黄金樹から出禁くらったので、フォドラで生きていきます。   作:エクストラ・バージニアオイル

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 基本はストーリーの大筋通りで進みます
キャラエミュがんばります。


「勝利の予感...。」

 

 大樹の節(4月)の終わり。

 

前々から予定されていた学級模擬戦が行われる当日。

 

金鹿の学級(ヒルシュクラッセ)の級長であるクロードはまだ薄暗い早朝にも関わらず学院内を歩いていた。

その目的地はどうやら、訓練場。

 

 

 

 「さぁーて、ちょいと細工でもしますかね。」

 

 

 

普段より早く起きた理由は模擬戦へ向けた仕込み。

 

なにやら異臭が漂う小瓶を手の中で転がしている。

 

 

 

 「コイツを付けられたら武器を振る時に臭くて集中できないからな...ん?アレは。」

 

 

 

他生徒の嗅覚を潰してやろうと画策していたクロードだったが、どうやら訓練場に先客がいるようだ。

 

 

 

 「すぅ、ふぅ。────んッ。」

 

 

 

 微かな息遣い、からの力み。

 ほんの一瞬だったが視界からその人物の姿が消える。

 

 次の瞬間。

 

 バガンッッッ!!!!  カランカラン。

 

 破砕音と共に振り抜かれた大槌によって訓練用の丸太人形が吹き飛んでいた。

 

 

 

 「.....。」

 

 「よっメリク。こんな時間から自主訓練か?」

 

 「クロード、おはよう。」

 

 「おう、おはようさん。今日は模擬戦もあるのにそんな張り切って大丈夫か?俺たちがあっさり勝っちまうかもしれないぜ。」

 

 

 

 横目で吹き飛んだ残骸を流し見ながら、ニヤリとはにかむクロード。

 

 てっきり「そこまで考えてなかった」とでも言いたげな困り顔を見れると予想していたが、気に留める気配がない。

 

 

 

 「いつもよりゆるめ。たいりょく、まだあまってる。」

 

 「おいおい、そいつは笑えないな。丸太人形をあそこまで吹き飛ばすのはディミトリやウチのラファエルでも難しいと思うぞ?」

 

 「...?」

 

 「ははっ、いつも通りですってか...コイツは今日の雲行きが早速怪しくなってきた。」

 

 

 

 特記戦力、メリク。

 

 ルミール村での戦闘を見てクロードも警戒していたが、実際に戦う様子は悪夢でも見ているようだ。

 

 この暴力が数時間後の自分達へ襲いかかってくるのだと思うと、どんな策を弄すればいいやら。

その理不尽さに思わず武者震いしてしまう。

 

 

 

 「お手柔らかに頼むよ、俺はそんなに強くないからな。」

 

 「うん。ベレスからもほどほどにしろって、ちゅういされてる。」

 

 「そりゃ先生だって言うよな。んじゃ、しばらく訓練場の中に居させて貰うからなるべく俺の方には飛ばさないでくれよ?」

 

 「わかった。きをつける。」

 

 

 

 程々にな〜、と軽く手を振りながら当初の目的を完遂しにいくクロード。

これによって激臭工作は問題なく完了することになった。

 

果たしてコレでどれ程の戦果を上げられるのか。

 

 

 

 

 

 「さて先生、今日は模擬戦だけれど自信はある?」

 

 「.....。(もちろん)」

 

 

 

 時間は進み、模擬戦開始の1時間前ほど。

各学級がそれぞれ最終調整をすべく集まっている訓練場にて。

 

値踏みするような目線でベレスへ尋ねるエーデルガルトの姿があった。

 

 

 

 「学級全体での練度、連携ともにかなり上達してきたのは私も感じている。けれど、それだけじゃ勝てないのも師なら分かっているでしょう?」

 

 「うん。策は用意してる。」

 

 「それでこそね。うまく私たちを使ってみて頂戴。」

 

 

 

 終始一貫してベレスを試す態度は崩さないエーデルガルト。

 

 相当負けず嫌いな節があるのだろう、振る舞いこそ冷静だが目の奥に熱がこもっている。

 

 

 

 「おや?お二人さん、作戦会議かい?」

 

 「クロード、試合前にあまり茶化すものじゃないだろう。」

 

 

 

 ふと、横から二人の級長も混ざってくる。

 

 クロードとディミトリ。どちらも態度こそ柔らかいが、エーデルガルト同様、闘志を漲らせている。

 

 

 

 「あら。アナタ達の手の内を教えてくれるなら話してあげてもいいわよ。」

 

 「おお怖い怖い、だが俺も先生たちの秘密の作戦をひとつ知ってるんだ。コレと交換ってのはどうだ?」

 

 「なに?お前、いつの間にそんな情報収集をしていたんだ?」

 

