モンスターハンター ~恋姫狩人物語~   作:黒鉄大和

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第22話 決戦 砂漠の支配者

 クリュウ達四人のハンターに守られた商隊の五匹のアプトノスに引かれた五台の竜車は密集陣形で進む。その前方をクリュウが、左をラミィ、右をレミィ。そして中央の竜車の上にフィーリアが立って商隊を護衛する。

 人々も双眼鏡などを使って辺りを警戒している。

 商隊は砂漠を横切るようにして進み続ける。もうすぐ狩猟区域を抜けられる。人々に安堵が流れた。その時、

「四時方向から何か来るッ!」

 商隊の一人が叫んだ声にクリュウ達はその方向を見詰める。

 確かに、何かが砂煙を舞い上げながら突っ込んで来る。あれは……

 徐々に迫るそれは、無数の黒い影。しかしそれは近づくにつれてはっきりとし……

「げ、ゲネポスだぁッ!」

 誰かの悲鳴に戦慄が走った。

 迫って来るのは無数のゲネポスの大群。その先頭には先程のドスゲネポスが走っている。どうやら援軍を呼んで来たらしい。このまま無事に帰すつもりはないようだ。

「商隊の皆さんはこのまま狩り場を抜けてください! ここは僕らで何とかします!」

 クリュウの声に商隊の頭らしき男が「すまねぇッ!」と叫んで全アプトノスを全力で走らせた。

 去って行く商隊と迫るドスゲネポス+ゲネポスの大群を見比べ、ラミィはため息する。

「あんたのせいであたし達まで残るはめになっちゃったじゃない」

「ご、ごめん……」

 クリュウが申し訳なさそうに謝ると、ラミィはフンと鼻を鳴らしてそっぽを向く。だが、その表情はどこか優しげだった。

「まぁ、元々商隊を守るのはあたし達の依頼だし。仕方ないわね。レミィ!」

「うんッ!」

 二人は背中に装備していた身長よりも大きなランスとガンランスを構える。クリュウとフィーリアもそれぞれ剣とボウガンを構えた。

「フィーリア。シビレ罠はあと何個?」

「あと二個です。しかし、これだけの大群相手では……」

「焼け石に水だね」

「へぇ、難しい言葉知ってるじゃないの」

「君が言うとバカにしてるようにしか聞こえないんだけど」

「あら、そう?」

「すみません……」

「いや、別にレミィが謝らなくても。悪いのはラミィだし」

「ちょっと! 何で私が悪いのよ! っていうか勝手に呼び捨てにしないでよバカッ!」

「あの、皆さん……目の前の状況から目を背けないでください」

 フィーリアの言葉に、三人は再び視線を戻す。その先にはもう間近まで迫ったゲネポスの大群が……

「狙うは頭であるドスゲネポスのみです! リーダーを失えば統制は崩れ、撤退するでしょう! それでも残る残党は私達の力で十分対処可能です! いきますよ!」

『了解!』

 四人はそれぞれ一発ずつ手に持っていた閃光玉を投げ飛ばした。刹那、まばゆい四つの光が爆発し、全てを真っ白に染め、戦いの火蓋が切って落とされた。

 

 閃光玉で視界を塞がれたドスゲネポス以下十数匹のゲネポス。その後方の残った数十匹のゲネポスは突撃して来るが、フィーリアの放った閃光玉がその一部の動きを止める。

「うりゃあああああぁぁぁぁぁッ!」

 まず最初に突貫したのはラミィ。体勢を低くして槍を前方に構え砂煙を上げながら全速力で突き進む。前にいるゲネポスの体を貫き、次のゲネポスを弾き飛ばし、次は貫き、その次はぶっ飛ばす。ランスの強力な突撃の前ではゲネポスはあっという間に潰される。そのままラミィは突貫し、ドスゲネポスに突っ込んだ。強力な槍の先端がドスゲネポスの身体を削る。だがわずかに角度がずれた。

