黄金樹から出禁くらったので、フォドラで生きていきます。 作:エクストラ・バージニアオイル
ここから本格的に本編が始まりますが、正直メリクくんをどうやって編入させるか考えかねてるところです。
早朝。ルミール村の中にある一軒家の前。
出発の準備をしていたジェラルトとベレス。
そして昨晩見た、う○こ祝福を再現しようと朝から糞壺に様々な生き物の排泄物を入れてねるねるねるね(直球)している頭のおかしな褪せ人、メリクが村の中にある広場にいた。
そんな彼らは遠くから人の足音、それも随分と急ぎ足な音がするのを察知した。
「すみません!この村の方ですか!」
「私達はガルグ=マク士官学校の生徒なのですが盗賊に追われていて。」
「不躾なお願いは承知の上で、助けて頂けないでしょうか!」
赤、青、黄色の特徴的な色とデザインの制服をまとった三人組が村へ助けを求めに来た。
「士官学校の生徒?こんな所で演習でもしてたのか、いやそれよりも。」
「父さん。」
「おうベレス、やれるか?」
「うん。」
「よし、あとメリク。いつまでもそんな汚ねぇ事してないで手伝ってくれるか?」
糞壺を練る棒きれを投げ捨て(汚い)。
一人の男が彼らの元へ近づく。
その風貌はフォドラでは珍しい、東洋の白備え。
腰に二刀の倭刀、そして一本の杖を佩いた男だ。
「なにをしたらいい。」
「簡単な盗賊退治だ。やれるか?」
「うん。」
「いい返事だ、まず俺が殿を務める。ベレスは先頭で指揮を、メリクが生徒三人を補佐できるよう中央。そんで士官学校の生徒ども!」
「は、はいっ!」
「お前達も士官の卵なら戦えるな?先陣に立つベレスの指示通りに動けよ!」
「分かりました!」「了解したわ。」「あいよ大将!」
手早く指示を伝えたジェラルトは馬に跨り、槍を構える。
糞壺を懐にしまったメリクは片手に倭刀、反対に杖を。
先陣を切るベレスは両手でロングソードを構え、村の外に迫る盗賊を迎え撃つべく走り出した。
生徒らも遅れないよう駆け出し、夜明け前の戦闘が始まる。
「クソっ、ヘマしやがって!」
「んな事言っても仕方ねぇだろ?見えねぇんだから。それに...。」
「村を襲う口実が出来たから文句言うなよってか?」
「はは、分かってんならこれ以上どやすなよ。」
10人ほどの山賊の集団が、二人の指示役らしき男を正面に村へと移動していた。
まだ夜明け前のため、松明を幾人かに持たせて逃げた生徒らの足跡を確認しながら進んでいく。
「しかしお頭も考えたなぁ、貴族のガキを攫って身代金をたんまり頂こうってなぁ。」
「本当だよな。この前まで幽霊と魔獣がやたら出そうなザナドを根城にせこせこ行商人を襲ってたのが嘘みたいだぜ。」
「違ぇねぇや。...おい、アレ探してた奴らじゃねぇか?」
他愛無い話をしながら村へ進んでいた彼らだったが、村の近くにある橋の近くへ差し掛かった時。
村から現れた彼らの姿を捉えた。
「アイツら誰か連れてるぞ!騎馬が1に、歩兵が1...?いや2だ!ガキ共の真ん中に知らねぇのが混じってやがるな。」
「ちっ...傭兵か?面倒だな。オイお前ら!」
へい! と威勢良く返事する取り巻き8人。
「あのガキ3人はキズものにすんなよ?あとの奴らは殺して構わねぇ!囲んで袋叩きだ!!」
「あと正面の女は俺が貰うぞ兄弟!遠目だが、ありゃあ上玉だ!」
この指示を受けて、8人の取り巻きは一直線に彼らの元へと走り出す。
そして嫌らしく舌なめずりをする男と、その横で下卑た笑みを浮かべた指示役もまた動き出したのである。
だが、彼らの目論見はそもそも破綻していた。
「突っ込んできた!どうするベレスさん!」
