自分が希少な存在であることを理解している。
姿を見せて顔を合わせてみたい。
でも我慢しなくてはならない。
自分を危険に、兄弟を危険に、仲間を危険に晒してはいけない。
……まださっき見られた時のドキドキが治まらない。
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WCSについて聞きながらトウカの森を抜け、ハギさんの家にやってきた。
そういえばユウキ見なかったな。1日で調査は終わったのかな?優秀だ。
「こんにちはー」
「おじゃまします」
「ん?おお!ツツジちゃんに……レイン君?またよくわからない組み合わせだね」
「はは、約束通り来ましたよ」
「お?じゃあムロかカイナにでも行くのかい?……ふむ、デートかな?」
「ちちちちがいますっ!もう!からかわないでください!」
そんな顔真っ赤にして怒らなくても。
「ピーコちゃん!」
「ぴひゃ!」
「相変わらず可愛いなぁピーコちゃん」
「ぴひゃー!」
こいつめぇ!嘴の下あたりを撫でられるのが好きなんだな!ほらうりうり!
「ブイブイ!」
「まったくウチのイーブイはすぐに嫉妬してぇ……可愛いやつめ!ほれお前もわしゃわしゃしちゃうぞ!」
「ブイ〜♪」
「……すごいわね。ハギさんのキャモメが他の人に懐いてるところ初めて見ました」
「わしもびっくりしたよ。初めて会った時からこんな感じじゃ」
ピーコちゃんは最初から人懐っこいけどなぁ?
「それで約束って?」
「あー、ハギさんと初めて会った時にムロかカイナに行きたい時は船を出してくれるって約束してくれたんだ」
「あら、そうなの?じゃあ私からお願いする手間が省けちゃったわね」
「手間なんてとんでもない!ツツジちゃんならいつでも頼んできてよいよ」
「ありがとうございます」
ハギさんとツツジさんは仲がいいようだ。石の洞窟って言うくらいだ、石が趣味のツツジさんはムロに通うことも多くて、きっとハギさんによく頼んだりしているんだろう。
……ん?まてよ?
「ツツジさん、オオスバメタクシーで行けばよかったのでは?」
「何言ってるのよ。旅は歩いてするものよ。まぁ今回は船だけど」
なるほど、俺に気を使ってくれたらしい。たしかに歩いて見て回らないと知れないことがたくさんあるからな。
「それじゃあ早速出発しようか」
「「よろしくお願いします」」
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「強くなったなハルカ……いや、強くなりすぎだハルカ」
「パパのケッキングだって強いじゃない!」
「……なんだそのバシャーモ。こっちだって本気でやらざるおえなかったぞ」
パパのジム、つまりトウカジムを攻略した!これでなみのりが使えるようになるわ!
「どうせ止めても無駄なんだろう?早速行くのか?」
「もちろん!きっとまだカナズミシティにいるだろうから急いで戻るわ!」
「……そうか、いっといで」
「うん!ありがとうパパ!」
早く!早く追いつかなきゃ!
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「ひゃあああ!船気持ちいい!」
「ブイイイイイ!」
「楽しそうね」
俺は船の上でイーブイと一緒に風になっていた。そう!俺たちは風だ!
「お!メノクラゲだ!おーい!」
「ほんと元気ね」
「あ!ホエルコ!ほんとに見えた!」
「嘘!?海面に出てくるなんて珍しい!」
なんだかんだツツジさんも楽しんでるじゃない。
「ほれ〜、もうすぐムロタウンじゃよ〜」
「はぁい」
早かったな。でもこんな快適な空間で海のポケモンを見れるってのは結構貴重な体験だ。いつも引越しとかの時はクルーズだったりするから、外の景色とかあまり見なかったしなぁ。
「到着じゃ」
「おー!ここがムロかぁ、のどかでいいところだな」
「ハギさんありがとうございました」
「あ、ありがとうございます」
「よいよ。わしはここで待ってるからカイナに行きたくなったり戻りたくなったら声をかけなさい」
「はい」
さてさて、まずはどっから回ってみようかな。
「私は直接ジムの方に向かうけど、レイン君はどうする?」
「あー、じゃあついて行ってみようかな」
「そう?あまり面白くないかもよ?」
「いやいや、いろんなポケモンが見れて俺は楽しみだよ!」
ムロジムは何タイプのジムなんだろう?
