それから数か月後──。
新月のダンジョンのとある部屋にて……。
「おらおらー!」
ごっ、ごっ!
「ほらほらー!」
がっ、がっ!!
「がんばれがんばれー♪」
ぐちゃ、にちゃっ!
「ふー……。雑ぁ魚♪」
ぺちっ。
「……あ、うっま~♪ だーいぶ仕込んだおかげで、汗と血だけでも
げへへへ。
ちょっとつまみ食いしてみたら、こりゃいいわ!
さすがは高級ガキ肉ちゃんだぜぇ。
「しっかし、いい汗かいたぜー」
ふひぃ~。
長くシバキ続けるのも、舌出しっぱなしで疲れるのよねー。
「…………ぁ、……ぅ」
「んー?」
そして、うめき声を上げるのは、ミートフックの先にプラ~ンと力なくぶら下がっている「熟成肉」だ。
「どうしたの~? もう疲れちゃった?」
「ぁっ、ぉ……」
なになに~?
聞こえなーい。
──ちなみに声が漏れているから辛うじてわかる程度だけど、
もはや原型が分からないくらいに腫れ上がっているのは、多分
一応目は潰してないし、
声が聞こえないと面白くないから、舌も抜いてない。歯は……多分残ってないんじゃないかな~? 抜いちゃいないけど、あれだけやれば、ねぇ?
あと、
髪は時々頭皮ごと引き千切ってやったけど、そこそこ残っているから、辛うじて女の子だとわかるぞ。
「つーか、ギャハハ! 前に頭蓋が見えるくらいにおもクソぶち抜いてやったから、
落ち武者みてぇじゃん。
ひゃはぁ♪
ちなみに全身は、まぁパンパンッに腫れてまーす。
骨とか多分、バッキボキだろうねー。血も滴り落ちてるし~。
それを舐めて綺麗に整えると、いい汗かいた自分に乾杯~♪
やー。
「ま、見た目は、赤黒いサンドバックにしか見えねーけど、いい感じに仕上がってきたね。それに、反応もアレになってきたし──そろそろいいかも、って、」
んん?
なんか妙な気配──。
『あ、やっとこっちみた!!』
「……って、ど、どわぁっぁーーーー!」
ビック~! と背中が跳ねる「私」。
いや、だってさ!!
『どわーじゃないわよ!! このクソ野郎ぉぉおお!!』
あいだー!!
「って、痛くないけど──え? なになになに?!」
なんか顔面(?)パンチされたし!
しかも、いやいや、近い近い近ぁぁい!
なんか女の子の顔が近ぁぁぁあああーい!
「……って、なんだ、食いカスちゃんかよー。ひッさしぶりー」
びっくりしたじゃん。
なので、「おっす!」と舌を上げて挨拶。
急に目の前に顔が現れたので腰(?)が抜けるかと思ったけど、なんのことはない、そこにあったのは見知った顔だ。
やー、でも、さすがに腰が抜けるかとおもったね。……腰はないんですけど、びっくりしたー。
だって、いい汗かいて舌で拭って「熟成肉」から視線を切ったら、急にミユちゃん出現だもん、そらビビるわ!
ホラー映画でいうところ、鏡台を開けて閉じたら、さっきまでいなかった幽霊がいる並みにビビったわ!!
『いや、久しぶり~じゃないわよ!! 何を普通に口利いてんのよ! 最低野郎ぉ!!』
「あ~ん?……いや、なに急に? 久しぶりに顔をみせて、いきなりそれー?」
熟成中は全然みないから、正直せいせいしてたのに、もー。
『久々じゃないわよ! ずっといたわよ!! 死ね死ね言いまくってたわよ!!』
「は? 死んでるのはお前じゃーん。つーか、待てよ……」
はっ!
たしか、ミユちゃんって生きてる人がいたらバグってたよな?
そして熟成中はミユちゃんが見えなかったのに、今こうして見えるってことは、
「し、しまったーーーーーーーーーーーーー!!」
マン・マミーヤ!
『え? ど、どうしたのよ』
「どうしたもこうしたも!!」
し、死ぬな!
