ミミック転生~人食い箱の食味記録~   作:LA軍

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第131話「高級ガキ肉のエルフ定食」

「き、ぎざまぁぁぁ! よぐもアマリアをぉぉぉおお!」

「おっほ!」

 

 来~た来た来たー!!

 やっぱりきたー!!

 

 せ~~~っかくアマリアが命を賭(と)して逃がしてくれたというのに、

 その万金にも値(あたい)する時間をドブに捨てると、茫然としたままのシェイラをかなぐり捨てるようにして、ルドルフ君が一気に肉薄ぅーッ!

 

 しかし、それはこれまで見た突進の中でもトップクラスの速度と膂力!

 それをもって「私」に一撃を加えんとす~~~る!!

 

「ぅぉぉぉおおおおお、チェストぉぉおーーーーーーーーーーーー!」

 

 ドンッ!!

 

 叫ぶルドルフ君のそれは、「縮地」と言っても過言ではないほどの速度であったが、

 もちろん、そんなものをまともに食らってやる「私」ではなーい!

 

 ──っていうか、この攻撃はもう見て知っているつーの。

 

「ほら、そこぉ♪」

 

 ガイィィン!!

 

 出鼻を挫くように、突進をしかけたルドルフ君の脳天めがけてボウガンをぶちこんでやったぜ!

 

「ひゃははあ! 命中~…………って、ありゃ?」

 

 お、おぉ?!

 なんてこった!!

 

 今の奇襲をルドルフ君は難なく迎撃しやがったー!

 

「や~るぅ! 激昂してるかと思いきや案外冷静じゃ~ん!」

「当たり前だぁぁあ! アマリアとの打ち合いはこんなもんじゃねーぞぉぉ!」

 

 ほっほーう!

 言うねぇ。

 

 つまりあれか。

 

 コイツ等の強さの秘密は、徹底的な打ち合い──シミュレートにあるってことか!

 

 たとえば、自分の攻撃が一度は防がれることを前提に徹底的にリサーチして、それに動揺しないことに重点をおいているとか、そういう……?

 

(なるほどねぇ。そして、それ以外にも、おそらくこうした不測の事態──攻撃がかわされたらどう、奇襲されたらどう、予想外の敵がいたらどう……とかを徹底的に分析し、訓練に訓練を重ねた果ての行動の予想にあるってことかー)

 

 それらも含めて、長命種たるアマリア仕込みの近接戦闘なのだろう。

 

「だ・け・ど」

 

 ──それだけだね!!

 

 所詮はシミュレート!!

 所詮はお遊び!

 

「所詮は人間どうしの打ち合いに過ぎんってことだろうがー!!」

 

 こっちはミミック!

 

 人を食らいし箱にして、食らったガキの数はいざ知れず!!

 

「人間とは違うのだよ、人間とは!!」

「ほざけぇぇぇええええええええ!!」

 

 縮地の一撃をいなされたのを幸いと、

 その一撃を回転に変換すると、空中で半身を翻して、武器を引き寄せると全身のバネを使って今度こそ、「私」に一撃を加えんとするルドルフ君!

 

 

 なるほど!

 

 

「いいねッ!!」

 

 実にいい!!

 

 早い、強い、そして、惜しいッ!

 美味しいくらいには、おしいいいいいいいいい!!

 

「つーかさ~」

「黙れッ! まだまだ攻撃は終わってねーぞぉお!」

 

 ……いや、もうないから。

 攻撃とかもうないから。

 

「そもそもさぁ、その縮地ってのは、所詮は直線移動しかできないってことでしょ?」

 

 それを使って一撃した時点でもうダメダメなのよ。……わかる?

