「どうも週刊現状の佐々木です、UTUMIさん今日はよろしくお願いします」
「UTUMIです、よろしくお願いします」
「年末の紅白、出場者の内定が始まってるようですが、UTUMIさんの所にも内定通知はもう届きましたか?」
「えっ、そんな通知が来るんですか?私そう言うことは事務所に任せているのでちょっとわかりませんね」
「そうなのですか、でも最近のUTUMIさんのご活躍を見ればもう確定したと言っても良いんじゃ無いですか」
「活躍って言っても、私まだ3曲しか出してませんから」
「3曲?、デビュー曲に映画主題歌、それから?」
「あぁ、先日CMで使った曲をレコーディングしたんですよ、あ、だからまだ2曲でしたね」
「ほう、あのCM曲を、それはまたM-HOTOMIさんとツインギターで?」
「いえ、今回はロングバージョンと言うことでギタリストのジャーさんにも参加していただいたんです」
「えっ、ジャーさんですか、ギタリストが3人、それはまた豪華ですね」
「凄く良い曲になったので、出来れば大きな舞台で歌ってみたいですね」
「でしたら紅白なんて絶好の発表の場になるんじゃないですか」
「アハハ、そんな夢みたいなこと出来たら良いですね」
「UTUMIさんの人気でしたら、それを望む声も多いと思いますよ」
「本当ですか?そうだったら、とてもありがたいことですね」
「本当ですよ。是非、紅白でUTUMIさんの歌声を聞いてみたいですね」
「アハハハ」
「話は変わりますけど、UTUMIさんはデビューのきっかけが学園祭の様子をアップした動画だったとか」
「はい、知人の高校でカラオケ大会に出て、それがYouTubeでライブ配信されていまして、それを見た事務所の方にデビューを勧められてしまいました」
「それはまた、今っぽいデビューの仕方ですね」
「そうですね、ネット社会って怖いですよね、どこで誰が見てるかわかったもんじゃ無いですよね」
「そう言えばデビューした後すぐに長野のワイン会社のCMにも出てらしてましたよね」
「私地元が長野なんですよ、でもあれは兼業で勤めてる会社で受けたお仕事で、今の事務所とは関係ないのでちょっと」
「兼業?でもBGMはM-HOTOMIさんのクレジットが入ってましたけど」
「M-HOTOMIさんにはデビュー以来仲良くさせてもらっているので、そのCMもご好意で参加してくださったんです」
「あのM-HOTOMIさんが、よほどUTUMIさんは気にいられているんですね」
「でも、その後で今の事務所と正式に契約しちゃったので、今は勝手にお仕事受けられないんですけどね」
「それでは映画の主題歌はその後で」
「はい、
「
「ええ、面白いおばちゃんですよね、一緒に曲を作って頂いたんですけど楽しかったですよ」
「一緒にですか?」
「事務所であった時からいきなりノリノリでしたね、
「あの主題歌の曲、出演している福山雅春さんが大絶賛してますよね」
「あぁ、舞台挨拶で福山さんが一緒にギター弾いてくれたんですよ、妹が福山さんのファンなのであれは嬉しかったなぁ」
「あ、これ長崎の1回きりだったから言っちゃいけないって言われてたんです、オフレコでお願いします」
「はは、それを聞いてそのスペシャルな演奏を見れなかった悔しがるファンは大勢いるでしょうね」
「福山さんファン多いですもんね」
「私は断然UTUMIさんのファンですけどね」
「あ、ありがとうございます、目の前の人に言われると照れますね」
「となると今度の曲も、とても聞いてみたくなりましたよ、是非紅白で発表してください」
「アハハ、それはファンが望んでくれればですね」
インタビュー前、正直彼女を新人であると舐めていた、それがどうだろう、実際に会ってみれば分かるが彼女には、人を魅了する力があるのだ、美しい容姿なのにどこか男っぽいギャップが引きつけられるのだ。今回の独占インタビューでUTUMIの才能は本物であると思った、常に自然体で笑顔で質問に答える彼女、その美しい容姿と世界的ギタリストや作曲家が認めるギターテクニックに久しぶりに大物のオーラを感じるのだ。
すでに彼女のファンは日本で急増しているが、今回インタビューさせて頂いた者として年末の大舞台で歌う彼女を、是非見てみたいと思うのであった。
「と、こんな感じの記事になりますが良いんですか、こんなに緩くて、もう少し煽るような文章にも出来ますが」
「いえ、これぐらいで丁度いいです、嘘はいけません。それにやり過ぎはどこから叩かれるかわからない時代ですからね、雑誌記事はこんなもんで良いでしょう」
「後はもう一つくらい、追い風の材料が欲しいところですが、こればかりは何とも言えないですね……」
電話を切って軽くため息を吐く。
「あの人、俺だけじゃなく色々やってるんだろうな」
なかば中山さんに強引に書かされた記事だが、実際にUTUMIに会って取材した今となっては、もっと盛り上げても良いと思ってしまう魅力があった。
さてあの狸親父、次はどんな手を打つつもりやら。