「ディミトリ、右から来る3人の足止めを。」
「了解!」
「エーデルガルトは左の2人を。」
「ええ。」
「クロードは牽制の矢を右に、引かなければディミトリに当たらないように援護を。」
「任された!」
「メリク、あの子達が抜かれそうになったら魔法...やっぱり剣の方がいいかも。お願いできる?」
「わかった。」
「私は正面から来るのをやる。父さん、後ろはお願い。」
「ああ、行ってこい。」
今回の山賊の相手は、灰色の悪魔と呼ばれる手練。
無表情な権謀術数を駆使する鉄面皮が相手だ。
勝機など初めから用意されてはいなかったのである。
夜明け前の一方的な蹂躙劇が幕を開ける。
「ぐあっ!!」
「なんだこのガキ、槍の威力がイカれてやがる!」
「引けば命までは取らない!投降しろ!!」
「舐めるなよッ!」
ブロンドの髪を闇の中で揺らしながら激しく槍を振るう青年、ディミトリ。
三対一という数的不利にも関わらず、近くの茂みを活用して五分の勝負の持ち込んでいた。
だが、横に回り込んだ盗賊の短剣が迫る。
ヒュン、ズドン。
「ぐあぁ!!俺の腕にっ!?」
「矢?クロードか、上手いな!」
この流れは予想済みだったのだ。
ベレスの読み通り、離れた場所からの弓による援護射撃が命中した。
「あっ、牽制のつもりだったのに当たっちまった...。まぁ仕方ない、このまま他のも当てちまおう。悪く思うなよッ!」
完璧に指示通りというわけではなさそうであったが。
以前変わりなく、右手の攻防は一方的に片付けられていく。
「こっちは女のガキ一人か、よしやるぞ!」
「ヒャハハハ!とっとと逃げればよかったのにな!」
「...それ以上、近づくなら容赦はしないわ。」
その頃、左側ではエーデルガルトが二人の盗賊と対峙していた。
「オラっ、そんな斧じゃすぐ避けられるぜ!」
「どうしたどうした?強いのは口だけかよ?」
「ッ、ちょこまかと!」
だがこちらはあまり芳しくなかった。
斧の振りを見切られて、まだ攻撃を当てられていない。
しかし、これまた予想のうち。
「ヒャハッ、隙だらけだッ!?.....ぐあっ。」
「なっ!?テメェ、どこから!」
気づくと一人の山賊の背から胸へ倭刀が突き出ている。
びちゃり、赤い鮮血と共に刀が脇腹を裂く。
ピクピクと未だ痙攣こそしているが片方の盗賊は間も無く生き絶えるだろう。
「二対一とか、ひ、卑怯だろうが!」
「そのセリフ、お返しするわッ!!」
そして判断の遅れたもうひとりの首が、べきゃり。
エーデルガルトの斧によって嫌な音を立て、絶命した。
「助かったわ。あなたも傭兵なの?素晴らしい隠密の技術だったわ。」
「きょうから、ようへいになった。」
「今日から?...面白い冗談ね。......え、冗談なのよね?」
軽く苦戦をしたものの、敵を退けた二人は先陣のベレスの元へと向かった。
「ハハッ、どうしたどうした!当ててみろよォ〜?」
「可愛い顔に傷がつくぜェ?」
「...。」
そして先陣となるベレス。そこには嫌らしく笑う二人の盗賊が彼女を切り刻まんとしていた。
短剣、そして時折武器を入れ替えてブロードソードを振るう。
我流ではあるのだろうが、そこそこに腕が立つ二人だ。
されどベレスを相手に考えればまだ未熟。ただ、攻撃を空振りし続け、手の内を明らかにされつつあった。
「避けるのが好きだなァ。じゃあこれは避けれるか...よっ!」
「...!」
前へ深く沈み込んで、袈裟にブロードソードを切り込んでくる。
だが、この動きは自分の十八番。
それに少し前。この一撃を完全に打ち崩す技を見たばかりだ。
ガッ、ギィン!!!