 ラミィは舌打ちして一旦そのまま走り抜けて急停止すると方向転換。その間にクリュウが突っ込んでドスゲネポスに斬り掛かる。

「うりゃぁッ!」

 手に持ったドスバイトダガーを縦横無尽に動かしてドスゲネポスの体を斬り裂く。さっきの大タル爆弾のダメージはかなり残っているはず。それを信じてクリュウは剣を振るう。

「どきなさいッ!」

 その声に慌てて後退すると、目の前をラミィが突撃して来た。その一撃がドスゲネポスを吹っ飛ばす。それにしても危ない。

「危ないなッ!」

「あんたが邪魔なのよ! イャンクックも倒せない奴は黙って見てなさい!」

 通り抜けざまに怒鳴るラミィ。戦いの最中だというのに、怒りが込み上げる。そりゃあ自分はまだイャンクックは倒していないが、そこまで言われる筋合いはない。

 クリュウはその怒りを剣に込めてドスゲネポスに斬り込む。一撃一撃が確実にドスゲネポスにダメージを蓄積する。

「クリュウさん! 離れてください!」

 その声に慌てて後退すると、今度はレミィが突っ込んで来た。走って来た彼女はすぐにアイアンガンランスを背中から抜くと、その砲身でピッタリとドスゲネポスを捉える。その瞬間、レミィのクリッとした瞳が細く絞られる。

 砲身からすさまじい熱が放出し、砲身が真っ赤に染まる。

「ファイアァッ!」

 刹那、砲身から爆発が起きた。すさまじい火炎にドスゲネポスの体が吹き飛ぶ。ガンランスの超必殺技、《竜撃砲》だ。その威力は火竜のブレスにも引けをとらない強力なもの。唯一の弱点は発射まで時間が掛かるのと切れ味が大幅に落ちること、そして一発撃つとしばらく使用不能になることだが、その威力は折り紙つきだ。

 吹っ飛んだドスゲネポスに、レミィはピッタリを砲口を向けて通常砲撃を開始する。先程の竜撃砲に比べれば圧倒的に威力は低いが、それでもかなりの高威力の砲撃にドスゲネポスは悲鳴を上げる。その時、レミィの後方からゲネポスが飛び掛った。

「危ないッ!」

 クリュウはレミィの後ろに駆け込んで盾を構える。ゲネポスの一撃は盾に防がれ、反撃の薙ぎ払いがゲネポスを吹き飛ばす。

「ありがとうございます!」

 レミィはガンランスを折って空になった薬莢を放出。その先端からはすさまじい熱が放出されている。先程の竜撃砲で熱くなった砲撃装置を冷やしているからだ。まだ第二射までは時間が掛かる。

 ドスゲネポスは一度距離を取って後方に下がる。その間にクリュウとレミィは数匹のゲネポスに襲われるが、盾と連携してそれらを突き倒し、斬り倒す。

 そこへ再びラミィが突貫して来てゲネポス二匹を吹き飛ばす。そしてそのまま二人に駆け寄ると、クリュウの頭を引っ叩いた。

「な、何すんだよ!」

「あたしの妹に何かしたら刺殺するわよッ!」

 意味不明な事を叫んでクリュウを突き飛ばすと、ラミィとレミィは互いの背中を合わせて前後に展開する。これが二人の陣形(フォーメーション)らしい。突撃して来たゲネポスは二人の連携攻撃に次々に散る。

