【TS】兄だった人は姉になりました。   作:R884

79 / 79
ゲネプロ

アニメーションでもゲネプロと呼ばれる試写会がある、まだ完成前の状態でところどころ色のついてない絵コンテの部分もあるが、一応完成の目処がついた時点で出来映えを一旦確認するのだ。

オープニングはなぜか完璧に完成しているので、お兄ぃと菅野さんもこの試写会に呼ばれている、ついでだからと私も一緒について来ている、土曜日で学校が休みだったのが幸いだった。

一視聴者の貴重な感想は役に立つんじゃないかな、決してアニメ好きだからじゃないよ。

 

「ほへぇ、これがアニメを作ってるスタジオかぁ、お姉ちゃんの会社に比べるとおっきいわ〜」

 

「まぁ、うちは3人しか社員がいない丸ちゃんの個人事務所みたいなもんだしね」

 

「アニメはどうしても人数が増えるから仕方ないよ、UTUMIの会社は広告メインだからね」

 

ロビーで話してると男の人が小走りでやって来た。

 

「やぁ、UTUMIさん、菅野さん今日はご足労いただきありがとうございます」

 

「監督、もうゲネプロなんてペースが早いね、無理してんじゃない?」

 

「HAHAおかげさまで使える予算が大幅に増えたので大丈夫ですよ」

 

「川森監督、ご無沙汰してます、あ、これ妹の春夏です、アニメ好きなんで連れて来ちゃいました」

 

私達の前に現れたのは監督さん、ほぅ、これがマキュロスを作った。

 

「妹の春夏です。前作マキュロスフロンティア最高でした!」

 

「どうも、川森です。…UTUMIさんにこんな可愛い妹さんがいらしたんですね、今日は楽しんで観てくださいね」

 

「そんな〜、私なんかちょっとアイドル並に可愛いだけなんで」

 

「ハハハ、今度は噂のお母様も是非ご一緒に」

 

監督さん、それはどう言う意味かな?

 

 

 

 

会場である視聴室に案内されると、大勢の人が集まっていて騒めいていた、小さい映画館より狭いので立ち見の人も多い。

でも私達、いや正確にはお兄ぃが部屋の中に入るとシ〜ンと静まりかえる、おぉ、なんかラスボスみたいで凄いぞ。

 

ヒソッ

「うわ、本物が動いてる!」

「銀河の歌姫降臨」

「え、やべえ、これ俺が描いた作画実物に負けてんじゃねぇ」

「本当に脚長え、アイドルじゃん」

「カッコいい」

 

一人のスタッフが前に出てお兄ぃの手を取る、お、なかなか仕事が出来そうなお姉さんだ。目の下のクマが濃いな。

 

「UTUMI様、ようこそ!オープニングは私、高橋が担当しました、UTUMI様の魅力を出来うる限り表現したつもりです!!後で是非ご感想を!!」

 

「あぁ、高橋さん、ありがとうございます、貴女みたいな素敵な女性にそう言ってもらえると、私も期待しちゃいますね」

 

あ、お兄ぃ、お姉さんに手握られて嬉しそう、おいおいハグは映像観た後にやれよ。欧米か!

 

 

 

 

視聴室の大きなスクリーンに、プロジェクターで投影されるマキュロス・ファイナルステージの第1話。

 

「凄っ!」

 

中山さんにこっそり見せて貰ったMVに負けない迫力のオープニング、お兄ぃがモデルのキャラクターが歌ってるんだけどこれ他のキャラの登場シーン少なくないか。

 

お兄ぃの隣に座った高橋さん、凄えドヤ顔なんですけど、いいのかコレ?

その隣では菅野のおばちゃんがブツブツ言ってる。

 

「Aメロはあと2秒詰めて、サビのバックの音量ちょっと下げるか」ブツブツ

 

オープニングが終わって本編Aパートが始まる、あ、ここはまだ色ついてないんだ、この状態でも見れるもんなのね。

ヒロインの声は当然だが声優さんがやっている、お兄ぃにこんな演技が出来る訳がない、大人っぽい声だなぁ、普段のお兄ぃぽくはないけど絵にはめっちゃ合っている、あ、こっちじっと見ている女の人いるけどあの人が声優さんかな、って水稀NANAぁ!うわ、後で握手してもらおう!