死ぬなぁぁぁああ!
「死んじゃダメだーー!!……え~~~~っと、」
あー
えー
「に、肉!! 熟成肉ぅぅぅぅうう死んじゃダメぇぇぇ!」
ミユちゃんが鬱陶しくなるー!
その思いだけで「私」は熟成していた、え~っと……シ、シー「お肉」ちゃん! そう「お肉」ちゃんの頬をパシパシ叩く。
「起きろぉぉぉぉぉぉおおおおおおお!」
「……ぉ、ぁ」
「あん?」
あれ?
い、生きてる!?
なんだ、まだ生きてるじゃん!!
「──お肉、起きてるじゃーーーーんん♪」
なんだよなんだよ。
いやー、びっくりしたわ。
いやー、焦った焦ったー。
「いやー、せっかくここまでお肉ちゃんを熟成してきたのに、台無しになるかと思ったぜー」
『「思ったぜー」じゃねーわ! シェイラちゃんだっつーーーーーーーの! お前、名前忘れてんじゃねーーーーーよ!』
「ひぇ。ご、ごめんなさい!」
ミユちゃん、こっわ!
顔、こっわーーーーー!!
『つーか、どんだけ
「い、いや~、だってー、打てば響くというか……さすがSランクパーティというか、熟成すればするほど味が上がるから、ついつい──!」
てへ、ぺろー。
気合入りすぎちゃったぁ♪
『可愛くねーわ!! あと、私の顔を見たくないからってよくもまぁ』
「そ、それだけじゃないよ! お、お肉ちゃんってば、すっごい強くて……。ほら──だから、一度限界を試そうかと!!」
『試さんでええわ、そんな限界!』
いや、
だってさー。
その辺のガキだったらワンパンですよワンパン!
なのに、シェ……肉? ちゃん。
『シェイラ』
「あ、それ──死肉ちゃんが、新記録更新しまくってさー」
いつぞやの女騎士レイラがクソに思えるほど長時間熟成過程に放り込んでも、どんどん味が良くなるから「私」びっくり!
ついつい、数か月の間。毎日毎分、毎秒、余すことなくずっっっっっっとボッコボコにしちゃった。
ミンチちゃんへの餌やりタイムとか、
死肉ちゃんの口に無理くり水だの、拾った肉だのをねじ込んでいる時以外はほぼずっとー!
「いやー……。だからかな? 見てよ、これを。おかげで死肉ちゃんてば、こんな輝いて立派な「お肉」に」
「…………ぅ」
うんうん。
ボカぁ感動で涙がでそう。
──だって見てよ、
もはや原型を留めないくらい立派なお肉だよ、これッ!!
最初の頃は必至で抵抗してたよね。
「アマリア様の仇」とか、「ルドルフをよくもー!」とか。
うんうん。
そんな死肉ちゃんが、だんだん声が細くなっていってさ。
「ま、まだだ。まだ私は頑張れる……」とか「お前なんか、いつかきっと誰かがー!」とか、儚い希望に縋りついていたのもまるで昨日のようだねー。
しまいには、「痛いのやだ! 痛いのやだぁぁ!」「もう殺して、早く殺してぇぇえ!」って叫んでいたのもいい思い出──うんうん!
「うぅ! だから、ボカぁ、ボカぁ、もう感動で泣きそうだよ死肉ちゃーーーーーん」
オロロロロ~ン。
だって、君の頑張りを「私」は一番そばで見ていたんだもーん!!
『だ・か・ら、シェイラだって言ってんの! 死肉じゃねーから!! シしかあってねーわ!! あと、声が届くなら幸いだけど、もう、ほんとやめてよ……可哀想とかそういうのない?!』
「ないけど?」
──けろり。
つーか、いきなりなに?
肉が可哀想とかの意味が分からんけど?
「……え? じゃあ、なに? まさか、君は家畜を飼ってる農家に可哀想とか言いに行くの? 生け簀に飼われてる魚は? ガチョウの口に管をさしてフォアグラ作ってることとかどうな~~~~~ん?」
『ど、どれも拷問はしてない!』
いやいや、ほぼ拷問やで?
