ギヴォトスにTS転生してしまったのでできるだけ頑張ります 作:Sankon
───目が覚める
……………違和感
体を起こし自身の周りを確認する。
しかし、見れば見るほど知らない景色が広がる。
「は?」
声が出た。高い。明らかに自分の声じゃない。
近くに張ってあった水たまりを恐る恐る覗く。
「嘘だろ……。」
俺はTS転生した。
かつて平凡な男子高校生だった「俺」は、目覚めると学園都市キヴォトスで少女として転生していた。
服に入っていた学生証を見るに俺はトリニティ総合学園の中等部のようだ。
名前は───朝倉ルナ
主に白色で毛先だけが水色のグラデーションの髪が腰まで伸びている
瞳はきれいな蒼色。
まるで、宝石のようだ。
「なんでこんなことに………。」
そこで、一つの疑問が浮かぶ。
俺の知っているブルアカではこんな生徒は登場していないのだ。
俺が考えに耽っていると───
ぐうぅ~
明らかに自分の腹から聞こえた音
「クソ〜〜、腹減ったのに未だにここが何処かすらわからねぇーー。」
───と現状に腹を立ててると後ろから声をかけられた
「そこの貴方、こんな時間に何をしているのですか?」
初対面にしては強めの口調だった。
恐る恐る振り向くと、知っている顔があった。
───羽川ハスミ
正義実現委員会の副部長。
ということは俺、なにかやっちゃいました?
「不審な動きをすれば即刻打ちますよ」
「す、すいません。私何もしてません。」
「では、なぜこのような時間に外に出ているのですか?完全下校時刻は過ぎていますよ。」
ごもっともすぎるー。
───どうする?逃げる?いや、分が悪すぎる。
ここは、伝家の宝刀───
「すいませんでしたー!!」
思い切り土下座をする。
プライドなどとっくに捨ててきたぜ!
結局、俺は連行されてしまった。
しかし、俺の必死の弁明で釈放された。
実はハスミさん、このとき1年生だったらしい
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月日が流れ、朝倉ルナとして2年間過ごした。
俺はトリニティ総合学園2年生になった。
俺の知っているブルアカではこの年に物語の主人公とも言えるシャーレの先生が着任する。
俺としても先生の顔は一度拝んでみたいものだ。
なぜなら、先生はギヴォトスの全生徒を虜にするほどハイスペイケメンと聞く。
───とそんなことを考えてると
「ルナ、仕事よ」
「……嫌です」
「貴方に拒否権はありません。スケバンたちが街で暴れているそうです。至急鎮圧してきてください。」
「うぅ…。まだ、書類仕事終わってないのにーーー。」
上の命令なので逆らえないのが辛い。
俺の所属する部活は正義実現委員会である。
「スケバンの鎮圧完了しましたーーー。」
「お疲れ様です。ルナ」
「ハスミ先輩人使い荒いですよー。」
「それは貴方を信頼してるからですよ。」
「嘘だー。私の「特別捜査部」が使いやすいだけでしょー。」
特別捜査部とは、正義実現委員会でルナのためだけに作られたグループ。しかし、メンバーはルナ一人である。特別捜査部では、単独での任務が許されている。
「そういえば、シャーレの噂聞きました?」
「はい、知っていますよ。なんなら、もうお会いしましたよ。」
「嘘でしょ先輩ー。抜け駆けは良くないですよー。」
「そんなことを言っていないで手を動かしなさい。
もうすぐエデン条約なんですから」
エデン条約、トリニティとゲヘナという2つの大きな学校が共に構成員を供出し合い「エデン条約機構(ETO)」を設立、同機構によって両自治区の紛争解決を行うことで両学園間の全面戦争を回避する構想。
しかし、それはアリウス自治区の生徒たちにより渾沌に落とされる。
「そういえば、ルナ。貴方に頼みごとがあります。」
「またですかー先輩。」
「いいから聞いてください。
私達の後輩に下江コハルという生徒がいるのをご存知ですか?」
「まぁ一応。後輩なんで」
「今度、コハルを補修部に編入させます。」
