「君ら、外国からの旅行者なんでしょ? どこの国? 何歳?」
「17歳! 卒業旅行なんだ。イギリス出身だよ」
はぇー五条先生格好いい。
「それでティータイムなんだね! 滞在はいつからいつまで?」
「今日から1週間だよ。今日の早朝に着いたんだ。朝食食べてるところで虎杖くん達と会って……」
「初日から巻き込まれて災難だったね。日本で結婚や就職希望って聞いたけど?」
「そう、日本で就職したい! 条件が合えば結婚も」
「条件って?」
「俺達の一族は10歳から17歳まで、選ばれし子供は指定された学校に通わないといけないんだ。しきたりでさ。これは絶対」
「あと、格好いい人がいい!」
「優しい人も追加で!」
「選ばれし子供って見える人?」
「あー……見える子はギフトって呼ばれてる」
なんて言えばいいんだろう? 魔法の事は教えちゃダメだし。
「じゃあどういう基準で選ばれるわけ?」
「一族特有の特異体質の持ち主だけど、これは家族にしかいっちゃダメなんだよね」
「他に守んないといけないしきたりある?」
言いながら、お菓子の箱を開ける。
ピョーンと箱からチョコのカエルが飛び出てきて、私はそれを捕まえ、パキッと割った。
「うお!?」
「げっ」
「なんだそれ」
「気をつけて開けないと中身逃げちゃうんだよ」
「半分ちょうだい」
「手足ちょうだい」
「五条先生は?」
「僕はいいよ! 普通のクッキーある?」
「あるよー」
クリスにカエルの上半身、リーに手足の部分をパキパキっと割ってあげる。
そしてアニマルクッキーを避けて、新しくクッキーの箱を開けた。
「そのクッキーは普通じゃねーのか」
「食べると一時的に動物の顔になるの。動物の鳴き声が上手にできるよ」
「何の意味があるんだ、それ……」
「それ戻る? 食べてみたい」
猫のクッキーを食べてニャー。一年生と五条先生は激写する。
「しきたりの話だけど、学校さえ行けば十分じゃないかな」
「学校行くのは、特異体質の子が日常生活送れるようにする為のものだしね」
「結構な頻度で障害が出るって事?」
「障害というか……これくらいは言っていいか。ギフトとは別に訓練しないとポルターガイストみたいな現象が起きるんだよ。5歳まで何も起こらなければ安心だけど、大抵は赤ちゃんの時から泣くたびに電気がチカチカってなったりする」
「一番マシな状態な。ベビーベッドの柵が消えたりふわふわ物が浮かんだりする。人に向かうとやばい事故も起こる」
「ギフトとは別に?」
「ギフトとは別に。だから隠れ里に住んでる」
「そんなのがイギリスにはあるんだね。君達も特異体質?」
「そうだよ。ギフトで特異体質。ダブルともいう。逆に特異体質でもギフト持ちでもないのは特異体質の家の子はスクイブで、一般の家の子はマグルね。特異体質の子の呼び方は特にない。私達にとってはそれが普通だから」
「それぞれ、何人ぐらいいるの? ギフトの子引き抜けない?」
「一応隠れ里だから、人数は内緒だよ。ただ、学校が全学年、教師も合わせて700人くらいかな。ダブルはそのうち30人くらい。ギフトは塾に行ってる。あっちは3年制で、15人くらい。ギフトの子は基本的に困ってるから、待遇次第で十分引き抜けるんじゃないかな」
「多っ! えっ でも3年は短くない?」
「そうね。普通の学校は通えないし、訓練ばっかりしてて、数学とか基礎科目が少ないから、私達もギフトも基本馬鹿。ちゃんとした教育が受けられるなら喜んで移住するんじゃない?」
「日本語覚えてもらわなきゃだし、教育は責任持ってサポートするよ。仲良くしようよ! 連絡お願いしていい?」
私は手鏡を使って父に連絡する。
『旅行は楽しんでいるかい?』
『ええ、お兄様。実は、日本のギフトの団体に会って、こっちのギフトを引き抜きたいって事なんだけど。どう思う?』
『そんなモノがあるのか?』
『こっちでは強い魔物が多いみたいで、それを倒せるギフトを必要としているみたい。日本語とかの教育もサポートもするそうなんだけど、話を通してもらってもいいかな。ダブルは残るわけだから、生活に支障は出ないと思うし』
『ふむ? 今日にでも話を持って行こうか。決めるのはギフトの者達で決めればいい。だがアドバイザーとして私も話し合いには加わろう』
