TSアンドロイドメイドになったので異世界冒険します   作:Revak

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第7話

 

 夕方イナは鼻歌でも歌いそうな上機嫌でギルドに戻った。

 その姿を見てギルドに居た冒険者たちが何だろうかと疑問符を浮かべる。

 

 イナは換金所に行きボロに頼んで机の上にドロップアイテムの山を出す。

 

「すげぇ取ってきたな」

 

 換金所のおっさんが大したものだと感心する。

 

「あ、あとこれも換金できる?」

 

 イナはゴーレムコアを取り出した。

 

「そ、それボスドロップアイテムじゃねぇか!」

 

 それを見た受付は驚きの声を上げた。

 

「どうやって拾った? 貰ったのか?」

「いや、俺が倒して手にしたんだけど」

「お前がボスを倒した? 嘘だろ?」

 

 男の台詞にイナはむっとした。

 

「本当だよ。これが証拠さ。なんなら嘘を感知する魔法とか使ってくれてもいいぜ」

「……まぁ、いいだろう。このドロップアイテムも換金可能だ。宝箱のアイテムは悪いがうちじゃ換金出来ないから質屋に行ってくれ」

「りょーかい」

 

 イナは少し不満そうな顔をするも納得し斧はまた売るか、と出さないで置くことにした。

 

 受付の男が鑑定すること十分。鑑定と換金がようやく終わる。

 

「ほら、これが料金だ」

 

 渡されたのは一万セラ紙幣十五枚、つまり十五万セラだ。

 パートの月収に匹敵する額である。

 

「おお、凄いな」

 

 これだけあればある程度は遊びに使ってもよさそうだとイナは上機嫌になりながら受け取った。

 

「さんきゅー。それじゃー」

 

 イナはそういうとギルドを出て宿へと向かった。

 

 

 

 

 ■

 

 翌日。イナは朝から質屋で斧を売って来た。

 斧も高く二万セラで売れた。金のインゴットは一つ二万セラなので六万セラになった。

 割とこの世界鉱石系は安かったりする。何せダンジョンから無限に産出されるからだ。地球よりも量が多く取りやすいのである。

 

 イナがギルドに入ると少しざわついた。

 その空気の変化を感じ取ったイナははてなんだろうかと疑問符を浮かべながら何かいい依頼がないかクエストボードを見に行こうとする。

 だがそれを遮るように一人の男がやって来た。

 左目に眼帯をした男だ。緑色の軍服を着ている。腰にはハンドガンを差している。

 

「初めまして、俺はこのギルドのギルドマスター、ジェスロだ。お嬢ちゃん、ちょっと話いいかな?」

「なんの話だ?」

「昇格とかそういう話さ」

「わかった。いいぜ」

 

 そうして二人は二階に上がっていく。

 二階の応接室に入るとコーヒーが用意されていた。

 お互い向かい合うように座る。

 

「それで、だ。お嬢ちゃんは最低でもBランクの力があるのは間違いない。ソロで命夜坑道のボスを倒して見せたからな」

「まぁ、あれぐらいなら簡単に倒せるけど……」

「あれでもレベル二十のボスモンスターだ。最低でもCランクがパーティ組んで倒すようなボスをソロで倒した時点でBランク相応はある。そこで、だ嬢ちゃんに昇格試験をしようと思う」

「試験かー。どんなの?」

「この荒野の西の方に小さな村がある。といっても石の壁があるぐらいには大きい村なんだが、そこが山賊の手に落ちた。イナちゃんにはそこを奪還してもらう」

「砦の奪還かー。けどそれちょっとムズイかもな」

 

 イナはちょっと苦い顔をした。

 

「なんだ、自信がないのか?」

「いや、山賊程度ならいくら束になってかかってこようが倒せる自信はあるよ。だけど逃がさない自信ってのはない」

「まぁ、多少逃げるぐらいは気にしなくていい。ある程度包囲網も作るからな」

「あ、なら大丈夫だわ。いつ行く?」

「明後日には出発したい。俺も同行するが、俺は基本手を出さん。監督だけだ」

「おっけー。じゃあ明後日ね。それまで俺はこの街プラプラしてるわ」

「おう、明後日の朝七時にギルドに来てくれ」

「わかった。話は終わり?」

「ああ、終わりだ。もう行っていいぞ」

「わかった。じゃあなー」

 

 イナはそういうとコーヒーを飲み終わり部屋から出た。

 

 

 ジェスロは部屋でゆっくりとコーヒーを飲む。

 

「ありゃ、人間じゃないな」

 

 ジェスロはそう確信をもって呟いた。

 

 人間ではないという確信の理由は当然ある。それは呼吸だ。

 呼吸による筋肉の動きがないし、そもそも呼吸音が聞こえてこなかった。

 となると正体は今のところ二つ考えられる。

 

(オルクスから来た吸血鬼とかのアンデッドか……アンドロイドか)

 

 前者であってほしいとジェスロは煙草に火をつけながら思った。

 

 知性あるアンデッドはこの時代この大陸ならば珍しくない。

 知性あるアンデッドの代表であるディ・フランケリヒが国を興し五千年以上維持しているのだ。

 その国から来た者ならばある程度信用が出来るという物。

 

 だが、二百年前空から来た異人であるアンドロイドは今のところ信用も信頼も出来ない機械兵器だ。

 

(学者どもはアンドロイドを魔法道具(マジックアイテム)のようなもの、と言っていたが……まぁあの嬢ちゃんがアンドロイドはまずないだろ、あんだけ感情豊かだし)

 

 今のところ有名なアンドロイドというのは七体居る。

 歌姫、殺戮侍、鍛冶職人、芸術家などだ。

 

 それら以外も驚異的であり今も人類の都市を襲い続けているが今の戦力でもどうにか出来ている。

 これら七体のみが例外的な強さを持ち英雄級でも太刀打ちできていない。

 

 ま、なんとかなるさとジェスロは煙草を吸った。

 

 

 

 

 ■

 

 

「よし、来たな」

 

 二日後のギルド。朝七時にイナが来ると其処には複数の冒険者チームとギルマスであるジェスロの姿があった。

 チームの中にはプサイロンドの姿もある。

 木箱のような乗り込める形の馬車が三台あり馬二頭で引く形になっているので馬も六頭いる。

 

「え、こんなに豪華なメンバーで行くの?」

「ああ。まぁ元からあった山賊退治の依頼を試験に流用する形だからな。万が一にも討ち漏らしが出たら困るから起きないよう戦力は整えていかんとあかん」

「ほへーわかった」

「じゃあ行くぞ」

「りょーかい。あ、道中の警戒とかどうする?」

「それは盗賊に上に乗って探索してもらうつもりだが……」

「じゃあ俺も上に乗って探索していい? 遠距離探知と攻撃手段持ってるし」

 

 その台詞にジェスロは苦い顔をしたがすぐに「いいぞ」と了承した。

 

「さんくす。じゃあいこー!」

 

 そうして出発した。

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