「んなぁ!?」
「...すぅ、ふッ。」
見様見真似、不恰好で少しタイミングもズレている。
技の精度も中途半端。だが、弾いてみせた。
ベレスもまた剣の才に長けた者。予想外の好敵手といえる彼には、負けたくなかったのである。
そして追撃は3連撃。
ズバッ、ザシュ、ズダンッ。
「あ...ぐおぉお...。」
「なっ、なんだぁっ!?」
「....ふっ。」
ドスッ
切り崩した一人に気を取られたもう1人も。
すかさず胴への突きで黙らせた。
この短期間で、ベレスは大きく進歩を遂げ、この程度の山賊二人掛かりではもはや止めることは出来なくなっていたのである。
「べれす。」
「メリク、エーデルガルト。怪我は。」
「心配には及ばないわ。彼のおかげで無事よ。」
ちょうどベレスが片付け終わった時に、二人と合流した。
そしてその反対からもまた二人が戻ってきた。
「こちらも倒したよ。」
「流石はディミトリ殿下だ、1人で3人も倒す様は英雄譚の始まりを予感させられたよ。」
「茶化すなよクロード、お前の弓がないと危なかった。礼を言う。」
「ははっ、お褒めに預かり恐悦至極だな。」
こちらもまた損害は無し。
残るは、森の奥からまだやってくる盗賊の本隊。
「みんな、もう一度構えて。近くの森の開けた所で迎え撃とう。」
「「「了解」」」
「わかった。」
短時間ではあるが、息のそろってきた5人。
この調子であれば残る山賊の討伐など容易だろう。
そして最後尾にいたジェラルトは娘の成長を静かに喜んでいた。
「おうおう!テメェら、よくも俺の部下を可愛がってくれたな!?」
「...。」
「なんとか言いやがれ、このアマ!仏頂面で気色悪ぃんだよ!」
そして、親玉であろう男と対峙する事となった。
「ベレス、僕たちが露払いを...?」
「...大丈夫。ここからは一騎打ち、みんなは下がってて。」
と言いながら、前へ出るベレス。
対する山賊もまた、大将となる親分だけが前へ出た。
「覚悟しやがれよ?すぐあの世に送ってやる!」
「...。」
激しい剣戟、だが。
「な、なんだっコイツ!?バカみてぇに速ぇ...!」
「.....すぐ、終わらせよう。」
既にベレスの腕前は、この親玉ですら小物同然。
先ほどの斥候を倒して調子の上がった状態から繰り出される連撃。
その精度はもはや一介の山賊では食い止める事など不可能であった。
「ぐああっ!!」
「...。」
「すごいわね、あんなに簡単に倒してしまうなんて。」
「べれす、あとどうする?」
「全員、投降するなら命までは取らない。」
周囲の山賊共にベレスが情けをかけた時だった。
「ぐっ、おおっ!!」
「!?」
切られてひっくり返っていたはずの親玉が息を吹き返し、起き上がったのである。
そして、その視線の先にいたのは。
「ッ!!エーデルガルト、避けろっ!」
「くっ、ここからじゃ射抜けない!」
「.....!!」
「だめ。べれす....!」
盗賊の斧がエーデルガルトに迫る。
咄嗟に、それを近くにいたベレスが体全体で庇うように躍り出た。
誰の手も届かぬまま、コマ送りのように斧が彼女の背へと吸い込まれていく。
ここで。彼女の物語は幕を閉じてしまうのか。
その時、時が止まった。
「お主、何をしておるんじゃ!?」
ベレスは見知らぬ空間で、夢の中で会った少女と出会う事になる。
「ふーむ...時を遡るなら可能じゃがのう。なんじゃ、この違和感。」
「...?」
ソティス、と名乗った少女に助けられたベレス。
彼女が時を遡る事によってベレスの運命を変えられると言うのだが。
どうやら何か引っかかるようだ。
「巨大な力を感じるのう...何がおる?お主、心当たりは?」
「...メリク?」
「メリク?誰じゃ、そやつは?ふむ、かくかくしかじかで.....ん!?異なる世界からの来訪者!?」
「...(コクリ)」
「いや、有り得んじゃろう!?一体どんなヤツなん......待て、そこにおるヤツか?」
慌てふためくソティス。
事情を説明こそしたが理解しきれぬ彼女の視界の端。
そこにその人物はいた。
他の者は一切いないベレスとソティスだけの空間に、大きなツルハシを抱えた彼は今まさに石畳の床をかち割らんとしていた。
「待て待て待てェい!お主、何をしておる!?」
「さいしゅ。」
「明らか人工物の中じゃろがい!何も出てこんわ!!普通は最初にワシへ話しかけるのが道理じゃろうが!」
