張り切ってた子、ダンサーを目指す熱い志を持つ子、機械に強い子もいたな。
みんな友達になってくれたけど、別れるのも早い。引っ越すことを聞いて泣いちゃった子とかもいて、嬉しくもあり寂しくもあり……残り数日だけど、アローラにいる間はめいいっぱい遊ぼうと思う。
そういえば森であったあの子たちにもお別れ言わなきゃ。
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引越し当日になった。
アローラは半年くらいいたかな。数字で見ても短い期間だけど、充実してて体感はさらに短く感じた。
この世界の学校にも初めて通った。今回オーキド博士への紹介状を書いてくれたナリヤ・オーキド先生にも大変お世話になった。
色んな話を聞けたのもそうだが、いろんなポケモンと触れ合える!これが!とても!!よくて!!!みんな可愛くて!!!!
……落ち着こう……可愛いポケモンの話になると理性がもたない。
お別れの挨拶だな。
「レイン……グスッ……行かないで……うちに住めばいいから……」
「泣くなよマオ、俺もまだまだ一緒に遊んでたいけどさ」
「じゃあ……!」
「今はまだ父さんについて行かなきゃ。大人になったら自分の力で会いに行くよ」
「……うぅぅ……やくそく……」
「うん、約束」
お互い小指を出して指切りをする。
父さんに連れてかれていろんな地方に行ったけど、毎回こんな約束をしている。もちろん破るつもりはない。
特にマオは俺が引っ越すと聞いてからベッタリ離れない。たしかにマオが作る料理は個性的だが、褒めたことがそんなに嬉しかったのだろうか?
アマカジちゃんも元気でな、可愛いホント、連れて帰りたいが、我慢だレイン、マオの大切なポケモンだ。
「レイン!お前ほど静かに燃える男を俺は知らない!次に会った時は決着をつけよう!もちろん自分のポケモンでな!」
「ああカキ。お前とのバトルはポケモンが輝いて見えて!俺もテンションが上がっ…………ふぅ、落ち着け俺。今度は俺も自分のポケモンと一緒に来るよ。カキもリザードと仲良くな」
「もちろんだ!」
こいつは本当にバトルが好きだな。熱い男だ。
俺はバトルが好きと言えるほどではないが、バトルが好きなポケモンもいる。そんなポケモンがバトル中に楽しそうで輝いて見える光景は脳から離れないほど感動した。
今は自分のポケモンを持っていないから、スクールで借りたポケモンでバトルをよくした。今度は自分のポケモンを連れて会いに来よう。
リザード君……凛々しすぎるよ……キメ顔でこっち見ないで!眩しい!
「……レイン、これ」
「ん?なんだスイレン」
「……私が作った」
「ほぉ、よくできてるな。大切にするよ」
「……私にもちゃんと会いに来て」
「もちろん、今度はこれで釣ったポケモンに会わせてあげるよ」
「……ん、約束」
よく釣りを一緒にしたスイレンからは、スイレンによく似たルアーを貰った。スイレンが作ったならよく釣れること間違いなしだろう。
水ポケモンなんて……綺麗で!かっこよくて!聡明で!そりゃあもう神秘的な!……まてまてまて、まただ。おさまれ俺。
スイレンとはなんだか隣同士で黙って釣りをすることが多かった。会話なんてほぼなかったのに落ち着けて、とても居心地がよかったと思う。
アシマリちゃん……離れるの寂しいよぉ!もっとフニフニしたかったぁぁ!!!
「レイン君!今度また僕の作った発明を見に来てよ!」
「ああマーマネ。君が作ったトゲデマル号は特に男心をくすぐるものがあったな」
「さすがレイン君!わかってくれるのは君くらいだよ!」
「あのトゲデマルの可愛さが見事に再現されて!……いや、君のトゲデマルと一緒に走っている姿は実に素敵だった」
「今度はジバコイルドローンを開発中なんだ!絶対見に来てよ!?」
「楽しみにしてるよ」
マーマネは機械いじりの腕が凄まじい。『いじり』なんて通り越して『マニア』とかの方がしっくりくる。
彼が作ったトゲデマル号というラジコンは、彼の相棒であるトゲデマルそっくりの動きをしていて、隣同士に並んでいると!可愛さ倍増!それはもう兄弟のように!!……ゲフン
次はジバコイルドローンなんてものを作るつもりらしい。なんだその夢のような機械!ジバコイルと一緒に空を飛べるのか!
トゲデマル!また俺をビリビリさせてくれええええええ!!
「うわぁぁぁ!レインー!!」
「おっとっと、マオ、これじゃ動けないよ」
「動かないでぇ!どこにも行かないでぇ!」
どんだけだよ。みんなのポケモンたちに思いを馳せてると、マオが抱きついて離れなくなってしまった。助けてククイ先生ー
「おいおい、そんな目で見るなよレイン。ハァ……マオ、これが最後の別れじゃないんだ。レインも大きくなったら会いに来ると言ってるし、その時に今より成長した自分を見せてあげようじゃないか」
「先生……」
「ほら、マオ。そんな泣いてちゃ可愛い顔が台無しだぞ」
「え!?いや!もう!またレインは!からかわないで!」
「別にからかってないが……」
「……ずるい」
「いや、服を引っ張るなよスイレン。何がずるいだ」
もうめちゃくちゃである。
「いやぁ息子さんはモテモテでいいでスナバァ!」
「私は放任主義な方なのでそれぞれの地方でのレインの行動とかは知らないのですが、行く先々でいろんな子と仲良くなるみたいで」
「
「……うんうん!」
「………………それではみなさま!半年ほどでしたがお世話になりましたぁ!!!」
「ちょっ!父さん!?引っ張るな!腕がちぎれる!」
ん?お義父さんっておかしくね?
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空港に着いた。アローラ、離れるには惜しい場所だなぁ……ポケモンたちに触れ合えて、とても充実した場所だった。特に森の奥に迷ってしまった時助けてくれた……
「カッカッカッカッ」
「ん?」
「どうしたレイン?」
「……いや、なんか聞こえたような」
遠くの方に目をこらしてみると、黄色・桃色・赤色・青色のポケモンがこちらに見せつけるようにクルクルと飛び回っていた。
俺が気づいたことにあっちも気づいたんだろう。動きを止めてこちらをジーッと見てきた。そしてこちらが返事をする前に飛び立っていった。
桃色のポケモンだけ最後にチラッとこちらを振り返り、そしてこちらから見えなくなるほど遠くへ行ってしまった。
俺の自惚れでなければ最後にこちらを見た時、少し名残惜しそうにしていた気がする。
「……大丈夫。また来るよ」
「ん?なんだって?」
「なんでもないよ。行こう父さん、飛行機でちゃうよ」
「え?あ、ヤバい!時間が!」
そして俺はアローラを発った。そしてこれからカントー地方へと向かう。そう、いずれ伝説となる、あの人がいる地方に。知らんけど。
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気が向いたら書く小説なので続きが気になる方は気長にお待ちください。