ピィィィイイーーーン!!
「ぬー……。これはなんかヤバそうなのか来たぞー」
『あーん? お前じゃなくて』
あ?
おめーにだけは言われたくねーよ、喰いカスがよー。
「やー、そういう、冗談じゃなくてさ。これは久々に感じる気配だけど、肌にビリビリ来る感じ。……マジですっげぇ強い奴がいると思うね」
ま、肌はなんですけどねー。
ぎゃはー!!
「しっかし、そうなると、本腰入れて準備しないとまずいかもー」
ペッ。
食っていた少年の残骸を適当に吐いて、ミンチちゃんに餌として与えつつ、迎撃シフトに頭を移行させる。
「……がつがつっ!」
『また、そんなの食べさせて──』
うっさい。
今、気配を探ってるんだから、シャーラップ!
ぐ、ぁぁぁああああ!
ひぃぃいいいいい!
「……ちっ。ま~だ生き残りがいたか……。先に突入してる軍人どもがうっさくて分かりづれーなー」
『ぷぷっ。アンタの索敵も雑よねー』
だから、うるせーなー。
こちとら、今、戦闘中じゃい!
「しっかし、この気配……いつぞやの野武士よりさらに上かな?」
ただし、その分美味そうな気もするぞ~。
「あと、なんだこれ──なんかさっき、気配と同時になんかが身体を通り抜けたような感覚……」
んー?
こっちがビリビリ感じているみたいに、向こうからも何かを──。
「……あ。これ、あれだ!」
そうだ!
「はは~ん、わかったぞ。これは、いつぞや生徒達を引率してた眼鏡ッ子女教師の魔法かー!」
そうそう、あれだ、あれ!
「私」はこういうのは早々忘れないのだ。
モブ顔の肉のことはすぐ忘れるけど、戦闘ともなれば、こと頭が働く自覚がある。なんだかんだで最初に遭遇したお兄ぃのことも覚えたしね。
「……ってことはこりゃ、まずいぞー! あれって確か『探知魔法』だっけ」
魔法使いが使う、魔物の気配やトラップなんかを探知する魔法だ。
たしか、ローグのそれよりも範囲が広かったはず。
「ふむ……。そのうえ今回侵入してきた奴は相当な手練れ──ってことは、」
ちっ。
こりゃ色々バレたと思ったほうがいいな……。
迎撃しようにも、侵入者をローグよりも格上と想定してかからないと足元を
今までみたいに待ち伏せとトラップのコンボも、そう上手くいくまーい。
「……とはいえ、これもやりようかなー」
いくら強くても、
いくら知恵が回っても、
──所詮は人の範疇だ。
命が二個以上あったり、足が八本あったりするわけでもなし。
息もすれば飯も食う──ただの人間だ。
(それなら、勝てる道も必ずあーる!)
ふふっ。
その点で行くとこっちは情報面では有利だよね。
「一回、あの女の先生と戦闘しておいて助かったぜー」
ロークをしのぐ『探知魔法』にも弱点があるのは把握済み。
「え~っと。たしか……例の魔法は、障害物に弱く、罠とか魔物は雑な判別しかできなかったよな」
うん、しっかり覚えてるぞ。
まったく同じではないだろうが、魔法の本質は似通っているはず──。
とくに、この手練れの感じなら、より精度は高い可能性はあるけどね。
とはいえ、万能ではなかろう。
そもそも、この魔法がさほど普及していないところをみるに、なんらかの制約や欠点があるに違いない。
「よーし、ならば、それらを加味して──……想定のポイントは
脳内地図をピックアップして、迎撃ポイントの選定を済ませた私。
その場所というのは、主に二カ所。
現在殺戮が行われている『宿屋風の部屋』と、
もう一か所は
「うん! 最近作ったばかりの宝物庫に決定ッ! そこを決戦の地とする!──ミユちゃんは自由行動、ミンチちゃんは
「こくり」
『はー?? 何勝手に決めてんのよ! つーか、アタシはメンバーじゃないわよ──って、聞けよ、ばーか!』
聞かーん!
そして、いざゆかん、新たな美食よー!!
「ジュワーーーーーッチ♪」
ステータス『設計』!
& 建築の配置モードからの~~移動!!
「はぁ!」
どすーん!!
図ったかのように、「私」は待ち伏せポイントに一瞬で到着!
しかし、ここはただの待ち伏せポイントじゃねーぞぉ。
「へっへっへー。
──右見て、左見て、上下左右! ともによーし!!
うんうん!
みてよ、この傑作!
ただの宝物庫じゃないぞ。
「名付けて、『いかにも伝説の装備がありそーな部屋』~♪」
パッパラ~♪
「んふふふー。我ながらいい出来ー」
『……まーた、こんなの作ってー』
「お、出たなミユちゃんー」
自由行動とは言ったけど、「私」のストーキングはしなくてもいいのにー。
つーか、早いなコイツ。
壁抜けできるのは知ってるけど、なんでこんな一瞬でおいつくかねー。……まぁなんでもいいけどさ。
「へへっ。すごいっしょー、ここ。まさに、誰しも目を奪われる作りを目指した傑作部屋でーす」
えっへん!
『傑作~? たしかに、偉く凝ってるけど……』
お読みいただきありがとうございます!
次回、
そのころ、外では──……。
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