お嬢様部 〜パクパクですわ!〜【大阪版】   作:R884

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エースで四番は、背番号10で、横綱でポイントガードですわ!

私ぐらいの世代の人間が子供の頃に好きだったスポーツと言えば大体の人が野球と答えるだろう、実際田舎の町では住む地区ごとに少年野球チーム(リトルリーグとは違うよ)が作られ日曜日の度に練習や他の町のチームと試合が行われていた。巨人の星やドカベンも大勢の子が見ていて、消える魔球を投げようと必死だ。

だからこの頃の小学生男子はほとんどの子が野球経験者だった、地区のチームは半強制だったから当たり前で、入らなければ仲間はずれだった、今の子は野球のルールも知らない子もいるらしい、おじさん吃驚だ。

その頃の男の子は大体どこかのプロ野球チームの帽子をかぶっていた記憶がある、長野には球団は無いし、優勝セールがあった巨人が人気だったかな、私は近鉄バッファローズや西武ライオンズの帽子がお気に入りだった。流石、岡本太郎と手塚治虫だ。

皆、王や長嶋、張本に憧れていたのだ、ゴールデンタイム、家のテレビは会社上がりの父親が巨人阪神戦ばかり見ていて、お笑い番組があまり見せてもらえなかった。だからあの頃の子供は夕方の時間帯にやっていたアニメにハマったのかもしれない。どうでもいいが新庄は日ハムの監督より阪神の監督が似合うと思うんだがどうだろう。

 

1993年、社会人になると世間はサッカーに人気が移る、Jリーグの開幕だ。それまでは企業の実業団でそれこそ細々と行われていたものがプロ化され一気に注目を浴びる、三浦やラモス、武田や北澤などスター選手も多かった。この人選でわかると思うが作者は読売ヴェルディのファンだった。開幕戦は横浜マリノス(日産)に負けて悔しかった。

テレビのゴールデンタイムはプロ野球中継からサッカー中継に変わる。

 

このままサッカー人気が続くかと思われたが、そこは熱しやすく冷めやすい日本人、一部の熱狂的ファンを除き徐々に人気は下火になる、今ではゴールデンで中継は無くなるし私なんぞ日本代表戦の結果だけ知ってればいいと思う始末だ。(なんかF1も同じような展開だな、セナが死んでしまうと徐々に熱が冷めていった)

バスケにバレー、ラクビーなどが一時的に騒がれる事もあった、そして野球はと言えば野茂、イチロー、松井など日本プロ野球界で活躍した選手が本場メジャーリーグでも活躍し始め、野球人気が徐々に復活してきた。だが皮肉なことに日本の野球よりアメリカの野球が大人気だ。

今でも多くの日本人選手がメジャーでプレーしている、その象徴が大谷翔平だろう、二刀流でベーブルースもびっくりの記録を残し、日本初のホームラン王にもなればそりゃ世間様が騒ぐのも当たり前と言うものだ。

やはり人気スポーツには応援するに足るカリスマ的な存在が絶対に必要だ、知名度はどの分野でも重要なのだ、自論だが名前も知らん者を応援する気にはならない。

 

 

と、おっさん作者のつまらない前置きはさておき、本編に行こう。

 

 

ブン!

 

腰の入ったフルスイングがスローモーションのように白球を捉える。

 

カキーン!

テッテレ~♪

 

カッキーン!

テッテレ~♪

 

「ふむ、やはりちょっと掬い上げる感じですわね」

 

カッキーン!!

テッテレ~♪

 

「そうそう、大谷さんはこんな感じで打っていましたわ」

 

 

 

 

ネット裏のベンチで三角ずわりで眺めながら感心する、やっぱりエリカお嬢様は凄い、ご令嬢とは思えない豪快なスイングでもう三連続ホームランだ。明らかに最初に来た時より上手くなっている、バッティングセンターに通い出してから3回目、合計ならすでに50本はゆうに超えている。

並んで打っている男の人達も、皆んなお嬢様に注目している、スタイル良いし綺麗だし、縦ドリルだし、スカート短いし、どうしたって目が行っちゃうよね。

 

カッキーン!!

テッテレ~♪

 

「ふう、さぁ、次は戸田の番ですわ」

 

結果13本のホームランを打ち終わったエリカお嬢様から、金属バットを手渡される、嫌だなぁ、お嬢様の後だとセンターのお客さんの期待する視線がものごっつくて普通の庶民派女子高生にはめっちゃ居心地悪いんですけど。

 

「今日は戸田からバッティングセンターに誘ったのですから、しっかり打ちなさいな」

 

そうなのだ、今日はお嬢様に付き合って、堺のかん袋のくるみ餅にニッキ餅、アメリカンのプリン、花あずきの羽付たい焼きと今日は甘いモノ巡りだったのだ、羽付たい焼きは見た目がまるで鯛の化石のようで面白かったし美味しかった。

って、そうじゃない、お嬢様はいくら食べても体型が変わらないが、こちとら健全な女子高生だ高カロリーを摂取すれば当然のように体重はぶくぶく増えるのだ。

 

あ、最後に「花梨の四川麻婆でも食べていきます?あそこは土鍋で出てくるから熱々で美味しいですわよ」などと甘味ばかりだったので辛いのも良いかと思ってしまったのが孔明の罠だった、気づいた時にはこれは運動もしといた方がいいと判断してしまったのだ。

 

 

「そうそう今年は阪神球団創設90年らしいですわ、この前見たyoutubeで水樹奈々さんが六甲おろしを熱唱してましたわ、藤川球児新監督もご機嫌ですわ」

 

また、このお嬢様はそう言う時事ネタを、今年が何年だかバレてしまいますよ。鼓動を鳴らせ。虎道を進め。じゃありませんよ。

 

今度はエリカお嬢様がネット裏で見守る中、バッターボックスに立つ、おっと髪は乱れるが一応ヘルメットはかぶっておこう。

 

コンコン

 

ホームベースをバットで叩き構える。ちなみに私は右利きの右バッターだ。

お嬢様も右利きなのだが、大谷やイチローの真似して左で打ってる、何故それで打てる?

 

ここのバッテングセンターの投手の映像は松坂大輔だった、一球目。

 

18.44m先のマシンから時速140kmに設定された球が私に向かって飛んでくる。

 

ヒュン、ズバァーン!!

 

「ヒィィ!」

 

ボールが当たったベース後ろのマットが凄い音を立てて腰が引ける、こ、こんな速い球をお嬢様は軽く打ってたの?あまりに簡単に打つ見た目に騙された。

 

「た、タイム。こんな速いの私じゃ打てませんよぉ~」

 

私の訴えかけにお嬢様は、何言ってんだコイツみたいに首を傾げる。可愛いけど交代してください、私は70kmのコーナーで打ちますから。

結果、私の続きで打ったお嬢様は10本のホームランを追加し、私は60球のうち5回バットに球が当たって前に飛んだ、他のお客さんの暖かい拍手と視線が逆に辛い。

 

 

 

お嬢様がバッティングセンターを出て、大きく背伸びをしてのたまう。

 

「う~ん、やはり運動すると小腹が空きますわね、途中難波で降りて千とせの肉うどんでも食べて行きます?私《わたくし》あそこの半熟卵が大好きなんですの」

 

「たい焼き一個分もカロリー消費出来てませんよ!」

 

結局、肉吸いは食べさせられた、美味しかったがリバースしそうだ。ウプ(泣)

 

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