『只今より、第78回麻帆良祭を開催します!!』
「す、凄い人の数ニャ……!」
「スゴイ……」
「まさかここまでとは思いませんでした……」
「いやー、毎度の事ながらスゲェ人だなぁ」
これ去年より人多くね? そういや毎年増加傾向にあるとかないとか言う話を聞いた事あるな。
「ほぅ、これは中々壮観だね。まるでテーマパークみたいだ」
「みたい、じゃなくてその物だけどな。どこ行っても何かしらやってるし。これ麻帆良祭のガイドマップ、全員分用意してあるから」
「……お兄ちゃん、ここ行きたい」
「え?」
「あ、私はこっち行ってみたいですフタミン様!」
「ちょ!?」
「やれやれ。……おや、『世界コーヒー展』? では僕はこっちに」
「待てい!!」
こ、こいつらいきなり迷子になる気かよ!! ……ま、別に良いか。リアはともかく、他の奴らは放置していても。
「……行こ、お兄ちゃん」
「ああ、分かった。で、ほむほむはどーすんの?」
「え? あ、あれ? 誰もいない!?」
「あー、ぼーっとしてる間に置いていかれたのか」
「……ぷーくすくす」
また早乙女の入れ知恵か……? 変な事ばっか教えやがってあんにゃろう……!
「ぬぐ! ……ない」
「ん?」
「い、一緒に行ってやらんでもないと言ったんだ!」
「……別に、無理して来なくても良い」
「フェイトはしばらく移動する事はなさそうだからそっち行っても良いと思うけど?」
「コーヒーは……淹れる事は出来るが飲めないんだ……」
そう言って項垂れて悔しそうな表情をするほむほむ。あらやだ可愛い。
「……なでなで」
「慰めはよせ!」
「はいはい、とっとと行くぞー。リアはどこ行きたいんだ?」
「……お兄ちゃんと、見て回りたい」
「ぐっはァっ!!??」
会心の一撃、ふたみんは999のダメージを受けた。ふたみんは倒れた。……いやぁ、今のはヤバかった。危うく昇天するかと。……あれ? これもうロリコンなんじゃ?
「お、おいこいついきなり吐血したぞ!?」
「か、可愛いは正義……!」
「何を言ってるんだお前は!?」
「……大丈夫?」
「大丈夫だ、問題ない」
さて、おふざけはこの辺にして、そろそろ学祭巡りするとしますかねー。
「あの、すみません。少しお尋ねしたいのですが」
「はい?」
「?」
「ここにネギ・スプリングフィールドってのがいるでしょ? どこにいるの?」
声をかけてきたのは金髪の綺麗な女性と赤髪の幼女。あれ、この組み合わせどっかで見た事あるような……。そしてネギ君を探してるのか? あ、もしかして……
「ネギ君は……自分のクラスにいるのかな?」
「……多分。最初にクラスのを見に来るって言ってた」
「なるほど。と言う事らしいですよ。えーっと、ネギ君のお姉さんで合ってます?」
「え? ええ、そうですけど……?」
「あー、良かった! あ、俺ふたみんって言います。ネギ君には色々世話になってまして」
「……リア」
「で、こっちがほむほむ」
「その呼び方は止めろと! ……焔だ」
ホント、ネギ君には世話になったよなぁ。修学旅行の時とか魔法の練習の時とか。また今度お礼のドリンクでも渡さなきゃな。
「あら、そうだったんですか。私はネギの姉のネカネ・スプリングフィールドと言います。ふたみんさんとリアちゃんと……ほむほむさん」
「ちがーう!!」
「私はアンナ・ココロウァ。アーニャで良いわよ」
「……アーニャん?」
「お、それいいね。よろしくなアーニャん」
中々呼びやすいあだ名だな! さすが我が妹、素晴らしいネーミングセンスだ!
「アーニャんって何!?」
「諦めた方が良いぞアーニャん」
「ふふ、可愛いあだ名ねアーニャん」
「むぐぐぐ……!」
「さて、ではネギ君のクラスに行きましょうか。確かお化け屋敷だったっけ?」
「……うん」
フェイトにメールでネギ君のクラスに行くとだけ伝え、ネカネさんとアーニャんを引き連れて3-Aへと向かう。
「ふん、どうせボケネギの事だからボケボケ~ってしてるんでしょ?」
「……最近、頑張ってる」
「ありゃ稀に見るしっかり者だよ。でも、子供らしさに欠けてる気がする」
「そうなんですか……」
「私は挨拶くらいしかした事はないが……確かに先生と言うだけあって年不相応に達観している雰囲気があったな」
「なんかスケジュールもキツいみたいだから、ちょっとお姉さんが甘やかしてあげてくださいな!」
そのためにネギ君に招待しろって言ったわけだしな! まさかネギ君の記憶で見た幼馴染までもが来るとは思わなかったけど。
「ふふ、はい。私にどこまで出来るか分かりませんが、姉としてやれる事をやらせていただきます」
「ネカネお姉ちゃん……」
「あ、そだ。アーニャんってネギ君の事好きなん?」
「ブーッ!!」
「……ビンゴ」
「ち、ちちち違う! な、なななななんで私があんなチビでボケでガキのネギなんかを……」
「顔が真っ赤だぞ。フタミン、これはどう言う事だ?」
「ああ、確定って事だよ」
分かってなさそうなほむほむに教えてやる。あー……俺、綾瀬の前だときっとあんな顔してるんだろうな……。女の子がやると可愛らしいけど、男がやってるかと思うと…………うっわ、気持ち悪っ!! 俺気持ち悪っ!!
