「伏黒ー。一緒にメイド喫茶行こうぜ!」
「はぁ?」
「なんか割引券もらったから」
「行かねー」
「頼むよー。釘崎誘ったら蔑みの目で見られてさー」
「仕方ねーな……」
そんなわけで、メイド喫茶で食事をして、出ようというところで、聞き慣れた声が聞こえた。
「ジャンケン負けちゃったねー。1対2だったのに」
「リー、ジャンケン強いな」
「お前らワンテンポ遅れてるんだよ。出すの見てから余裕」
「「ええっ!?」」
五条さんと家入先生の声。でも、家入先生に対してワンテンポ遅れる? ありえない。ドアの方を見ると、五条さんと家入さんと夏油傑がキャピキャピしてた。
いや、若い。別人なのか? こんなそっくりなトリオが別人とかあんのか?
無言で尻を下ろし、居座る為にデザートメニューを追加する。
虎杖は早速グループSNSに五条さんを写してあげる。
『五条さんと家入さんそっくりな人がいた。親戚かな?』
『マジでそっくりじゃない。私も行こうかな。そこどこ?』
「何食べる?」
「このラブラブパフェ! 一緒に食べよ、ルイ」
「いいね!」
わちゃわちゃと明治時代か? と言いたくなるようなカメラで撮ってもらう姿は平和そのもの。仲がいいんだな。後、名前を信じるなら別人。いやでも、雑な偽名ってことも……。
「あーそれにしても、初めて来たのに懐かしいなー!」
「そうだね。なんたって我らが魂の故郷、日本だからね!」
「でも、漫画喫茶に泊まって一週間ぶっ続けで漫画読もう計画だけど、夜はホテル取ったほうが良くないか? お前ら腐っても女だろ」
女!??
『五条さんにそっくりな人、女の子らしい。あと外国人』
『漫画喫茶で一週間お泊まり計画してるらしい』
『何それ。私も行く』
「ふ……。高身長、がたいよし、胸なし、声がどう聞いても男……やけになって口調も男。そんな私達を女性として見る人がいたら逆にすごいね」
「ナンパしてきたら結婚してやるまであるわ」
「私の旦那はクリスだろ。浮気は駄目だよ」
「だったな、ごめん♡」
「男が1人に女が2人で女2人がくっつくっておかしくねー? 私は2人に対して勃つぞー」
「「やり捨てられそう」」
ぶっふぅ!
ゲッホゲホゴホ
『なんかトークすごい。ナンパしたら結婚してもらえるらしい』
『虎杖声かけてみて』
『俺かよ!』
『じゃあ伏黒声掛けてみて』
『いや、声は掛けるつもりだが……。絶対訳ありだろあれ』
「やっぱり日本に住みたいなー。アニメ見てゲームしたーい」
「仕事見つからないだろ。そして機械壊すだろ」
「日本語はネイティブなのに?」
「パソコン使えないのはちょっと厳しいかな」
「じゃあじゃあ、国際結婚とか」
「相手見つけて言え」
「あーあモテたーい」
「モテたいなー」
「だからお前ら、私がいるだろ」
「1人に絞ってから言おうか」
「ハーレム志望でーす」
「「却下でーす」」
「ズコー」
「本当に相手見つからなかったらお願いするかもだけどさぁ」
「甲斐性がねぇ?」
「そこは3人とも働こうぜ。時代は共働きだよ?」
「帰ってから仕事探しかー。ギフトなんて気味悪がられて絶対仕事見つからないよ。家は兄様が継ぐし。本当に就職活動か婚活した方がいいかも」
「日本に来れるのなんてこれが最後かもだしねー」
「1週間で職や嫁が見つかるかよ。7年も学校行って見つからなかったのに」
『訳あり……? 普通に旅行者じゃね。ちょっと困ってそう』
『あれだけ顔がいいんだからモテそうなもんだけどな。確かに胸はないが』
『伏黒サイテー』
『本人がモテたいとか胸がないとか言ってるんだ』
「荷物もあるし、早いけど早速漫画喫茶行こうか」
「だねー。漫画読みたーい」
「待て待て。ホテル代は出すから、やっぱりお前らホテル泊まれ。大体卒業旅行で漫画喫茶に一週間缶詰ってやっぱアホみたいじゃん。どんだけ漫画好きなんだよって」
「だって、観光お金掛かるし。それに漫画好きでしょ?」
『食べ終わったみたいだな。接触してみるぞ、虎杖』
『了解!』