 

「そして言っとくけどさぁ──ボカぁ、正面攻撃にはめっぽう強いのさ」

 

 ニヒッ。

 

 そういって、ボウガンとは別に繰り出していた舌撃を軽く血振り(・・・)する。

 

 そう。

 血を振り捨てるのだ。

 

「は? なにを言って──……え? あ、あれ? そ、その血って、」

「ん? あぁ、今気づいたのー?」

 

 今度こそ、必殺の一撃を加えんとしていたルドルフ君が大きく目を見開く。

 

 そして、踏み込もうとして、ふと──……。

 なにか違和感を感じて、自信の左手を見る。

 

「え? あ、あれぇ? な、なんで左手がないんだ」

「ん? なんでってそりゃーねぇ?」

 

 ──さっき、思いっきりぶった切ったしー。

 

 つーか、左手だけじゃないよ?

 

「しっかり両手で握り直そうとしてるけど、もう斬ったから無理だよー」

 

「は? え? き、切ったって……い、いつ?!」

 

 いつも何もなー。

 ポリポリと舌で頭(?)をかきつつ。

 

「ボウガンを弾いた瞬間に、こう──同時に繰り出した舌撃で腹をブッ射して、ずばぁっぁ……と袈裟斬りに、ね!」

 

 アマリア戦で編み出した同時一体攻撃。

 名付けてマルチアターーーック!

 

「そこに君が自分で突っ込んできたってだけー」

 

 へへっ。

 速すぎて気づかなかったっしょ?

 

「バ、バカな……」

 

 いや、バカなっていうかねー。

 

「あー……。相対速度って、わかるぅ?」

 

 時速50キロで向かい合う者同士が、同速度で相対したら100キロとかになるとかそういう奴?

 

 知らんけど。

 

「まぁ、君が馬鹿正直に真正面から突っ込んできたから、その速度に合わせて舌撃を合わせただけさ」

 

 そこに、ボウガンで注意をそらして、同速度で切り裂かれたら──そらぁ見えんて。

 

 オマケに速度だけでなく、衝撃までもが倍々になるのが物理の恐ろしいところだ。

 縮地なんてカッケェこと言ってるけど、身体がボロボロの状態で繰り出したら、自分でミートスライサーに突っ込んでいくようなもの。

 

「つまり、君の自滅さー。なんでアマリアちゃんがバリアーを展開しながら格闘戦をしてたか、ちょっとは考えてみなー」

 

 あのエルフは「私」の攻撃速度を見抜いていた。

 

 だから、まともに打ち合うことをせずに常時バリアーで防御しながら戦闘をしていたのだ。

 騎士団や軍隊の連中だってそうー。

 奴らは戦術的にそれを理解しているのか、前衛を防御に徹させながらの攻撃していた。

 そして、それが正解なのだ。

 

 でなければ真正面から「私」の攻撃に付き合える奴はそうはいなーい。

 

「そんで、そんなところに馬鹿正直に真正面から突っ込むとかさー。君、馬鹿でしょ?」

 

 あ、バカなんだっけ?

 

「ま、ゆーて掠った程度なんだけどね。そこんとこは褒めたげる。……んでも、そのあとはいけないねぇ。君がすでにボロボロの身体で無理な機動ひねったもんだから、勝手に切り裂かれた部位がちぎれてドボォォ! って感じィ……あ、もう聞いてないな、これ」

 

 ツンツンと、つつくと「がはっ!」と血を吐くルドルフ君。

 

 まぁ、袈裟斬りにぶった斬られて、顔の半分と、左手ごと体の左半分を切り裂かれちゃーねー。

 

 かろうじて残った両足だけで立っているが、もはや致命傷を通り越して死にかけ5秒前だ。

 

 そして、今やボロボロになった体と半分になった顔で、うつろに「私」を見ているしかできない。

 

 あとはもう……。

 

「ご、ふっ……?」

 

 そのまま、呆然と武器まで取り落とすと、膝をついてしまった。

 

「あーあー……。無駄な攻撃だったねー」

 

 せ~~っかく、アマリアが逃げる時間を作ってくれたのに、もったいないことをしてさー。

 

「ま、アレだ! 君の頑張り過ぎってことぉ」

 

 ぎゃはッ!

 師匠の言う事は聞くもんだぜー!

 

「しっかし、さすがは高級ガキ肉!」

 

 顔半分の赤身がすでにサイコーに美味そうだぜ!

