「うぉっぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
ズドドドドドドドドドンッ! と、装填済みのボウガンを乱射乱射乱射あっぁあ!
騎士団やら冒険者どもから奪ったそれをマシンガンのごとく、交換しながら撃って撃って撃ちまくるー。
そして、それを迎撃するは、さっきよりも禍々しくもギラつくバリアーを全開にしたアマリア!
「ふふっ。これしきの攻撃!!」
「──なわけないでしょー!」
ボウガンが効かないのは百も承知ぃぃ!
「本命はこっちぃ!」
じじじじ……♪
「手投げ爆弾じゃぁぁあ!」
導火線に火のついたそれは、もちろん、狙いは通路の先!
このまま投げれば吹っ飛んでった弟子どもを危害半径に収めきれるはず────……って、ぬはぁぁ?!
ビシュシュン──♪
「な、なんじゃそりゃあぁ!」
驚いて目(?)を向けると、
そこには、なんと電子音のような聞いたこともない音色で光線を放つ、アマリアの周囲をプカプカと浮く、光る球体のようなもの。
「何と言われましても……。そうですね、自動迎撃システムとでもいっておきましょうか」
はぁーー???!!!
「い、いやいやいや! 自動もなにも、空中で全部撃墜ってマジかよ?!」
それも正確に導火線のみ!
ぼちゃんと水路に沈んでいく爆弾を見送りつつ、唖然とするしかない「私」…………ていうか、それファン〇ルやん!!
まぁ、ファンネ〇が何か知らんけどさ、以下略ぅぅう──!
「くっそがー! バリアーといい、自動なんたらといい、お前、絶対ゲーム間違えてるって!!」
「げーむ?……何の話か知りませんが、本気にさせたのはお前ですよ」
けー!
「ってことは何かー?! 今まで本気じゃなかったってか?!」
舐めやがってーー!!
まぁ、そりゃお互い様か!!
こっちだって、まだ切り札をいくつも隠し持っているしね!!
「──例えば、
ベロ~~~ンと舌の先に持ち出したのは、そう!
どこにあたっても爆発するし、爆発させるぜ、大型爆弾~~~~!
バリアーだろうが弟子を通路ごとだろうがまとめて吹っ飛ばしてやらぁ!!!
「こいつをくら──」
ビシュン……♪
…………。
……。
「ちょぉぉぉおおッッッとぉおおー!?!」
な、何やってんのぉぉぉお?!
なーーーにやってんのぉぉ?!
「……こ、こっちはまだ点火してないっつーの!」
だのに、なんと今度は投げる前からの狙撃!!
導火線に火をつける直前に奴が遅延信管をファンネルで正確に狙撃って……そりゃないでしょーーーー?!
「お、おま! さっき自動撃撃いうたやん!! こっちまだなんもしてないやん!!」
「自動とは言いましたが、別に手動で撃てないわけではありませんよ?」
あ、な~~~るほど。
って、アホーーーーーー!!
「て、てててて、点火しとるしぅぅ!」
じじじじ……!
「ジジジ、ジーザス!」
もう何秒もない!!
これはヤバいやつー!!
「ふふふっ。自爆とはいい気味ですねー」
「やかましわぁっぁああ!」
あわわわ!
「……まずいまずいまずい!」
まずーーーーーい!
目の前で爆発するぅーー!!
「こ、こうなったら、南無さ~~~んッ!」
遠くにぶん投げからの──……!!
とっておきの不活性液!!
「人から絞り出した胃酸を発射ぁぁあ!!」
オロロロロロー!!
「ほう……強酸まで吐くとは!」
「けけけっ、とっておきだぜー!」
いつぞや、「お兄」の自爆を回避した秘策の
こういった時のために、今まで食った人間からもれなく絞って、いまやお腹にたっぷり……!
それを漏れなく発射!!
おそらく、樽の5本分くらいはあるんじゃねーかなぁ!
けーけけけっ!
だけど、まずいな。
空中で命中させるのは、こりゃちょっと、不活性化するのにサイズがデカすぎて間に合わないかも──。
…………ドカーーーン!!