 「おっ、ディミトリも気になるか?なら折角だしもう話しちまってもいいかな。アレはメリクが...。」

 

 

 

 と、クロードがメリクの名を口にしたタイミングで。

 

 勢いよくベレスとエーデルガルトが彼の口に手を当てた。

というより強引に塞いだ。

 

 

 

 「もがっ!?もご、おごっ、ごふっ!」

 

 「クロード?それ以上は言葉に気をつけた方がいいわよ。私たち、手段を選んでいられないの!」

 

 「......。(お願い、黙って)」

 

 「んんー!!んっ!?んんんッ〜!!」

 

 

 

 鬼気迫る様子で必死の抵抗を続けるクロードを抑え込む二人。

 

流石のクロードもコレは予想外、両手をあげて降参の意思を示した。

 

 

 

 「ぷっはぁ!!死ぬかと思った!今のは、ほんの冗談だ。誰かに言うつもりなんてこれっぽちも無いさ。」

 

 「......。(ならいいけれど)」

 

 「そんなに秘密を知りたいなら、あの人の見張りを一日交代させてみるのも良いと思うわ。ねぇ師?」

 

 「おっと、そいつは御免被るかな...ははっ。」

 

 「セテス殿から前に大きな事件を起こしたと聞いてはいたが、そんなに大変なのか?彼は。」

 

 

 

 さしものクロードもメリクの面倒を任されてはたまったものではないらしく、これ以上の追求はしない。

 

そして一人、蚊帳の外になりつつあるディミトリは逆にメリクについて聞きたがっているようだった。

 

 だが、おいそれと秘密を共有するわけにもいかない。

少し考えるそぶりを見せたのち、ベレスは一つ約束だけすることにした。

 

 

 

 「.....また機会を見て、教えるね。」

 

 「ありがとう先生。俺も何か手伝えることがあったら教えて欲しい。」

 

 

 

 どうにかメリクについて聞ける機会の言質を取ったディミトリは安堵の表情を浮かべる。

 

 さて、ひと段落ついた辺りでもう二人。この会話に参加する人物が。

 

 

 

 「先生?あら、級長達も揃って何を話していたのかしら?」

 

 「仲を深めるのも良いが、そろそろ開始の時刻だ。準備に取り掛かりたまえよ。」

 

 「「「はい!」」」

 

 「......。(はい)」

 

 

 

などと語らっていたら時間は過ぎ、あっという間に布陣する時間がやってきた。

 

 

 

 黒鷲の学級は戦場の南へ。青獅子の学級は北東。金鹿の学級は北西へ。

 

それぞれ陣を敷く事となった。

 

 

 

 「では、これより学級対抗模擬戦を行う!はじめッ!!」

 

 

 

 三つ巴の戦場にセテスの号令が木霊する。かくして火蓋が切られた。

 

 

 

 

 

 「皆、作戦通りに。」

 

 「ククク...承知しております。」

 

 「私達の力を見せてあげる。」

 

 「ふぁぁ、眠い...。」

 

 

 

 黒鷲の学級からは、ベレスを指揮官に級長エーデルガルト、側近ヒューベルト、回復役のリンハルト。そして...。

 

 

 

 「どうしてベルをメリクさんの副官にするんですか先生ぇ!?こういう役割は別の人がいいですよぉ!」

 

 「べるなでったがこうげきされたら、まけ。っていわれた。よろしく。」

 

 「二人は私たちの殿。最後尾に万が一伏兵が来た場合の対処をお願い。」

 

 「いちばんうしろ?わかった。」

 

 

 

 副官という名の足枷を付けられたメリクが準備体操をしていた。

どうやら、めちゃくちゃに動き回らないようにするためにベルナデッタへ攻撃が当たると負けだという縛りも追加されているようだ。

 

 当のベルナデッタは問題児を押し付けられた事に対して既にストレスからゲロでも吐きそうな表情をしている。

 

 さしもの蛮族メリクでも彼女を放置しながら戦うということはしないであろう。彼の動きを制限する目論見は今のところ上手くいきそうであった。

 

 

 

 「まずは金鹿と青獅子の斥候を倒しにいく。エーデルガルト、青獅子の子をお願い。ヒューベルトは援護してあげて。リンハルトは私の後について来て。」

 

 「ええ、計画通りにね。ヒューベルト、援護のタイミングは任せるわ。」

 

 「お任せくださいませ、エーデルガルト様。」

 

 「僕はゆっくり着いて行きますよ先生。...いや、やっぱり離れた所で様子見しててもいいですか?」

 

 

 

 黒鷲の学級が早速、青獅子と金鹿に狙われている状況。

 

 これを打破すべく、ベレスを先頭に動き出す。

 

 

 

 「べるなでった。はきそう?」

 

 「ううっ....!武器は何故かとっても臭いし、みんなやる気で怖いし、ベル帰りたいですぅ!メリクさん離れないでくださいぃぃ!!」

 

