【TS】兄だった人は姉になりました。   作:R884

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いや、お前はギタリストちゃうやろ?

女になって得した事が一つだけある。

 

「はいよ、ラーメンお待ちぃ!お姉ちゃん可愛いからチャーシューおまけしといたよ」

 

「わぁ、おじさんありがとうございます♡凄く嬉しい!!」ニコッ

 

「お、おう!」

 

外食した時に頼んでもいないのにサービスしてくれるのだ、この前なんか“かつや”で「お姉ちゃん良い食べっぷりだね、気持ち良かったからおじさんが奢ってやるよ」と言われてカツ丼を奢って貰った、しかも松だぜ990円もするんだぜ、超笑顔でお礼言ったらめっちゃ喜んでくれた、おっちゃんありがとう。

 

 

「おじさん、私には?」

 

「いや、春夏、お前チャーシューメン大盛り頼んでんじゃん」

 

そこでチャーシューおまけは無いだろ。

 

「くそっ、これが格差社会か!」

 

カウンター席で並んでラーメンを頼んだのだが、隣で春夏が愚痴る、こいつ最初から大盛り頼むからな。

あ、セットで半チャーと餃子まで頼んでんじゃん、餃子一つくれよ。

 

「ほい、ねーちゃん、サービスだ」

 

春夏の餃子に箸を伸ばそうとした瞬間、店長の手でコトリとカウンターに置かれる1皿の焼き餃子、それを見た春夏がグギギと歯軋りをする、だから最初に頼み過ぎなんだよお前は、それじゃおまけする余地がないだろ。

とりあえず。

 

「わぁ、いいんですか〜、ありがとうございます♡凄く美味しそう!!」ニコッ

 

 

 

 

 

「じゃあ、ちょっとバイト行ってくるな」

 

「は〜い、いってら〜」

 

春夏も買い物があったので二人で長野駅近くでラーメンを食べたのだが、今日は東京で音楽番組の収録があるだ、夕方からの収録なので今から行っても十分間に合う、人生焦ってはいけない。

 

すっかり新幹線通勤にも慣れたな、このバイトを始めてから頻繁に乗るようになったが、東京って意外と近いよな、長野から1時間半で行けちゃうんだから。グリーン車って高いのかな?

 

お、駅員君お出迎えご苦労さまです。

 

 

パッパー!

 

東京駅を出るとHOTOMIさんがアストンマーチンで迎えに来てくれた、今日の番組はHOTOMIさんと一緒に師弟として出演するのだ。

バーター出演ってやつじゃないだろうな。

 

「まったく、俺を送迎に使うのはお前くらいだよ」

 

「良いじゃないですか、同じ番組なんだし、て言うかアストンやっぱ乗り心地良いっすね、速いんでしょ」

 

「ロックの国、イギリスの名車だからなフフン」

 

おっちゃんチョロい。

 

 

 

 

「HOTOMIさんとUTUMIさんスタジオ入りま〜す!」

 

芸能界のバイトを始めて得した事が一つだけある。

今までテレビでしか見れなかった芸能人、それも自分が好きだった音楽家に会える事だ、M-HOTOMIさんやジャーさん、仲野サンプラザさん、中嶋みゆきさん、そして今日はグレーのギタリストのヒサヒさんに会えるのだ。

 

8JAM、テレビ朝日系で放送されている音楽バラエティ番組だ。俺は完全燃焼時代から良く見ている、どうしてもゴールデンの時間帯の番組って、会社勤めには見づらいので23時から放送のこの番組はちょうど助かるのだ。

おぉ、スーパー8の泰田さんだ、古太さんもいる、凄え!普段から良く見てる番組に俺出ちゃってるよ。

 

「本日のゲストはギタリストが選ぶギタリストベスト5として、日本で一番有名なギタリストM-HOTOMI(64)さんとUTUMIさんのまさに話題の師弟コンビ」

 

「そしてもう一人のギタリストとして、グレーのヒサP(54)さんです〜」

 

MCのスーパー8の横山さんに紹介を受ける。

くぅ〜、この企画に呼ばれるとは、やっぱギターマガジンに出たのは大きかったな、一端のギタリストになった気分だ。

 

しかもグレーのヒサヒさん(54歳 バイクはCB400FOUR、アニメ好き)と共演だよ、この人のピッキング・ハーモニクス好きなんだよ、それに確か俺と一緒のセブン(白のFC)に乗ってるんだっけ。

俺も金のメッシュ入れようかな?