 

「というわけで、いっただっきまーす!!」

 

 せっかくなので、落ちてる体の左半分と顔半分かご賞味あれー。

 

「あーんぐ……!」

 

 ぼーりぼーりぼりっ。

 ……おっほ♪

 

「う~ん、これはデリ~シャス!」

 

 やっぱ思った通り鍛えられたガキ肉はうめーぜ!!

 

「お……が?」

「あ。見る?」

 

 何言ってるかわかんないけど──。

 

「きししっ。これこれ」

 

 ほーら♪

 

「ぐぱぁぁぁ……♡」

 

 「私」がご覧よ♪ とばかりに口を開くと、そこには、今食ったばかりにルドルフ君の半身と、顔の半分がぐっちゃーとつぶれている!

 

「ひっひっひー。まったく馬鹿だねー。縮地とかで突っ込んでくるのは結構だけど、ボロボロの身体でやっちゃあ、肉のデリバリーしてるのとおんなじだぜー」

 

 ちゃーんと、身体の状態を考えながら攻撃しな!

 

「ま、もう無理だけどなー!!」

 

 ギャーハッハッハ!!!

 

 まだ倒れないのはさすがだけど、もはや起き上がることもできず、茫然と咀嚼される自分の顔の半分をみるしかできなーい。

 

「あ、そうそう。これが君のもう一個の心臓だよー」

 

 ベロ~ンと、舌先に握りしめたそれを掲げてやる。

 顔と一緒に正味中の左手付きの半身を見せる。

 

 その中から、

 さらにわざわざここだけ口の中で引き千切って置いた心臓をブチブチと引き千切って見せてやーる。

 

「けけけっ! みろよ、すげーな人間の心臓って。体から切り離してもまーだ動いてるんだぜー」

 

 その新鮮な心臓を舌で転がすと、

 ビクンビクンと脈動して最高なんだぜー!

 

 ぎゃははぁぁああ♪

 

「つーか、あれだね! まっさか、人生で二回も自分の心臓を見る機会なんて早々ないぞー」

 

 内臓なだけに、ないぞー!

 ぎゃーーーーははああ♪

 

「な、ひゃひ? きぺ……??」

 

 ぶふっ!

 きぺ……きぺーだってさー!!

 

「ぎゃはははははははははは!」

 

 ぎゃ-はははははははははははッ!

 

「やっぱりガキ肉はサイコーだぜ!」

 

 食っておいしい。

 見て滑稽。

 喉に詰めれば──暴れて最高ぉぉおお!!

 

「いや~、しっかし、さすがはアマリアの弟子」

 

 いや、子供だっけか?

 ま、どっちでもいいや。

 

「こうして、半分ほどに切り飛ばしてやったのに、すごいなー。まだ生きてるよ」

 

 だけど、そろそろかなー?

 

 上半身を雑に左側を中心に斜めにぶった斬ったもんだから面影も斜めに半分。

 

 内臓もこぼれて斜めに半分、ようやく脈動をとめた残る内臓が切断面から、今さらドロ~リと零れるぅ……。

 

「お、おぉ~っと、内臓が落ちてもったいなーい!!」

 

 大丈夫。

 

 これは全部「私」がなめとってあげよう。

 こうみえて「私」は床を舐めることができるできた人──おっと、できた箱なのであーーーる。

 

 

  ベーロベロベロッ!

 

 

「んんんーーーーこっちもデリ~~~~シャス♪」

 

 床に広がった内臓も十分に美味い!!

 

 やっぱ生のガキ肉はうめーわ!

 しかも、コイツってば、かなり鍛えてLvが高いこともあって、コリコリしててさー。

 おまけに味が濃い濃い!

 

「そのうえ、ジュースぃぃぃぃいいい!!」

 

 ぎゃーっはっはっはっはっは!!!!