 「ひざ、こじかみたい。あ、むこうだれかいるかも。いこう。」

 

 「えっ先生たちの後ろから離れていいんですかぁ!?ままま、待ってくださいぃ!」

 

 

 

 消去法で殿となったメリクとベルナデッタ。

 

彼を引き止める役目を任されたベルナデッタだったが、メリクに先導されるまま近くにある茂みと木々が生い茂るエリアへと向かう事になるのであった。

 

ベレスなりのベルナデッタへの成長機会を見込んでの人選であったが、これが大きな間違いだと分かるのは全てが終わった後だろう。

 

 

 

 

 

 

 

 「動き出した...殿下に言われた通り、本隊を引き寄せなくちゃ!」

 

 

 

 青獅子の斥候を請け負ったのはアッシュ。

弓を構えながら、こちらへ接近するエーデルガルトを本陣まで引き寄せるべく先制攻撃を開始した。

 

 

 

 「クク、当てさせませんよ...。」

 

 「っ!後続がいる!これじゃ矢が当たらない!?」

 

 

 

 狙いを定めて放った矢はエーデルガルトまで届かない。

後方から放たれる魔法によって的確に弾かれてしまう。

 

 すかさず撤退を視野に入れて、後方へ飛び退こうとしたアッシュだったが、それも計算に入れられていた。

 

 

 

 「しまった、踏み込みすぎたっ!」

 

 「まずは一人ね。」

 

 

 

 

 

 「ぐっ!?殿下っ、申し訳.....うっ。」

 

 

 

 木製の訓練用斧が胴を一閃。

 

 間一髪で弓を間に挟んだアッシュであったが、エーデルガルトの筋力が上だった。

 

 空中で一回転。

 地面へ頭を強く打ちつけ、気絶した。

 

 出鼻を挫くつもりが返り討ちにあった青獅子の学級。

 

 そしてそれは金鹿の学級も同様だった。

 

 

 

 「この僕が不覚をッ!?」

 

 「うわああ!強すぎます!!」

 

 

 

 左側の茂みを超えた先、そこから2人の男子生徒が断末魔を上げている。

 

 その声と入れ違いに現れたのはベレスと、既に息切れしているリンハルト。

 

 

 

 「次いくよ、リンハルト。」

 

 「先生っ、ペースが、早いですって...!」

 

 

 

 彼らはエーデルガルトらを確認すると当初の作戦通り、金鹿の学級側へ迂回し始める。

 

 このまま真っ直ぐ青獅子の本陣へ向かえば、金鹿からの挟撃が発生するという事を見越しての作戦だ。

 

 

 

 「先生、ここまでは順調だけれど。クロードが私達をすんなり通してくれると思う?」

 

 「.....。(あそこ)」

 

 「どこを指差して、木の柵?.....ああそういう事ね、アレを壊せば奇襲にもなりそうだわ。」

 

 

 

 ただ迂回するのではなく、途中にある木の柵を破壊することによってショートカットをする計画らしい。

これならば、金鹿の学級が対策を取る前に先手が取れるだろう。

 

 だが、黒鷲の学級は既に大きな失敗を犯していた。

 

 

 

 「エーデルガルト様、先生。ご報告が...。」

 

 「私が聞くわ。言って頂戴ヒューベルト。」

 

 「メリク殿とベルナデッタ殿が見当たりません。」

 

 「.......。(やっちゃったかも)」

 

 

 

 既に大きく戦場を横断しながら木の柵まで残り10mほどという距離まで近づいていた為、ここで戻ることは下策。

 

 それにベルナデッタがいるのだ。最悪の事態は避けれるだろう。

 

 という希望的観測をすることにしたベレス。

先日のメリクが引き起こした一件を鑑みれば退却が最善ではあるのだが、こと戦いになれば彼の経験は一級品。

 

 よほどの事がない限り事故は起きない。

 そう自分に言い聞かせ、後のことはベルナデッタに丸投げすることのした。

 

 

 

 「ベルナデッタを。信じる。」

 

 「先生、僕が言うのも何ですけど本当に大丈夫ですか?」

 

 「...信じる。」

 

 「ククク、これは失策かもしれませんな先生。」

 

 「師、最悪のケースを想定しておいた方がいいかもしれないわ。」

 

 

 

 メリクという超問題児を、ひ弱な引きこもりのベルナデッタがどうにか出来る可能性は低いらしい。

 

 食い気味に総スカンを食らったベレス。

が、決めた以上はここで選択を迷うわけにはいかない。

 

 ベレスの淡い期待は果たして届くのだろうか。

 

 

 

 期待を背負ったことは露知らず、その頃ベルナデッタはメリクと共に森の中に潜んでどこかを観察していた。

 

 

 

 「メリクさぁん...あの、アレって青獅子の本陣なんじゃ...?」

 