そして、生き地獄なのはどれも変わらんてー。
「イカの沖漬けとかさー。酔っ払いエビとかさー。極めつけは、魚の神経締めー」
どれも生きたままで、神経締めなんて活かしたまま鮮度を保つためのやりかたやでー。えっぐいえっぐい。
『そ・れ・で・も!』
「じゃー蜂とかは? あれなんて捕まえた蜘蛛を麻酔で拘束して卵とか産み付けるよ? それを何か月も幼虫の餌にするんやで? それにくらべればとてもとても」
むしろ、あれを見習いたいねー。
「私」が卵を産みつけられるならぜこの子に産みつけたいぜー。
けけけっ。
『か、感情のない虫と人間を一緒にすんな!!』
「それは差別ー」
つーか、ボカぁミミックだっていつも言ってんじゃん?
そして、お前らはただの人間。「私」の主食。そんなんもんになんで気ぃつかわならんの?
『か、会話しといてよくもまぁ……』
「だからなにー? 食肉に話すなんてどこもやってるっしょ?」
なんだっけ?
農家さんも言うっしょ? この子は、大切に育てた牛とか豚とかさー。
──で、そういう風に言うだけいうて、結局は屠殺するくせにさ。
そんな人間が「私」にとやかく言う資格あんのー?
『ぐぬー! ああいえばこういう奴ー』
こっちのセリフだなー。
「まぁ、どうでもいいやー」
『そーね……もう。この子──解放されたから』
あん?
……解放??
そっと、しぇ……死??……あ、駄目だ覚えらんないから「お肉ちゃん」の頬に手を当てるミユちゃんを白けた目で見る「私」。
「……あぁー。解放ってそういう。……なるほどね~。自我がなくなったってことか」
生きてはいるけど、心は死んだ、と。
で、心が解放されたってか?
──はっ、どーでもええわ。
「でー、なに? やめてほしいってだけ? それだけ言うために、ずっっっっっとそばで ストーキングしてたのぉ?」
……暇か!
「つーか、それ……怖ない?!」
改めて考えてみたら、怖ッ!
もはやホラーやん。
『こ、怖くないわよ! あと、誰がストーカーかー!! アンタってば、侵入者ほったらかしでずっっっと拷問しててよく言うわよ』
はい?
侵入者(笑)て、軍人のことー?
「そんなもん、トラップと眷族で自動ですよ、自動~!」
あと、拷問じゃなくて、熟成!
そんなクソ侵入者なんぞより「お肉」の熟成のほうが大事大事!
「ま、安心し──もう、やんないから」
『え。そ、そうなの?』
もちもち、
ろんのもち──。
「だってさー」
にちゃぁぁ、
ぐぱぁぁぁあ!
「これから食べるんだもーーーーーーーーーーん!」
『んあなぁぁぁあ! あ、あんたぁぁあ!』
えへへ~♪
数か月も待ったぜー!!
そして、ついにこの日を迎えたのだ!!
自我が死んだら、もう、ろくな反応もないということ。そして、心が死ねば、身体がそうそう持つとは思えないしねー。
だから、さっそく──。
「いっただきまーーーーーーーす♪」
あーん。
「…………ぉ?」
射しておいたミートフックから外して、
うつろな目の、あー……シェイラちゃん(そう、今思い出した!!)を舌で掴み上げると、さっそく足先からいっきまーーーーーーーーす!!
「うっひょぉぉぉお、うっまそ~」
舌たる血がすでにジュ~~~~スィ~~~!!
「なので、よいしょぉぉお♪」
っと、
バクゥ!!
──ぶしゅーーーーーーーーーーーーーーーーー!!
「────ぎぃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー?!?!」
齧ると同時に、ものすごい悲鳴が上がり、
シェイラちゃんが口から妙な色の液体を吹き出した!
「ウホッ!」
おんもしれぇ♪
胆汁とか胃液とかそういう奴~?
血と混じって、なんかオレンジっぽい────……っていうか、んんんんまっ!!
