ミミック転生~人食い箱の食味記録~   作:LA軍

111 / 111
第111話「恐怖」

 こ、こ、

 

「……こわぁっぁああああああああ!」

 

 え?

 なにあれ?

 

「え? なにあれ?!」

 

 ──こ、こわっぁぁああああ!

 

 さっきまで眷族ごしに感じていた透視こと──視界ジャックがブツーンッ! と突然断ち切られた。

 その衝撃をまともに食らった「私」は、まさい目に見えて動揺中だ。

 

(いや、だってさー!)

 

 一瞬しか映像としてとらえられなかったのに──なんか、こう……ちっこい影が見えたかとおもうと、ぼんっっ!! って感じで眷族たちとの接続が切れてしまったんだもーん……!

 

 しかも、その瞬間感じた魔力の質は膨大なんて言葉で言い尽くせるものではない。

 あえて言うなら──核爆弾?! いや、核が何か知らんけど──以下略。

 

「こ、こわぁっぁアアアアアアアア!?」

 

 え? 全滅?!

 全滅したの?!

 

「た、たったの一撃でぇぇ?!」

 

『ぷっ』

「んだよ、何笑ってんだよ!!」

 

 つーか、まだいたのかよ、喰いカスがぁぁ!

 

『おーおー、焦ってる焦ってるー』

「ぺっ!」

 

 失せろ!

 

『あたりませーん!』

「くっそがー! 鬱陶しいわー……」

 

 あーくそ。 

 さっきの圧倒的光景を見たせいか胸がざわつくぜー。

 

「胸があんのか知らんけど──うけけけっ」

 

 ……あ、落ち着いたー。

 ぎゃはー!

 

『自己解決すんなし』

「笑う門には福来るってね!」

 

 箱なだけに角で笑う~、ぎゃはあぁあ!

 ……つまんね~。

 

『そんで、いきなりスンッ! て、なるな』 

「うるさいなー。今、感情がジェットコースターなの!」

 

 いやもう、なんだよあれ……。

 やべーってなもんじゃねーぞ?

 

「くっそー。奴ぁ、いままでの連中とは格が違うぞ……! Aランクの野武士が雑魚にしか見えなくなってきたー」

 

 なんなのあのチッコイの?!

 

 それくらいの奴だ。

 それくらいに規格外だ。

 

「うーむ。こりゃー、油断すると一瞬で食われかねんなー」

 

 まいった、まいった。

 さすがにこれは予想外だぞー。

 

『ふひっ。アンタもついに年貢の納め時ね~』

「はっ! 言ってろ」

 

 口に手を当ててクスクス笑うミユちゃんをじろりと睨む。

 つーか、まだ負けたわけじゃねーよ。

 

「そして、どんな奴にも弱点ってのはあるもんさ」

 

 ……まー、すぐには思いつかないけどさー。

 

『ぷぷー。強がり言っちゃってー。……もう降参したらー?』

「は! だーれが!」

 

 だいたい降参して許してくれるのかっつーの。

 

「ま、いいや。やることは変わんないよ」

 

 なぜなら、「私」はミミック!

 どのみち、待ち伏せのカードしか切れないんだからね!

 

「なので、あとは仕込みにどれだけの時間を使い、そして、どれだけ準備して迎撃できるかにかかっているということよー」

 まさにいつもどーり!

『いつもどーりねぇ? どーせ、部屋に入った瞬間、ぼんっ! じゃないのー?』

 

 それなー。

 

「そうなんだよ。そこ(・・)を何とかしないと勝ち目がないよねー」

 

 ホント参ったなー。

 

 (やっこ)さんの容赦のなさは見させてもらったところだし。

 

(まさか、生きている人間がいるのに、それごと攻撃してくるとはね……)

 

 オマケに、一目で正体を見抜き、それに対する最適解をぶつけてきやがった。

 

 そうとも。

 あれは、ミミックが一番やられたくない手だ。

 

 先に発見、

 先制攻撃、

 そして、安全地帯からの範囲攻撃──……かー。

 

「うーむ。役満じゃねーか」

 

 『ミミックのやられたくないこと選手権~♪』のトップ3を見事に抑えてくれやがった。

 

 オマケに精度の高い『探知魔法』持ちで、

 部屋ごと滅せる魔法使いかー…………うーむ、こりゃ、まったくもって勝ち筋が見えねぇぞー。

 

 

 

「……ん、よしっ! ここはいっちょトラップモリモリでいってみようー!!」

 

 

 

 だって、あの感じだと、絶対この隠し通路もあっさり見つけて、ここで待ち伏せしてる「私」に気付いて、部屋ごとボンッ!……っていかれて終わりだもん!

