暗殺教室ー月は何を見るかー   作:TKTK(2K2K)

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UA2000、お気に入り50越え、更には評価に赤いバーが伸び始めて…なんか凄い事になってきたぞぉ…!
感想などもありがとうございます…!

そして集会の時間とか言っときながらほぼ日常会話パートです…!


集会の時間

まだ日が上がったばかりでまだ外もそこまで明るくない朝。

白利はいつも通り弁当を作り、朝食を食べ、制服に着替える。が、今日は縁側に素敵なゲストが訪れていた。

 

「お〜ユキか、朝早くから来るなんて珍しいなぁ。」

 

「ナォ〜」

 

縁側に訪れた真白い毛の『ユキ』と呼ばれた猫に白利は近づき、横に腰を下ろす。

ユキの背中をゆっくりと撫でてやると嬉しそうに鳴き声をあげ、白利のそばに座り込む。

 

ユキは白利の家や近所の家で飼っているわけではない、所謂野良猫だ。

初めて会ったのは小学4年生の時、野良猫なんて珍しいな程度だったのがいつの間にかよく訪れるようになり、特に迷惑をかける訳でもないので白利に『ユキ』と名付けられ食堂『天ノ川』の看板猫として可愛がられている。

 

ユキは朝には訪れる事は少ないのだが、今日は珍しくやって来たようだ。

 

「…今日はちょっと遅れて行くかぁ。」

 

「ンナ?」

 

「ん?心配してるのか?大丈夫だよ、時間はたっぷり余裕あるからな。」

 

わしゃわしゃと白く輝く毛を撫でる。

ユキは綺麗好きなのかいつもやたらと綺麗で、白利もたまに洗ってやっている。

 

「ん〜♡かわゆいね〜♡」

 

「ナァ〜」

 

「肉球ふみふみしてくれるの〜♡うれし〜♡」

 

ユキが自身の太ももに両前脚を交互に踏みつける姿を見て破顔する白利。

普段の表情とも親しい友人達に見せる表情とも違う、あまりにもデレデレな顔と緩み切った口角。

 

「ンナァ〜」

 

「お顔すりすりかわいいねぇ〜♡ユキにマーキングされちゃったぁ〜♡」

 

『こんな姿誰かに見られたら生きていけないな…』なんて思いながらユキを抱き上げる。

そういえば時間はどれくらい経っただろうか、確認しようとユキを降ろし

 

「………」

 

「………」

 

速水(知ってる顔)と目が合った。

速水の目はあり得ないものを見たと言わんばかりに大きく見開いていて、対して白利は一旦ユキに視線を戻してから再び視線を戻す。

 

変わらず速水はそこにいた。

 

『何故?』そんな思考が白利の脳内を駆け巡る。

 

速水の通学ルートは『天ノ川』の前を通るのだが、白利は毎日朝早くに出てしまうので知らないのだ。

一方速水も『月乃』の表札がかかっているのを見てはいるのだが、本当に白利の家だとは思っていなかったようだ。

 

「………」

 

「………おはよう、月乃。」

 

目を逸らした速水は消え入りそうな声で挨拶をし、足早に去って行く。

草垣に速水の姿が消えると同時に白利はバッグを持ち、道路へ出て速水の背中を追う。

 

「………」

 

「………」

 

速水の歩く速度が上がる、置いて行かれまいと白利も歩く速度を上げる。

 

「………!」

 

「待ちやがれぇ!!速水ぃ!!」

 

速水は耐えきれなくなったのか思い切り駆け出すと背後から白利が大声が聞こえた。

追いつかれたら何をされるかわからない。

速水は更に加速して行く。

 

「待て速水!記憶を少し消すだけだから!」

 

「そんな事言われて待つと思う!?」

 

最近速度強化のトレーニングを積んでいる白利を振り切れるわけも無く、速水は捕まってしまう。

 

「はぁ…はぁ…待てって速水…」

 

「待つ訳…ないでしょ……それ以上触れようものなら叫ぶわよ…」

 

「流石に冗談だよ…」

 

