MAHORA不思議ドリンク研究会   作:ヨシュア13世

15 / 75
前書き……サブタイトル以上に悩みます……。いっそ書かなくても良いですか……?


14時間目 どこに行ってもブレません

「何があったですか!」

 

「ゲコ」

 

「「……」」

 

パルが悲鳴を上げた方を見ると、何故だかカエルがパルの頭の上に乗っていた。……どっから湧いたのコレ。

 

「ど、どうしたの?」

 

「え、カエル!?」

 

パルの悲鳴を聞きつけたのか、何人かのクラスメイトが来たようだ。しかも――

 

「ひゃ!?」

 

「ひ!?」

 

わらわらとみんなの荷物からカエルが沸いてくる。え、いやこれホントなんですか!?

 

「こ、これは一体何事ですか……」

 

「さ、さぁ……。ってまさか!?」

 

だ、大丈夫だよな? 喉乾いた時に飲もうと思ってた俺の『おでんドリンク』は無事だよな?

 

「二見さん? 急にカバンを漁り出してどうしたですか?」

 

「いやなに、昨日見つけた新作がカエルに盗られてないか心配で……心配、で……」

 

カバンからパックを取り出すとそこには……

 

「ゲコ」

 

「あ」

 

いやがった。しかも重さ的に中身は空だ。そしてその時、俺の中の何かが切れた――

 

「わ――っ!? な、なんですかこのカエルの団体さんは――」

 

「てめぇ、このクソガエルがああああああああっっ!!!!」

 

「ふ、二見さん!?」

 

今誰か入ってきたか? いや、そんな事よりも!

 

「よくも……よくも俺が楽しみにしてたドリンクを―――っっ!!! てめぇらまとめて蛇の餌にしてやんよぉおおおおっ!」

 

「……二見さんがキレたです」

 

「丁度いいアル。ふたみん、その怒りをここにカエルを入れる事で発散するネ」

 

「オラオラオラオラオラオラ!!!!」

 

俺はこの時、間違いなく光速を越えていただろう。目の前にある袋に掴んだカエルを片っ端から投げ入れる。

 

「これはまた、何と言うスピードでござる。一般人とは思えないでござるよ」

 

「食べ物……いやこの場合は飲み物か。とりあえずその類の恨みは恐ろしいと言うのはホントだったようだな」

 

「待てやそこのカエル! 逃がさん!!」

 

「え、あれ……? カエルさんがいない……?」

 

「ネギ先生、二見さんが片っ端から捕まえているです。そろそろ終わると思いますですよ」

 

ふぅ、これで全部か? 袋の中ではまだゲコゲコ言ってるが……。

 

「クックック、何鳴いてやがるんだてめぇら。今度はてめぇらが呑まれる番になるんだよ。何しろ蛇は丸呑みだからなぁ!」

 

「二見さん、その辺で止めておくです。ドリンクは確かに残念ですが、京都には面白おかしい物がたくさんあるかも知れませんよ?」

 

「……む。確かにそっか。んじゃ、とりあえずこいつらはネギ君に渡せばいいのかな?」

 

ここでキレ過ぎると京都の面白い物を堪能できないかもだし、この辺で止めておこう。

 

「あ、はい! 僕が責任を以ってどうにかします! えと、しずな先生は――」

 

「ネギくーん! しずな先生が失神してるよー!」

 

……源先生ってカエル苦手なのか? まぁ、女子はああ言うの苦手だろうし、変ではないか。

 

「えぇっ!? そ、それじゃあ保健委員は介抱を! いいんちょさんは至急点呼をお願いします!」

 

「へ~~、すごいテキパキと指示出せるんだな。さすが先生」

 

「感心してないで二見さんも手伝うです。保健委員も失神しているようですし」

 

「ほいほい」

 

俺達はネギ君の指示に従って、気絶した源先生と保健委員の和泉を椅子に寝かせた。まぁ、介抱って言っても病気とかじゃねえからな。こんなもんだろうさ。

 

