※誤字報告ありがとうございます。「トウカの森」気をつけてたんだけどなぁ……トーカの森になってました。
104番道路上空。
茶色のポケモンを肩に乗せた少年を引き続き観察し続ける。
ポケモンは幸せそうに彼の頬に寄り添っている。
少年も嬉しそうにポケモンの頭を撫でる。
私も撫でてもらいたい。
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「ケムッソ!アゲハントにドクケイル!ここはパラダイスか!」
「お前ほんとにポケモン好きだなぁ」
「見ろよユウキ!俺の足からケムッソががんばって登ろうとしているぞ!」
「おいおい、一応野生のポケモンなんだから気をつけろよ?」
「おーよしよし!よく頑張ったな!ほらモモンの実をあげるからなぁ」
「なんでお前はそんなすぐにポケモンに懐かれるんだ!?」
そんなことは知らん。肩まで登ってきたケムッソにモモンの実をあげていると、もう片方の肩に乗っていたイーブイにペシっと叩かれてしまった。お前もモモンの実が好物だもんな、もちろんあげるぞー!
「ゲットしないのか?」
「いや、この子は群れの仲間がいるみたいだからな。野生でも寂しくないだろ?」
「お前は寂しそうだけどな」
「あたりまえだろ!でも、また会いに来ればいいだけさ」
「……そっか」
モモンの実を美味しそうに食べてから、お礼なのか俺の頬に少し口をつけてから去っていった。
なんだあのんぎゃわいいい生物は!?やっぱお持ち帰りを……ダメだってばレイン!我慢だ!
「アゲハントやドクケイルも元気でな!きっと奥にはカラサリスやマユルドもいるんだろ?ほら、きのみを分けてあげるからみんなで仲良く食べてな!」
トウカの森も素晴らしい。カントーのトキワの森もんぎゃわいい虫ポケモンがいっぱいいた。他の地方にも独自の虫ポケモンがいるのだろうか?
スピアー、元気にしてるといいな。
「さてと、俺はここらへんで別れるかな」
「トウカの森で何を調査するんだ?」
「基本的には分布図。あとはそこのポケモンたちはどうやって生きているか、食事や縄張りなんかを調べるのが主かな」
「ポケフーズをあげたら人工物に興味持っちゃうと思ってモモンの実をあげたけど、正解だったな」
「うん、できるだけ野生のポケモンには自然のもので対処しないと。全部が全部捕まえるわけにはいかないしね」
あー……あのケムッソ可愛かった……アゲハントになるのかなぁ?ドクケイルになるのかなぁ?
「トウカの森はケムッソの他にはキノココとかもいたな」
「なんだと!?」
「うおっ!なんだよ!」
「見たのか!?」
「さっきそこ通ってたぞ」
「なんで教えてくれないんだ!?」
「お前がケムッソに夢中だったからだろ!!!」
くそぉ、見たかったぜキノココ。絶対可愛かった。
「はぁ……1人で大丈夫かよレイン」
「まぁ、なんとでもなるさ」
「……そうか。ハルカのこと頼んだぞ」
「ん?ああ。会ったらよろしく伝えとくよ」
「いや、俺のことはいいんだって」
そう言ってユウキと別れることになった。
トウカの森を抜ければカナズミシティだ。まずはデボンで父さんに挨拶していくか。
「いこっかイーブイ。こっからが本当の旅の始まりだな」
「ブイ!」
「待てイーブイ!あそこの綺麗な花!イーブイに似合いそうじゃないか!?」
「……ブイ?」
カナズミシティ側のトウカの森の出入口。花がいっぱい並んでいるところが見えた。あれはお花屋さんかな?ちょっとお店に入って見てみよう!
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「あら?ハルカちゃん……え?どどどどうしたの?すごい顔してるわよ?」
「ツツジさん?今は少し急いでるのでまた今度」
カナズミシティでツツジさんとすれ違ったが、挨拶もあまりせず通り過ぎてしまった。ごめんなさい、今は早くトウカシティに行かなければならないんです。
マッハ自転車で急ぐ。104番道路を走る。
お花屋さんの横を通りトウカの森に入る。あれは……ユウキくん?でもパパはユウキくんの話はしてなかったから、きっとオダマキ博士のお手伝いでトウカの森に来ているだけだろう。
そんなことより早くトウカシティに戻ってレインくんのことをパパに聞かなきゃ!
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いやぁ、いい買い物ができた!
いろんなきのみも分けてもらえたし、ジョウロまで貰っちゃった。なんだよこのホエルコジョウロ、キュートすぎるっ!
