ジャ ジャ ジャ ジャ ジャ チャ チャリジャン♪
NaNaNaNaaaaaーーNa!
ウオォォォォォォーーーッ!!
UTUMIさんの韓国での初ライブが始まった。
ジャ、ジャ、ジャリ、ジャガ♪
BTSのダイナマイト!は2020年のコロナ禍にリリースされた曲だ、この曲はBTSという韓国のアイドルを世界的なグループにした、すべて英語の歌詞で歌われるこの曲はアメリカのビルボードhot100でも1位となり、日本でも大ヒットしたナンバーだ。当然だが韓国でも誰もが知るメジャーナンバーでもある。
オープニンナンバーにふさわしいアップテンポで明るい歌詞、男性グループのこの歌をUTUMIはまるで自分の歌のようになんの違和感もなく歌い上げる。
ジャジャジャジャ、ギャリギャギャギャーーーン!
だけど、今オーディエンスを魅了しているのは、UTUMIのストラトキャスターから紡がれる音色だ、ほとんどアドリブなのに原曲のイメージを壊さないカッティング、ハッキリ言って世間ではUTUMIのイメージはその圧倒的な歌声で、ギターテクニックは確かに上手いが歌声のおまけのように思っている者が多かった。
だが、今ステージで奏でられるギターはまさに本物、その音で人々を感動させる世界のトップレベルのギタリストと肩を並べられる音色を響かせていた。
唯一無二の存在感を誇る容姿、聴くだけで涙が出るほどの圧倒的な歌声、そして聴き惚れるギターテクニックが足される、全てを併せ持った今日のUTUMIはまさに完璧で究極なアーティストと言える。
「凄い!UTUMIのギターってこんなに上手かったのか、YouTubeで見てたのより遥かに凄いんだけど」
「歌は圧倒的なのは知っていたけど、生だとギターも感動するレベルよ」
「えっ、UTUMIって日本人よね、なんでこんなに英語の発音完璧なの?」
「凄く楽しそうに歌ってて、この曲に合ってる」
ステージで楽しげにギターを弾くUTUMIさんを見つめる。
凄い、UTUMIさん新しいギターを使ってからのパフォーマンスは、まるで師匠のHOTOMIさんレベルだ、歌だけでも圧倒的なのに、ギターでも十分にお客さんを満足させるだけの感情のこもった演奏、本当に凄い。
ストラトキャスターだっけ?使う道具が変わると、ここまで変わるものなのね、このギターの演奏に歌声、世界中どこに行ってもトップレベルで通用するんじゃ。
中山さんも本当にとんでもない人見つけてきたなぁ。
チャリジャジャン♪
ワァァァァァァァァァァァァァーーーッ!!
「次は私のファーストシングル!!作詞作曲はHOTOMIさんでーす!」
ガギャーーーーーーーッ!キュイン、ギャギャ
LaLaLa〜~~~~~~~~~~~~♪
「……………………ワァーーーーーーーーーッ!!」
1曲目の軽快なダイナマイト!とは打って変わって、HOTOMI独特のブルージィーなギターソロが会場を魅了する。
「う〜ん、やっぱ今のストラトちゃん、良い音出せるわぁ最高!」
店長さんにピックアップも変えて貰って1音1音がハッキリしたんだよ、良い感じすぎるでしょ。
さぁ、お次はジャガーちゃんの出番だよ、スタッフが持ってきたジャガーちゃんを手に取り、ストラトちゃんを代わりに預ける。紅白でHOTOMIさんやジャーさんと演った曲を今日は一人で演る、神保さんのドラムもヒカルさんのベースもないけど、不思議と今日の俺だったら一人でもちゃんと出来そうな気がする。
ジャーーガッガガガッ!!ジャーーガッガガ!!
ジャーーガッガガ!
LaLaLa~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♪
「「「「…………………………………………………………」」」」
ドゥワァァーーーーーーーーーーーーーーッ!!
ディストーションを思い切り効かせワウペダルを踏み込む、高音を強調したバッキバキのファンクな音、チョーキングで鳴きを入れる、それにハスキーでブルージーな歌声を被せて、会場の隅々まで届くように気持ちを込める。
ウワァァーーーーーーーーーーーーーーッ!!
フェスの2日目ラストでもうヘトヘトだろうに激しいモッシュが起こる、海外はノリがいいなぁ、日本で演るよりいい感じじゃん。
キャリキャリキャリ♪ジャカ♪
LaLaLa~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♪
UTUMIさんの歌声に会場が揺れる、ギターも凄いけどやっぱりこの歌声は特別だ、一語一句が聞き取りやすくて耳触りが良い、テンポの速いロックナンバーなのにまるでオペラのようにストンと耳に飛び込んでくる。
UTUMIさんは自分で作詞・作曲しない、しかしどんな曲でも歌いこなす、だから曲を作る者が自分の歌って欲しい曲を渡してくるから、みんな曲調が違くて飽きることがない。
「いいね、いいね、じゃあ次はお待ちかねのマキュロスの主題歌いってみよーー!!」
再度ストラトちゃんに持ち替えて、マキュロスのヒロインが着るコートのような軍服を羽織ると、一気に右手を弦に向かって振り下ろす。
ギャガァーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!
ジャガ、ギャリギャリ、ガガガガギャ♬
LaLaLaLaaa~~~~♪
「しゅごい、しゅごい、しゅごい、まるで現実じゃないみたい」
「画面から出てきた本物のヒロインが私の眼の前で歌ってる」
「アニメのワンシーンのようだ」
「バニーガール姿にはならないのかー!!」
持ち時間の1時間、ずっとハイテンションのオーディエンスにUTUMIさんは満面の笑みで応える。
本当に一人だけで1時間のステージをこなしてしまった。
「カムサハムニダ!」(ありがとう!)
「アンニョンヒ ゲセヨ!タウメ バヨ」(さようなら!また会いましょう)
ギャワァァーーーーーーーーーーーーーーッ!!ウツミィーーーーー!!
ウツミィ!ウツミィ!ウツミィ!ウツミィ!ウツミィ!ウツミィ!ウツミィ!ウツミィ!
「サンキュー、コリアーーーーーー!!」チュッ♡
ギャァァーーーーーーーーーーーーーーッ!!
「最後はすべてUTUMIさんに全部持っていかれてしまいましたね」
「彼女は先日ギターを新調してから、さらに迫力が増してますからね」
「で、中山さん、今後のUTUMIさんの活動のご予定は?」
「当初は日本国内ツアーを予定していたんですが、どこかの誰かさんのせいで海外からのオファーが殺到していまして」
「それはそれはお忙しい事で、海外でしたらウチでよければ是非お手伝いさせてもらいますよ」
「……海外では是非、お力をお貸し頂ければ助かります」チッ
ステージから届く歓声を聴きながら、アミュズの中山とナインの李が並んでUTUMIを見つめている。
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