これ、
「んっっっっ……まーーーーーーー!!」
思わず舌でガッツポーズ。
の、
脳が……痺れたぜ。
これこれ!
これを待っていたのだよ。
「あぁ、サイコーだね!」
最後に叫んだシェイラちゃんのお肉が、最後の最期に見せるこの命お味よ!!
まさに、ラストミッション──最後の命の輝きを見せてくれたシェイラちゃんに大感謝──ッ!
「うぎーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!! ぎーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
ジタバタ、ジタバタッ!
「ぎがぁぁぁあああああああああああああああーーーーーーーーーーーーー!」
ひゃはっ♪
そのうえ、この大暴れっぷりよ。
心が死んだとか誰が言ったんだかぁ♪
「ひゃ~はっはぁぁ♪ いいぞーいいぞぉ。もっと叫べ叫べぇぇ」
そして、暴れろ~!
ブンブンと、ほとんどまともな骨も筋肉も筋も残っていないのに、暴れる暴れる♪
暴れるおッ肉ぅ~♪
「そぉれ、いいぞー」
ほぉれ、がんばれ!
「もっともっと~! んー。も~ぐもぐもぐ♡」
これこれ。
──暴れるほどに、喉ごしが最高だぞー!
「ぎぃぃいいいいいいいいいいいいい、うぎぃぃいいいいいいいいいいいいいい!!」」
ひゃは!
それそれ!
「それだよ、それ! やっぱりガキ肉は新鮮で大暴れさするに限るぜー!」
これぞ、ガキを食ってるって感じ!
しかも噛めば噛むほど旨味がでるし、痛みと痛みと痛みで暴れまわるので、マジ最高。
なので、さらに暴れろとわざとゆ~~~~っくりと噛みしめると、
「かぁぁ────────ッ?!」
一際、ビクゥ! と跳ねるこの瞬間がまたいい!
「ん~。デリ~シャス♪」
やっぱ、シェイラたんってば、しみじみとうんめぇぇえわッ。
ここ数か月一緒に過ごした思い出が……(あったっけ?)走馬灯のように流れるぜー。
「つーか、やわらか~い。ゆっくり噛まないと、すぐ飲み込んじゃいそうー」
ごりごりごりっ!
めりきききっ……!
「うっ、うギィィィイイ! ぎぃぃいいいいいいいい!! ぎっぃIIIIIIIIIIIIIIII#$$%#%&’(’!!」
あははははは!
あははははは!
あははははは!
「あははははは! 『IIIIIII』だってさ、あはははははー!」
「%$&%$’$%&%’%&$’%%&$&%ぃぃぃいいいいいいいいいいいいいいいいい!!」
ひゃ~はははは!
うひゃはははははは!
もはや何言ってるかわかんねぇぇ。
つーかそれ悲鳴ぃ?
めっっっちゃ叫んでる~ぅ♪
「いーや、マジたまんねーな!」
見てて面白いし、聞いてて楽しい。
そして、噛んで味わって超最高ぉぉお!!
「んんんー溜まらんね。ホントこの味を待ってたんだよー」
この味、
この喉ごし!
「いやー、マジでうめぇ。これは、ひょっとするとアマリアちゃん超えたかもー」
じっくり噛みしめ、転がすようにして味わうと、ゆっくり歯を立てるたびにじんわり広がる旨味!
なんていうか、こう──アマリアちゃんとは味の方向性は全然違うんだけど、
「この旨味が……旨味がやッべぇぇぇ!」
しかも、数か月かけてボッコボコにした甲斐もあって、お肉がまーーーーーー柔らかいのん♪
そして、やはりアマリアの弟子だけあって、
自我がないくらい、全身バッキボキにしてやったのに、ほらほら、ま~だ喉で暴れてるぅぅう!!
「────ぐ。かぁぁーーーーーーー?!?!?!」
お?!
お、おぉ、すげーーーー!
「見た見た?! 今の見たぁぁ?!」
い、いま一瞬、口から逃げ出そうとしたぞー!