「どわがぁぁぁあああああ!!」
やはりというか、思った通りというか、空中で大爆発した大型爆弾。
せっかくの胃酸も大半が周囲にまき散らされてしまう。
だが、不幸中の幸い。かなり解体されていたおかげで威力は減衰していたらしい。
が、それでもムワッ! と押し寄せツ熱風と爆風によって、ガランガラ~ン! と二回転するほどの吹っ飛ばされる。
「おー、いってー……。さ、さすがにあのサイズは全部は溶かせなかったか」
「おやおや、これでも死にませんか。まったくしぶといですねぇ」
「いやいや、こっちのセリフだなぁ! おい」
そっちも無傷じゃねーかよ!
フワリフワリと間近にやってきたアマリアが勝ち誇って見下ろしてきやがった。
当然、バリアーにはヒビ一つ入っていないし、こ~りゃ参ったぜー。
まさか、ここまで力量に差があるとはな。
全火力解放しても勝てんわ、あれ。
「つーか、ずるいぞ畜生ぉぉぉ!!」
全力じゃー! と啖呵をきったはいいものの、それで勝てりゃー世話はない。
「ずるいも何も、それが戦いでしょう? それにしても──うふふふっ、もう武器は品切れですかぁ〜?」
ニィ……!
「や、やっかましいわ!! 確かに全部ぶっぱなしたわーい!」
残ってるのは近接武器くらいだけど、それを使ったところえどないやっちゅうねん、くそがー!!
一応、手投げ爆弾も大型爆弾もまだ在庫はあるが、今使ったところで、こっちも被害出るちゅうねーん。
「全部……。なるほど、随分と今まで好き放題に食い散らかしたようですね」
アマリアがチラリと見下ろした先には、さっき、水路で足を引っ張っていたスケルトンがびっしり。
多少はアマリアの魔法やら「私」のぶん投げた爆弾の威力でやられたようだが、それでもびっしりだ。
こちらを見上げて腕を伸ばし、
「まーねぇ」
へへへっ。
おで、人間くう……!
「ですが、それも今日まで──食い殺した人々の無念、この私が晴らしてみせましょう!」
そういうなり、今度こそ魔力を籠めた拳を前に一気に突進!
さらには、魔法を出し惜しみすることなく、空中に、ブブン! ブブン! といくつもの魔法陣を浮かべていく。
「うひ?! 物量も投入とか、こ、こりゃっぁあ──勝負を決めにきたってとこですかー?!」
「当然です! もはや油断はありませんとも!」
言うなり、パチンッ! とバリアーの中で指を弾くと、
なんと先ほど呼び出した魔法陣から、いくつもの不気味な面をした犬の首だけが伸びてくる!
グルォォォオオオン!!
「な?! しょ、召喚魔法?!」
「ご名答!」
なぁぁ!
ま、まじかー?!
コイツ、徹底的にバリアーから出ずに攻撃するつもりだ!!
だ、だからって多すぎ!
『『ゴォルァァァ!』』
『『グルァァァ!』』
ちぃぃ!
ひーふーみー……いっぱいかぁ!
どうやら、宙に浮かぶ魔法陣から出ることができないようだが、奇妙な犬の野郎は目一杯首を伸ばして「私」に食らいついてきやがる!
「いで、いでぇぇ!」
ち、ちっくしょ!!
アマリアだけでも厄介だってのに、召喚魔法かよ!?
つーか、この犬って、もしかして──……。
「ケルベロスってやつか?!」
「正確には、その首だけを呼び出したものです!」
なぁぁあ?!
つまり、地獄の番犬、ケルベロスヘッドの召喚術か!
「ちっくしょー! 当たってても全然うれしくねー!」
それどころから
さっきから嫌な予感だけが正解するとは──!
そして、あの魔法は「私」の眷族の上位互換と言ってもいいだろう。
なんたって、地獄。地獄の番犬で、神々を食らう犬だ。
「つまり、不死身の召喚獣って奴かっぁあ!!」
「その通り、そして一気に攻めさせてもらいますよ!!」
ちぃぃいい!!
空中を蹴るとアマリア特攻!!
ケルベロスと自動迎撃システムを浮かべながら一気に肉薄し、「私」の取らんとする────……がくんっ!
「え?」
「ふひっ♪」
……お、
「私」は焦った顔を一転、
ニチャァァと、アマリアの笑顔に負けないくらいにイイ顔をして見せた。
そうとも、
奥の手なんて、いくらでもあるのさー。