デュエプレ 現状→ランクマADで今プラチナ2の星1 火光アポロが強い!。けど赤白速攻(メタリカ軸)には圧倒的不利全敗中…
翌朝、リムルの村に建てられた巨大な集会用テントの中は、異様な緊張感と期待に包まれていた。
リムル「いいか、皆。これからお前たちに『名』を与える。……正直、一度に六人は初めてだけど、今の俺ならいけるはずだ」
人型のリムルが、意を決してオーガたちの前に立つ。その傍らでは、白銀の巨狼姿の連が、欠伸をしながらその様子を眺めていた。
連「おいおいリムル、無茶すんなよ。お前の最大MP(魔素量)は分かってるが、オーガ級への名付けはコストが跳ね上がるぞ。……まぁ、バフが必要なら俺の魔素を分けてやってもいいが?」
シルフィエッタ『いえ、連様。リムル様はご自身で成し遂げることに意味があると考えておられます。……それに、主。あなたも昨日の素材狩りで魔素を使いすぎです。少しは自重してください』
シルフィエッタに窘められ、連は「はいはい」と尻尾を振って引き下がった。
リムル「よし、行くぞ! ――まずは君だ、紅い髪の若。お前は『ベニマル』だ!」
そこから先は、まさに魔素の「大放電」だった。
リムルが一人、また一人と名を呼ぶたびに、彼の体から膨大な魔素が濁流のように流れ出し、オーガたちへと注ぎ込まれていく。
ベニマル、ソウエイ、シュナ、ハクロウ、シオン、クロベエ。
最後の一人、クロベエに名を授け終えた瞬間。リムルの顔から血の気が失せ、その体が「ポヨン」と音を立ててスライムの姿へと戻った。
リムル「あ……これ、……マズい……。落ちる……」
『警告。個体名:リムル=テンペストの魔素残量が規定値を下回りました。……スリープモードに移行します』
リムルはそのまま、力なく地面に転がった。
連「……あーあ。案の定リセマラ失敗後のデータ飛んだみたいな顔して寝やがった。……ナビ、リムルのステータスは?」
『解。異常ありません。単なる魔素枯渇による休眠状態です。回復まで数日を要すると推測されます』
連「了解。……さて、こいつが起きたら驚くだろうな。……シルフィ、ホウリン。俺たちはこいつが起きるまで、村の警備と、あの進化した『鬼人(キジン)』たちの様子を見ておこうぜ」
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三日後。
降り注ぐ柔らかな日差しが、テントの隙間から差し込んでいた。
リムル(……ん、……ここは? ……あ、そうか。名付けして、そのまま……)
リムルの意識がゆっくりと浮上してくる。
最初に感じたのは、驚くほど心地よい、弾力のある温もりだった。
シオン「……あ、リムル様! お目覚めになられましたか!」
聞き覚えのある、けれど以前よりずっと艶やかで力強い声。リムルが視線を上げると、そこには紫色の長い髪をなびかせた、信じられないほどの美女――シオンがいた。
リムルは今、彼女の太ももの上、いわゆる「膝枕」の状態で寝かされていたのだ。
リムル『……え、……シオン? なんでそんなにスタイル良くなって……っていうか、角が一本になってる!?』
混乱するリムルの視界に、さらに衝撃的な光景が飛び込んできた。
テントの奥、広々としたスペースで、白銀の巨狼――連が、無防備にもほどがある姿で転がっていた。
かつて伝説の神獣と恐れられたフェンリルが、今は完全に野生を忘れた犬のように仰向けになり、四肢を投げ出して「へそ天」の状態で寝そべっている。
連「……ふぅ……。そこだ、そこがいい……。シルフィ、もう少し左……あぁ、極楽だ……」
連の左右には、シルフィエッタと、そして桃色の髪を持つ絶世の美少女へと進化したシュナが控えていた。
二人は手に大きな馬毛のブラシを持ち、連の白銀の毛並みを、それはそれは丁寧に、慈しむようにブラッシングしていた。
シュナ「はい、連様。……本当に、この毛皮はいつ触れても素晴らしい密度ですね。魔導師として、これほど純度の高い魔導毛を整えられるのは至上の喜びです」
シルフィエッタ「……連様、ここでしょうか? ……うふふ、足がピクピク動いていらっしゃいます。可愛らしい……」