この圧搾機がごとく、ワーム類の口のように内を向いた棘と牙だらけの絶対に獲物を逃がさない構造のこの口の中から逃げ出そうとしたぞー!!
これだよこれ!
この命の輝きを見たかった!!
「やー! 凄いぞシェイラちゃん! マ、マジでこれで自我がないのー?!」
絶対に嘘でしょ?
もう、半分死んでるみたいに言われてたのに、嘘でしょ!? もし、本気で逃げようとしているなら、これは本当に凄いことだぞー!
「よーし、頑張れ頑張ばれぇ!」
絶対に逃げられないけど、
もっともっと暴れるのだあっぁあ!
そうして、こうして、絶対逃れられない口の中で無意味で無慈悲で無駄な必死の抵抗を見せておくれー!
「ひゃはははは! ひゃははははは! うめぇーし、いやー凄い凄い! これは凄いぞー。絶賛、喉でビクンビクンいってる!!」
シェイラちゃんを喉奥でピクンピクンと感じるよぉぉ!
「こ~れだからガキ肉は最高なんだ!」
生きたまま丸飲みはやめらんないね!
しかも、高級ガキ肉ッ!
なにより……。
「お。…………おぉぉー、まだか! まだ頑張るのかシェイラちゃ~~~~ん?! 君は、どこまで頑張る?! そして、どこまで「私」の中で動けるのか~?!」
凄い。凄いぞシェイラちゃん!
動いてる、動いてるぞ! 喉奥で必死に生きようと這いまわってるぞぉぉおお!
──さらには、今度は手まで外に出しやがった!
「オェェエっと……。ま、バツンッ! と噛み切っちゃうんですけどぉぉ!!」
バツンッ!
「──ッ、あぎゃぁぁぁあぁっぁああああああああああああああああああああああ!」
「ひゃはぁぁぁああ♪ 『あぎゃー』だってさ~(笑)」
ぎゃはぁ! この子、マジ受けるぅ。
そして、この手コリコリしてるぅ!
「んッま~~~ぃ♪」
いや、これこれ。マジでコリコリやん!
この生き延びようした手が超うめぇぇ!
つーか、骨ってまだ残ってたんだー。
「うふふ。さすがは這い出ようとしただけあるねぇ」
よいしょっと!!
「せっかく頑張ってるから、ちょっと別の刺激をー」
ふんっ!
──バキメキメキッ!
「ぐぶぁぁぁぁああああああああああああああああああああ!!」
おぉ、さすがにこれは効いたかな~?
『ぐぶぁー』だってさー。
ケラケラケラ!
「しっかし、うーむ……」
全身粉砕したのに、スゲーなこの子……?
どこまで行くのだろうか、限界の先が見てみたいぜー……って、
「ん? どしたのミユちゃん?」
ポリッコリッ♪
メキキキキッ♪
『う、おええええ!……げぇ! うげぇぇぇええ!──こ、この子、これでまだ生きてるの?!』
「おうおう! 生きてる生きてる! 絶賛、全身を丹念に圧搾しながら生で踊り食いしてるところだぜー」
これがマジで楽しくて、うまいッ!!
やっぱりガキは生きたまま踊り食いが一番だね!
「それも、おかげさまで、すっごくジタバタ暴れてるぅ!! いいぞ~もっともっと、喉奥で暴れろぉぉお♪」
そうして、私の喉ごしを楽しませておくれー。
それが、サイコーなんでだぜ、シェイラちゃん!!
「……つーか、ミユちゃんは人の部屋で吐くなよー。向こういってー」
嫌なら見んなし。
こっちは楽しんでるんだからさー。
『う、うるさい! おぇぇぇえええ』
「ちっ」
気分悪いわー。
つーか、シェイラたんに失礼すぎん?
みてよ。
……ついには、最後の抵抗とばかりに、なんと口から顔をだしたままシェイラちゃん!!
「すげぇぇ! そこまで頑張るか!」
「おごぉぉぉおおおおおおおおお!!」
ほ、ほらー。
「怒ってるっぽいよー」
出て来た頭をなでなで。
まったく、こんなにもシェイラちゃんがせっかく頑張ってるのに、
そのパクパクと激痛に絶えているらしい姿をみて、ミユちゃんがゲーゲーしているとかさー。
「酷いよ、ミユちゃん!」
謝って!