お互い息も絶え絶えで、一旦呼吸を整え2人で通学路を並んで歩く。

 

「いきなり逃げたりしてゴメン…」

 

「俺も追いかけ回してすまなかったよ…あの…さっき見た事は…」

 

「わかってる、誰にも言わないから。」

 

「ん…ありがとう。」

 

頭が冷えたのか、先程の件について謝罪をする2人だったが先程から速水の視線は白利の顔に注がれている。

思わず白利も見つめ返してしまうが、こうして速水の顔をしっかり見てみると女子のレベルが高いE組の中でもかなり整った容姿をしている。

 

「えーと…どうした速水?」

 

「月乃ってあんな表情するんだって思って。猫、好きなの?」

 

「猫も好きだが、動物全般好きだな。」

 

「そう。ねぇ今度あの子の事撫でさせてよ、…私猫好きだから。」

 

「猫、好きなのか。ユキは野良だからタイミングによるが…大丈夫だと思う、人を毛嫌いするタイプじゃないだろうし。」

 

「ふふっ、やった。」

 

速水は微笑み小さくガッツポーズした。

 

 

 

「あ…そういえば…」

 

そろそろ椚ヶ丘中学校が見えてくるかというところで速水が苦い顔をしながら呟く。

 

「どうした?」

 

「今日全校集会だ…」

 

「あ〜そうか、今日か。」

 

椚ヶ丘中学校は月に一度、本校舎体育館で全校集会が開かれるのだがそこでもE組は侮蔑の対象。

 

全校集会は昼休み明けの5時間目に行われ、E組は昼休みを返上して他のクラスの生徒よりも先に整列を終わらせておけ、となかなかに素敵なルールが敷かれている。

 

「全校集会サボろっかな〜」

 

「こういう時成績良くて素行不良って良いよね…」

 

「まぁな、積み重ねって奴だ。…素行不良は一回しか取られてないけど。」

 

全校集会に参加しないと罰が与えられるのだが、白利は成績が優秀なのと素行不良を取られているので『まぁ、いっか』くらいにしか思っていない。

そんな白利を見て速水は言葉を漏らす。

 

「月乃はさ…元のクラス、A組に戻りたいって思わないの…?」

 

「………」

 

E組には落ちても一応の救済措置はあるのだ、定期テストで学年187人中50位に入り、尚且つ元の担任がクラス復帰を許可すればE組から抜け出す事ができる。

 

「E組に落ちたのも成績不振じゃなくて素行不良…それも一回しか取られてないから、戻ろうとすれば普通に戻れるんじゃない?」

 

「…戻る気はねぇよ。殺せんせーや烏間先生にイリーナ先生、尊敬出来る愉快な先生達がいる。授業もA組よりも面白い。それに……速水達がいる。」

 

「私達…?」

 

「あぁ、E組には渚や杉野、千葉にカルマが…速水がいる。磯貝とか前原みたいな積極的に話しかけてくれた奴らもいる。あと前に言ったろ?俺が速水を頼るから速水は俺を頼れって。」

 

速水と友達になった日に話した『白利が速水に射撃を頼り、速水が白利に勉強を頼る』という頼り頼られの友達関係。

 

「月乃アンタ…」

 

「俺から速水と友達になりたいって言ったんだ。そう簡単に蔑ろには出来ないさ。」

 

「………」

 

速水は絶句した。

友達関係なら例えA組に行ったとしても続ける事は出来るはずだ、その事をわかっていない白利では無いだろう。

 

A組に戻りたく無い理由もあるのだろう、だがその言葉は速水の胸に温かいものを与えた。

 

 

 

 

 

2人は登校し、そのまま時間は流れやがて全校集会の時間がやって来たのだが…

 

「お、ここにいたかカルマ。」

 

「あれ?月乃君全校集会サボり?悪いんだ〜」

 

「お前が言えた口か?」

 

寝転がるカルマの横に腰を下ろす。

山の中に吹き抜ける優しい風が頬を撫でる。

 

「でも良いの?俺と違って月乃君は素行不良取られたの一回だけじゃん。多分A組連中に変な事言われるよ?」

 