 ラミィの強烈な突きに、レミィの高威力の砲撃に、ゲネポスは次々に砂の上に倒れる。

 クリュウは一旦二人から離れて商隊を追おうとしたゲネポスを撃滅していたフィーリアに駆け寄る。

「フィーリア! ドスゲネポスを片付ける!」

「わかりました!」

 フィーリアは最後の一匹を至近距離で撃ち抜くと、クリュウと共に敵陣に突っ込む。ゲネポス達はラミィとレミィに集中している。今のうちにドスゲネポスを叩く。

 ドスゲネポスは十匹のゲネポスを従えていた。あれが親衛隊なのだろう。そのゲネポスが砂煙を上げて突撃して来た。クリュウとフィーリアはそれを斬り倒し撃ち倒す。

 前方から突撃して来たゲネポスを斬り倒し、横から来たゲネポスを薙ぎ払うように斬り倒す。反対側から突撃して来たゲネポスの一撃を盾で防ぎ、剣で斬り付ける。

 フィーリアは後方から通常弾LV2を連発してクリュウを襲おうとするゲネポスを牽制し、吹き飛ばす。

 後方支援を受けて、クリュウはドスゲネポスに突撃する。ドスゲネポスは体を仰け反らして鳴き声を上げると、迎え撃つように突進して来た。

「ギョオワァッ!」

 突っ込むクリュウにドスゲネポスはジャンプ攻撃をして来る。その一撃を慌てて急停止して盾を構えて防ぐ。腕が痺れるぐらいの一撃に歯軋りして剣を叩き込む。ドスゲネポスの体から血が噴き出し、その血飛沫が頬や髪に付く。

 仰け反るドスゲネポスに回転斬りを炸裂させて吹き飛ばす。そこへすかさず後方からフィーリアの銃撃がドスゲネポスを襲う。

「ギャオワァッ!? ギャギャワァッ!?」

 悲鳴を上げるドスゲネポスにクリュウはすぐさま追撃を掛ける。一撃一撃が入るたびにドスゲネポスは悲鳴を上げる。

「クリュウさん!」

 その声の刹那、背後で金属音が響いた。振り返ると、背後から襲い掛かってきたゲネポス三匹の攻撃をレミィが盾で防いでくれていた。

「レミィ! ありがとう!」

「後方は任せてください!」

 レミィはそう言うと迫るゲネポス三匹に連続して砲撃と刺突をする。炎上しながらゲネポスが吹き飛ぶのを一瞥し、クリュウはドスゲネポスと対峙する。周りに群がるゲネポスはフィーリアの銃撃によって次々に倒されていく。その姿を一瞥すると、フィーリアが「ここは任せてください」と言いたげな表情をしていた。クリュウはうなずく。

「ギャオワッ!」

 襲い掛かるドスゲネポスに剣を叩き込み、吹き飛ばす。後方にいたレミィから離れて追撃に向かう。

 起き上がったドスゲネポスにすぐさまクリュウは剣を叩き付ける。

 茶褐色の皮が切り裂かれ、赤黒い肉から真っ赤な血が吹き出る。返り血が頬に付いた。

「ギャオワァッ!」

 ドスゲネポスは怒りの声を上げて鋭い牙が並んだ口をガバァッと開けて噛み付こうとする。それをクリュウは横へ飛んで回避すると、すかさず回転斬りを叩き込む。

「ギャワァッ!?」

 悲鳴を上げて仰け反るドスゲネポスに、クリュウは連続して剣を叩き込む。斬り付けるたびにドスゲネポスの真っ赤な血飛沫が舞い上がる。さらなる追撃に剣を下から斬り上げた。

「ギャオワァッ!?」

 ドスゲネポスは悲鳴を上げて噛み付いてくる。しかし予備動作でその動きがわかっているクリュウは簡単に避けて剣を構える。

「ギャァッ!」

 その声に慌てて盾を後ろに向けると、ゲネポスが後ろから突っ込んで来た。鈍い衝撃が腕に走り、ゲネポスの体重が腕に掛かる。

「このぉッ!」

 盾で吹き飛ばすと、すぐさま剣で吹き飛ばす。そこへ三匹が突っ込んで来る。が、そのうちの一匹が横からレミィの砲撃を受けて爆死する。残る二匹が牙を向けて突っ込んで来た。

「このッ!」

 クリュウは一番手前のゲネポスを剣で薙ぎ払い、二匹目の牙を盾で防いで剣を叩き込む。刹那、後ろから迫る何かの気配に横へ飛ぶと、そこへドスゲネポスの口が突っ込んで来た。危なかった。