 

「あ。ル、ルドルフ……??」

「しぇ、ら……?」

 

 そして、少し先の通路で、もう一人のガキ肉が、呆然と相方の名をつぶやく。

 

 それは硬直したまま、身動き一つできないシェイラちゃんだ。

 彼女は、いまだに何が起こったかもわからないまま。

 

 だけど、クルっと半身だけで振り向いたルドルフ君は、すでに瞳孔の開いた視線でシェイラに振り向くが、当然その面影はすでに半分。

 

 脳すら、その面影から零れ落ちていった……。

 

「い、い、い、」

 

 

 ──ぃいやぁっぁああああああああああ!

 

 

 それをマトモに見てしまったシェイラちゃんが大声で叫ぶーー!!!

 

「ひゃははははっはああああああああああああ♪」

 

 『いやぁっぁあ』を、いただきましたー♪

 

「ひゃはははははははははは!」

 

 ひゃはははははははははは!

 ひゃはははははははははは!!

 

「ひゃーーーーはっははははははははははっはっはっは!!」

 

 ざまぁぁあああ!!

 

 やっぱりガキを食うのって、サイコー!!

 

 サイコーーーーー!!

  サイコーーーーーー!!

   サイコーーーーーーー!!

 

 

「はい、最高です!!」

 

 

 キリリッ。

 やっぱりガキは最高です!

 

 これを、コイツらを今から好き放題に色んな食い方ができるなんて、もっと最高でーーす!!

 そのうえ、高級ガキ肉ことジャイラちゃんを生きたまま捕まえられるなんて、もっともっと最高でーーーーーす!!

 

「……というわけで、シェイラちゃんの美味しい表情をいただいたので──そろそろ、お次はぁっぁあ!」

 

 ひひっ。

 

 半分だけ食って終わりなわけねーーーだろうが!!

 

「お前の目の前で、愛しのルドルフ君を全部食ってやるぁぁぁあああああ!」

 

 おらぁぁあ!

 歩けぇぇぇええ!!

 

「ぐがっ……!」

 

 ボロボロにルドルフ君を舌で引きずり上げる。

 それを掴んでシェイラちゃんのもとへ────あっ。

 

「……そうだ。ミンチちゃん、「私」ごと運んで運んでー!」

 建築モードの『配置』で行くとルドルフ君運べないしね。

「こくり」

 

 二酸化炭素中毒で朦朧としているんだろうけど、ミンチちゃんは表情が分かりにくいので、いまいち症状がわからない。

 

 んだけど……動けるならそれで充〜分!

 

 なので、フラフラしつつも彼女に運んでもらいながら、空いた(?)舌でルドルフ君を引きずって──通路の先で腰を抜かしたシェイラちゃんの前にドスーーーーン!!

 

「おっす!」

「ひぃぃいいいいいいいいいい!」

 

 ぎゃは♪

 シェイラちゃんいい顔するなー。

 

「というわけで、ほい。お待たせー」

 瀕死のルドルフ君の出前だよー。

「ごぽっ」

 

 へへっ。

 もう喋ることもできなーってか?

 

「だけど、せっかくなので最後のお別れをしなー」

 

 ま、すぐ再会できるんだけどね!!

 「私」の胃の中で!!

 

 というわけで、

 

「あーーーーーーーん!」

 

 ぐぱぱぁぁっぁああ……!

 

「ひぃぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!」

 

 まるで地面に縫い付けられたかのように動けないシェイラちゃんを前に、

 ぐぱぁぁぁ……と最大限に開いた口で、まだ生きているルドルフ君をゆっくりと一飲みにするところを、まざまざと見せつける。

 

 いーっひっひっひ。

 次は君もこの中に入るんだぞ~ってね♪

 

「というわけで、目の前でルドルフ君をいっただっきまーーーーーーーーーす!!」

 

 ひょいっとな♪

 

「あーんぐ」

 

 舌で残った半身を拾い上げると、ボタボタ新線な血をしたたらせたまま、そのまま口の中へ──。

 

「が、ぐ、が──……」

 

 しぇ、ぁ!