「そりゃまたなんで?」
「コハルは成績が悪く落第の危機があるためです。」
「それは仕方ないですね……。それで頼みごとってなんですか?」
「貴方に教師役としてコハルのサポートをしてほしいのです。貴方はそれなり勉強はできる方と知っていますので。」
「別にいいですよ〜。可愛い後輩のためなんで」
理由はそれだけじゃないけど。
俺はエデン条約が始まる前に先生と接触しなければならない。早めに対策は打っておいたほうがいいし。
それに、トリニティを代表する組織、ティーパーティーの一人聖園ミカの裏切りを止めなければならない。
「ありがとうございます。ルナ」
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そして今、
「もう嫌っ!!こんなことやってらんない!分からない!つまんない!めんどくさい!!それもこれも、全部先生のせい!!」
「皆さんめんどくさいことをやって進級していくのですよ。」
「もう、コハルちゃん。そんな無茶苦茶なことを言ったら、先生が困ってしまうでしょう?あくまで先生は私たちを助けるために来てくださってるんですし……そもそも勉強が分からないのも試験に落ちたのも、先生ではなくコハルちゃん自身のせいで……。」
「うっ……わ、私は正義実現委員会の一員だから!それで、授業に出られないことが多くて……そう!そのせいなの!」
「それは他の正義実現委員会のメンバーも同じだ。でもここに来てるのはコハルだけ。」
「………。」///
などと生徒達が会話していると、遅れてもう一人の生徒がこの教室に入ってくる
「すいませーん。遅れましたー。」
「る、ルナ先輩!?」
「お、コハル〜。元気してた〜?」
───と呑気そうに挨拶するのは私と一緒に勉強を教える事になった朝倉ルナという生徒
「まさかルナ先輩も試験に落ちたんですか?」
「いや、私は教師役兼コハルのお目付け役ですね。」
「やっぱ他の正義実現委員会の人はちゃんと勉強している」
「そんなことない。ルナ先輩はもともと頭良いんだから。」
「そんなに言われちゃ照れるなあー」
「あ、えっと、その……こうして集まっているのは、そもそも退学せずに済むようにするためですし……取り合えずその、今はみんなで知恵を寄せ合って、何か言い方法を探さないと……。そうしないと、一週間後には本当に仲良く全員退学、なんてことに……。」
「「知恵を寄せ合う」……なるほど。悪くないのですが、あまりグッと来る感じではありませんね。もう少しこう、何か……ここは例えば、そうですね……「弱くて敏感な部分を寄せ合う」、という形でいかがでしょう?」
「…………?」
まったく何も知らない純粋な表情をしている。
「先生はどう思いますか?」
「間違ってはいないんだけど……」
「い、いきなり何言ってんの!?下ネタはダメ!禁止!死刑!!び、敏感な部分って、何をどう寄せ合おうっていうわけ!?」
「ああ、ちょっと分かりにくかったですか?では、実際にやってみせましょうか。もう少しこう、脚を開いていただいて…。」
「や、やめっ……!やめてぇっ!たっ、助けて先生…ルナ先輩!わっ、私が悪かったです先輩相手にタメ口ですみませんでした!もう許してやめてっ、それはまだ嫌ぁーーー!!!!」
これは私が想像していたよりも酷い。
ルナは部屋の端で気配を完全に絶っている。
【第一次特別学力試験、当日】
「え、エリートの力を見せてやるんだから!」
「あ、あはは……頑張ります。」
「ふふっ、はい。」
「準備は完璧。」
「みんな頑張れーー。コハルー応援してるぞー。」
「それでは…第一次特別学力試験…始め。」
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「皆の結果を発表します」
阿慈谷ヒフミ 72 点 合格
白州アズサ 32点 不合格
下江コハル 11点 不合格
浦和ハナコ 2点 不合格
───────合宿決定
実質初めてみたいなものなんで生暖かい目で見てください