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「いよーっす!未来の……ツツジさん?」
「私はいままでもこれからもツツジです」
「あ、おつかれさまでーす」
どこのジムにもいるんだなこの不審者。というか未来のツツジさんってなんだよ。
「あ、模擬戦は今日でしたか!」
「ええ、お世話になりますね」
「どうぞ!……えっと、この子は?」
「私の友達のレイン君。ちょうどムロに行く用事があったので付き添いで来てくれたのよ」
「なるほど……トレーナーだよな?でもこっちに情報がきてないな?」
「あー、カナズミジムに挑戦してないからじゃないかしら?」
「そうでしたか!……え?でもツツジさんと一緒にいて……ん?」
「ではお邪魔しますね」
なんか案内人さん大混乱中だけど大丈夫?きっと案内人同士で連絡を密にとってたりするんだろうな。もし俺がカナズミジムに挑戦してたらここにも情報がきて案内できるようになってたりするんだろうね。
まぁ、ジム挑戦してるわけじゃないのにツツジさんと知り合うとかレアなんだろうなぁ。
そんなことを考えているとジムの奥に着いたようだ。というかこのジム暗いな、周りにフィットネスジムみたいな器具がいっぱいあるのが微かに見えたけど……
「きたな!お疲れ様だなツツジ!」
「ええ、今日はよろしくお願いしますトウキさん」
この人がここのジムリーダーか。なんだかすごい陽キャ臭がするぞ?サーフボードとか周りにあるし、いかにもイケイケだぁ〜……笑顔が眩しい。
「おっと?ボーイフレンドでも連れてきたのか?」
「ち、違うわ!彼はレイン君、石の洞窟を観光したいとのことで一緒にこっちに来ることになったの!ムロジムについてきてくれたのも付き添いってだけ!」
「……ははぁん?なんだか焦り方が気になるなぁ?」
「なにもありません!」
実際何も無いからな。
「はじめまして、レインと言います。いろんなところを見て回りたくて観光目的で旅をしています。今日は無理言ってツツジさんに付き添わせてもらってます」
「おお!俺はここのジムリーダーのトウキ!使用ポケモンはかくとうタイプだ!」
「かくとうですか!いいですね!鍛え上げた体!落ち着いた精神!猛々しいオーラ!早くトウキさんのポケモンも見てみたい!」
「ははっ!君はポケモンが大好きなんだな!いいぜ、こいつらが俺の相棒たちだ!」
そう言ってトウキさんはモンスターボールからポケモンを出した。
まず最初に出てきたのはハリテヤマ!凛々しい顔の中に優しさも感じる!その大きい体躯は鍛えられてできた体であることがよくわかる!この太い腕でツッパリなんかされたらひとたまりもないだろう!されてみたい!その腕に抱きつきたい!
「ハリーテ!」
「笑顔も素敵だ!」
「全部声に出てるぞレイン!」
続いてはカポエラー!独特な動きで次の行動が読むのが難しいが、なんか癖になる!真剣さが伝わる精悍な顔で、真面目な性格であろうことがひと目でわかる!あんなのに回し蹴りなんかされたら……想像しただけで興奮が……!
「カポ?」
「いい!すごくいいよ!」
「レ、レイン君?落ち着いて?」
次はカイリキー!4本の腕を器用に動かしてる!速いし力強い!単純に普通の人の2倍大変ってことだよな?頭もよくないとそんなこと出来ないだろう!?なんてかっこいいんだ!あんな腕で抱きしめられたい!絞め殺されたっていい!
「リキ!?」
「あぁぁ!惚れそうだ!」
「……レインっていつもこんな感じなのか?」
「私に聞かないでください……この前知り合ったばかりなので」
最後はチャーレム!落ち着いた雰囲気で瞑想してる!エスパー特有のオーラのようなものも感じるけど、やはり格闘が主体なんだろう!どこかチリチリと肌を焼くような闘気を纏ってるように感じる!これが強者のオーラってやつなのか!もう気絶しちゃいそうだよ!
「レム……」
「その落ち着き!最高すぎる!」
「だから全部声に出てるって……わかった。こういうやつなんだな!」
「そうみたい……たしかにポケモンの話になると目がキラキラしてたけど……」
いやぁ、どのポケモンも素晴らしい!鍛えられた体はもちろんだけど精神が落ち着いているのがよくわかるなにより相手を威圧する感じではなく誰かを守るために自分を鍛えたと言わんばかりに優しさを感じる視線が俺を悶えさせて止まらないその上見た人を楽しませようとポージングもするサービス精神も忘れないそんなに俺を魅了したいのかヤバいってもうメロメロだよこれが本当のメロメロボディだ「ブイ!」へぶっ!
「……いい『はたく』だイーブイ……お前なら『はたく』の世界チャンプになれるぜ……」
「何わけのわからない事を言ってるんですか!?」
「まぁ自分のポケモンが褒められて悪い気はしないな!ハッハッハ!」
あぁ〜、なんか筋肉ムキムキのイーブイの幻影が見える……バタリ
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1分後にちゃんと起きました。
その後ツツジさんとトウキさんの試合も見学させてもらった。
いわタイプを使うツツジさんは、かくとうタイプには明らかに不利のはずだが、そんなことを感じさせない善戦ぶりだった。しかし1歩及ばず……
「ダイノーズ、戦闘不能!よって、トウキの勝ち!」
「……ありがとうございました」
「ありがとうございました!」
3vs3でお互い1匹ずつまでいったものの、ツツジさんの最後のポケモン『ダイノーズ』はトウキさんの最後のポケモン『ハリテヤマ』にやられてしまった。
さすがジムリーダー、すごい試合だった。なによりトレーナーのために頑張ろうとするポケモンたちがカッコよくて、眩しくて、泣きそうになった。
「お疲れ様でした」
「ありがとうレイン君。やっぱりまだまだね」
「いやいや、弱点タイプを使ってるにもかかわらずここまで追い込まれるって、俺の立つ瀬がないぜ!」
「それでも負けは負けですから」
「相変わらず自分に厳しいなツツジ」
その真面目さがツツジさんをここまで強くしたのだろうな。それに着いてきてくれるポケモンたちもすごい。ダイノーズのあの硬さ……抱きしめたい。
「ひとまず、今日はありがとうございました。また模擬戦に付き合ってくださると助かります」
「もちろんだぜ!俺もいい刺激になるし、会う度に強くなってるところを見るとうかうかもしてられないしな!」
「……ええ、それではまた」
だいぶ落ち込んでるなツツジさん。でも負けた後に下手な言葉をかけるのは逆効果だし……
「レイン」
「はい?」
「ツツジのこと頼むぜ」
「……そうですね、了解です」
「おう!お前も機会があればまたこい!その時はかくとうタイプのポケモントレーニングとか見せてやるよ!」
「ぜひ!楽しみにしてます!」
トウキさんに挨拶をして俺はツツジさんの背中を追いかけたのだった。
書き始めると止まらないけど
書き始めるまでが1番大変