ジム巡り?コンテスト?そんなことより観光だ!   作:そじゅ

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『上空の気配』さんにはいつになったら会えるんだろうね?
作者もわかりません。


ORAS-07 無自覚に攻める人

 

 上空の気配は驚いていた。

 こちらを見たのだ、例の少年が。

 見ていることがバレたのかと思った。

 でも、それでもよかったのかもしれない。

 見つけてくれたらきっと……

 

 ――――――――――――――――――――

 

「やぁ新人トレーナー!俺と一緒にチャンピオンを目指してみないか!?」

「興味ありません」

「え!?」

 

 そんな驚かれることか?というかなんだこの不審者。

 

「そんな不審者を見る目で俺を見ないでくれ!」

「……」

「お、俺はジム挑戦者を応援するリーグ公認の案内屋さんさ!」

「……とりあえずそのサングラスは外した方がいいと思いますよ?見た目バリバリ不審者です」

「俺も思ってたけど制服なんだからしょうがないだろ!?」

 

 制服かよ。大変なお仕事なんだな。

 

「ところで!」

「なんですか?というかテンション高すぎですよどうにかならないんですか?」

「いちいち毒を吐く子だな!そんなことよりジム挑戦に来たんだろ!?」

「いいえ」

「え!?」

 

 いや、まぁジムに入るトレーナーはだいたいはジムに挑戦するために来るだろうから、そう思うのも仕方ないかもだけど……

 

「……あ!じゃあジムトレーナー希望とかかな!?」

「いいえ」

「ん!?」

「あの〜……」

「そうか!じゃあ見学の方とか!?」

「いいえ」

「はい!?」

「あの〜!」

「「ん?」」

 

 不審者と話をしていると、ジムの中の方から頭のよさそうな、それこそ「私塾に通ってます!」と言いたげな格好をした女の子が声をかけてくれた。ホント話遮ってくれてありがとう。

 

「もしかしてツツジさんに御用ですか?」

「そうです」

「よかったー!リーダーから話は聞いています!イーブイを肩に乗せた子が来るかもって!」

「……リーダー?」

「それでは奥へどうぞ!」

 

 ……リーダー?誰?

 

「俺のことはスルーなのね……」

 

 不審者だから仕方ない。

 

 ――――――――――――――――――――

 

「リーダー!この前言ってたイーブイを連れた子がウチに来ましたよ!」

「……あら?いらっしゃい!」

「こんにちはツツジさん……ジムリーダーだったんですね……」

「あー、言ってなかったかしら。ごめんね」

「いえ、いいんですけど」

「ちなみに一応確認するけど、ジムに挑戦はしないのかしら?」

「興味無いです」

「そうよね、知ってたわ」

 

 笑って受け答えしてくれるツツジさん。まさかジムリーダーだったとは……あの時はそんな素振りどころか、スクールに通ってるって言ってたから、よくてジムトレーナーのバイトとかかと……

 

「れっきとしたジムリーダーよ?」

「……ホウエンの人ってやっぱり読心術がデフォですか……?」

「リーダー、私はこれで」

「ええ。案内してくれてありがとう」

 

 そう言って案内してくれた女の子は部屋から出ていった。このジムはスクール生とかが多く働いているのかな?

 そもそもこの世界自体、成人年齢が低いからなぁ……そんなこともありえるのか。

 

「あらためて、カナズミジムのリーダーをやっているツツジです。スクールで学んだことを活かしたくてジムリーダーをやっています」

「へぇ、なんかかっこいいな」

「そ、そうかしら?」

「はい……おっと、俺はレイン。今は旅のトレーナーとしか言えないです」

「立派な肩書きじゃない」

「ありがとうございます」

 

 なんか褒め上手だなぁツツジさん。

 

「さて、じゃあなにか聞きたいことが会ってきたのよね?」

「ええ。俺の旅の目的が観光に決まったので、観光名所とか教えてくれるって話でしたから」

「なるほどね!って、会った時と同じように敬語じゃなくていいわよ」

「……では遠慮なく」

 

 見た目はお堅いように見えるけどだいぶ柔軟で、人当たりのいい女性だ。話しやすくて助かる。

 