命に、お肉に、シェイラちゃんに謝って!!
『ふ、ふざけんじゃないわよ──おっぇぇぇえええ』
「こっちのセリフー」
マジふざけんなよ。
きったねーなー……。
つーか、ミユちゃんの吐しゃ物って清掃できるんだっけ?
そもそも、何を吐いてるのこの子。食べ物なんか食われていらい、一切接種してないでしょ~に。
「──ま、どうでもええわ、ミユちゃんなんぞ」
そんなことより、今はシェイラちゃんに集中だ!
いやさ、マジで美味さがやべーのぜぇ!
必死の抵抗もクッソ受けるしー。
「……うーむ。シェイラちゃんに無限の可能性を感じるね。実際、もぐもぐしないでも、こうして無理くり出て来たところを、こう……咥えた感じで半身浴状態にしているだけでもこの味!」
いやー命の味ですなぁ。
必死に生きようと、逃れようとする命の味ですなぁ。
だから、もっともっと頑張って生きようとしてほしいぞー!
「いっそ、ほら!! このまま二、三日もぐもぐしてるのもありかも?! たしか、前にガキを飲み込んだ時は、喉奥やら胃の中で半日は叫んでたはず──そして、シェイラちゃんなら、きっとのその先にもいけるかも!」
なにせシェイラちゃんはその辺のガキと違って、Sランクパーティだもんね!!
よーし、決めた。
せっかくなのでゆっくり喉奥で圧搾コースにしちゃおうかな?
「というわけで、悪いね~シェイラちゃん。すぐにでも、アマリアちゃんとかルドルフ君とお腹のなかで同窓会させてあげたいけど──このまま、もっともっと口の中でずっとクチャクチャしさせてねーーーー!」
だって、この美味さを永遠に感じていた~~~い、のだ!
……と、宣言したのも束の間。
あまりの美味さに、口から喉から、唾液が出る出る! 出~る出る。
そのおかげで、ついにはあのシェイラちゃんがするすると喉に吸い込まれていくー!
「あ、あ、あ、ま、まずいまずい!」
ダメダメ!
の、飲みこんじゃうっぅ。
「なんとかこうして、もっともっと味わいたいのに──こう……口先でクチャクチャしているんだけど、ドンドン飲み込んでしま~う」
ああああ、
ダ、ダメだー!
「お、美味しすぎて飲み込んじゃうー!!」
あとはもう、あっさりと喉奥を過ぎて、胃にするっと──……。
ベキバキボキバキボキッ!!
「──おごぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッッ?!」
おっほぉ♪
なになに!? 急に大声出してどーしたの?! 痛いとこに当たったのかなぁ~?
すっごい、オホ顔(?)をしているシェイラちゃんだけど、
その叫びを最後に、抵抗もむなしく、圧搾機がごとき喉奥で柔らかくなってきちゃったー。
「あー、だけどやっちゃったな。もうちょっと喉ごしを楽しむつもりが、このままだと胃に直行してしまうー」
あんまし柔らかくなった体で暴れるもんだから、つい胃の蠕動運動で奥へ奥へ──。
「……つーか、これで自我ないの? すっごい暴れてね??」
声もデケーしー。
『い、痛いのよ!! 滅茶苦茶痛いのよ!! ぅぅ、うげぇぇぇえええ……ッッ!』
思い切りえずくミユちゃん。
いや、痛い言われても知らんて。
あと、吐くなって言ってるのに、もー……。
「つーか、柔らかくなるまで丹念に熟成させたんだから、痛いとかそれどころじゃなくね?」
『アンタには分っかんないのよ!!』
それはそう!!
まぁ、柔らかいもないにも、もはや、数か月もボコしたおかげでまともな骨らしき骨が残ってなさそうなシェイラちゃんなので、そのままゴクゴクと飲み込まれていくしかないんだけどねー。
「しゃーない。喉奥で圧搾コースは諦めよう」
このまま、飲んじゃうほうがおいしい気がする。
そして、うん。
わかった!!