え、それじゃあお兄ぃの奴、水樹さんを差し置いて主題歌歌ってんのかよ生意気だなコノヤロ。

 

流石にエンディングには主要キャラがいっぱい出てきたけど、エンディングもお兄ぃが歌うのか。

 

 

「いや〜、所々色ついてないけど、面白かった!高橋さんのオープニング凄く綺麗で良かったですよ」

 

「UTUMI様ぁ!」

 

またハグしてやがる、もう、勝手にしろ。菅野のおばちゃんは監督と話しているな、あ、水稀さんがこっち来た!

 

「初めましてUTUMIさん、貴方の声をやらせていただきました水稀です」

 

「あぁ!!六甲おろしの!」

 

「え、ご存知なんですか、ありがとうございます!」

 

「今年の阪神調子いいですよね、藤川監督がんばってますよね!」

 

「そうですよね!!髙橋も良い感じだし今年は行けますよね!!」

 

なんか瑞稀さんが興奮している、なんだこの会話、アニメの話しろよ。でもちゃんと握手はして貰った、サインまでしてくれて良い人だった。

 

「歓談中失礼します、UTUMIさんその節はどうも」

 

「え、あれ?ナインの李さん、どうしてここに?」

 

「ナインエンタープライズもこのアニメーションのスポンサーになっているのです、このアニメーションは中国でも放映します」

 

「今や中国の協力はこの業界では当たり前になっていますからね、売上でも技術でも」

 

ああ、この人が前に言ってた牛丼の人か。最近のアニメのオープニングやエンディングのテロップ見てても中華系の名前いっぱいだもんね。あ、おばちゃんと話してた監督も来た。

 

「ナインエンタープライズがスポンサーになってくれたおかげで予算も映画並に使えるようになったんですよ」

 

「川森監督」

 

「でもこのマキュロスはほとんどがうちのスタジオで作ってます、今回はスタッフが気合入っていて自主的に頑張ってくれまして」

 

「うわ、それは大変でしたね」

 

「いえいえ、これが創作の醍醐味ですよ」

 

「川森監督の、いやジャパニメーションの底力を見せてもらいました」

 

牛丼の人が微笑む、なるほど顔は笑ってるけど目が笑ってないタイプの人だ。

 

「ありがとうございます、まぁ、細かい部分は中国のスタジオに頼る事になっちゃうんですけどね」

 

テレビシリーズは映画と違って話数が多いからしょうがないね。

 

ガラッ

 

「はぁはぁ、すみません、遅れました!あ〜もう終わっちゃタァ〜」

 

あ、椿坂の松田ちゃん、そう言えばもう一人のヒロインの声やってるんだよね、アイドルのお仕事忙しいのによくやるよ。

 

「あ、UTUMIお姉様!遅れてしまいました〜すみません、ど素人の新人のせいで収録が長引いちゃって」

 

「お疲れ、松田ちゃんの声、可愛くてバッチリだったよ」

 

「お姉様♡」

 

おい、松田ちゃん、遅れて来てお兄ぃと見つめ合うのは良いけど、ちゃんと空気読めよ、浮いとるぞ。

そこに割り込むように牛丼の人が声をかける。

 

「どうも松田さん、はじめまして、ナインエンタープライズの李です」

 

「あぁ、貴方が……初めまして日本でアイドルやっている椿坂46の松田由莉奈です、よろしくお願いします」

 

「「ウフフフ」」

 

突然真顔になった松田ちゃんが牛丼の人に丁寧に頭を下げる、ちゃんと社会人やってるなぁ、目が笑ってないけどなんで?

 

 

 

 

さて、せっかく東京に来たんだ美味しいもの食べて帰ろう!

え、菅野のおばちゃんが奢ってくれるの、なんで松田ちゃんまで一緒に?