『今向かってる』
「あの!!」
俺達は声をかけた。
「あの、話聞こえちゃって。女の人はやっぱホテル泊まったほうがいいよ。おねーさん達、綺麗だし」
「あんた達、日本への旅行者か? 観光なら案内させてくれ」
「……ナンパ?」
「え? ナンパ?」
「言っておくが、私は男だぞ」
びっくりして目を丸くする3人。日本語はやはりネイティブで、外国人とは信じられない。
「あ、いや、心配なようなら女性を今呼んでるから、そいつに案内させる」
「トリプルデートって事か? その子美人?」
「いや、ナンパというか……観光案内だけだから」
「写真これ」
「「「可愛い」」」
釘崎が合格だったらしく、彼らは俺の顔をチラチラと見た。
まさか本当にナンパしたから結婚してやるとか言わないよな。それは困る。
そうこうするうちに、釘崎がやってきた。
「私、ルイ・ポッター! どうしよう、人生で初めてモテちゃった!」
「クリス・ポッター。今綺麗って言った? 言ったよね!」
「私はリー・ポッターだ。二度目だけど、私は男だけどいいのか? 後、流石に会って1日でベッドインは許さんぞ。こいつら大事な友達なんだ。あと結婚を前提にしろ」
「観光案内だけだから大丈夫だし、常に6人で移動するから安心してよ。ホテルには案内するし、お金も出すけど、俺らはホテルには絶対入らない。約束する。知り合いそっくりでさ。ほっとけねーよ。3人とも同じ苗字だけど、友達って? 似てないし、兄弟じゃないんだ?」
「私とリーは捨て子。ルイのお父さんが引き取ってくれたんだ」
「へー」
「君達の名前は?」
「虎杖 悠仁!」
「伏黒 恵」
「釘崎 野薔薇よ。伊地知さんが車回してくれてる。行きましょ」
その言葉を聞いて、3人はさっと顔を青ざめさせて動揺した。なんでだ。
「な、なんか嫌な予感がする……」
「や、やっぱいいかなぁ」
「逃げるぞ、お前ら!」
「う、うん!」
「バカルイ、荷物は置いてけ!」
「だってぇ!」
なぜかパニックになり、荷物を投げ出してまで逃げ出そうとする一行。
「いや、大丈夫だって!」
「えっ 何か不味かった?」
「ルイさん、危ない!」
あっ
ルイさんがぺしゃっと転ぶ。
なんでそんなにガタイがいいのに運動神経死滅してんだよ!
その筋肉は魅せ筋肉か!?
この時点で夏油傑ではないと理解する。
「ルイ!」
「ふぇ……」
「る、ルイ。どうしよう」
クリスは慌てて戻ってきて、あわあわしている。
この狼狽えっぷりも五条さんにはありえない。
彼らは別人なのだ。世界には同じ顔が3人いるというが……。本当だったんだな。
「立てるか? ルイ」
「い、いい歳して転んで擦りむいたくらいで泣いてるんじゃないわよ……。うささんのバンドエイドいる?」
「いる」
釘崎の貼ったウサギのバンドエイドを眺め、とりあえず涙を引っ込めるルイさん。
「ありがと……」
「釘崎、女子力高っ」
「初対面で車に乗っては怖かったわよね。ごめん。交通機関でいきましょ! 色々案内したげる」
「い、いきなり拉致しない?」
なるほど。3人とも顔がいいし、海外は物騒だっていうしな。車に乗れが誘拐犯に見えたのか。悪いことをしてしまった。
「しないわよ。クリスが、私の先生そっくりなのよ。それで親切にしたいだけ。写真見る?」
「ちなみに、あんたは指名手配犯にそっくりだから、1人で出歩かない方がいい」
そうしてそれぞれスマホを操作する。
連絡先を交換したいと言ったが、スマホを持ってないと言われてしまった。
嘘……とも言い切れないんだよな。なんか3人とも浮世離れしている。
「五条先生って言うの。こっちは夏油傑。ついでに家入先生。そっくりでしょ?」
「ふわぁイケメン……」
「見たい!」
「見たい!」
3人はスマホを見て動かなくなったので、結局車は使うことになった。
あの人、本当に見た目はいいからな。
マシュマロ
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