「喰らえッ!」

 回転斬りでドスゲネポスに一撃を与えると、続いて二撃、三撃と加える。

「どきなさいバカッ!」

 その声に慌てて横へ飛ぶと、そのすぐ先をラミィが突撃して行った。後もう少し遅かったら本当に刺殺されるところだった。

 ラミィはそのまま姿勢を低くしたまま突撃し、ドスゲネポスに強力な一撃を叩き込む。悲鳴を上げるドスゲネポスにとどめとばかしに突撃体勢のまま急停止し槍を思いっ切り突き出す。そのすさまじい威力にドスゲネポスは吹き飛んだ。続いて今度はラミィの連続突きがドスゲネポスの肉を貫いて血飛沫を飛ばす。

 ドスゲネポスは慌てたように動きが遅いラミィから距離を取ろうと後方にジャンプする。だが、それはラミィの予想通りな動き。

「レミィ!」

「うんッ!」

 ドスゲネポスはその声に慌てて振り返ると、そこには自分に砲口を向けたレミィが立っていた。そしてその砲身は真っ赤に輝いている。

「ファイアァッ!」

 刹那、再び巨大な爆発がドスゲネポスを包んだ。火竜のブレスに匹敵する強力な竜撃砲の放った火球の直撃を受けたドスゲネポス。すさまじい黒煙と爆音が辺りを包んだ。まるでそれが戦いの終焉かのように、ゲネポス達の動きが止まった。

 そして、天まで昇る黒煙が晴れると……そこにはドスゲネポスが倒れていた。焼け焦げた皮に包まれ、開かれた瞳には生気はない。

 ――ドスゲネポスに勝った。

 クリュウは離れていた所でガッツポーズした。

 ボスが倒されたからか、ゲネポス達は一目散に逃げ出した。残るゲネポスはない。それほどまでに彼我の戦力差を思い知ったのだろう。

 残されたのはドスゲネポスと二〇匹近いのゲネポスの亡骸。戦闘中に溶けたのも含めれば、一体何体倒したかなんて検討もつかない。だが、自分達は勝った。揺るがない事実だけがそこにある。

 ……戦いは終わったのだ。

 