 「よし、つぶそう。」

 

 「ふ、ふたりで!?嘘ですよね!!」

 

 

 

 ベルナデッタが青ざめる。

 

 だが、メリクにとってそれは特に意味をなさないのだろう。

彼の目に映るのは力比べが出来る相手の姿のみ。

 

 

 

 「ディミトリ、つよいってクロードいってた。たたかいたい。」

 

 「いや、いやいやいや!あの人って級長さんですよね?しかもとっても槍が強いんですよねぇ!?ベルだって聞いた事ありますよ、それに周りの人たちも強そうですし!特にあの斧持った大柄の人、絶対ヤバいですって!あっ、でも向こうの弓を持った人はふわふわしてて優しそう...。降参したら許してくれるかなぁ...?.....あれ、メリクさん?」

 

 

 

 早口で戦況分析をしながら敵陣にいる生徒の情報をまとめるベルナデッタ。

 

 ガタイの大きいドゥドゥー。柔らかい雰囲気のメルセデス。そして級長のディミトリ。この中でメルセデスを落とすのが容易だと判断した彼女であったが、すでにメリクは行動に移っていた。

 

 

 

 「うごぉっ!?」

 

 「ハンネマン、ごめんね。」

 

 「ハンネマン先生ッ!メリク、いつの間に背後に!?」

 

 

 

 対人戦にて有効な魔法「見えざる姿」を発動していたメリク。

ディミトリが気づいた時には既にハンネマンの背後へ現れていた。

 

 躊躇なく叩き込まれた練習用の籠手で、背中から不意打ち( バックスタブ )をされたハンネマンはあっけなく気絶した。

 

 これによりメリクは特殊な魔法陣が刻まれた本陣を占拠する事となる。

 

 

 

 「う、うそぉおおぉぉ!?ひとりで行っちゃったぁぁぁぁ!!」

 

 「殿下、近くの茂みに伏兵が。」

 

 「あっ......き、気づかれたぁぁぁ!!どどどど、どうしましょう!?メリクさぁぁぁぁぁぁん、助けてくださいぃぃぃぃぃ!」

 

 

 

 あまりの出来事に素っ頓狂な声をあげたベルナデッタが発見される。

ハンネマンのいた本陣よりも青獅子の学級の生徒らとの距離は近い位置。

 

 すなわちこのままだと十中八九、ベルナデッタが先に撃破される可能性が高い。

 

 すかさずメリクへ救援を求めた彼女だったが。

 

 

 

 「とおいから、ゆみしかとばせない。」

 

 「あのっ、ベルも弓しかないんですけどっ!接近されたらもう終わりなんですよぉ!?」

 

 「がんばれ。」

 

 「そんなぁ!あ...えっ?さっきより距離近くないですか?大柄の人と、級長さんが近くないですか!?これ、ベルやられちゃう流れですかぁ!?」

 

 

 

 哀れな標的と化した、ベルナデッタの受難が始まった。

 

 

 

 「うわぁぁぁあっ!?近寄らないで、くださいっ!!」

 

 「殿下、俺の後ろに。」

 

 「頼んだドゥドゥー、ある程度接近したら俺が叩く。」

 

 

 

 一旦、本陣奪還を諦めた青獅子の学級。

 

 斧を持った大柄の生徒ドゥドゥーと、級長であるディミトリの二人。

 

 必死に逃げながら弓を射るベルナデッタ。

それを仕留めるべくジリジリと距離を詰めていく青獅子の二人。

 

ドゥドゥーの体格が大きく、体力も十分なおかげで後ろにいるディミトリは無傷。

このままの状態で、ベルナデッタへ接近して仕留めるつもりだ。

 

 対するベルナデッタは、逃げることに必死でこのままだと倒されるのは時間の問題。

彼女が救援を求めたメリクも、どうやら援護できるタイミングはないらしい。

 

 

 

 「メルセデス、であってた?」

 

 「ええ。久しぶりねメリクさん。とっても強いって聞いてたからきっと太刀打ちできないとは思うのだけれど、精一杯戦わせてもらうわね。」

 

 「おもったより、やりづらいかも。そこそこやるね。」

 

 

 

 メルセデスは弓が特別に得意という訳ではない。

位置取りと、人並みより少し上の技術でメリク相手に時間を稼いでいる。

 

 メリクは現在、ベルナデッタへの援護射撃をしたい。

だが、そうすれば彼の右手にいるメルセデスからの矢を避けられない。

 

 加えて、メルセデスを深追いすればベルナデッタの援護ができず。

ベルナデッタの方へ接近すれば背を射られる。

 

 絶妙な位置関係を保ちながら紙一重でメリクの矢を躱わすメルセデスは中々の曲者だった。

 

 

 

 「すこし、ほんきだすね。」

 

