「はぁ!」
──ぼーんっっ♪
掛け声とともに、眷属召喚のスキルを使用。
すると、コミカルな白煙とともに出て来たのは、一抱えはあろうかという物体だった──。
『わ、わぁー………って、なにこれ?
「うん、壺」
そう。
「私」が召喚したのは、なんと壺ぉー!!
どっからどうみても、何の変哲もない壺だー!!
『って、しょぼ!』
「ショボい言うなや……」
立派な壺やろがい。
『いやいやいや! 壺じゃん! どっからどうみても壺じゃん!』
だからそう言うとるやんけ。
「あ。一応、ポイントの割り振りで大きさ変えれるよ? それは標準サイズ~」
『どーでもいいわ、その情報! つーか、今までだって家具買えたでしょ! それでいいじゃん』
いやいや。
「中見て見」
『中ぁ?』
恐る恐る──。
「ゲシャァァァアアア!!」
『ぬがぁぁぁあああああ!』
ぎゃはははは!
ぎゃはははは!
「ビビってる、ビビってるー!」
『ビ、ビ、ビ、ビビるわぁぁぁあ! し、心臓停まるかと思ったわ!!』
あははは!
面白いね。心臓ないのに心臓って──ぎゃはは!
『ムッカつくわねー……っていうか、なによこれ? 魔物?』
「ゲシャ! ゲシャァァァア!!」
壺のなかには、「私」と似たような奴が出現。
舌と牙があって、異空間のごとき喉と胃がある。そして、叫んでいる。
「そうそう。魔物だね──ミミックの一種かな。……名前は、なんだろ『壺っく』??」
『いや、語呂悪いな──え~っと、あれじゃない? 水を飲みに来た人を丸飲みにするっていう魔物。 たしか『悪魔のるつぼ』っていったかしら』
いや、それ意味ちがくね?
「っていうか、そういうのがいるんだ?」
『いるいる。廃村とかにたまにいるらしいわよ。アタシは見たことないけど」
へー。
「初めて聞いたー」
『……ミミックよりは有名じゃないしね──そも、ダンジョンに壺がまずないし』
それはそう。
『で、なにこれ? これが新しい能力?』
「そうそう。こうやってポイントを使用して仲間(?)を召喚できる能力だね。これでようやくボッチを回避だぜー」
いや、別にボッチでもいいんだけどねー。
『アンタ、ミンチちゃんいるじゃん』
「ミンチて……」
「私」が言うのはともかく、ミユちゃんさー。
まぁ、君がええならええけど──。
「
『ったりめーよ、化け物』
うっせーわ。
ゴーストのくせに。
『でー。これがなに? こんなんいる?』
「いるとか、こんなんいうたんなや……ほら、しょげてるぅ」
「──ぎ、ぎゃしゃぁぁ……」
心なしかしょんぼりの……壺っく。
『「壺っく」で決定かーい。っていうか、感情あんの?』
「あるある。おいしいと多分喜ぶ──ミンチちゃん、骨あげてー」
こくり。
ミンチちゃんがさっき齧ってた骨を壺に投げると、バクゥゥ!!
凄い勢いで壺から舌が伸びてキャッチ。
そのまま、ボーリボリとよく噛んで食べてる、食べてるー。
『つ、壺に骨って……』
「まさに骨壺!」
『だれうまよ!』
ほんとほんと。
『で、それがー?』
「いや、これがすごくってさ。……なんとコイツが食ったものって、ポイントとかが「私」にフィードバックされるみたい。まぁ、ほんのわずかだけど?」
『ま、まじ? あー……それで眷属か。悪魔の契約みたいなもんね』
たぶんそう。
知らんけど──。
「まぁ、フィードバックはともかくとして、使い方は色々だね。ま、主に囮とかだろうけど」
強さはお察しだけど、さすがはミミック型なだけあって気配の絶ち方はピカイチ。
そんな『壺っく』を囮にすることで、より「私」のカムフラージュ効率もアップするってものです!
なにせ、ダンジョン内だと宝箱よりも壺の方が怪しいもんね。
そんで、わざと壺っくを見せつつ、
冒険者どもに倒させて……あとは、背後からぐさーっ! みたいな使い方を想定。
あるいは集団戦闘に備えて壺っく部屋を作るのもありだね。
大群が来て、一人じゃどうにもならないときに、壺っくで物量押しというのもありだろう。当然、私は最奥で待ち構えるってわけだ。ということをミユちゃん相手にツラツラ説明して見せる。
『はー……。色々考えるわねー』
「あったりまえでしょー」
何人食ってると思っとんねん。
王族含めて4桁くらいいってんじゃね?
「他にも熟練度で召喚するものが変わるっぽいよー。今はほら、Lv1で『壺』だけど、それ以降となるとさらには『タンス』とか『ベッド』とか色々ミミック系の眷属が出てくるみたい」
『タンスにベッドって……。それダンジョンにいる?』
それな。
「まー、使い方次第だよ。とくにベッドは割とありかと思ってる」
『寝たら血が吸われる的な?』
「多分そう。……吸血ベッドとかそーいう感じだと思う」
『えっぐ……』
んねー。
「ま、見たことないから想像だけどね。案外チューチュー血を吸うタイプじゃなくて、こう……寝ころんだら、マットレスがガバーッ! て、開いて、寝てる間抜けを丸々捕食とかそういうのかもしれないよ」
『怖すぎでしょ!』
うん。
結構なホラーだよね。
「ま、いずれにしても、それなりに使えそうでしょ? タンスと壺はともかく……ダンジョンで寝るような間抜けがいるかは知らんけど」
『それはそう』
いたら、そんな奴食われてもまえ。
ホラー映画で余計なことして事態を悪化させる奴じゃん、絶対。
『……つーか、眷属召喚とか急にどうしたのよ? ただの自慢?』
あーね。
まぁ、自慢が半分で……。
「やー。ほら、最近ちょっと冒険者にせよ、軍隊にせよ、多いべ?」
『多いわねー。そのまま死ねばいいのに』
うん。
相変わらず、お口の悪いことで。
まぁ、ミユちゃんも軍隊ごときで「私」が倒せるとは到底考えていないみたいだし、スルーするとして。
「連中ごときにやられる「私」じゃないんだけどさー……さすがにちょ~~~~~っとキツクなってきたかなって」
『は? 今更ぁ?』
うん、今更だけどね。今更です。
「こーみえて反省してんのー」
さすがに、
お読みいただきありがとうございます!
次回、
眷属とはいったい……!
あと、並行投稿中の新作です
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