 シェイラ──……。

 

「シェいあァァア!! に、にげ──……ぐ、ぐぁぁあああああああああああああ────ぁ…………っ! かっ!」

 

 

  ぶしゅ!

   …………バシャァ!!

 

 

「あ──……」

「や、ごめ~ん!」

 

 お~ぅ。なんてこと!

 

 最後の最後で死力を振り絞って叫んだルドルフ君であるが、

 彼ってば、アマリアちゃんのファーストキスを貰っただけでなく、茫然とするシェイラちゃん顔に鮮血を〇射までするとはー。

 

 ──けしからんね(やるじゃないか)ッ!!

 

 しかし、ルドルフ君の最後は呆気ない。

 最後の最後で、精一杯──「逃げろッ!」とシェイラちゃんに伸ばした手であったけど、それがバツーーン! と、いい感じに千切れて宙を舞い、間抜けにポトーン! と落ちるとはー。

 

 そして、残った足がぽてっ……と倒れる。

 

 

  ぶふーーーー(笑)!!

 

 

「見た見た?! ぽとーんと、ポテッ! だってさーーーーー!!」

 

 ぶふふふー(笑)!!!

 

 超ウケるぅ!!

 

「ぎゃはぁっはははあぁああ!!」

 

 ガキ肉サイコー!

 

 ひゃーーーーーーっはっはっは!

 ひゃはははははははははははははははは~ん!!

 

「いやー、うめーうめー!」

 

 高級ガキ肉はやっぱり、なにやってもうめぇぇぇえええええええええ!

 

 おもしれーし、

 うめーし、もう最高ぉぉおお!!

 

「はぁ、笑った笑った。」

 ……くっちゃくっちゃ。

 

 うむ…………!

 

「こうしてじっくり味わうと、やっぱりエルフと人間は味が違うね。でも、マズイわけではなく、むしろこれは超美味いの部類だね。……まぁ、さすがに、アマリアちゃんには遥かに劣るけど、ルドルフ君はルドルフ君で、赤身が超うめぇぇぇぇえええ!」

 

 さすがは前衛職!

 

 脂肪分が少なめで赤身がいかにも「肉」ぅぅう! って感じ!!

 

 いや、最高かよ。

 筋繊維のザクザクした触感もま~た、たまらねぇな!

 

「うんうん、うん! こりゃ~赤身としては最高級だわぁぁぁあ!」

 

 骨も若さゆえのコリコリ感!

 内臓は程よく脂がのっててシューシィだし、なにより、やっぱ肉のこの弾力よ!!

 

「やー。こ~りゃ、苦労した甲斐あったわー……」

 

 なにせ何回も死にかけたからねー。

 ここ最近で……というか、マジで一番の激戦だったもん!

 

 ……そのぶん、しみじみとうめぇぇぇ~♪

 

「しかし、惜しむらくはあれだね。お腹空いたからついつい、食べちゃったけど──熟成したら絶対うまかったんだろうなー」

 

 高級ガキ肉の赤身の熟成かー。

 

 あーあー。

 惜しいことをしたぜ。

 

 でも、次は絶対生捕りだぜーーーー!!

 

「そ、そんな、ルドルフ?! ルドルフ?! ル、」

「お、そろそろ動けるー?」

 

 ま、腰抜けてるみたいだけどー。

 

「──ルドルフ、ルドルフ、ルドルフ……ルドルフぅぅぅううううううううううううううう!」

「あーダメダメ。そんな名前呼んでも無駄無駄ぁ」

 

 なんせ、愛しのルドルフ君はもうお腹の中でーす!

 

「……あ、もっかい見る?」

 

 はい、どーぞぉ!

 

 

  ぐぱぁぁぁ!

   もわぁっぁあ……!

 

 

「ひぃぃぃいいいいいいいいいいいいい!!」

 やははは♪

「ほーら、この辺の赤身が愛しのルドルフ君だよー」

 

 まだ辛うじて面影あるかなぁ?

 

「い、いやぁぁぁあああああああああああああ!」

「ひゃはははああ!」

 

 「い、いやー!!」だってぇぇ(笑)!