 「あらぁ〜、できればこのままが良かったのだけれど...うっ、ごほっ...!?」

 

 「すいこまないほうがいいよ。」

 

 

 

 気づくとメルセデスの周囲は銀色に淡く煌めきを放つ霧に覆われている。

どうやら呼吸をすると激痛と共に体力が奪われるようだ。

 

 これすなわち「夜巫女の霧」。

狭間の地に伝わる魔術の一つであり、動きを止めずに使用できる特性を持っている。

 

 思わず口元を押さえて、後方へ転がるように距離を取ったメルセデスであったが、魔法に面食らった事からメリクを見失っていた。

 

 

 

 「あっ、しまったわ...見失って、ふわぁぁ...なんだか眠気...が。」

 

 「ねむってて。」

 

 

 

 すかさず「見えざる姿」で姿をくらまし、クイックステップで回り込んだメリク。そのままメルセデスの近くで「トリーナの剣」を抜き、「眠りの霧」を発動。

 

 正面の魔術を警戒していたメルセデスは背後から迫る紫の霧には気づけなかったという仕掛けだ。

 

 

 

 「とおいけど、いけるかな。」

 

 

 

 眠らせたメルセデスをそこらの茂みに転がした時点で、既にベルナデッタとの距離はかなり離れている。

 

 目視での確認はできるが、最初にアッシュが撃破された森の近くまで引いている。

 

 この距離での弓の曲射となればかなりの腕前がいる。

手持ちの武器の大弓こそあるがこんな大質量の武器で援護しようものならディミトリやドゥドゥーがどれほど頑丈であったとしても大怪我は避けられない。

 

 

 

 「あ、アレためしてみよう。」

 

 

 

 少しの思考を挟んで何かを思いついたらしいメリクは何かを取り出し、狙いを定める。

 

 その手に握られていた武器が、淡く輝いた。

 

 

 

 

 ベルナデッタ・フォン・ヴァーリ。彼女は人一倍臆病な少女。

彼女の出自と過去の経歴が彼女を引きこもりなインドア少女に変えてしまった。

 

 そんな戦場とは根本的に相性の悪い彼女は今、一本の木を背にして追い詰められていた。

 

 

 

 「あっ、えっ、後ろにおっきな木が!?」

 

 「ふぅ...ふぅ....殿下、今が好機です。」

 

 「助かったぞドゥドゥー。一撃で決めさせてもらう!」

 

 

 

 予期せぬ障害物に足を止めてしまったベルナデッタ。

 

 その目前には既に追っ手の2人が迫っていた。

そして、今まさに。ベルナデッタの弓から主を守る肉壁となっていたドゥドゥーの背後、体勢を低くして突っ込んでくるディミトリの姿があった。

 

 

 

 「っ!?こ、こないでっ!くださいっ!!」

 

 素早く弓を引き、ディミトリへと矢を放つベルナデッタ。

窮地に追い込まれた彼女は弓使いとしての本領を発揮していた。

 

 だが。

 

 「ふんっ!!」

 

 掛け声と共に横から斧、矢は全て強引に叩き落とされてしまった。

 

 

 

 「済まないが、トドメを刺させてもらおう!」

 

 「あっ...終わった。ベル、もう...。」

 

 

 

 勢いよく突き出された木製の槍。

その先端が吸い込まれるようにベルナデッタのみぞおちへ目掛けて飛んでくる。

 

 回避もきっと間に合わないだろう、文字通り全身全霊の力を込めた会心の一撃。きっとタダでは済まない。

 

 その時、ベルナデッタの脳内へ淡い走馬灯が走った。

 

 

 

 

 

─────────長いようで短い人生だった。

 

 昔から友人は怖いから作れなかった、いつから部屋に籠りきりになっているかも思い出せないくらいの年月が経ってて。

 

 士官学校に入ったはいいけれど、結局部屋から出たくはなくて...。

 

 先生は静かな人で、周りのみんなも優しくて。

つい、ベルでも何か出来るかもなんて思ってみましたが。

 

 やっぱりベルは部屋から出ない方が良かったみたいです。

こんなことなら、作りかけのお人形。完成させておけばよかったなぁ...。

 

 

 

 

 

 

 「ふ...ふふっ。さよなら、ベルの淡い青春...。」

 

 「.....? なッ!? 殿下、危険です!」

 

 「なっ!?後ろからッ、ぐはぁっ!」

 

 

 

 虚な顔で最後の時を待っていたベルナデッタへトドメを刺さんとしたディミトリ、そしてドゥドゥーの背に何かが撃ち込まれた。

 

 突然の攻撃に体勢を崩した両名は茂みや草原へと叩き出された。

 

 

 

 「光る...輪っか...?」

 

 

 

 ぼんやりと遠くへ向いたベルナデッタが見たのは、褪せ人メリク。

彼が放つ魔術の光であった。

 

