ミミック転生~人食い箱の食味記録~   作:LA軍

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第48話「ハインドD!」

 バッキーーーーーーーーーーーン!!

 

 

 

 金属が砕ける澄んだ音が響き渡る中、

 屠殺場と化した「私」の部屋に颯爽と(?)乱入したのは、4人の冒険者らしき連中であった。

 

「ちぃぃ! ここで増援かー!」

 

 さすがにこのタイミングはまずい。

 せっかく大漁に気をよくしていたのに、邪魔をされた気がして腹が立つ。

 

「なによりあと3匹なのにぃぃ……」

 

 くっそー!

 

 オマケに、いきなり敵が突っ込んできやがったせいで仕込みの暇もありゃしない。

 奇襲が身上のミミックが、敵に丸見えの状態で会敵だ。

 これはちょっとよろしくない。

 

(……しかも、こいつ等雑魚じゃないなー!)

 

 めんどくせー。

 

「ぬぅ! これは面妖な!」

「サンダースさん! 敵は一匹……ミミックです!」

 

 はい正解!!

 

 サンダース何某という、一見野武士のように見える偉丈夫の背後には、フルプレートアーマーに身を包んだ3人の重装備兵がいる。

 

 なるほど。

 どうやら、こいつらが本命の冒険者らしい。

 

「ほう、ミミックとな? それはあれか。宝箱に、……ぬぅん?!」

 

 

 ギィン!

 

 

「ひゅー! やっるー!」

 

 呑気に喋っているアホかと思いきや、コイツ……ボウガンの一撃を跳ね返しやがった!

 見た目通り、並みの剣豪じゃなさそうだ?

 

「ふんっ。……魔物が喋り。武器を扱うとはな。ダンジョンとは奥が深いのぉ」

「それってば魔物差別じゃなーい」

 

 「私」は、ぽいっとボウガンを投げ捨てて、次の機会をうかがう。

 

 そのうえで、一見雑談をしつつもジリジリと間合いを詰めようとするサンダース。

 さらには、背後で彼の援護をしつつ、生き残りの学生を救出しようとしているフルプレートアーマードども!

 

 うーむ、これ結構ピンチかもー。……って、おいおい! まてまて!!

 

「──そ、それは今日の晩飯だぞー!」

 

 明日の朝飯かもしれんけどぉ!

 

 くっそー。

 ジリジリと睨みあいをさせながら、さりげなくガキを逃がそうとしてんじゃないよ!

 

「あーもー! 勝手にお持ち帰りされちゃたまらないね!」

 

 そう言いつつ、死体の間を縫いながら死角からの舌撃&ミユちゃんナ~~~~~イフ!!

 

「効くかよ!」

 

 

  キィィン♪

 

 

 ほ!

 やっるー。

 

「……しかも、思った以上に、かって()ーのな」

 

 偉そうに(のたま)いやがったのは、いかにも雑魚にしか見えない背後の3人だ!

 

 くっそー。

 どうみてもモブのくせに、こいつ等、意外とやる!

 

「舐めるなと言った! そんな攻撃が効くかよ。こちとら、魔鉄製の鎧だぞ!──そう簡単に貫かせはしない!」

「あっそー」

 

 チッ!

 

 魔鉄がなんなのか知らんけど、装備までイイときやがるか。

 

 これは参ったな。

 奇襲はできないのに、相手は武器も防具も上等な相当な手練れだ。

 

(見た感じ近接専門が4人かー……)

 

 野武士みたいな奴は、見るからに近接専門で、パワーが半端ない! 今は最初の飛び道具に警戒してこちらににじり寄るだけだが、あの刀から繰り出される一撃を食らえばこっちは即死だろう。

 

 なにせ、こちとら堅そうに見えてもただの宝箱なんでね!

 当たり所が悪かったら一発破壊。

 

 だって、ガワの大半は木製ですよ木製ー! フレームは鉄っぽいけどね。

 

 ……そして、もひとつ厄介なのがあのフルプレートアーマーの3人だ。

 奴等、いかにも近接専門の重騎士といった出で立ちだが、中身までは分からない。

 

 ああみえて、魔法使いかもしれないし、ローグが混じっているかもしれない。

 つーか、ダンジョンで重武装ってどうなの?……と思わなくもないけど、この程度の深度のダンジョンならあれでもいいのだろう。

 

「って、うぉぉおい?!」

「──ぬぅん!!」

 

 は、はやっ!

 

 驚いたのも束の間。

 ほとんど予備動作なしでブォンッ! と野武士大ぶりの攻撃が来る。

 

「縮地って、やつかー」

 

 そぉい!!

 

 あわてて、足元の死体を巻き上げて盾とするが、それ諸共貫く一撃だ!

 

 

  パァァァアン!!

 

 

「ぎゃー! ご飯がぁぁ!」

「笑止ッ!」

 

 わ、笑ってねーよ!

 何とか先生の死体が真っ二つに切れるも、それをものともせずに迫る一撃をみて笑えるかー!

 

  ──ガンッ!

 

「い、ってぇぇえ……」

 

 しかも結局命中したしー……。

 んだけども、止めたぞぉー。

 

「むぅ……狭いな」

「そりゃね!」

 

 ここ隙間やもん!

 

 そして、野武士の刀を止めたのは、武器でもなんでもなく「私」のボディだ。

 それもいい感じに宝箱ボディを構成する鉄のフレーム部分にあたったらしい。

 

「まぁ、そこに誘導したんだけどさ──!」

 

 こ〜いつ、「私」が1×1の空間にいるものだから、大上段で振りかぶりやがった!

 おかげで刀の切っ先が一度天井にあたり大幅に速度が落ちて幸いに助かったというわけ。

 

「ぬー!……ならば突くのみ!」

「そんな暇やるかー! オロロロロロロロロー!」

 

 ボディの傷は問題ない。

 今日一日たらふく食ったので回復ボーナスがついてみるみる直っていくからね。

 

 そして、たらふく食ったのなら、

 当〜然お腹の中には、黒髪眼鏡の美少女ちゃんの半身をはじめ、踊り食いした学生なんかがた~っぷり入ってる──それを発射してやったぜ!

 

 

 

 名付けて──学生ビーーーーーム!!

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