バッコーーーーーーーン!!
「うらぁぁ!」
防御魔法かなんだか知らんが、こっちは国宝級の剣──グラハム君ソードであーーーーーる!
「ふふっ。やはりいましたか。っていうかバレバレです」
「ちっ、やっぱり気づいていやがったな!!」
どう見てもハッタリじゃない。
まさかまさかの「ミミック×人食い箱」の二段構えで潜んでいたのに──最初から、それすらも気づいていたという!
性格わりーな、おーい!
「まったく、探知魔法持ちの魔法使いは厄介だぜー!」
「それはどーも」
だけど!
「そ・れ・が・どうしたぁっぁああ!」
ここまで至近距離にくれば「私」の間合い!
つまり、
「死ねぇ! 四の五の言う前に、殺して食ってや──……」
ありゃ?
なんか、違和感……。
「ふふっ。まだわかりませんか?──死ぬのはアナタですよ、ミミ~~ック」
ニチャッァア
「うっ!」
奇襲から強襲を仕掛けたというのに、逃げもしない女エルフ!
それどころか、その余裕を浮かべたような笑みは、実に無機質であった。
そう。
なんというか、笑っているのに笑っていない。
見た目はエルフの女なのだが、どこかこう、人とは違うなにか。
……口は三日月を逆さにしたようだし、そして、二つの瞳はただの虚ろ────。
まるで置物の笑顔のような無機質さ……。
「ッ! まさか!」
──ドシュ!!
もしやと思ったがとりあえず貫く!
するとあっさりと命中。だけど、おかしい……!
「……この手ごたえ。やっぱり、デコイか!」
分身?
それとも、コピー?
まさか、
妙な手ごたえだと思えば、目の前の女エルフの体がボロリと崩れ落ちる。
まるで、そう……砂人形のように!
「ちぃぃい! 質量をもった幻覚ってやつかー?!」
おかしいとは思ったんだよ!
無謀にノコノコとくるし、
舌撃で貫いたにも関わらず、なんと血の一滴すら吹き出さないんだもん。
「やられたぜ……。囮をしかけたこっちが、逆に囮に騙されてちゃ世話ないね!」
しゅるる~と舌撃を戻しがてら、周囲を
「本物はどこに──」
「──ふふっ。
「は? え?」
周囲を見渡し、本物の女エルフを捜そうとしたら、崩れ征く幻覚がそんなことを宣いやがった。
いや、二人ともって……。
「──はっ!」
し、しまったーーー!
なにが「今」なのか気づいた時はすでに時遅し!
「「おりゃーーーーー!!」」
「ち、ちぃぃい!」
慌てて防御姿勢を取ろうとしたまさにその瞬間!
ゾンッ!!
ゾゾゾンッ!!
「がはーーっ!」
思わず口から吐血する。
(い、いってぇ……!!)
な、なんてこった。
罠に嵌められたのはこっちか?!
見れば、女エルフの幻覚ごしに突き出されていたのは、ハルバードの刃先に、杖にまとった魔力の刃!
「て、てめぇらぁ……」
くそっ!
こっちが本命だったか!
「は、はは! 当たった、マジで当たったぞ!」
「さすがはアマリア様! 見事な作戦です」
そんなことをほざくのは、崩れ征く幻覚ごしに姿を見せたクソガキども。
まったくの死角をついて、ひそかに突撃。
「私」が幻覚に気を取られた隙に
「な、なるほどねー……! どこに潜んでいるかわからないなら、
やるじゃねーか。
しかも、ガキに攻撃させたくせに、一切の手加減なしのハルバードに、魔力の刃って……殺意マシマシ過ぎん!?
「い、いってーじゃねーか!! 殺す気かー!」
つーかさー。
「いくら幻覚だつっても、この女、お前らの師匠なんじゃねーのかよ!」
幻覚だからってそれごと貫くか、ふつー?!
(……いや、それも含めてコイツらの作戦ってやつかー!)
コイツ等、やるな……。
そんじょそこらの冒険者とはわけが違うぜ。
「へっ! それが作戦なんだから、あったりまえだろうが! しっかし、すげぇな。まさかアマリアの狙いが成功するなんて」
「当然ですよ。いくらアマリア様でもTPOくらい
やや強調するシェイラから目を逸らすアマリア。
「モチロンデスー」
「「いや、なんで棒読み??」」
どうやら多分にアドリブもあったらしい。
二人の鋭いツッコミにもめげないのはさすがというべきかな?
っていうか、
「マジでいってーんだよ! クソガキどもがぁぁ!」
ブンブンッ!!
刺さった武器ごと、振り回してやるが結構ぶっすりと突き刺さってる。
「うわ!」
「な?! まだ生きてるんですか? ち、致命傷のハズでは──」
はっ!
これのどこが致命傷だっつーの!
「勝手に倒した
こちとらよぉ~、
しぶとさだけには定評があるんだよぉぉお!!
「そもそも、一撃、二撃くれたくらいでこの「私」が取れるとおもうなよぉぉ!」
メリメリメリメリッ!!
「んな! こ、こいつ、なんて力だ──……武器が動かねぇ!」
「く! 魔力の刃が──……」
ケーケケケッ!
これくらいでビビるとか、今までどんな
……舐めんな!!
「つーかよぉぉ、一撃くれたらよぉぉ……」
驚くガキを尻目に、
咥えたハルバードと、魔力の刃とやらに思いっきり力を籠めていく。
「──傷を
メリメリメリ!
バキバキバキ!! バキンッ!!
「ひっ?!」
「きゃ!!」
クソガキがー!!
「そもそも、致命傷もクソもあるかーーー!! テメェらが突き立ててるそこはなぁぁ……」
「私」の自慢のお口じゃぁぁああ!
「ぎゃっはあぁ♪」
ボーリボリ、ボリボリッ!!
「なー?! 折れたぁぁぁ!」
「そ、そんな?!」
ひゃーはっはっはぁああ!
「こ~んな攻撃。屁でもねーぜ!!」
──ペッ!
ぶち折ったハルバードを吐き捨てつつ、「私」は叫ぶ。
そして、見るがいいわ!
この圧搾機がごとき
「何人この口で、お前らみたいなガキを食いちぎってきたと思ーう!」
ひゃーっひゃっひゃ!!
一人や二人じゃ利かねーぞぉぉ!
何十、百数十と食らって千切って、泣き叫ぶ様を観察しながら飲み込んでやったわ!!
「そして、そうしたガキの中にお前らも入れてやるぜっぇぇええ!」
よくみりゃ、実に美味そうなガキ肉じゃね~~~かぁぁあ!
高級ガキ肉、
──いっただきまーーーーーす!!