「ブイッ!」
「おっと、そうだな。カナズミシティに出発しますか!」
「ありがとうございましたー、また来てくださいねー」
「こちらこそありがとうございましたー」
イーブイも花飾りをつけてご機嫌だな!なんて可愛いんだこんなの可愛さがビックバンしすぎて俺の心臓が爆発して宇宙が誕生しそうだよさらにはその笑顔が天の川のように綺麗で今にも織姫と彦星が「ブイ!」あべしっ!……すまんイーブイありがとう、はたいてくれて助かった。
花屋を出た俺たちはカナズミシティに向かう。
道中にいたお嬢様にはいつかのお坊ちゃまと同じ展開になり。
「わたくしが間違っておりました……」
「そんなことはない、愛情の注ぎ方は人それぞれだ。でもポケモンのことを想ってるならもっと目線を合わせてあげた方がいい」
「……はい!先生!」
いつの間にか先生になっていたり。
橋の上では双子の子達が勝負をしかけてきたが。
「いや、俺イーブイしか手持ちいないし」
「え!?じゃあダブルバトルできないじゃないですか!?」
「え!?じゃあ私たちとバトルできないじゃないですか!?」
「う~ん……そもそもバトルはあんまり……ポケモンを愛でる会にしない?」
「それいいですね!」
「それ最高ですね!」
タネボーとハスボー!なんて愛らしい顔つきをしてるんだお前ら!凛々しくもピョコピョコと歩くタネボーに悶え、ふわふわとした眠そうな表情のハスボーに悶え、もこもこで丸まって日向ぼっこしてるイーブイで感情が爆発しそうになった。いや爆発した。
双子ちゃんともお別れし、俺たちは再びカナズミシティに入るのであった。
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まずはデボンだ「レイーン!」な……ん?
「レイーン!お前ー!」
「父さん?」
なんで父さんの方から向かってくるんだ?というかなんでいることわかった?
「レイン!毎日夜に電話してくれる約束じゃないか!」
「してねぇよ!そんな約束!」
だから彼女かっ!?
「で?なんで俺がここにいることわかったの?」
「え?いや父親の勘?」
「で?なんで俺がここにいることわかったの?」
「あ、あれ?だから父親の……」
「で?なんで俺がここにいることわかったの?」
「……はい、ポケナビにレインの情報を送るアプリ入れてました」
「過保護かっ!?」
心配してくれるのは嬉しいが、そりゃもうストーカーの類いよ?
「はぁ……まぁいいけどさ。なにか用事あってそっちから来たんでしょ?俺も挨拶に行こうと思ってたんだけど……」
「そうなんだよ!とりあえずデボンに来てもらえるか?」
「お、おう?」
やけにテンションの高い父さんに着いていき、デボンのビルに入っていった。
というか今更だけど、ポケモン博士が会社に協力するのってなんか面白いな。この世界ならではだ。
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「というわけでレイン君」
「は、はい」
「このアプリが先程説明したものだ。旅の道中で試してみてくれ」
「わ、わかりました」
なぜ俺がこんな大きい会社の社長さんと会話しているのだろうか?
どうやら用事というのは新アプリの試作運用をしてほしいとのことだった。サーチモードというものらしい。
ポケナビと図鑑が連動して、周囲にいるポケモンの情報や、隠れているポケモンを教えてくれる機能なんだそうだ。
「そのアプリは私と繋がりのある何人かのトレーナーにのみ試用をお願いしているものなので、あまり他言しないようにしてもらいたい」
「はぁ、了解です」
「もちろんお礼はさせてもらうよ」
「いや、俺はむしろアプリ自体が旅に役立ちそうなので、お礼はいいんですけど」
「ハハハ!謙虚だね!でも、こういう時は遠慮しないものだよ」
「では父さんになにかしてあげてください」
「ウェザー博士に?」
「最近働き詰めですし……」
「レ、レイン……」
「俺が旅に出たことで自己管理が疎かになってそうですから」
「レ、レイン……?」
「誰かが管理してあげないときっと倒れると思うんです」
「レイン!?」
いや事実だろ。ちゃんとご飯食べてないんじゃないの?
「そ、そうか。わかったよ」
「よろしくお願いします」
「……ガクッ」
これを機にしっかりしてね父さん。そして長生きしてください。
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父さんと社長さんに別れを告げ、デボンを出た俺たちはカナズミジムに向かっていた。
あ、ついでに社長さんのポケナビ番号を貰った。どのタイミングで電話なんてするんだこんなすごい人。
あー、さっき貰ったアプリを確認してみるか。こんな街中じゃ人のポケモンにしか反応しないかな?
………………なんかすごい近くで反応があるんだけど。もちろんイーブイじゃない。
「上?」
「ブイ?」
俺とイーブイは同時に上空を見上げたが、ただ空があるのみ……まだ試用中のアプリだから不具合かな?少し様子を見てから社長さんに報告しよう。
うわ、社長さんに電話する用事できちゃったじゃん。
そんなことを考えつつジムに到着。
「すみませーん」
「元気しとーやぁ!?」
「……」
「……驚かれることはあっても、無言の圧でこっちを見られたのは初めてだ」
いいんですか?ジムにこんな不審者いれて。
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気が向いたら書く小説なので続きが気になる方は気長にお待ちください。