『ありがとう、お兄様』
「話を通してくれるって!」
「僕も学長に連絡するねー。結婚だけどさ。とりあえず2人とも、僕と婚約しない? 安心して、あくまでも仮初……」「「「五条悟と婚約ぅ!?」」」
「は、はわ、はわわわわわ、わ、私なんかがそんな」
「喜んで!」
「あっ ずるいー! 私も! 私も喜んで! ワンナイトでもいいです! ワンナイトがいいです!」
「ワンナイトはダメだろ。生活費とか便宜とか結婚相手の斡旋とか要求しとけ! ギフト紹介するならいけるって!」
「あくまでも仮初だからね!? 僕こう見えて遊んでないから!」
「先生、めっちゃモテるじゃん……」
「先生は悪くないけど、先生がめちゃくちゃ汚らわしく見える……」
「野薔薇ー!? いや、ほんと下心はないって! 自分と親友そっくりの女の子だよ!?」
「やっぱり私達、モテないんだぁぁぁ!」
「こうなったら惚れ薬でー!」
「やめてね? 本当にやめてね? 国際問題にするよ」
「五条先生の後ろ盾いります? 本人達は結婚望むところっぽいし」
「そうかもだけど、同じ顔が変なのに引っかかるとちょっと怖いというか……」
「確かに……」
「モテるって大変ねー」
そんなわけで、総監部との契約ということでまとめようとするのを私達が軌道修正。総監部は怖いので、五条家と契約を結んだのだった。
1.隠れ里のギフトは10歳で五条家に留学し、呪術高専に通うものとする。
2.隠れ里のダブルは学校卒業後、呪術高専に留学するものとする。
3.日本までの渡航費、25歳までの生活費は五条家が持つものとする。
4.ギフトとダブルは25歳まで五条家の為に働くものとする。
5.この契約は五条家当主とギフトの過半数の同意を持って一年ごとに更新するものとする。
魔法や呪力の秘匿、ホグワーツ入学義務はまた別の契約である。
それと、25歳になれば自由。
ギフトはともかくダブルはちょっと揉めたが、元から魔法界で職は飽和してるので何とか受け入れられた。25歳まで生活費持ってもらえるのはでかい。しかもこれ、常識的な範囲でのお小遣いと1ヶ月に一回の手紙費用付きである。まあ、その代わり術師としての給料は五条家に行くけど。渡航費もあるし、そもそも呪術師の給料は内容を加味するとそこまで高くないので、条件としては破格だと思う。生活費の一環としてスマホ買ってもらえるんだよ? 神でしょ! 搾取しようと思えばできるだろうが、少なくとも五条先生の時代ではそうはならないだろう。
ということで、第一弾は今年度卒業生の私達と10歳から16歳までの60人くらいのギフトがやってきた。
来年からはギフトの10歳と学校卒業したダブルが送り込まれてくる予定。
そして!
五条家とギフトの結びつきを強めるため!
私、ルイとクリスは、五条悟の愛人になりまぁす!
結婚してないのに愛人なんて、って五条先生は言ってたけど、とはいえ外国人が五条家を妻として支えていくとかありえないのでゴリ押した。
それでいいのかって父様、兄様にガン詰めされたけど押し通した。
なんと2日で話がまとまって3日目でギフトの一団と視察目的のダブルと野次馬の魔法使いが来るスピードっぷり。
とはいえ、みんな日本語出来ないので、しばらくは五条家で日本語の練習である。
なお、視察目的のダブルは五条先生を見た途端、即座に魅了魔法を使ってきたのでナメクジ喰らえの魔法や前歯が伸びる魔法が乱舞するキャットファイトとなった。
五条先生に怪我人が出ないよう、優しく制圧され、ガン詰めされて、家族にいうのはセーフだからと魔法使いとカミングアウト。
魅了魔法と忘却魔法のコンボは国際問題にされそうになったので、私達魔法使い達はお詫びで盾の魔法のアイテムを量産する事となった。
あと、かわいそうに、魔法を使えないギフト達まで若干監視される事となった。
なお、光が飛ぶ系の魔法は無限で普通に防げた。
流石は五条先生である。
そんなこんなで、私、契約に従って一年生!
マシュマロ
https://marshmallow-qa.com/lucaluca
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