 

「ぎゃは! ぎゃは!」

 

 ぎゃははははははははははは!

 

 それそれ、

 その顔その顔ぉ!!

 

「いやー。シェイラちゃん、マジでいい顔するね!」

 

 最高かよー!!

 

「いやー、笑った嗤った。……まーまー、安心してどうぞー、シェイラちゃん」

 

 くっちゃくっちゃ。

 べっ!

 

「あ、ひ?」

 

 ついには腰が抜けたのか一歩も動けないシェイラちゃん目掛けて、赤身肉を吐きつけてやる。

 さらには、クッチャクッチャと、わざと行儀悪く口を開けながら咀嚼咀嚼ぅ。

 

 そして、クチャラーをしつつ、時々喉奥までよく見えるように、グパッァァァ……と、大きく開けてやると、

 少し取り出したアマリアちゃんとルドルフ君の肉が口の中でよく混ぜる様子を、まざまざと見せつけながら、ニッコリ笑う。

 

 

 だってさー。

 

 

「「私」はさ、こう見えて、お残しはしない主義なんだ。だから、ちゃ~~~~~んと、君も子弟仲良く食べたげるから安心おしーーーーーーーーー!」

 

 うひゃぁぁあ!

  ひゃはははあ!!

 

 腹の中で同窓会だぜーーーーーーーー!!

 

 ま、コイツ等二人が男女の仲だったか知らないけどね。

 少なくとも、嫌いあっていたわけではないだろう。

 

 それが今やお口のなかで咀嚼中ぅ♪

 

「悪いねぇっぇぇぇえええ!! ルドルフ君は、シェイラちゃんよりも先にアマリアちゃんと混ざりました(・・・・・・)ぁぁぁ♡」

 

 ──子弟ラブって奴ぅ?!

 

 なんかそういうジャンルもありそうじゃね?!

 同人誌的には「アマリア×ルドルフ」本の完成だぁっぁ!

 

 サインしてど~~ぞぉぉお♪

 

 同人誌が何か知らんけどぉぉ、あ、「寝取られ」ではないよ。あえて言うなら。「食べられ」でーーーーーーーーーす!

 

 ──NTRダメ絶対TBRで、GOっ!!

 

「ぎゃはははははははははははははははははは!!」

 

 ぎゃは、

  ぎゃは!

 

「ぎゃーーーーははっははははははははははは!!」

 

 あー、笑った笑った。

 ガキ肉を食うのはこれが楽しいんだよなー。

 

「あ、そうそう! もひとつ安心おし!!」

「ひ、ひぃぃい!」

 

 ぐぱぱぁあ! と開けた口のままズイッと身(?)を乗り出す「私」に怯えたシェイラちゃんがズルリと後ずさる。

 

 もっとも、それくらいなら走って逃げればまだワンチャンあるかもだけど、とっくに戦意が消え失せた彼女にそれは酷というものだろう。

 

 まさか最強戦力の二人が食われ、魔法しか使えない自分が残るなど想像もしていなかったのだから仕方ないともいえる。

 

 しかし、それはそれ、これはこれだ。

 

「い、いや、あ、いやぁぁあ!」

 

 ようやく腰を抜かしたままズルズルと這って逃げるが、いまさら遅い遅い!

 通路の先でも余裕で私の攻撃半径だよー。

 

 そして、バリアーなんて展開する暇もあげなーーーーーい♪

 

「──安心も安心、大安心。なんたって、君はす~~~ぐには食べないよぉぉおお!」

「え? そ、それは──」

 

 いや、

 だってさ~~~。

 

 魔法使いの女の子。

 しかも、ガキですよガキ!!

 高級ガキ肉!!

 

 そのうえ、アマリアちゃん並みにおいしそうな匂いのする君のことだからさ、

 

「こりゃもう、熟成するってもう決めてんだよねーーーーーー!!」

 

 最低一か月コースにようこそー!!

 できれば、三か月から半年コーーーーースだぁぁぁああ!!