 10、いや30はあろうかという青白い輝きを放つ光輪たちが今まさにディミトリとドゥドゥーへ追撃をせんと飛来したいる。

 

 彼は駆け足のまま、幾度も幾度も「霊光輪」の魔法を発動させながら移動している。こんなデタラメな詠唱方法をフォドラの住人は誰一人見たことなどないだろう。

 

 この規格外の援護によって攻守が一転、青獅子が窮地に立たされた。

 

 

 

 「あぁ...よかった...ベル、助かるんですねぇ...ううっ、うわぁぁぁ!!」

 

 感極まったのだろう。ベルナデッタは目の前に自分を狙っている他学級の生徒がいるのも忘れて泣きじゃくる。

 

 普通であればこのような隙を晒せば一瞬にして倒されることは明らかだ。

 

 だが、褪せ人に「普通」などあり得ない。

 

 

 

 「くっ、威力は決して強くないが...なんて量だ!」

 

 「ぐお...で、殿下。俺はここまでの、ようで.....。」

 

 「ドゥドゥー!!っ...すまん、無理をさせすぎた。だが、お前の働きを無駄にはさせない!!」

 

 

 

 切れ目なく押し寄せる魔法によって崩れ落ちた従者をただ見ていることしか出来ないディミトリは奥歯を強く噛み締め、背後から魔法の蓮撃を繰り出す強敵を見据える。

 

 これはきっと手加減された魔法だ。ディミトリはそう理解していた。

 

 理由は単純明快、前に見た竜の魔法を彼が使っていない。

アレを当然の如く使っていた人物がこの程度の威力の魔法を使う理由はたった一つ。

 

 「怪我をさせないため。」だろう。

こちらが魔法の物量で潰れるのを待っているように見える。

 

 ならせいぜい、こちらはその油断を利用させてもらうだけだ。

 

 

 

 「まずは、攻撃が届かない場所へ...あの木を使うか。」

 

 

 

 延々と撃ち込まれ続ける「霊光輪」を避けるため、素早く手近な木の後ろへと潜り込む。

 

 どうやらあの魔法は人に対して有効打となる最低限度の威力しか持っていないようで、木々に当たるとすぐに霧散していく。

 

 これならば、まだ勝機はある。

 

 

 

 「よし、向こうも仲間を助けるため近づいて来ているな。これなら...やれる...!」

 

 

 

 遠距離からずっと攻撃されているわけではなく、メリクとの距離が近づいている事が唯一の勝ち筋。

 

 このまま魔法をやり過ごしつつ、接近して来た褪せ人へ一矢報いる。

これがディミトリの決断した策。

 

 確実にこれを成功させるため、幾度か回避行動を挟みながら樹木の密度が高い森へとメリクを誘導していく。

 

 

 

 「来い...そのまま、近づいてこい!」

 

 「.....ん。まじゅつあたんなくなった。つかうか、アレ。」

 

 

 

 木々を挟んでメリクの接近を待ち構えるディミトリ。

このままメリクが近づいていけば、罠にハマるのは確実だった。

 

 が、ディミトリはひとつ完全に誤解していた。

 

 

 

 「せーのっ。」

 

 ブォン、ブォン、パガンッッ!!!!!!!!

 

 

 

 いつまでも彼が手加減した魔法を撃つだけで終わる訳がないということを。

 

 

 

 「なっ...!木を大槌で、叩き割った!?」

 

 真っ二つに叩き折られた樹木と共に、見た事のない形の大槌が視界へ飛び込んでくる。

 

 すかさず横へ飛び退いて避けると、先ほどまでディミトリが立っていた場所を鉄塊が抉り取る。

 

 恐ろしい膂力から放たれる一撃だが。当たらなければ意味はない。

 

 そして武器を投げたという事は、当然隙が生まれる。

 

 

 

 「獲物を投げた、今が好機ッ!!」

 

 

 

 折られた木の反対側に立つ敵を見据えて、最高速度で駆け出す。

 

 武器を持ち替える暇は決して与えない。

メリクの手に未だ何もない事を確認したディミトリはさらに速度を上げた。

 

 ドゥドゥーが繋いでくれた一筋の勝機を、手繰り寄せる。

そのために、青獅子の級長は一本の槍と化した。

 

 

 

 「はぁぁぁぁぁぁっ!!くらえッ!!!!!!!」

 

 気合いと共に最速の一撃が繰り出される。

もはやこの間合いでは回避もできまい。

 

 ( 勝った...!! )

 

 

 

 「ぶきがない。と、おもうでしょ。」

 

 「ッ!?」

 

 

 ガキィィィィィン──────。

 

 

 

 金属音が森に響く。

 

 音の出所、メリクの両手には『先ほど投げたハズの大槌』がしっかりと握られていた。

 

 

 

 「バカなッ!?一体どういう、ッ!!」

 