「ふぅ……まったく、あのカエルはなんだったんだ?」

 

「どこかのカエル好きが持ってきたカエルが逃げ出しのかもしれませんね」

 

「いやいやいや、数が多すぎだろ。100近くいたんじゃないか?」

 

「108匹アルよ。ふたみんが入れてるの数えてたアルからまず間違いないアルね」

 

「ほらな? ……思い出したらまたムカついてきた。あのカエルめ……」

 

別にドリンク自体は買えば済む話だ。だが俺がムカつくのは盗られた、という所だ。

 

「分かりましたから落ち着いてください」

 

「分かったよ……ちぇっ」

 

…………

 

………

 

……

 

 

『――まもなく京都です』

 

「皆さん、降りる準備をして下さーいっ!」

 

「はぁ~~、やっと京都か」

 

ずっと座りっぱなしだったから腰がいてぇ……。

 

「なーんかあっという間だったねぇ」

 

「そうですね。ハルナ、カードで負けた分のお菓子の支払いよろしくです」

 

「くっ、誤魔化せなかったか」

 

「当然です」

 

こいつらはカエル騒動の後にまたカードバトルを始めていた。……俺も帰ったらまたやってみようかな。

 

「あ、二見さん綾瀬さん、ハルナさん。もうすぐ着きますので降りる準備してくださいねー」

 

「おー、もう俺は大丈夫だ」

 

「私はカードを片付けたら大丈夫です」

 

「私もー」

 

そして、最初の目的地だと言う清水寺にやってきた。あー……綾瀬の語りが始まりそうな予感……。

 

「これが噂の飛び降りるアレ!」

 

「誰か飛び降りれっ!!」

 

「では拙者が」

 

「おやめなさい!」

 

いや、飛び降りれって……これ結構高いよ? 落ちたら死ぬんじゃね……?

 

「ここが清水寺の本堂、いわゆる「清水の舞台」ですね」

 

「あ、始まった」

 

「こうなったら止まるまで待つしかないかー」

 

「う、うん……」

 

「本来は本尊の観音様に能や踊りを楽しんでもらおうと言う装置であり国宝に指定されています。有名な「清水の舞台から飛び降りたつもりで……」の言葉通り、江戸時代実際に234件もの飛び降り事件記録されていますが生存率は85%と意外に高く……」

 

良くそれだけの情報をペラペラと話せるな。どんだけ好きなんだよ神社仏閣。

 

「うわ、何か変な人がいるよ!?」

 

「夕映は神社仏閣マニアだから」

 

「まだ現物見ながらだから良いじゃねーか。俺なんか現物も無いのにひたすら2時間も延々と……くぅっ!」

 

アレはハッキリ言って苦行以外の何物でもなかった。それからと言うもの、俺は神社仏閣系の事を話題に出さないようにしている。

 

「……ふたみん、大変だったんだね」

 

「分かってくれるか」

 

「失礼な!」

 

「でもスゴイですよ夕映さん!」

 

「ありがとうございます」

 

おや、ネギ君は興味津々みたいだな。やっぱ外人にはこういう所は珍しいのかな? 周り見ても外人さんちらほら見かけるし。

 

「それにしてもスゴイ! 京の街が一望ですね~~~!!」

 

「喜んでいただけて良かったですわネギ先生」

 

「ああ、この肌触り……素晴らしいです」

 

「……そこまで行くとさすがに引くぞ」

 

綾瀬がうっとりとした表情を浮かべて手すりに頬ずりしてる姿は正直、気持ち悪いとしか表現できん。

 

「この素晴らしさは分かる人だけ分かれば良いですよ」

 

「そう言うもんかね?」

 

「そう言うものです。そうそう、ここから先に進むと恋占いで女性に大人気の地主神社があるです」

 

「え」

 

「恋占い!?」

 

その瞬間、確かに空気が変わった。女子ってそう言うのホント好きだよな。

 

「ではネギ先生一緒に、その、恋占いなど……」

 

「は、はあ」

 

「あ、ネギ君私も私も――!!」

 

「あ……私もー……」

 

うわ~、ネギ君モテモテじゃん。なるほど、これが噂に聞く英国紳士の力というやつか!