 

「や、やだ、やだ。やだぁぁあ……!」

 

 なにを言われているかわからないが、すぐに殺されないということは分かったらしい。

 だがそれがどれほど苦痛を伴うのか、「私」の態度と口の奥の二人の肉から察してしまったらしい。

 

 ならばそれはそれでよしッ!

 

「さぁ、がんばれがんばれ~♪ これからしばらく、よろしくどうぞーーーーー!」

 

 君ならできる!!

 「私」は信じているぞ!!

 

 

 レイラたんチャレンジ(拷問)を、まずは100周だぁっぁああああ!

 

 

 そうして、一緒にイイ肉目指そうぜーーーーーー♪

 君となら、全国を目指せま~~~~~~~~~~~~~~~す!!

 

「……というわけで、よろしくね。これから毎日毎日、毎日毎日、毎日毎日毎日、毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎毎毎毎毎毎毎毎毎毎毎日日日日日日日日日日日、毎日毎日毎日毎日、毎時間、毎分、毎秒、顔を合わるからそのつもりで、ど~~~~~~~ぞぉぉぉおお!」

 

 ひゃは♪

 

  ひゃははははは!

   ひゃはははははははは~~~ん!

 

「……ぎゃっはははははははははははははははははぁあああああああああああああああああああ!」

「ぃ、いやぁぁぁぁぁぁああああああああああああ………………ぁぁぁぁ…………ぁぁ……っっ!」

 

 こうして抵抗する間もなくシェイラちゃんは捕らわれる。

 

 私の笑いで、絶望の悲鳴を上げるシェイラちゃん。

 しかして、その絶叫を「私」は哄笑覆い尽くしつつ、最初のスポーツ地点こと巣に引き摺りこんでいった。

 

 ヒッヒッヒ。

 これからが楽しみだぜー。

 

 だって、いくら騒いで悲鳴を上げたところで、だーーーれも助けに来ないこのダンジョンの片隅で、ガキが捕らわれるんだぜぇ?

 

 

 ……つまり、それは生還を意味しないってこと。

 

 

「なぜなら、シェイラちゃんには、すぐに死んで何もわからなくなるという未来もないのだからぁぁ!」

 

 簡単に死ねると思うなよー!!

 

「……なにせ、高級ガキ肉ッ!」

 

 そして、Sランクパーティの強者なのだからぁぁあああああああ!!

 

 

「──いぇぇあああああああああ!! 高級ガキ肉、獲ったどぉぉぉぉおおおおおおおおおお♪」

 

 

 テッテッテテ~ン♪

  テレレレ~ンッ!!

 

 

「ぎゃはぁぁ!」

 

 しかも、

 エルフの師匠に鍛えられたおかげで、無駄に強く、若く、硬く、固く、堅く、美味しく、美味しい、おおおおおおおおいしいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいお肉だぞ!!

 

 いやー最高最高!

 

 さすがは高級ガキ肉のエルフ定食。

 メニューは、最高級肉のエルフ丸飲みとルドルフの赤身付き!

 

 そして、数か月後には、熟成超高級ガキ肉シェイラ仕込みの完成だーーーーーーー!

 

 た、楽しみすぎるぅぅう!!

 

 ミミック人生。いや、箱生において最高に日々になるのは間違いないねーーーーーー!!

 

 

 

 

「というわけで、これから数か月は、シェイラちゃんをボッコボコにしまーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーす♪♪」

 

 

 やー。

 熟成熟成。

 体調管理もばっちりで死なないように常に気を配らないとね!!

 

 こりゃ、休む暇もないぞー。

 そして休ませつもりもなーーーーいッ!!

 

 

 

 

 そうして、

 こうして……ついに大賢者アマリア率いるSランクパーティ『静寂の杖』は消息を絶つ……。

 

 

 ただ、入口近くで待機していたギルド職員は、長く長く永〜〜く続く悲鳴を聞いたとか聞かなかったとか──……。

 

 

 

 ………………。

 

 …………。

 

 ……。

 

 

 

 

 

 …………………………それから数か月後。

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