 「しゅうちゅうして。いくよ。」

 

 

 

 面食らったディミトリ、だがその動揺すら許さない。

 

 彼に声を掛けたメリクはそのまま大槌を正面から振り下ろす。

 

 

 

 ビュン、ぶおんっ、ドゴッ─────。

 

 

 「ふぅっ、ちぃっ!!」

 

 「...もっとはやく。」

 

 

 

 大槌が振り回される度、大地が揺れて木の葉が舞う。

 

 それに合わせて槍が突き出されれば、風切音が響き木々がざわめく。

 

 激しい剣戟に合わせて木製の槍が悲鳴を上げる。

武器がもう間も無く、潰れることが肌で分かる。

 

 ディミトリの脳裏に「敗北」の二文字が見えて来た。

 

 

 

 「くっ、練習用の槍では耐えられないかっ...!」

 

 「あ、そうか。ならコレつかって。」

 

 「は?うわっ!!っとと...この槍は?」

 

 

 

 劣勢のディミトリへ不意に投げ渡された一本の槍。

 

 素人目でも分かる、ただの刀身が錆びた「鉄の槍」だ。

だが、握れば全く異なる印象を受けることになる。

 

 

 

 「初めて握ったはずだが...手に馴染む...。こんな逸品を俺に使えと言うのか?」

 

 「それならおれもやられるかも、しきりなおし。」

 

 「ははっ、メリク。君という人間はつくづく掴みどころがない。闇討ちして魔法を使ったと思えば次は一騎打ち...だが、その誘いに受けて立とう。俺の全てをお前にぶつけさせてもらう!!」

 

 「うん。たのしくなってきた。」

 

 

 

 蛮族のバトルジャンキー故に、相手が強ければ強いほど楽しい。

 

 中途半端に誉を持つ故に、相手の持つ力を引き出すのも躊躇しない。

 

 そんな褪せ人と対峙するディミトリに先ほどまでの敗北に焦る表情などはなかった。

 

 ただ全力をぶつけたい。

 そんな純粋な思いだけを両手に込めて、吠える。

 

 

 

    「メリクッ!!!」  「いくよディミトリ。」

 

 

 

 若き獅子と、異界の戦士が、力のままにぶつかった。

 

 その激突の結末は──────。

 

 

 

 

 

 

 

 「いったた〜!せんせぇ、手加減してって言ったじゃないですかぁ〜!」

 

 「あらま、ヒルダが落とされちまったな。けど先生?これで終わったと思ったら大間違いだぜ?アンタの手の匂い嗅いでみたか?」

 

 「.....。(くさい)」

 

 

 

 一方その頃、西側の金鹿の学級(ヒルシュクラッセ)方面では黒鷲の学級とベレスが、ヒルダとクロード相手に交戦中であった。

 

 あらかじめ立てていた策通り、木の柵を破壊して金鹿へ奇襲を仕掛け、そのまま雪崩れ込むようにヒルダを撃破したという流れである。

 

 

 

 「師、何やら異臭がしてきたのだけれどコレはクロードの策略かしら。」

 

 「エーデルガルト様、どうやら事前に武器へ細工がされていたようです。異臭は斧の柄からしております。」

 

 「うげぇ...ここまで酷い匂いになるってどういう原理ですか。ホント噂通り、金鹿の級長はイタズラにかけては躊躇いが無いですね。」

 

 

 

 時間経過で臭いが強くなる特殊な薬品を武具に塗りつけていたクロードの策がようやく発動してきた。

 

 無表情なベレスも気持ち、嫌そうな顔をしているように見えるほど酷い悪臭のようだ。

 

 

 

 「ほらほら、早く倒さないと臭いがとんでもなくなるぜ。そらっ、弓でも喰らって帰っちまいな!」

 

 「...。」

 

 

 

 一瞬、臭いに気を取られた黒鷲の面々へ容赦なく矢の

洗礼が降ってくる。

 

 だが、既に勝負はついていた。

 

 

 

 「細工より、実力をもう少し身につけた方がいいよクロード。」

 

 「うわっ!弓が真っ二つに!?あー...これは俺の負けだな。降参だ。」

 

 

 

 懐に潜り込んだベレスの木剣が抜き放たれると、クロードの弓が美しく横一文字にかち割られた。

 

 流石に予備の武器を取り出す時間もない。おまけに後ろにいたマヌエラ先生も、すでにリンハルトとヒューベルトの魔法使い2名の挟撃で落とされた。

 

 今回はここまでのようだ。

 

 

 

 

 そして

 「勝負あり、試合終了ォ!」

 

 とセテスの戦闘終了の合図が響く。

 

 

 

 戦闘の結果は...