「良いんだよ。常々思ってたが、A組のクラスといい全校集会といい居心地が悪すぎる。…あと、変な事言われても俺より成績低い奴が大半だろ?成績で語れって言えば黙る。」

 

「じゃあ俺は月乃君に変な事言えるって事じゃん。」

 

「それは今度の中間の結果でな。」

 

2人の何気ない会話だが、白利の言葉には心底うんざりしているような声色が含まれている。

そんな嫌な気持ちを振り切るように身体を伸ばし、寝転がり気持ちの良い陽光に眠気が誘われ瞳を閉じると

 

「おやぁ?全校集会をサボる不良には手入れが必要ですかねぇ。」

 

「「殺せんせー!!」」

 

2人を見下ろすように殺せんせーが立っていた、思わず立ち上がってしまう。

 

今本校舎では全校集会の真っ最中だが、表向きのE組の担任は烏間先生だということになっているので国家機密である殺せんせーはお留守番なのだが

 

「なにその…お粗末な変装は?」

 

「鼻がガタガタだし、関節曖昧だし、デカいしで隠す気ある?」

 

「にゅや!?いつもこれで出歩けているので完璧な変装だと思ったのですが…」

 

「出歩くなよ国家機密。」

 

人間風の変装をした殺せんせーの腕には大量のプリントが抱えられている。

内容は『生徒会だより』

 

「それは?」

 

「見ての通り生徒会だよりです、()()()()()()()ですが。E組にプリントが配られないイジメがあると聞いていたので先生書いてみました。」

 

「マジ?」

 

「どんな精度してんだよ…」

 

「それでは先生コレを配ってきますので!!」

 

2枚のプリントをその場に残して殺せんせーは消え、カルマと白利はただそこで立ち尽くす。

 

「……どうする?月乃君。」

 

「……眠気覚めたからちょっと身体動かしてくる。」

 

「おっけー、俺はここに残るから。」

 

そう言うとカルマは再び横になり、白利は運動場へ向かって行った。

 

 

 

 

 

「あ、帰ってきた。」

 

「渚君お帰り〜」

 

「月乃!カルマ君!もうなんで2人ともサボっちゃうのさ!」

 

先に2人は教室内で待っていると、やがて全校集会が終わり本校舎から皆が帰ってきた。

白利は自席、カルマは渚の席に座って2人してゲーム機を開いているのを見て、

さらに渚は声を荒らげる。

 

「ゲーム機まで持ってきて!!」

 

「アハハ、ごめんごめん。」

 

「渚、サボるってのも案外良いもんだぞ。」

 

「そんな事言えるの成績優秀な2人だけだよ…」

 

反省する素振りの無い2人の言葉にがっくりと肩を落とす渚、それを見て笑っていると肩をトントンとつつかれる。

肩をつついた相手がいるであろう方向を向くとそこには速水がいた。

 

「月乃。」

 

「ん?どうした速水。」

 

「そろそろ中間テストだから教えて欲しいところがあるんだけど。」

 

「わかった、どの教科だ?」

 

「理科なんだけどここが…」

 

机をくっつけ並んで教科書とノートを開く白利と速水を見たカルマは、渚の肩に腕を回すと渚を引き摺りながらゆっくりと2人から離れた。

 

「ど、どうしたのカルマ君?」

 

「ん〜?種に水撒こうとしたらとっくに栄養剤までぶっ刺さってたって感じ。」

 

「あー…そういうこと…」

 

「いや〜、いつかそういう関係になりそうな奴が出てきた時に弄ってやろ〜って思ってたけどその芽を最初に出しそうなのが月乃君とはね〜」

 

『弄ったらどんな音出すんだろ〜』とウキウキのカルマを見て冷や汗を流す渚、視線を白利に戻し今まで見た事のない友人の姿を目に焼き付けつつカルマに引き摺られて行くのだった。

 




ご覧頂きありがとうございました!

【月乃白利の秘密】

筋力は大して無いので正面戦闘ではカルマに劣る
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