このゴクゴク行ける感じ、そしてこの喉ごし──……つまり!!
「──シェイラちゃんは飲みものでーーーーーーーーす!!」
いやいや、ようやくわかったわ、この喉ごしの感じ!
そう、まさにカレーだ。
しかも、じっくりコトコト煮込んだ奴。
いわゆるカレーは飲み物──とかああいう方向だね!
……まー、美味さはカレーどころじゃないけど、っていうかカレーってなんだよ以下略!
「──つまり、うんんっまーーーーーーーーーーーーーい!」
「ぉ、ごっ!……ぎぃぃぃいいいーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
うほっ♪
シエラちゃんてば、
ついには大型昆虫の高周波みたいな声だしてるぅ!
つーか、自我はないし、喉もグッチャグチャで肺だってボロボロだろうに、そんだけよう叫べるわー。
「しっかし、あの可愛かったシェイラちゃんがもはや見る影もないねぇ」
ぐぃっと、
喉奥に飲み込まれる寸前に、口から突き出してるその顔を舌でこっち向かせる。
「ひゅ~……ひゅー……ひゅー……ぅ」
うむ。
……いや、ぶっさいくだわー。
「だけど、そんなボロボロなのに、喉奥で全力で暴れてくれるなんてね……。超サンキューーーーーーーーーーーーーーー!!」
頭(?)を舌先でナデナデ。
そのまま、するすると喉奥に消えていく彼女をバイバイで見送ると、なんかそれを拒否するかのように、まだまだ暴れて抵抗!
す、すげー。
この子スゲー!!
「い、いいぞー! もっと必死で暴れるのだ!!」
そのまま、
そうして「私」の満足度を上げてくれるがいいわぁぁあ!
「ギャーハハハ! いいぞいいぞー。最後の最後まで、喉奥で悲鳴と断末魔を上げて全力で抵抗するのだぁぁぁ!」
御礼に、
ゆっくりゆっくりゆっっっっくり食べたげるからねーーーーーー!!
「あぎぃぃいいーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
「うん! うん♪ うん♡」
すっごい絶叫とともに、ついに力が抜けていき、シェイラちゃんの姿が喉奥に消えていく。
それを、さもうまそうに「私」は、ゴク、ゴク、ゴク♪ と、喉を盛大にならして飲み込んでいく。
すると徐々に徐々にシェイラちゃんが溶け落ちるように、首から下を喉のさらに奥へと滑り込ませて……。
ごっくん♡
「おほっ。胃に落ちたぁ!」
だけど、まだだよ、
まだ頑張れるよね、シェイラちゃん!!
「おーし、そこからもういっちょ頑張ってみようか!」
最後の命の輝きを見せておくれ!!
ほ~ら、がんばれ、頑張れ~♪
もうちょい、もうちょぃ~。
そう、静かに優しく話しかけつつ、シェイラちゃんが未だ生きていることを実感しながら…………あとは、そのまま圧搾機がごとく、喉奥で全身を絞っていく!!!
──ふんっ!!
バキ、メキメキメキメキッ!
ゴキキキキキキッ、バキンッ!!
「お、が……。か……。かぁっぁあっーーーーーーーーー………………ぁ」
ぶしゅーーーーーーーーーーーーーーー……!
……ボンッ!!
「おっほー!?」
す、すっげー!!
なんか最後に口とか目とか、鼻・耳から、凄い色の血を吹き出したと思ったら、シェイラちゃんてば、ついに沈黙。
最後の最後は、人体からしちゃいけない音を立てて、ついに、そのまま喉の奥に消えて行ったーーー。
──げ~~~~~~っぷ♡
「ふぃー……マ~ジでうんっめぇぇ」
シェイラちゃん、最高かよぉ……。
「いや~、よかったよシェイラちゃん♡」
君の味も、声も、体も最高だったよーーーーー!
命にありがとーーーーーーーーーー!!
……ゲプぅ♪