「それで、今のところ旅は順調かしら?」

「うん、特に問題らしい問題は起こってないね」

 

 トウカジムでセンリさんと話したり、ピーコちゃんの熱烈ハグを貰ったり、マグマ団の幹部とかいう危なそうな女の人にあったり……うん、特に問題ないな。

 

「そう。ここへはトウカの森を通ってきたのよね?じゃあ次は海はどうかしら?」

「いいですね海!ホウエン地方ならホエルコとか見えますかね!?」

「キャッ!……急にテンション上がったわね。そうね、ホエルコウォッチングも楽しいわよ。そんなにポケモンが好きなら、ムロシティの少し北に石の洞窟ってところがあって、ココドラやヤミラミなんて珍しいポケモンがいるわよ?」

「なにそれめっちゃ行きたい……!」

 

 ココドラ!小さくて、でも石のように硬い、絶対に可愛い!会いたい!

 ヤミラミ!目は宝石のようでキラキラしてて、アサシンのように潜んでる、絶対にかっこいい!会いたい!

 

「いいわね!ちょうど私も石の洞窟に用があったの!一緒に行ってみる?」

「行く!」

「ホントわかりやすく目がキラキラしてるわ」

 

 ツツジさんにはクスリと笑われてしまったけど、ポケモンが可愛いのがいけない。

 

「じゃあ明日にでも出発しましょ?一度ジム集合で」

「了解!……ジムお休みして大丈夫なの?」

「ふふ、大丈夫!明日は定休日だからちょうどいいのよ」

 

 定休日なんかあるのか。そりゃあるか、お仕事だし。

 

 ――――――――――――――――――――

 

「パパ!」

「おお!ハルカ!よく来たな!」

 

 トウカジムにようやく到着した。レインくんはどこ!?

 

「それにしても来るの早かったな」

「レインくんはどこ!?」

「も、もうちょっと親子の再会とか……」

「レインくんはどこ!?!?」

「あー、レインくんはもう出て行っちゃったよ。たぶんトウカの森を抜けたくらいじゃないかな?」

「っ!ありがとパパ!それじゃ」

「まてまてまてまて」

 

 何!?今すぐレインくんに会わなきゃ!

 

「はぁ……落ち着けハルカ。そのままレインくんと会ったら怖がられるぞ」

「……ふぅ、うん。そうだね。ありがとパパ」

「うむ。それにレイン君にはなみのりの特別許可証をあげた。その代わり初めて波乗りを使用する時はハルカと一緒でという条件を出したから、ムロなんかに一人で行くこともないだろう。しばらくはカナズミにいるんじゃないか?」

「!……そっか。じゃあ、私もなみのりを使えるようにならないとね」

「そういう事だ。もちろん、挑戦するよな?トウカジム」

「!!!」

 

 パパの雰囲気が変わった。私の父親としてではなく、ジムリーダーとしてのパパだ。

 私も気持ちを切り替えて……

 

「もちろん!」

「……!いいオーラを出すようになったな、ハルカ」

 

 涙ぐんでるところ悪いけど……私も本気で行くからね!

 

「じゃ、また明日こい」

「………………えー!?」

「ジムは基本予約制だ。私のところは特に準備が必要だからな。また明日」

「急いでるのにー!!」

 

 ――――――――――――――――――――

 

「よし、じゃあ行くか!」

「ええ。まずはトウカの森を抜けてハギさんという方に会いましょう」

「ハギさん?ピーコちゃんの?」

「あら?ああ、ここに来る途中で会ったのね」

 

 翌日、ジムで待ち合わせをしてツツジさんと合流した。ムロまでどうやって行くのかなと思っていたらハギさんに頼むらしい。

 

「あの方は昔すごい船乗りだったそうよ。今回も頼めば乗せてくれると思うわ」

「ツツジさんなみのり使わないんですか?」

「ああ、私はなみのりを使用できるポケモンを持っていないの。第一レイン君はバッジの制限でなみのり使えないでしょ?」

「……はい」

 

 特別許可証を持っているけど、なみのりを覚えたポケモンも持ってないし、ややこしいから肯定しておく。

 

「それじゃあ行きましょうか」

「おっけーです!」

 

 楽しみだ!石の洞窟!……ん?そういえば。

 

「ツツジさんは石の洞窟に用があるって言ってたけど、何の用なの?あ、いわタイプのジムだから視察とか訓練とか?」

「私の用事はどちらかというとムロタウンのほうね。そこにあるジムに用があるのよ」

 

 ハギさんの家に向かいながら気になることを聞いてみた。そっか、ムロにもジムがあるのか。ジムリーダー同士とかで交流があるのかな?

