ミミック転生~人食い箱の食味記録~   作:LA軍

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第118話「弱点」

 し、死ぬ死ぬ死ぬ!!

 

「死ーーーぬーーーー」

 

 

  めりめりめり──!

 

 

「ぎ、ぎゃあああああああああああああ!!」

 

 いだいいだいいだいいだーーーい!!

 

 アマリアによって、がっつり掴まれた「私」はまさに引き裂かれんとしてまーーーーす!

 

(こ、これはまずいぞ!)

 

 どうやら「私」は構造上、蝶番当たりが急所らしいのだが、これ以上圧をかけられたらそれごとバッキ~ン♪ といっちゃう!

 人間でいうところの下顎を引き裂かれた感じだね!

 

「さて、そろそろ年貢の納め時ですねー」

「あががー!」

 

 マ、マジでやべぇ。

 このままだと、ボッキリとやられる……!

 

「は、はへるはー(さ、させるかー)!」

 

 あががが──……!

 このままやられてたまるかと、口を閉じてなんとか、ステータスを開いて建築モードからの配置で逃げようとする。

 

 しかし、このステータスを開いてからの建築モード、配置と──……あ、ダメ、時間かかりすぎ!

 

「むりッポ~イ!」

 

 メキキキッ……!

 

(ク、クッソーっ。しかも、痛くて集中できねぇっぇえ!)

 

 そもそも、

 このエルフがそんな悠長な時間をくれるはずもないし、どうしたものか!!

 

「ふっほはぁぁあー(クッソがぁっぁあ)!──だったら、できることはなんでもやってやらぁぁ!」

 

 どーせ、大口を開けたままなら、これ!!

 蝶番が少々傷つこうが、死なば諸共ぉッ!

 

「む! 何の真似──」

 決まってんだろ!

「まずは、開けたままの口からの~~~~嘔吐じゃぁぁ!」

 

 くらえ!!

 ゼロ距離からの──……ミミックビーーーーーム!!

 

 

  ──オロロロロロロロロー!

 

 

「うわッ!!」

 

 ブシャァァ! と、

 それこそ、まるで噴水のように吹き出す吐しゃ物の花火!! それが白兵距離にいたアマリアに盛大にフッかかるー!

 

「けーけけけっ、どーだぁ! まさに汚ねー花火だろぉ?!」

 

 これにはさすがのアマリア驚いたのか悲鳴を上げる。

 しかし、さすがに手は放してくれなかったが──……それでも、わずかに圧力が減る!

 

(これはチャーーンス!!)

 

 まさに千載一遇の機会だ!!

 当然、嘔吐そのものはバリアーで防がれるが、どうせなら腹のなかのものを全部ぶちまけてやるぁぁぁああ。

 

「たしか、まだ未消化の──……あ、あったあった!」

 

 喉奥でシェイクしつつ、

 

「おえっぷ!! く、くらぇぇぇ!!」

 

 第二弾。

 食べたて栄養満点ッ。

 

 ──オ~ロロロロロロロロ!

  ロッパァァァアアアアアアア……♪

 

「……溶けかけの死体じゃぁっぁあああ!」

「ぐわっ! な、なんてことを──こ、これは子供ですか?!」

 

 驚くアマリアのバリアーに、べったりと張り付いた吐しゃ物の中身。

 果たしてそこには、当然さっき食べていたあの死体がどさりと乗っかる。

 

「けーけけけッ。その通~り、さっき食ってたガキ肉だよ!」

 

 ミンチちゃんが釣ってきた村の少年のね!

 それも、喰いたてほやほや、未消化の死体。

 

(と、いうことはつまり──)

 

 

  あぅぅうう……。

 

 

 ……ずるりっ

 

「んな?! こ、この魔力の流れは──ア、アンデッドですか?!」

「ひゃは!」

 

 大正~解!

 

 そして、動揺したなぁぁ!

 

 アンデッドなんざ、クソの戦力にもならないんだろうけど、未消化の少年がビクビクと動き出す。

 するとまぁ、その瞬間、さすがのアマリアも驚いたらしい。

 

「どーだぁぁ! これで戦力は2対3!」

 

 ちょっとだけ有利になったぞー。

 まぁ、雑魚だけどね!

 

「くっ!」

 

 けーけけけっ、ビビってるビビってる。

 まぁ、いきなりガキの溶けた死体が動き出しちゃあね~!

 

 おかげで「私」の蓋を引き裂かんとした腕の力が少し弱まった。

 

「──そして、その瞬間を待っていたぜ!」

 

 チャンス到来!!

 今だぁ~!!

 

 蓋に掛かる力が緩んだのをこれ幸いと、ガチンッ! と、思いっきり閉じて、なんとか引き裂かれるのを回避ッ。

 ついでに、この距離なら──と、閉まる寸前にブレスを吐いといた!

 

「食らえ! ミミックブレーーーース!!」

 

 

  ──はぁぁぁ……!

 

 

「かはっ! こ、これは──ぅごほごほッ!」

「おっほ!?」

 

 なんと!

 

 こいつぁ、予想外。

 まさかまさかの、ヤケクソのブレスが効いたー?!

 

(あ、そーか!! バリアーとはいっても、空気は通過している──つまり、)

 

「気体なら透過するものもあるってことかぁぁあ!」

「くっ! そ、それが何だというんです!」

 

 はっ!

 ──それがわかれば十分だよ!!

 

「行けぃ、我がしもべーよー!」

 

 ゔあ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ー!!

 

「ちぃッ!」

 

 少年の死体が手近にいたアマリアに向かうが、それを跳ねのけるようにして大きくバックステップしたアマリア。

 再び、神殿ピラミッドの頂点付近にいくが、それだけ距離が開けば十分だー!