 

 「勝者、黒鷲の学級(アドラークラッセ)‼︎」

 

 

 つつがなく、ベレスとメリクの初陣は勝利となるのであった。

 

 

 

 

────────半刻後。

 

 

 士官学校、大広間にて。

 

 3学級それぞれが模擬戦の健闘を讃える打ち上げや、黒鷲の学級では祝勝会がささやかながら開かれていた。

 

 

 

 「師、お疲れ様。当然の勝利とは思うけれどこれも、師の采配あってのものね。」

 

 「いや、すごく危なかったよ。」

 

 「...それは、そうね。」

 

 

 

 と言いつつ、エーデルガルトとベレスが向く先には。

 

 

 

 「なぁメリク!さっき使った魔法なんなんだ!?お前、剣だけじゃなくて魔法も使えるのかよ!」

 

 「フン...俺が出ていればこんな模擬戦程度でお前に遅れを取ることなどあり得ん。」

 

 「メリクくん!どうしてこっち来てくれなかったの〜?アタシ、メリクくんが相手じゃないとケガしちゃうんだから〜!」

 

 「メリク、君はやはり強い!この健闘会が終わったら是非とも俺に槍の稽古をつけてくれないか!」

 

 「すごいなぁメリクさん!オデ、ビックリしちまったぞぉ!あんなふうに木をドカンと吹っ飛ばす筋肉、オデもつけてぇなぁ。どうしたらあんなふうになるのか教えてくれよメリクさん!」

 

 「めめめめめめ、メリクさん!!ベルは副官なんですよ、前線じゃなくて後方からお手伝いする役なんですよぉ!どうしてすぐ助けてくれなかったんですかぁ!?イジワルしないでくださいよ!あっ、でも最後の魔法で助けてくれたのは嬉しかったです...でも、それはそれとして早く助けてくださいよぉ!!」

 

 

 

 3学級の生徒の中でもメリクに一目置く生徒らが彼の周りを取り囲んでいた。

 

 さながらヒーローインタビューなんかのようだが、当の本人はというと。

 

 

 

 「...もぐもぐ。おかわりある?」

 

 

 

 「メリク、慣れてきたみたい。」

 

 「師。アレは慣れというよりただ図太いだけなのではないかしら...?」

 

 

 

 どうやらメリクは良くも悪くも士官学校に馴染んできたらしい。

 

 前までは慌てふためいていたのが嘘のようだった。

が、どうやら彼にお熱なのは生徒だけではなかったらしい。

 

 

 

 「メリク、君が模擬戦で魔法を使用した件について後で話を聞きたい。後ほど謁見の間まで来るように。必ずだ、良いな!!」

 

 「ふっふっふっふ...メリク君。そのあとは吾輩の部屋まで来てくれたまえ。前に見せてもらったアレの続きを教えてもらいたいのだよ...ふっふっふっ。」

 

 

 

 教師陣からもラブコールが飛んできているようだった。

 

 

 

 「ふわぁ...。僕も後でハンネマン先生に何があったか聞きに行ってみよう。」

 

 「メリク、人気すごいです。戦場から帰った英雄、みたいです。」

 

 「これはもしかしたらメリクくん、他の学級にスカウトされちゃうのも時間の問題かもしれないですね?先生。」

 

 「これは同じ学級の仲間として私も鼻が高い!だが、以前変わりなく彼を超え、エーデルガルトをも超えていると証明するべく、私も励まねばな!はっはっは!!」

 

 

 

 この調子だと、しばらくメリクが話題の中心から無くなる事はあり得ないだろう。

 

 その祝勝会やらの騒ぎの中、一歩離れた所にいるエーデルガルトとベレスは互いに顔を合わせると苦笑と、ため息を漏らした。

 

 そして密やかに少女が呟く。

 

 

 

 「...それで師。彼、メリクについて私も一つ相談したいことがあるのだけれど。いいかしら。」

 

 「うん。わかった、後でいいかな。」

 

 「ええ、場所は追って伝えるわ。」

 

 

 

 異界から来た来訪者へ皆が視線を向ける中、その秘密を握る二人が動き出す。

 

 そしてそれを聞く者もまた一人。

 

 

 

 「...そろそろ、俺も知っておかないとな。さてメリク...お前さんが何者なのかあの二人から聞かせてもらうぜ。」

 

 

 

 金鹿の級長もまた秘密を探る者、彼もまた異界から来た褪せ人の生んだ混沌へと足を踏み入れようとするのであった。




というわけで、模擬戦は余裕勝ちです。

入れたかった展開やらモブ生徒やら、前話のメリクが見せた「祝福」やらエーデルガルトが手に入れた秘密やら。

まだまだ回収できてない部分がある上、原作ルートガン無視のオリチャーとなるため非常に遅筆となる事をご容赦くださいませ。

以前変わりなく、褪せ人がフォドラを巻き込む騒動劇を執筆できるよう粉骨砕身いたします。

温かい目で続話をお待ちくださいませ。
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