 

「ジム同士で交流とかがあるの?」

「なくはないけど、今回の用事はそんなんじゃないわ。模擬戦よ」

「模擬戦?あー、リーダー同士で高め合おう!みたいな?」

「……」

「え?何その沈黙、こわ」

 

 なんか模擬戦というわりにはガチっぽい雰囲気がするんだけど?

 

「地方ごとに巡るジムに順番があるのは知ってるかしら?」

「……ええ、聞きました」

「あの順番ってね、ジムリーダーの世界ランキング順なのよ」

「へ?」

 

 なんだそのランキング……そんなのあるの?聞いたことない。

 

「ポケモンワールドチャンピオンシップス……聞いたことくらいあるでしょ?」

「………………ないです」

「へ?」

「……ないです」

「嘘でしょ!?」

「ないです!」

「聞こえてるわよ!」

 

 なぁにそれぇ?

 

「申し込みをすればランキングに参加できて、トレーナー同士の強さでランキングがつけられてるの」

「なるほど」

「公式トレーナー、例えばジムトレーナーやジムリーダーなんかは申し込みが義務付けられているわ。あとはそうね、だいぶ例外だけど、無名だったトレーナーがチャンピオンになった時とかに急にランキング上位に入りこむなんてことはあったわね」

「へぇ、じゃあその人は急に有名人になっちゃったわけだ」

「そうね。つい最近のことだし、シンオウ地方の話だから知らないかもしれないけど」

 

 シンオウかぁ、懐かしいなぁ。コウキとヒカリは元気かなぁ?ジュンは、まぁどうせ元気だろ。また罰金とか言ってるだろうし。

 

「それでそのワールドチャンピオンなんちゃらがあるからムロのジムリーダーさんと試合すると」

「ポケモンワールドチャンピオンシップス、略してWCSね!今回は模擬戦よ。本番、つまりはランキングをかけて戦う期間が始まる前にもっと力をつけておかなきゃ」

「ツツジさんはホウエンで1個目のバッジだよね?ムロの人は?」

「2番目よ」

「なるほどな、そりゃ気合い入るわな」

 

 バトルに興味はないけど、きっと俺の友達たちはみんな出るんだろうなぁ……うん、確実にレッドとグリーンは参加でしょ。

 

「じゃあ石の洞窟に用事ってのは?」

「そ、そんなこと言ったかしら?」

「うん、『ちょうど私も石の洞窟に用があったの!』って」

「……無駄にクオリティの高い声真似やめてくれる?」

「似てたか?」

「ブイ!」

 

 似てたらしい。

 

「……石、好きなの」

「そうなのか」

「変でしょ?女の子らしくない趣味だし」

「そうか?」

「へ?」

「人それぞれ好きなことがあったって別によくないか?石もさ、化石を見るとワクワクするし、宝石を見ると綺麗で感動するだろ?そこらの石も俺には価値がわからないけど、見る人が見ればとんでもない代物かもしれない。ツツジさんはそんな俺が知らないことを知っているだろうし、変だなんて思わないよ。むしろいい趣味じゃんか」

「……そ、そうね。ありがとう」

 

 ツツジさんって説明上手だよなぁ。WCSなんて知らなかったけど、よくわかったわ。

 それに石が好きって、学者気質なのかな?頭良さそうだもんな。博物館とか行くと喜ぶんだろうか?

 

(初めて石のこと褒められた……なんか、顔暑くなってる)




現状ここまで書きました。
続きはわかりません。

評価・感想いただけると励みになります。
気が向いたら書く小説なので続きが気になる方は気長にお待ちください。


※WCSについて
某スーパーマサラ人のチャンピオンはこの作品には登場しません。
「こうなったらタケシ、こうそくいどうだ!」
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