 

「アマリア、どうした?!」

「な?! ま、まさか、あれはアンデッドですか? いったい、いつの間に……」

 

 当然、成り行きを見守っていた弟子たちが急に飛びのいたアマリアに驚くが──……ケッ、今てめぇらはお呼びじゃねーんだよ!!

 

「こ、こちらは問題ありません。アナタたちは早く脱出口を。……それよりもこのミミック、想像以上に厄介です! まさか、眷族の他に死霊まで使役できるとは──」

 

「は~ん? 死霊だぁぁ?!」

 

 残念、

 

「そいつはただの──動く餌だよ!!」

 

 がぷぅッ!

 アマリアを追ってピラミッドを這い上がろうとするそれ(・・)を甘噛みして──そのままぶん投げる!!

 

 ──ゔあ゙ぁ゙ぁ゙??

 

「ひゃははあ! お優しいエルフちゃんよぉぉ! お前に、ガキの死体を仕留められるかーい?!」

「くっ! このぉ!」

 

 バシリッ! と死体こと──ガキ肉アンデッドをはたき落とすだけで精一杯のアマリア。

 仕留められるハズが、それをしない! つまり、甘ちゃんだっぁあああ!!

 

「おっほ~! 予想以上に効いてる、効いてる♪」

 

 な~んてこった、

 この強つよエルフにこ~んな弱点があったとはねー!!

 

「そして、ブレスのうち何かが効いたぞー」

 

 さっき慌ててたから、適当に吐いたけど、

 

 毒?

 麻痺?

 

「──……い~や、状態異常系じゃないとするなら、腐敗ガスか!!」

「ッ!」

 

 その顔!

 ビンゴか!!

 

 相当に優秀なバリアーらしく、状態異常などの体に害を及ぼすようなものすら弾くらしい。

 

 だが、燃焼させるなど、間接的にしか効果のない腐敗ガスは別口なようす。

 

「ならば、これでもくらえー!」

 

 腐敗ガスが効くなら、当然これ(・・)ッ。

 

 じゃきーんっ!

 体内ストレージを漁ると出てきた、でてきたぁ!!

 

「──ご機嫌な火炎放射器だぜ♪」

「な! それは!」

 

 アマリアは「私」が取り出したものを見て目を見開くが、もう遅い!!

 

「アマリア、援護するぞ!」

「アンデッドは、私達が!」

 

 ふんっ!

 ガキが援護にきたか。

 

「だけど、いまさら遅ぇっつーんだよ!」

 

 せっかくのアマリアが動揺したのに、ガキどもにはガキアンデッドは通用しないらしい。

 

 なるほど。ガキはガキが倒す。それは道理だ。

 ……だけど、それがどうした!

 

「ちょうどいいから、まとめて焼いてやらぁぁ!」

 

 まさにガキ肉の焼肉!!

 神殿めがけて駆け上がるガキともども火炎放射器をぉぉ──……発射ぁぁぁぁぁあ!

 

「お肉は消毒だぁっぁああ!!」

 

 ひゃはぁぁ♪

 

「ひ、ひきなさい! 二人とも!」

 

「だ、だけど!」

「アマリア様では、その子は──きゃあああ!」

 

 

 ……キュボォォオオオオ!!

 

 

「はーっはっは! 直撃ぃ!」

 

 悲鳴すら燃やし尽くすほど強烈な炎が吹き上がる。

 それは、ちょうどアマリアとその援護に駆け付けたガキどもを狙う。

 

 もちろん、ゾンビちゃんもね!!

 

「けけけっ、馬ぁ鹿めぇ! こっちの武器も知らずに援護たぁぁ笑わせるぜ──」

 

 そして、燃えろ燃えろぉ!

 燃えた後で、じっくり賞味してやるぜぇぇえ!

 

「ち、ちぃ……!」

「おほっ! さすがにこれだけじゃ効かないか!」

 

 やはりというか、さすがにアマリアは火炎放射器も知っていたらしい。 

 そのうえ、バリアーは予想通り炎すら弾く。

 

 だけどそれでいい。

 狙いはそこじゃない!!

 

「う、うわぁっぁああ!」

「ひぃぃぃいいいいい!」

 

 けーけけけっ!

 これ(弟子どもこそ)が狙いだよ、馬鹿め!!

 

「ルドルフ、シェイラ!!」

 

 慌てて弟子二人の間に入り、炎から守ろうとする。

 

 だけど、残念!

 どう見ても間に合いそうにはみえない──。

 

「──いーえ、間に合って見せますとも!」

「ほっ!」

 

 そう来たかー!!

 なんと、あのアマリア何某め。

 

 自分を中心に展開していたバリアーだけではカバーが足りないとなれば、

 急遽それを展開し、炎に巻かれた二人を守る。

 

「なるほど! そういうこと(・・・・・・)もできるのね!」

 

 なんと球体だったそのバリアーを解いて、すばやく形状を変更。

 

 ──球形の自分を守る形から、広く長い面の形にッ!

 

「ひゅぅ! 判断がはやーい!」

 

 そのまま、

 まるで巨大な盾のようにして全員を守らんとするではないか。

 

「やっるぅぅ!」

 

 だ・け・ど!

 まだまだ甘いね!!

 

「お前に食らわせたブレスは可燃ガスなんだよ!!」

「んな!」

 

 ──ボンッ!!

 

 球体の中に入っていた腐敗ガスがバリアーを解いたことで一気に拡散し、僅かな炎にも反応して引火ぁ!

 

 ついに、アマリアと弟子の間で炎が上がる!!

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