「ちーがーうー!! ネカネお姉ちゃんからも何か言ってやってよ!」
「うふふ♪」
「お姉ちゃんの裏切り者ぉー!!」
「……着いたよ」
「!」
「着くなり身なりを整えるアーニャんであった」
いやー、分かりやすくて萌えるわー。もう俺ロリコンでも…………ハッ! 俺は今何を思った!? 認めてはいけない! 認めてはダメなんだ!!
「う、うるさい!」
「んーと……あ、いたいた。おーい、ネギくーん!」
「ふたみんさん……それにお姉ちゃん! ってアーニャまで!? え、なんでアーニャが!? 確かロンドンで占い師の修業中じゃ……」
「たまたま帰ってきた時にネカネお姉ちゃんと一緒にあんたが送って来た手紙読んだの! そしたら何よ! お姉ちゃんだけこんなお祭りに招待してズルい!」
「ズ、ズルいって言ってもアーニャが帰って来てたなんて知らなかったし……それに修業の邪魔になるかもって」
「む……」
さて、無事にお姉さんとアーニャん送り届けたし、俺らは俺らで学祭巡りしますかねー。
「んじゃ、ミッションコンプリートって事で俺らはこの辺で失礼するよ」
「……またね」
「またな」
「あ、今日はありがとうございました。またお礼しに伺いますね」
「次あんな呼び方したら蹴るわよ!」
「「「アーニャん」」」
「うがーっ!!」
「……れっつ、氷漬け」
そうして氷漬けになるアーニャん。毎度思うんだけど、良く死なねぇよな。いや、俺も人の事言えないけどさ。
「アーニャ!?」
「あらあら」
「……またつまらぬものを凍らせてしまった」
「相変わらず恐ろしいな。無詠唱で氷漬けとは……」
「……ちなみに3分あれば溶けるから安心して」
「何をどう安心するんだこれ……?」
「……いこ、お兄ちゃん」
結局俺達は氷漬けのアーニャんを放置して、そのまま学祭巡りをする事にした。
「む? 貴様達……」
「……BBAだ」
「学祭期間中なら私も多少魔法が使える。容赦はせんぞ?」
「……ぼっち?」
「おっすエヴァにゼロ。やたら可愛らしい服来てんのなぁ」
「ふん、褒めても何も出んぞ」
「ケケッ、ロリコン乙」
え、なんで俺いきなり罵倒されてんの? ……あ、俺の周りロリしかいねぇ!? ほむほむが辛うじて……いや、こいつもロリ枠だな!
「じゃ、俺ら学祭回るから!」
「おい、お前のクラスでの出番はいつだ?」
「え? 明日の午前だけど…………あ」
「そうかそうか。では貴様の晴れ姿、とくと拝ませてもらうとしよう。ククク……アーハッハッハ!!」
「楽シミニシテルゼ」
「うわぁあああっ!!?? ヤベェ、どうしよう! 絶対弄ばれる! アレをネタに弄ばれる!!」
あいつは情け容赦なしで傷口抉ってくる! 俺の心にトラウマを刻み込むレベルで抉ってくる!!
「なんで『闇の福音』とあんなに親しげなんだ! いくら仮契約としているとは言っても!」
「あれのどこが親しげだ! どう見ても遊ばれてるだけだろうが!」
「……BBA退治は任せて」
「フェイト様……早く戻ってきてください……」
「あ、フェイトならさっきメールがあってコーヒーを全て制覇するまで動く気はないらしいぞ」
学祭の指定ポイントでの告白行為の阻止とやらは良いのか……? リアはやらなさそうだし……。まぁ俺が気にする必要はなさそうだけどさ。
「むぐ……」
「……ユエの所、いこ?」
「そう、だな……頼む! 手を握っててくれ! 緊張で死にそうだ!」
「うわっ!? 汗まみれの手で掴んでくるな気持ち悪い!!」
「……ベタベタする」
仕方ないだろ! まだ対峙してもないのに既に緊張で心臓が爆発しそうなんだよ! なんだ? これは俺が特別おかしいだけなのか!? 誰か! 誰か教えてくれ!!
「さ、差し入れにドリンク買っていこう!」
「……! 学祭限定ドリンク……!」
「うわぁ……」
「……『わさび牛乳(甘口)』見つけた」
「よし、一本あればいいな。さぁ行こう!」
「ちょ、引っ張るな!!」
「……お兄ちゃん元気になった」
元気? 違うね! 緊張しすぎて何をどうしたらいいのか分かんないだけなんだよ! こんな情けないお兄ちゃんでごめんよ!!
~今回の出来事~
・フリーダムなフェイト一行&置き去りのほむほむ
・お姉ちゃんとアーニャん登場!
・ドリンクが控えめ(まだまだこれからです)
原作だとネギ君がタイムワープしまくってるんですが、当然主人公達にそんな事はなく進んで行きます。なのでしばらくは原作で言うと10巻と11巻の間を行き来するような感じになります。