【悲報】目覚めたら巨人だった【敵じゃないよ】   作:佐東

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ここ数話、感想で主人公の知能についてボロクソに言われてて笑っちゃった。
私もそう思います。

感想いつも楽しく読ませていただいてます!感謝です!


追記

主人公がアニの名前を呼んだことについて特に深く考えてなかったんですが、感想でめちゃくちゃ突っ込まれるので少し考えてみました。

①連れ去り成功の場合
始祖を奪って壁内に戻るわけないので名前なんてバレても問題無し
②捕獲、殺害される場合
言うまでもなく中身を見られるので名前バレしてようが関係無し
③連れ去り失敗で逃亡する場合
主人公からすると最悪のパターンで、自身が裏切り者扱いの上、エレン奪還に動かれるので、もういっそ正体バラしておいた方が吉。てかこのパターンになった時点で主人公はほぼ詰みなので考える必要無し

……大丈夫じゃない?
え?主人公は結局バカなのに変わりない?
それはそう。
周りの格を落とさずに物語を進めるには主人公の格と知能を落とすしか無かった。ひとえに私の技量不足です。

あとエレンに女型の正体についてあらかじめ勘付いてもらうことで戦闘を有利に進めたかったのもあります。




12

 

 「クソッ!どうなってる!」

 「何故イオリはあの状況でも巨人化しない!」

 「まさか本当に……!」

 「イオリさんが裏切り者だって言うんですか!」

 

 辺りを警戒しながら巨人とイオリを見るリヴァイ班の面々は混乱の最中に居た。

 リヴァイが果敢に女型の巨人を切りつけている。しかし致命傷には至っていない。人類最強の攻撃を凌ぐその様には確かな知性が感じられた。

 

 「まさかあの巨人はイオリやエレンと同じだって言うの……?」

 「だとしたら決まりだ!仲間に頼んで俺達から逃げようとしてんだぞ!イオリは、敵だ!!」

 「脅されてるのかも……!」

 「お前らそんなこと話してる場合か!」

 

 エルドが叫ぶ。

 

 「イオリが敵かどうかはこの際気にしない!問題はあの巨人がイオリのような巨人になれる人間を連れ去ろうとしてることだ!」

 

 皆がエレンに視線を向ける。

 

 「エレンまで連れ去られたら人類は終わりだぞ!!」

 

 「エレン、来た道を戻って本部まで引きなさい!」

 

 「イオリさんが連れ去られようとしていて、兵長もまだ戦ってるのに、オレだけ逃げろって言うんですか!!」

 

 エレンは到底納得できなかった。見ると、あの兵長ですら苦戦しているようだ。

 

 そうだ。俺が巨人になれば、すぐにでもイオリさんを取り返せる。

 

 そう思い、手を口の前に構える。

 それを見たリヴァイ班の皆は口々にエレンを止めようとした。

 

 「エレン!?何をしてるの!!それが許されるのはあなたの命が危うくなった時だけ!」

 「イオリのことは俺達と兵長で何とかする!お前の力はリスクが大きすぎる!」

 「何だてめぇ……俺達の腕を疑ってんのか!?」

 

 確かに、リヴァイ班の実力ならそう難しいことではないだろう。俺の力が無くても、きっと……

 

 「心配することが疑っていることになるなら、それでオレは構いません」

 「……あぁ!?」

 

 『言いたいことは、言わなくちゃ』

 

 「オレは、信頼が欲しかったんです。だから、皆を信じることが正しいって思ってました」

 

『エレンがすべきことは自分を信じることだけって意味!』

 

 「もちろん皆を信じてます。そしてそれと同じかそれ以上に、自分のことを信じてます」

 

 馬の駆ける音だけがこだまする。最初に口を開いたのはオルオだった。

 

 「……だったら俺達はてめぇを疑っててやるよ。てめぇが暴走しても俺達が一瞬で止めてやる」

 

 エルドとペトラが顔を見合せ、溜息をつきながらそれに続いた。

 

 「俺は反対だがな……でも兵長がよく言うことがあるんだ。『悔いの残らない方を自分で選べ』ってな」

 

 「エレン、私達を信じて好きな方を選んで。私達はエレンの選択を信じるから」

 

「…………!」

 

エレンは自身の胸が熱くなるのを感じた。

でも、どうする。本当にそれでいいのか?悔いの、残らない方……

 

 「あっ!?兵長!!」

 

 ペトラが悲鳴に近い声で叫ぶ。見ると兵長が女型の巨人の攻撃をまともに喰らい、地面に転がっていた。皆の顔色が変わる。

 

 「エレン!さっさと決めろ!!」

 

 エレンは一瞬躊躇った後、叫んだ。

 

 

 「俺がやります!!」

 

 

 エルドは冷や汗を垂らしながらもニッと笑って二人に指示を出す。

 

 「聞いたな!俺達は兵長を回収し、エレンを援護する!!」

 

 そしてエレンは、思い切り手を噛みちぎった。

 

 

 

 一瞬の意識の空白の後。

 

 エレンの視界には妙に小さくなった世界が映る。正面を向いて、女型の巨人を見据えた。

 大丈夫、意識はしっかりしている。暴走はしていない。

 エレンはそう判断すると、一気に駆け出し、相手との距離を詰めた。兵長のおかげでイオリは女型の巨人の手から離れている。手加減は必要無い。

 突っ込みながら拳を振るう。

 

 『巨人の体は空気抵抗が強いからね。大振りよりもこう、真っ直ぐ打ち込むといいよ。これは正拳突きって言うんだけどね』

 