シュナが微笑みながら連の腹部の柔らかい毛を梳くと、連は「くぅ~ん……」と情けない声を漏らし、尻尾をバタバタと地面に叩きつけていた。
リムル『……ちょっと待てぇぇぇい!! 連!! お前、何やってんだよ!!』
リムルはシオンの膝から飛び起き、思わず念話で絶叫した。
連「……ん? おぉ、起きたかリムル。……おはよ」
連は仰向けのまま、首だけをぐにゃりとリムルの方へ向け、だらしなく舌を出して笑った。
連「……何やってんだって、見れば分かるだろ。……メンテナンス(毛繕い)だよ。……シュナのブラッシング技術、マジで『神スキル』だぜ。シルフィの魔法研磨と合わさって、今俺の毛並みのツヤ、全盛期のフェンリルを超えてる自信がある」
リムル『伝説の神獣のプライドはどこへ行ったんだよ! 美少女二人に腹見せて甘えやがって、この……この効率厨の権化が! 羨ま……けしからん!』
連「いいだろ別に。名付けが終わって、こいつら進化して暇そうだったからな。……それに、見てみろよ。……あいつら、めちゃくちゃ『SSR』な見た目になってるだろ?」
連の言葉に、リムルは改めて周囲を見渡した。
ベニマルは精悍な若武者に、ソウエイは冷静沈着な美青年。ハクロウは渋みの増した達人へ、そして目の前のシオンとシュナは、それこそ一国の姫か聖女かというほどの美貌を手にしていた。
リムル『……これ、本当にオーラが全然違うな。……というか、なんで名前をつけただけで、こんなに姿まで変わるんだ? 大賢者、解説を頼む』
『解。個体名:リムル=テンペストによる「名付け」により、対象の魔素量および魂の系譜が書き換えられました。オーガから「鬼人(キジン)」へとランクアップしたことで、内包する魔素に適した、より高次の肉体へと再構築された結果です。……また、名付け親であるあなたの美的感覚や理想が、無意識に肉体形成に影響を与えている可能性があります』
リムル『……俺の理想? ……いや、俺は別にこんな、巨乳の秘書(シオン)とか、可憐な巫女姫(シュナ)とかを……、……いや、否定はできないけども!』
リムルが一人で葛藤していると、ブラッシングの手を止めたシュナが、リムルの元へ歩み寄ってきた。
シュナ「リムル様。改めて、名を授けてくださったこと、心より感謝いたします。……この力、この命。全てあなた様と、そして私たちを導いてくださった連様のために捧げます」
シュナが優雅に跪く。
連がようやく起き上がり、ブルブルと体を震わせて毛並みを整えた。人型に戻ることもできるはずだが、彼はあえて狼の姿のまま、リムルの隣に座った。
連「……さて。リムルも起きたことだし、これでお膳立ては揃ったな。……外を見てみろ。お前が寝てる間に、村の『機能(システム)』はさらにアップデートされてるぞ」
連に促され、リムルがテントの外へ出ると、そこには整然と並ぶ美しい木造の家々と、訓練に励むゴブリン、牙狼族、そしてそれを見守る鬼人たちの姿があった。
リムル『……すげぇ。……本当に、俺たちが理想とした「町」になってきてる……』
連「ああ。……だが、平穏な時間は長くは続かない。……ナビの観測によれば、森のあちこちでオークの軍勢の動きが活発化してる。……シズさんを苦しめたイフリートの件もそうだが、この森に干渉しようとしてる『上位存在(プレイヤー)』が、いよいよ動き出してるみたいだぜ」
連の紅い瞳が、鋭く北の空を睨む。
連「……リムル。……ここからは、ただの街作り(シムシティ)じゃない。……本当の意味での、この世界の『覇権争い(メインクエスト)』の始まりだ」
リムル『……望むところだ。……せっかく手に入れたこの体、この仲間たち。……誰にも奪わせないよ』
白銀の狼と、水色の髪の少年。
二人の転生者は、新しく進化した「鬼人」という最強のカードを手札に加え、森に迫る巨大な嵐へと立ち向かう決意を固めた。
リムル「……あ、連。最後に一つだけ聞いていい?」
連「なんだ?」
リムル「……さっきのブラッシング。……俺もスライムの姿なら、シュナに磨いてもらえるかな?」
連「……お前、それは流石にデバフかかりすぎて『煩悩』ってステータス異常になるぞ」
二人の笑い声が、活気に満ちたテンペストの空に響き渡った。
物語の歯車は、かつてない轟音を立てて回り始めていた。