 

 どいうわけで──準備準備~♪

 これから、奴等が来るまでたくさんのトラップにてお出迎え作戦だー!!

 

 

 

 

※ ※ ※

 

 

 

 

「…………って、感じで張り切ってたのになー」

 

 

 

 

「きゃぁぁぁあ! ア、アマリア様ー!」

「なーにやってんだよー!」

 

 ガブガブガブーッ

 

(え、ええー?)

 

 なんか知らんけど、奴等が来るまでの小一時間。一生懸命小細工していた「私」をあざ笑うかのように、ふらふら~と部屋に入ってきたアマリア何某ちゃんってば、

 見事にこうして『人食い箱』にぱくーっ、と食らいつかれてるんですけどぉ?

 

 

 

 

「いやいや、アータ(あんた)……。口の中で、『くらいよーこわいよー』……って、マジぇ??」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

【完結&3章リメイク中】VRMMOで【食屍姫】になった無職だけど、現代ダンジョンでも化け物扱いされ始めて嬉しいです!   (作者:ちんこ良い肉)(オリジナル現代/冒険・バトル)

「働かずに食う飯は美味いか?」「めちゃくちゃ美味いに決まってるわよね?」▼親の小言に白米を頬張りながら満面の笑みでそう返してしまった玉織紬(たまおりつむぎ)は鉄拳制裁と共に毎食をもやしに変えられた。▼大学を中退し、実家で生もやしを主食に生きる無職の玉織紬は、日雇いバイトすらまともにこなせない社会不適合者だった。▼だが、胡散臭いVRMMO【エリュシオン・オンラ…


総合評価:4159/評価:8.53/完結:84話/更新日時:2026年06月09日(火) 23:32 小説情報

TS転生外宇宙系魔法少女ダークネス・ルーシィ(作者:SIS)(オリジナル現代/ホラー)

SAN値直葬系マスコットとそれを心から愛する転生者(正気)の日常。▼※序盤とタイトルを書き直しました。▼気分転換に書いた作品を投稿欲を満たすために投稿してみます。▼続き書いたら増えます。


総合評価:2830/評価:8.54/連載:41話/更新日時:2026年08月16日(日) 14:47 小説情報

いや、死神とか聞いてないし(作者:おおは)(オリジナルファンタジー/冒険・バトル)

死神少女にTS転生してしまった一般人。▼本人はただの下っ端役職だと思っている。▼だがそんなはずもなく。▼8月中に更新いたします▼(カクヨムにも載せてます)


総合評価:3664/評価:7.8/連載:11話/更新日時:2026年06月21日(日) 20:03 小説情報

転生したら異世界の宇宙最強の龍でした!〜0から星と生命を作り出して一大文明の支配者になったので現代日本へ帰還します。自分は日本が一番暮らしやすい。〜(作者:電動ガン)(オリジナル現代/コメディ)

目覚めたら無だった。何も無い。宇宙さえも。自分の身体を見る。銀色の甲殻、長い尻尾これモンスターだ!?よく見ると俺の他にも二頭のモンスターが。ドラゴンだこれ!!▼俺たち三頭の女神龍は宇宙創成の前の世界にいる。俺たちを生み出した主神の指示で世界を作り生命を繁栄させることとなったけど・・・・・・それ何年掛かるの?▼何億年も掛けて生命が宿れる星を何個も作り、失敗し、…


総合評価:2499/評価:7.49/連載:131話/更新日時:2026年08月09日(日) 16:51 小説情報

TS転生人外ロリ、厭世魔法少女の使い魔になる(作者:蓋然性生存戦略)(オリジナルSF/冒険・バトル)

とりあえず地球が爆散して転生することになった人間が一人。▼元凶を名乗る自称神様モドキに願いを聞き届けてもらい、TS転生人外ロリになった彼は、転生直後に浮かれた気分だったためにボコられ、とある魔法少女の使い魔にされてしまう。▼最初は死にたくないがための投降だったが、次第に魔法少女《エンドロール》の私生活の彩りの無さに対し、お世話魂に火がついた。▼これは、厭世家…


総合評価:5147/評価:8.75/完結:12話/更新日時:2026年05月15日(金) 14:40 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>