「....とりこみちゅう?」
「そりゃのう!見りゃ分かるからの!ワシがこやつと話しとったからの!おまけにこやつ、少女一人庇って現在進行形で死にかけとるからのう!!」
「ひをあらためて。」
「出直さんでええわい!!話がまとまっとったの聞いとらんかったか!?今から時を遡らせようとしとるの聞いとらんかったのかお主は!?律儀なのか、阿呆なのかハッキリせい!!.....はぁ、はぁ、はぁっ....!!」
一息で繰り出される恐ろしく早いツッコミ。
ベレスでなくては聞き逃していた所だ。
さて、必死になっている少女。ひとえに空間を傷つけられたくないが故の行動であるが、同時に計りかねていた。
「お主は....一体何者じゃ?こやつ以外にこの空間に来た者は今まで一人とておらなんだ、それを当然のように入るとは...正体を明かしてもらおうかの!!」
「あせびと、はざまのちのおう、メリク。」
「うむ、ひとつも聞いたことがないのう。どこの辺境じゃ?」
「しらない。」
「お主が説明を放棄してどうするのじゃ!!ええい、ベレスとやら貴様が代わりに説明してみせよ!」
「よく知らない。」
「阿呆ォー!!こんの、阿呆共ォ〜!!!誰じゃこやつらの保護者、出て参れェェェェ!!!」
緑の髪をぶんぶん振り回して、のじゃロリがご乱心する。
だが、誰だってこうなる。ジェラルトが聞いても胃がキリキリ痛む。
そんでもって彼らに悪意は一切ないのが一番タチの悪い事実である。
「ぜぇぜぇ....はぁはぁ.....もうこの際かまわぬ。お主、危害を加えるつもりはないのであろう?」
「うん。べれす、えーでるがると、かばった。しんぱいだった。」
「うむ、ええわい。では改めてよく聞けメリクとやら。」
「?」
「こやつ、ベレスは時を戻すことが出来ても日に数回が限度じゃ。じゃから、お主がワシに代わってこやつの身の安全を守るのじゃ!それがこの空間に土足で踏み入ったお主に与える使命じゃ!!」
「しめい。」
「うむ、何としても成し遂げよ。良いな?」
「...べれすを、まもる。」
狭間の地を一方的に言い渡された「王になる」という願い。
ただそれだけと、尽きぬ探究心で踏破した褪せ人は少女からの「使命」を自身の中で反芻する。
「ソティス、私は一人でも大丈夫。」
「大丈夫ならこんな事になっとらんわい!はぁ、世話の焼ける者たちじゃのう。せいぜい命を大切にする事じゃ!では時を戻すぞ。」
ソティスが魔法陣のようなものを起動させると、ぐわんぐわんと空間が歪み始める。
そして吸い込まれるように意識が現実へと戻っていく。
「──────はっ。」
次にベレスが気がついたら、そこは山賊の前。
親玉を丁度切り伏せた所だった。
「ぐっ、おおっ!!」
そして、先ほどのリプレイみたく全く同じ動作で起き上がった親玉。
二度と同じ轍は踏まない。そう決めたベレスは、確実にトドメをさすべく親玉へ駆け出す所。
だったのだが、一瞬。
何かが彼女の横から飛び出た。
ぱりぃん
「ぐあっ!?おおおおえええええええ!?!!」
小気味よく割れる壺。そして中身はたっぷりの排泄物。
最悪な悪臭と共に、親玉の顔面に黄土色のブツがぶち撒けられる。
「なんだっ!?くっ、臭いっ!!」
「な、何てモノを投げるの!?」
「うぇっ...俺も流石にここまでしないな...。」
と生徒たちも口々に驚く中、何かが飛び上がる。
それは竜の腕であった。
「グオオオオオオオオ!!!!!」
「ひっ、ひィィィィ!?」
竜の咆哮と共に振り上げられる腕。
それを聞いた山賊たちはすくみ上がり、糞まみれの親分はただ茫然とする他なかった。
「ば、ばけもの...!!」
恐れに顔を歪ませた親分、コスタスのか細い声も聞き届けぬまま。
片腕を竜と化したメリクの、無慈悲な剛腕が振り下ろされる。
ドゴォン──────。
「うげぇ!!....ぐぅ。」
「メリク。」
「べれすっ、けがはない?」
親分を地面にめり込ませた彼は、すぐにベレスの側へ向かう。
獲物を取られた。とも感じたベレスであったが、どうやら彼にそんな気は無く。
ただ自分を気遣って、あの空間で自分が死ぬと聞いて、一心に心配をしてくれてたであろう優しさが感じられる。
だからなのか気づくと、剣は鞘に仕舞っていた。
「大丈夫。ありがとう。」
「べれすは、おれがまもる。」
「...うん。期待してる。」