おぉ!今日はギブソンレスポールカスタム(500万円)なんだ、ゼマイティスも見てみたかったな〜。

HOTOMIさんはトレードマークと言えるG柄のフェルナンディス、いっぱい持ってるんだから偶には違うの持ってくれば良いのにね、テレビ用なのかな、ん、フェルナンディスじゃない、ゾディアック?

あ、俺ギター2本しか持ってねえや、ボーナス出たらなんか買おうかな。

 

「しっかし、HOTOMIさんとUTUMIさんがこうして並んでいると違和感がすごいですね、親子と言うかUTUMIさんだけ世代違いますやん」

 

ハハ、HOTOMIさん顔怖いから、魔王様って感じだしね。

 

「師匠と言っても実際HOTOMIさんなんか私のお父さんより3つ上だし、ヒサヒさんもお母さんの1つ上ですからね。もう親子、私なんか娘の世代ですよ」

 

「「ガ〜〜〜〜〜ン!!」」

 

なんか二人して地味に落ち込んだ、パパ頑張れ。

 

「ちょっと、そないなこと言ってええの?」

 

「ああ、ヒサヒさんすいませんでした、カッコいくてファンですよ」

「俺には詫びないの?」

 

「「「ハハハハハハ」」」

 

「そうそう、私ヒサヒさんと一緒の型のセブン乗ってるんですけど、雨宮のマフラーついてて良い音出すんですよ」

 

「あ、そうなの、俺、雨宮の社長と対談したことあるよ」

 

「うわ〜良いなぁ」

 

「ギターの話をしてください!」

 

 

そうか音楽番組だっけ。

 

「私、ジミヘンが大好きだから背面弾きも練習したんですよ、ほら、こういうの」

 

ギャリギャリギャリ♪

 

俺はギターを自分の頭の後ろで弾いてみる、どうよ。

 

「「ハハ、それみんなやる!」」

 

「お前本当にファズの歪んだ感じ好きだよな」

 

 

 

「俺はHOTOMIさんに影響受けた世代だからBOYのリフは凄く練習しましたよ、HOTOMIさんのドラマチックな音が好きなんです」

 

「ほら、UTUMIこう言う所だよ、お前最近俺の事全然敬うことしないだろ、ヒサヒを見習えよ」

 

「えぇ〜今のはヒサヒさんのリップサービスでしょ、これだからおじさんはすぐ」

 

「凄え、HOTOMIさんをおっさん扱いって、今の娘って怖い物知らずやな」

 

「あ、私の会社の同僚はHOTOMIさんの大ファンですよ、私と同じ歳で男ですけど」

 

「何その偏ったジェネレーションギャップ!」

 

ヒサヒさんがHOTOMIさんのスイーツビートのリフを弾き始める、そうそう音楽番組なんだからこうじゃなきゃ。

うわっ、コンプ効かしてバッキバキ、音が歪んでねぇ、まじHOTOMIさんの音じゃん、上手え。

HOTOMIさんがそれに合わせるように音を重ねる、あれ?これ俺も弾いた方が良い流れかな。

しょうがないなぁ、もう〜。

 

ギャ!チャララ、チャ、チャ、チャー♪

 

「「「おぉーーっ!」」」

 

3人で同じリフを何曲か弾くと会場が沸く、接待か、次は俺がグレーの曲弾いたろか、誘惑でいいかな、いやここは1発。

 