 顔を狙って振るった拳はあっさりと避けられる。エレンはこの一ヶ月で巨人化の先輩であるイオリに習ったことを思い出していた。

 

 『巨人の攻撃は一撃一撃が重いから、防ぐより避けた方が良いかもね』

 

 女型の巨人と相対する。じりじりと距離を詰めて行った。

 隙がない。

 相手が構えを取る。その構えには見覚えがあった。訓練兵時代、対人格闘訓練で何度も転がされた相手がよくしていた独特の構え。

 

 本当にお前なのか。アニ。

 

 先程イオリの叫びを聞いていたエレンはここで確信を深める。

 いや、そんなわけない。

 でも。

 本当にアニなら、ここから繰り出されるのは……上段の蹴り。

 女型の巨人が足を振り上げた。エレンはその瞬間を見逃さずにすぐさま距離を詰める。

 

 『相手の蹴りはね、ビビらず逆に前に出て潰すといいよ。蹴りの威力が出切る前に、潰すんだ』

 

 相手の足が最高速度に加速しきる前に、距離を無くすことで足の振りを中断させる。そして相手は蹴りで体勢を崩している状態で、そこで間合いを潰したのなら。

 

 あとは打つだけだ。

 

 エレンは全力で女型の巨人の顔に拳を何度も打ち込んだ。血が吹き出し、女型の巨人の顔が変形する。

 相手はたまらず倒れるように後退り、エレンから距離を取った。

 エレンは違和感を覚え、相手の蹴りを抑えた手を見ると、見事に肘から折れていた。

 

 威力を潰してこれか。まともに食らってたら頭が吹き飛んでたな。

 

 相手の格闘能力に戦慄しながらも、改めて気を引き締め、エレンは相手に向き直った。

 

 殴る。蹴る。避ける。その繰り返し。

 防ぐと防いだ腕が持ってかれる。避けるべきだ。

 兵長のつけた傷はほとんど治ってしまったようだ。出来れば治る前に決着をつけてしまいたかったが。

 相手は恐らくオレやイオリさんと同じだ。殺さないで捕獲を狙うべき。中身がアニなら尚更だ。

 無力化、無力化…………

 

 ある。イオリさんから教えてもらった。賭けにはなるが、試してみる価値はある。

 

 エレンはアニの様に上段の蹴りを放つ。当然呆気なく躱される。しかし構わず拳ではなく蹴り主体に切り替えた。何度も上段蹴りを出し、避けられる。

 やがて女型の巨人は痺れを切らし、蹴りを避けた後にカウンターを仕掛けてきた。

 

 来た。

 

 エレンは振り切った足の膝を曲げ、軸足を捻り、返す刀で女型の巨人の顎を刈り取った。

 空手において、裏回しと呼ばれる技である。

 

 『エレンは身体柔らかいね、出来るんだ』

 

 先程の打撃の応酬に比べれば笑ってしまうほど頼りない威力の蹴り。しかし綺麗に顎に入ったその蹴りによって、女型の巨人は立ち上がれずにいた。

 

 賭けに勝った。

 

 『巨人に脳震盪があるか分からないけど、ハンジさんが言うには一応脳みそは巨人にもあるらしいから、もしかしたら効くんじゃないかな』

 

 顎を勢い良く揺らしたことによる脳震盪。効いた。本当に巨人にも効いたのだ。

 女型の巨人は困惑した様子で地面に倒れ伏している。その機を逃さず、エレンは女型の巨人を組み伏せ、うなじに口を近付ける。

 

 出てきやがれ。

 アニな訳が無い。

 きっと全然知らない誰かが出てくるハズだ。

 

 そしてうなじの表面の肉を食いちぎった。蒸気が吹き出し、うなじの中身が露出する。その中身は、よく見知った顔だった。

 

 ……本当にお前なのかよ。アニ。

 

 エレンは彼女をうなじから取り出そうとその手を伸ばした。

 イオリは呆然とその様子を眺めることしか出来なかった。

 

 

 

 

 

 

 アニは約一ヶ月前の会話を思い出していた。

 

 「……はあ?アンタら正気?どう考えても罠じゃないか」

 「彼女が本当に始祖の巨人で、僕達を本気で罠に嵌めようとしてるならこんなことする必要ない!始祖の力でいつでも僕達を殺せるし、調査兵団に僕達のことを密告すればそれで済むんだから!」

 「そうだ、理由は分からんが、俺達にとって利がある取引だ。乗らない理由はない」

 「…………アンタらは良いよね。ただ調査兵団でお友達ごっこしてりゃいいんだからさ」

 「アニ……」

 「……分かったよ。やればいいんでしょ」

 

 そして今、アニは兵士に切り刻まれ、エレンに組み伏せられている。

 

 あぁ、ほら、だから嫌だったんだ。言わんこっちゃない。

 でも、誰も殺さずに済んだことにどこか安心している自分もいて。

 そんな自分を嫌悪すると同時に、父親の顔が頭によぎった。

 

 

 帰らなきゃ。

 

 

 アニは最後の力を振り絞って硬質化の力をうなじにいる自分に集中させた。

 

 

 

 

 

 




え?えっちなイオリが見たい?(空耳)

よく分かりませんが、皆さん私の投稿小説欄を見に行かれますね……。

まぁそんな物好きが私以外にそういるとは思えないんですけど。物語の本筋にはあまり関係無いですしR18なので見たくない人は見ないようにしてくださいね。
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