表情の変わらない二人の言葉は少しだけ、互いを慈しむような柔らかさを含んでいた。
が、それに気づく者はいないだろう。
先ほどの一撃で怖気付いた山賊は我さきにと逃げ始め、悲鳴が上がっている。
それに加えて。
「メリクさん、あなたは一体何者なんだ!」
「あんな魔法見たことがないわ.....。」
「すごいなアンタ!竜になってたぞ腕!どんな魔法なんだ!!」
と生徒らが彼の周りに集まってきたからだ。
おまけに地面にめり込まんだ親玉もかろうじて生きているが、もはや虫の息。
これにて勝負はついた。
のだが、猛烈な音を立てて何かが迫ってくる。
「うおおおお!!待て待てぇ山賊共ォ!セイロス騎士団のアロイスが相手だァァァァ!!.....なぬ!?」
「アロイス殿!援軍が来たのですね!」
「なぁアロイスさん、他のみんなは無事なのか!?」
「おっ、おおっ!!ディミトリにクロード、そっちにはエーデルガルトも!皆、無事なようで何よりだ!!もしや、自分達で山賊を退治したのか?」
「いいえ違うわ、この人達が助けてくれたのよ。」
白を基調とした鎧をまとう30後半から40代ほどに見える朗らかなヒゲ男、アロイスと名乗った彼がエーデルガルトに言われそちらを向く。
すると目をひん剥いて驚いた。
「だ....だだだ、団長ォ〜!?ジェラルト団長ではありませんかぁ!!!」
「.....面倒なのに見つかっちまった。」
「父さん、知り合い?」
「とととととと!?父さん!?もしや団長のご息女ですか!」
「べれす、にげたさんぞく、どうする。」
「そしてこちらの、あまり見た事のない風貌をした方はお仲間の方ですかな!?」
「.....はぁ。どっから説明すりゃいいんだろうな。」
生徒ら3人を置いて、テンションがおかしい事になっているアロイスと。
その勢いに一方的に巻き込まれていくジェラルト、ベレス、そしてメリク。
山賊退治を終えたものの、アロイスに言われるがまま『ガルグ=マク大修道院』へと向かう事になる彼ら。
果たしてこの先、何が彼らを待ち受けているのか。
そして士官学校へ向かう道中にメリクの魔法は口外しない方が良いという空気を感じた生徒たちからヘッドハントを食らうベレスと、身体的距離を近づけて彼女を守る忠犬みたいになったメリクの、彼らの明日はどっちだ。
ゆっくりと顔を出したフォドラの朝焼けが、彼らの物語の幕開けを告げている。
ぱきぃん。
「まぁ。」
「レア様!?お怪我はありませんか!!ステンドグラスの一部が急に割れるなど、良からぬものが入り込んでいるやもしれません!」
士官学校の2階、大司教のいる執務室にて。
朝の挨拶を済ませて席に座ろうとした『大司教 レア』の背後にあったガラスが急に音を立て割れる。
このような事は学院が始まってから一度たりともない珍事であった。
「取り乱さずとも良いのです。いずれ形あるものは壊れます、それに良からぬ心を持った者がいると決めつけるのはいけません。よくご覧なさい?」
「あっ、石や矢も見当たらない...ならこれは本当に偶然、なのでしょうか...?」
「ええ。この様な事もあります。気にせず職務に励みなさい。」
「はっ!!すぐに近くのものへガラスを片付けさせる物を用意させます!」
敬礼をしたのちに、部屋にいた騎士は外へ出る。
あたりのものに掃除用具を持って来させるようだ。
それをさして気にも留めず、割れたグラスの向こう側。
ちょうど太陽が顔を出し始めた地平線を見つめるレア。
「何かの前触れでしょうか、おや...?」
その時、彼女の視界に映ったのは一人の少女。
「─────ふふっ、時のよすがに手繰り寄せられて。私達はまた出会うのですね...お母様...。」
意味ありげに微笑みを浮かべた彼女は、するりと部屋から出る。
向かう先は校舎の中で最も高いテラス。
彼女は誰かに見つかる事なく静かにその邂逅を待つのであった。
見栄えがいいからつい竜贄祈祷ばかりを出してしまう著者です。
糞壺連続投擲も考えましたが流石に本編キャラからの体裁を考えてキャンセルと致しました。
あとベレスの心象風景というか、ソティス空間に入れるのはオリ主設定と絡ませたい為ゆえ、ご了承をば。
ここから士官学校入りなのですが、オリ主くんの処遇を決めかねてます。
イエリッツァ先生と同じく何かの教諭ルートか...セイロス騎士団か...生徒になるか。
皆様の感想やコメントお待ちしております。