 

「ちなみに、そこの石段を下るとあそこ! 有名な「音羽の滝」に出ます。あの三筋の水は飲むとそれぞれ健康・学業・縁結びが成就するとか……」

 

「へぇ~。……む、待てよ?」

 

って事は健康のを飲めば不思議カレーやその他食い物系が食えるようになるって事か!? こうしちゃおれん、さっそく持って帰らないと! 入れ物は適当なペットボトルを使うとしよう!

 

「どうかしたですか?」

 

「いや、健康のを飲めば不思議カレーとかその他を普通に食えるんじゃないかって思ってな」

 

「!! なるほど、その手があったですか……。二見さん、水筒の用意は出来ていますか?」

 

「今からペットボトルを調達するところだ」

 

「了解です。なるべく沢山持って帰りましょう!」

 

「おう!」

 

よーし、これで不思議カレーリベンジ出来るぜ!

 

「あんたら……どこに行ってもブレないわね」

 

「おいおいパル、何言ってるんだ?」

 

「そうですよハルナ」

 

「え?」

 

「「いつもより控えめだ(です)」」

 

まだ初日だしな。俺は今日でさよならだろうけど、あとは綾瀬が上手くやってくれるだろう。

 

「あー、ハイハイ。話しかけた私が悪かったって」

 

「二見くーん! ちょっと良いかしらー?」

 

「源先生? 何か用ですか?」

 

「ええ、ハワイの神多羅木先生と連絡ついたからお知らせにね」

 

「ういっす。俺は明日からハワイ入りでしょ?」

 

あ~~、外国の不思議ドリンクは一体どんなのがあるんだろうか? 楽しみでしょうがないぜ!

 

「では、ハワイの不思議ドリンク収集は頼みましたよ?」

 

「あとハワイのお土産もね~」

 

「土産は知らんがドリンクは任せておけ!」

 

「なんでさ!?」

 

「えーっと、よく聞いてね? これは学園長ともお話して決めたんだけど、二見君はこのまま3-Aの皆さんと一緒に修学旅行を最後まで。と言う事になったの」

 

……は?

 

「……あの、今、何て?」

 

「二見君はハワイには行かず、このまま京都での修学旅行となったの。もちろんちゃんと配慮はするからその辺は安心してね?」

 

「……のっ、NO~~~~~~~!?」

 

本日二度目の絶叫。俺の……俺の初めての海外旅行が……。

 

「あらら、ふたみん残念だったねー」

 

「そう言う事なら仕方ないです。惜しいですがハワイのドリンクは諦めるとしますか。二見さん、そこで不貞腐れてないで早く行くですよ」

 

「うぅ……ちくしょ――――!!! ハワイのバカヤロ――――ッッ!!!」

 

「や、悪いのはふたみんじゃん」

 

「グサッ」

 

……そうでした。元々は寝坊した俺が悪いんだよね……。

 

「さ、早く行きましょう。ほぼ間違いなく皆さんこの先の恋占いの石があるところにいるでしょうし」

 

「っと、こうしちゃいられないわね! 恋占いなんて超面白い出来事が起きるのは必須! 私が行かない道理は無い!!」

 

「相変わらずこう言う時のハルナの行動力はスゴイですね」

 

「だなぁ」

 

あっという間に見えなくなったパルを追いかける俺達。海外旅行は……うん、いつか自分で金貯めて行こう。

 

 




結局ハワイには合流出来ません(笑)
このまま京都修学旅行をこの調子で突き進みます。

でもオリ主1人と言うのも何かアレので新キャラを追加予定です。以前にじ○ぁん&自サイトで投稿していた時とはまた違った展開になっていきますので、何卒よろしくお願い致します!

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。