 四人は特に怪我もなく無事にこの死闘を切り抜けた。

 狩り場から少し出た安全地帯に待機していた商隊に追い付くと、割れんばかりの歓声が上がった。

 今さらながらだが、商隊には女子供も乗っている。これでひとつの大きな家族のような存在なのだろう。多くの皆に感謝され、クリュウは嬉しそうに微笑む。

 結果として商隊には怪我人は何名か出たが、それでも死者は誰もいなかった。これもクリュウとフィーリア。そしてラミィとレミィのおかげだ。

 ここまで来ればもう安心。商隊はたくさんのお礼の言葉を言って去って行った。そんな彼らを見送り、四人は互いを見合う。

「レミィのガンランスすごいね!」

 クリュウは先程最後のとどめを挿したレミィの竜撃砲に感激する。そんな彼の言葉にレミィは照れたように笑みを浮かべる。

「そ、そんな……全然すごくないですよぉ」

「そんな事ないって! そんな重そうな武器を持って走り回れるなんてすごいよ! 僕なんか片手剣だし」

「初心者丸出しよねぇ」

 ラミィが呆れたように言ってくる。そんな彼女にクリュウはレミィとは逆に非難の声を上げる。

「ラミィは危ないよッ! いきなりランスで突っ込んで来ないでッ!」

「あんたがボケッとしてるのが悪いんでしょ!? 当たるんじゃないかってこっちが逆に冷や冷やしたわよ!」

「だったら突進は誰もいない時にやってよ!」

「あんたがうざいくらいドスゲネポスに付き纏ってたから悪いんでしょッ!?」

 ギャーギャー言い合う二人に、レミィはあわあわとする。先程ドスゲネポスを爆死させたとは思えないくらいかわいい仕草だ。

 一方フィーリアは言い合う二人を見詰め、小さく微笑む。

 ラミィはどことなくエレナに似てる気がした。なのでどれだけ言い合っても不安にはならない。今の彼女を満たしているのは勝利の喜びと全員無事だったという安堵だ。

「では、商隊も無事に脱出できましたし。私達もそろそろ解散しましょう」

 フィーリアの言葉に、言い合っていたラミィがうなずく。

「そうね。一応これは二重契約(ダブルブッキング)だから報酬はあんた達とあたし達で一対九でいいわよね」

「何それッ! どんなぼったくり!?」

 すかさずツッコミを入れるクリュウ。そんな彼にラミィは呆れたように深いため息をする。

「冗談に決まってるでしょバカ。二対八よ」

「おかしい! まだおかしいよッ!」

 再び言い合う二人に、レミィも再びあわあわする。そんな彼女の肩をポンと叩き、フィーリアは彼女を安堵させるような優しげな笑顔を向ける。

「ところで、あなた達はどこに拠点を置いてるんですか?」

 彼女が言う拠点とは拠点(ベースキャンプ)ではなく腰を据えている村か街の事だ。そんな彼女の問いにレミィは笑顔で答える。

「私達はアルフレア所属のハンターです」

 アルフレアとはイージス村と同じ地方に位置する海に面した自由貿易都市の事だ。内海に面したドンドルマと違い、外海に面しているアルフレアは船での貿易が盛んであり、海経由で様々な物資が行き交う一大貿易都市として大陸の発展に貢献している。

「アルフレアのハンターと言っても私達はまだまだかけだしで、先輩ハンターさんなんかと一緒に狩りに出る事が多いんです」

 アルフレアはこの地域の重要拠点なので、所属ハンターは実に三〇名近くいるらしい。それでも数百人規模のドンドルマよりはずっと小さい。

 レミィの話に耳を傾けるクリュウに、ラミィは意地の悪い笑みを浮かべる。

「言っておくけど、私達は二人それぞれ一人でイャンクックは倒してるわよ? もっとも、この子の着ている青いイャンクックはさすがに二人でやったけどね」

 世間一般的に突然変異で通常とは違う体色をした亜種というのは通常体よりも強力な上に弱点属性なども変化し、場合によっては生態まで変わる事がある。亜種というのは出会える確率も低い上に何よりも強力なので、いくら初心者ハンターの登竜門とも言うべきイャンクックであっても、亜種ならば結構な強敵となるのだ。

 言い返せないクリュウに、ラミィは勝ち誇った笑みを浮かべる。

「ね、姉さん……」

 ため息して頭を抱えるレミィ。どうやらこうした失礼極まりない態度をする姉に振り回されて彼女はいつも苦労をしているのだろう。同情してしまう。

 その後、一向は別れた。

 帰り際にレミィが笑顔で「今度アルフレアまで遊びに来てくださいね!」と嬉しい言葉を言ってくれ、ラミィが「来るならせめてイャンクックを倒してから来なさいよね!」と高笑いしながら宣戦布告のような言葉を言って去った。

 クリュウとフィーリアはそれぞれ拠点(ベースキャンプ)に戻って用意を整えると、シルキーを走らせてイージス村へと戻った。

 

 村へ戻ると、商隊からの感謝の手紙と報酬が送られてきていた。報酬はなんとそれぞれクリュウ達とラミィ達にそれぞれ当初の金額をそれぞれ支払ってくれていた。商隊に感謝しながらも、二人はゲネポスやドスゲネポスの素材を倉庫の中にしまった。今回はかなりの収穫だ。素材はもちろん、初めての四人パーティで狩りをした。まあレミィはともかくラミィとは気が合いそうにはないが。

 酒場で報告をすると、エレナが祝いだと言って簡単な食事を用意してくれた。ずっと焼いただけの肉を食べていた二人は嬉しそうにそれを食べ、エレナはそんな二人の無事な姿を見て優しく微笑んでいた。


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