 

 

あぁ、渋谷で食べた、つけ麺美味しかったなぁ。

女4人でつけ麺ズルズルやってるのはどうかと思うけど、出来ればオサレJKぽくクレープが、あれは原宿だっけ?

 

 





梅雨明けてマジで暑い!
感想・評価・お気に入り登録お願いいたします、それを励みに頑張ります。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

TS転生おっさん物語(作者:すすぺっと)(オリジナル現代/日常)

▼社会に疲れた元おっさんは、死後、丸い蛍光灯のような神様によって、現代日本によく似たパラレルワールドへ女の子として転生する。▼赤ちゃんから成長し、高校生になった彼女――**高遠透花**は、180cm前後の高身長と整った容姿を持つ無気力系JK。▼本人はただ平穏に過ごしたいだけだが、前世の社会経験から来る落ち着きや距離感が、周囲には妙に大人びた魅力として映ってし…


総合評価:2144/評価:8.03/連載:20話/更新日時:2026年06月20日(土) 12:00 小説情報

50歳のおじさんがJKにTS転生したのでネットアイドルしてみる話(作者:アラフィフ大活躍)(オリジナル現代/コメディ)

おじさんは疲れ切っていた。▼気がつけば16歳女子高生に!?▼親は海外出張しているが、お小遣い欲しさにネットアイドルしてみるとオヤジくさい女子高生はまさかの大反響!?▼あらすじの通りのお話です▼※総合日間ランキングで20位に入っていて、感謝しかありません。読んでくださっている方、興味を持ってくださった方、感想をくれる方。本当にありがとうございます。励みとし、更…


総合評価:977/評価:7.56/連載:25話/更新日時:2026年07月24日(金) 06:04 小説情報

あさおん!〜48歳のハゲ散らかしたおっさんですが、朝起きたら超絶美少女でした。15億円の資産で「奇跡の歌姫」として二度目の青春を謳歌する〜(作者:高山 虎)(オリジナル現代/日常)

完結まで執筆済み!エタりません!▼毎日20:11更新中!▼【あらすじ】▼ある朝目覚めると、48歳・独身・ハゲ散らかした総務部長の佐藤卓は、誰もが振り返る【15歳の超絶美少女】に変貌していた!▼原因は、勤務先の超巨大企業、そのカリスマ社長が異世界技術で作らせた「性別反転&若返り」の魔導具。▼赤ん坊まで若返って男に戻るか、美少女として生き直すか。▼究極の選択を迫…


総合評価:2661/評価:8.46/連載:32話/更新日時:2026年07月24日(金) 20:11 小説情報

底辺配信者、スキル〈TS(爆乳)〉でおっぱい系ダンジョン配信者になりバズる 〜できればおっぱいじゃなく戦いを見てほしいんですが〜(作者:夏川優希)(オリジナル現代/コメディ)

【戦いを見てほしいTS(爆乳)配信者VSおっぱいしか見ないリスナー ファイッ!】▼男子高校生、相模原カオルは底辺ダンジョン配信者だ。▼ユニークスキル〈TS(爆乳)〉で手に入れた体はダンジョンのモンスターを容易く屠ることができる。しかしその代償として美少女(爆乳)化してしまうのだ。▼そんな姿を晒したくない、純粋に戦闘センスを評価してほしいと姿をさらさず配信を続…


総合評価:1440/評価:8.07/完結:32話/更新日時:2026年07月22日(水) 21:06 小説情報

ブラック企業にすり減らされた社畜が主人公になれるアプリを手にしたらどうなるか→(作者:ぱちぱち)(オリジナル現代/冒険・バトル)

タイトル変更しました▼【旧題:最安10円レンタルチート ブラック労働で過労死数歩前だった俺の心の癒しだった動画アプリがマジモンの神アプリだった 】▼山里一也は金がない。時間も無ければ彼女もない。健康診断結果も20代とは思えない。▼唯一の娯楽は通勤退勤時にスマホのアニメ視聴。このまま会社の社畜として緩やかに死に向かって進んでいくだけだった一也の人生は主人公をレ…


総合評価:2886/評価:8.58/連載:90話/更新日時:2026年07月25日(土) 07:01 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>