【TS】兄だった人は姉になりました。   作:R884

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マク◯〜〜〜〜〜ス♪愛は覚えてないなぁ

「ただいま〜」

 

「あ、おかえり〜、あれ、雨降ってきた?」

 

「あぁ、帰ってくる途中、駅の辺りで降ってきたよ、ホイこれお土産」

 

頭と肩を少し濡らしたお兄ぃがレジ袋を渡してくる、おっ、ファミチキじゃん♪

コンビニチキンではファミマが1歩抜き出てる感じがあるよね。(偏見)

 

 

 

ジャッジャッジャッ!

 

コトリ

 

「お待たせ」

 

「お、今日はナスの肉味噌炒めですか〜、お兄ぃって何気に中華のレパートリー多いよね」

 

実家のお母さんは和食と洋食が多かったし、あんまり中華が出てきた思い出がないんだけど。

 

「あぁ、藤崎が得意で色々教わった」

 

「へぇ〜、お兄ぃは藤崎さんにお世話になりっぱなしだね、あ、美味!」

 

「いや、俺の方だって世話してるって」

 

「え〜、ギターもお仕事も料理も全部教わっといて」

 

「仕事は誘われただけで教わってはないぞ」

 

ふむ、今のお兄ぃを形作ったのは藤崎さんかもしれないな、今度お礼を言っておこう。

 

「そう言えばさ、帰りに寄ったファミマでさどっかのサラリーマンのおっちゃんがアメリカンドッグ5本も頼んで、雨降り出したのに店の外でむさぼるように食ってんの、ちょっと怖かったわぁ」

 

「なんか会社で嫌な事あったんじゃない、不景気だし色々あるんだよ、優しくしてあげな」

 

「OK牧場!」

 

 

 

食後にトースターでカリカリに温め直したファミチキをTVを見ながら並んで食べる。

いや、別腹だよ、大丈夫だよ2個くらい。

 

隣で金麦の3本目を開けていたお兄ぃが、思い出したように聞いてきた。

 

「そうそう、春夏っていっぱいアニメ録画してるじゃん、マキュロスフロンティアって撮ってある?」

 

「へ、マキュロスF。撮ってあるよ、アニメ好きだもん」

 

「ラッキー、レコーダーのHDに入ってる?」

 

「いやディスクに移しちゃってるなぁ、ちょっと待ってて、え〜と」

 

テレビ台の引き出しからディスクを引っ張り出す、え〜とどれだったかな。

 

「いっぱいあるなぁ、そんなにアニメって放送してたっけ」

 

「今は大体が深夜に放送してるからね、あ、あった!これこれ」

 

「サンキュ〜」

 

「あぁ、菅野(すがの)さんのお仕事?あの人アニメの歌いっぱい作ってるもんね、何、お兄ぃ今度はマキュロスの歌やるの!」

 

「やらされる事になった、先週打ち合わせに付き合わされて監督さんに会って来た、それで春夏なら前の作品撮ってるかなって思ったんだ」

 

おぉ〜!凄いじゃんお兄ぃ、アニメ主題歌なんて変な歌番組とか紅白より私のレーダーに引っかかる情報だよ、偉くなったもんだ。

妹として鼻が高いよ。

 

 

 

 

『私の歌を聞けぇ〜!』

 

チャ〜ラ〜チャチャ♪

 

「……………………………シャルルかっちょええ」

 

「だよね、色気あるキャラだよね〜、あ、ポテチ取って」

 

 

結局一晩中マキュロス鑑賞会となった、私は今日学校休みなんだよ、お兄ぃは会社だけどね。

 

 

 

 

 

 

 

「よう藤崎、お前マキュロスって見たことある?すっげえ面白いぞ」

 

「マキュロス?ああ、昔のテレビアニメか、親父が見た事あるって言ってたぞ」

 

「えっ、あれってそんなに古いの?その割に絵が綺麗だったけど」

 

昨晩一気観して気に入ったので会社で藤崎に話を振ってみた、あれ?なんぞ話が食い違ってるような。

 

「あぁ、多分藤崎君が言ってるのって最初のマキュロス(1982年)よ、確かあれシリーズ化して最近までやってたわよ」

 

「「へぇ〜〜〜」」

 

流石、丸ちゃん先輩は物知りだ、どっかのギターバカ、バイクバカ、車バカとは違うね。

 

「ちなみに何種類くらいあるの?」

 

「う〜ん、私もそんなに詳しくないけど確か10個くらいだったかな?」

 

「「そんなに!ガンダムと良い勝負じゃん」」

 

「あ〜、君たちはガンダム派なのね」

 

世の中長く続いている作品にはファンがつくものだ、仮面ライダー、ウルトラマン、ゴジラ、プリキュアと数多くあるが藤崎と内海はバリバリのガンダム派だった、やっぱシャアはかっちょ良い。

赤いのも白いのも彗星はどっちもかっちょええ。

 

「そっか、そんなにいっぱい作られてる作品なんだ、ちょっと舐めてたな」

 

「なんだ今度はアニメの仕事なのか?」

 

「うん、菅野(すがの)さん絡みのお仕事、主題歌やる事になった」

 

「「あぁ、あのおばちゃんの」」

 

音楽会では知らぬ者のいないほどの菅野(すがの)だが、この事務所の中ではジャージ姿でキーボードを奏でる、癖の強い変なおばちゃんのイメージが強かった、やはり外見と身だしなみは社会人にとって重要なのだ。

 

 

あれ?俺のマックにメール届いてる。

 

「あ、川森監督からだ」

 

「今の話のマキュロスの監督か?」

 

「この前この人のスタジオに行ったんだよ、なんかめっちゃ喜んでた。ん、添付pdfファイルがある?」

 

カチ、カチッ、ピロン

 

「「「……………………」」」

 

「まんまUTUMI(内海)じゃん!!」

「キャー、UTUMIく~ん♡」

 

モニターに映し出された画像はギターを持った俺のキャラクターだった。

 

 

“河森 正治です、先日はご来訪頂きありがとうございました、スタッフ一同大変喜んでいました。

少し気が早いとは思ったのですが、キャラクターデザインのラフがいくつか上がって来たのでご確認頂ければと思いメールさせていただきました、会心の出来だと自負しています、菅野(すがの)さんはじめアミュズの中山氏、夏元氏にもCCで送信しておきました。承諾お持ちしております。”

 

 

「カントくぅ〜、何皆んなにまで送ってるの!あの人達が断るわけないじゃん!」

 

ちびまる子ちゃんやコナン君でも実在の芸能人がキャラになってモブで出演する事あるけど、これどう見てもメインキャラだよね、恥ずかし〜な公開処刑だよこれ!

 

ピコン、ピコン、ピコン

 

メールが続けて届く、げっ中山さん達だ。

 

「Good!!www!」

「了解しました、問題ないのでこれで進めてください」

「もう少し露出多くても良いと思う、急がないけどウチの松田の分もお願いします」

 

 

「行動力。この3人暇なのか?反応早すぎだろ」

 

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