「それじゃあ、次は私がポイズンなんぞを」

 

ストラトの弦にそっとピックを当てる。

 

ジャンジャ、ジャ、ジャーン♪

 

「あんた、それ反町隆史のポイズンや!」

 

スーパー8の横山さんが的確にツッコミを入れてくれる、流石関西だね。

 

「ほら、今GTOのドラマやってるから、いやジョークですよ、ほらこっちですよね」

 

ギャ、ギャ、ギャ、ギャ、ギャ♪

 

 

一通り弾き終わると今度はギターの話に移った、俺はヒサヒさんに話しかける。

 

「レスポールって少し重いじゃないですか、ネックも太いし、私にはストラトの方が持ちやすいんですよね」

 

「うん、ストラトは俺も好きで何本か持ってる、上品な音で弾きやすいよね。そう言えばUTUMIって今度アニメに出るんでしょ」

 

「いや、アニメには出ませんよ、歌では参加しますけど」

「へぇ〜、良いなぁ、面白そうだし俺もギターで参加させてよ」

 

「あぁ、良いですよ、菅野のおばちゃんもヒサヒさんならきっと喜ぶと思いますよ」

「ヤッター!言って見るもんだね」

 

「いや、番組中に交渉しないでくれます」

 

あれ?なんかアニメの話になっちゃったぞ、ガンダムじゃないけどいいの?

流れで俺がマキュロスのMV撮った曲を弾き語りでやることになった、ん、もう弾いて良かったんだよな。

 

ギャギャ♪

 

La、La〜〜〜〜〜ッ!!

 

「「「おぉーーーーっ!」」」

 

 

 

「お前このメロディでなんでそんなに楽しげに弾いてるんだよ、カバーじゃないんだ、上手く弾けりゃいいってもんじゃないぞ、感情込めろよ」

 

うげ、HOTOMIさんからダメ出し入った。

 

「そうだよね、入りの部分はこんな感じの方がいいんじゃない」

 

ギャギャリ♪キャリ

 

「ね、UTUMIてギターは上手いんだけど、歌が規格外にとんでもないから、どうしても気になっちゃうよね」

 

げ、ヒサヒさんがお手本まで弾いて、フルボッコじゃん、チキショー上手いだけに何も言えない。えぇ〜、俺にとっては歌の方がおまけなんだけど〜。

その後、それぞれが自分の好きなギタリスト5人を上げたんだけど、全部外国人にしてこの二人は加えてやらなかった。ウケケケ、ザマァ

 

 

「UTUMIちゃんて本当にいるだけで輝いてるよね、自家発光でもしてるの?」

「ホタルちゃうわ!」

 

「「「ハハハハ」」」

 

くそ、ヒサヒさんめ、芸能界長いだけにトークでしっかりと返して来やがった。

おのれ、菅野のおばちゃんにしごかれてしまえ。

 

 

 

 

 

 

 

後日、再レコーディングでは、後から参加したヒサヒさんにほとんどギターパート奪われた!これだから本物は。

まさかHOTOMIのおっさんまで来ないだろうな、そうなったら俺のギタリストとしてのアイデンティティがガガガ!!!

 

ジャカジャン♪

「ギャーーーーッ!」

 

 

 

 

「ふん、俺の方が伸び代あるもん、バラード弾くのが苦手なだけだもん」

 

お兄ぃが部屋の隅でギター抱えてて邪魔なんだけど、掃除機かけちゃろかホレホレ〜。

 

「や、やめれ〜〜〜」

 

 





日本のギタリスト、好きな人は沢山いるけど5人あげろと言われると。
チャー、布袋の両名は当然入れるとして、MIYAVIのスラップも外せんよな、あとはグレイのヒサシ、あと一人、う〜ん、筋肉少女帯の橘高文彦じゃ駄目?いや、故人だけどヒデ?

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