ミミック転生~人食い箱の食味記録~   作:LA軍

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第66話「ミミック軍団」

 ぐーりぐりぐり!

 

「ぐぁぁぁあああああああああああああ!」

 

 おー。いい声。

 重傷の衛生兵めがけてグラハム君ソードを突き刺し抉ると、面白いくらいに悲鳴が上がる。

 

 しっかし、騎士かー。

 

 脳筋ばっかかと思いきや、血が力に満ちてて、うまそーだな。

 衛生兵ってことは回復魔法とか使えるし、ポイントも味も超絶期待できるね!

 

「へへ。軍隊が相手ってので、最初はちょ~っと身構えたけど、なんてことないなー」

 

 むしろ、ある意味冒険者より行動が読みやすい。

 そもそも、ダンジョンに特化した軍隊なんて聞いたことないし、案外カモかもしれないな。

 

「よーし、決めた。とりあえず、お前らは全員昼飯だー!」

 

 いまが昼かどうか知らないけどねー。

 まだまだ生徒肉でストレージがパンパンなので、贅沢に13人ぜんぶ美味しい所だけ食い散らかしてやるぜー!

 

「あ、13人と言えば……こっち(・・・)は仕留めとくね。どーせ、あんまし効果ないでしょ?」

「え?……あびュ!」

 

 13人目は、衛生兵とは別の、重傷で転がっていた冒険者。

 ……たぶん雇われた雑魚かなー。

 

 そいつは、重傷の身ながら、状況を察して息を殺していたみたいだけど、無駄無駄。

 どのみちその大やけどで長くはないし、あっさり首を刎ねておく。

 

 ただ、なんかそいつの血がリーデルちゃんの煮え死体に絡まってちょ~っと不快感ましましだけど……、まーしゃーない。

 ブラッドソースでもかかったと思っておこう。

 

「──ほい。そんでこっちは返すねー」

 

 ぽ~いっと、冒険者の生首ほうりなげてやったら、バシンッ! と盾で弾きやがった。

 やっぱり、雇いの冒険者には興味なし、か。

 

「舐めるな! 我らは騎士! 映えある近衛騎士団のつわものですよ!──……総員、構うことはありません。かの衛生兵には栄光の死を!」

「は?」「へ?」

 

 思わず顔(?)を見合わせる「私」と重傷の衛生兵。

 

「ってことは……」

「そ、そんなぁ──」

 

 …………お、おぉ?!

 ってことは、まさかやる気(・・・)かー?!

 

「ひゅー。思い切ったね、ベンウッドくーん!」

「ちょ、ベンウッド卿、まさか──」

 

 真っ青な顔をしたのは見捨てられた衛生兵。

 どうやら、ベンウッド君の言葉に意味に気付いて真っ青になる。

 

「すもませんねぇ。それもこれも任務のため!……そして、総員! 全責任はこのベンウッドがとる! 撤退、撤退ッ! 総員撤退ぃぃい!」

 

 …………って、あ、ああ!

 そっち(・・・)か!!

 

「そ、そんなぁぁああ!」

 

 あははは!

 見捨てられてや~んの!!

 

「ま、そう来ると思ったよ、君なら!」

 

 それか、いっそ射殺すかと思ったけど、そこまで非道ではなかったみたいだね。

 そこだけはちょっと見直した。

 

 ──とはいえ、この状況で見捨てるのも大概酷いと思うけどねー。

 

「奴の戯言に構わないでください! 敵はたったの一人、いえ、ひと箱です! 正面からの攻撃に注意していれば安全に撤退できます!」

「はっはー、ひと箱とは言ってくれるねー!」

 

 そして、

 正面だけガッチガチに防御して勝てると思ったかーい?

 

「──甘いわッ! こっちがいつ、ひと箱……おっと一人だと言ったぁ?」

 

 こっちは一人どころかさぁぁ、

慕ってくれる(・・・・・・)子供たち(・・・・)がた~くさんいるんだよ!」

 

 舌なだけにね!

 

「出ませい!!」

 

 

 可愛い生徒肉よ!

 

 レッツ嘔吐ぉぉぉお──オロロロロロロ!

 

 

「うわっ! コイツなんて真似を」

「こ、これ腐った死体ですよ!」

「ぐわ! く、口に──!」「目が、目がぁぁあ!」

 

 あははは!

 直撃ぃぃ!

 

「おーらおらおらー」

 

 出るわ出るわ、た~っぷりでるわ。

 まるでホースで水でも撒くみたいに死体がでるわー!

 

 オロロロロロロロー!

 

「……おえっぷ。うー。なにせ、十数人は食ったからね!!」

 

 あーキッツ。

 

 だけど、この子ら美味かったなー。

 思い出しただけで、涎が出るぜ!

 

 生で踊り食いしたり、丸齧りしたからなー。

 そして、その食い溜めしておいたガキ肉のオンパレードを今ここにッー!

 

 まだまだ出るよ。

 

「──いっけーーーー!」

 

 

 学生ビーーーーーーーーム!!

 

 

「ぐぉぉお! 防御。防御です! こんなのただの死体ですよ!」

「「お、おおう!!」」

 

 あははは!

 その死体がただの死体だと思ったら大間違いだぞー!

 

「バーカめぇ。なんのために、食い溜めして腹の中には生徒の血肉に骨をた~っくさんため込んだと思ってんだーい!」

 

 そのなかには丸飲みした生徒肉が複数に、

 他にも血のこびりついたままの冒険者らの骨がまるまる入っているんだぞ!

 

「なんなら、さっき食ったばかりの生徒肉も入ってるぜー」

 

 オロロロロロロロロ──!

 

「そして、それをそのまま吐いたら──……」

 

 

  くわっ!!

 

 

 目(?)を見開き叫んで(とどろ)せるのだ!

 

「……いけーい! 我が軍団よ!!」

 

 そして、だーれがひと箱(・・・)だって?

 舐めんなよー。

 

「これが奥の手! 猫の手、生徒の手!!」

 

 

 ──ミミック軍団だー!!

 

 

 

  うぎぎぎぎぎ……。

 

   あ゛う゛う゛う゛う゛う゛……!

 

 

「「んなぁぁ?!」」

「な、なんですか、これはぁぁああああ!」

 

 あはは!

 

 来た来た来たー。

 起きてきたぁぁあーー!!

 

「さぁさ、おいでませー、生徒諸君ッ。こちらは、君たちを捜しに来てくれた、かっこいー騎士の皆さんだよー」

 

 せっかくだからさー、

 たっっっぷり出迎えてあげるがよろしッ!

 

「いけぇぇい!」

 

「くぅ! スケルトンですか!? い、いつの間に!」

 

 いつの間もなにも、

 

「──今の間にだよ!」

 

 そして、

 スケルトンだけじゃないよ!

 

「ベ、ベンウッド卿──後ろです!」「横にもいます!」

 

 そのとーり!

 

「ぞ、ゾンビです!」「ゾンビが急に!」

 

「「ア、

 

 ──アンデッドの群れが出現しましたぁぁ!

 

「「うわぁぁ?!」」

 

「あーはははは!」

 

 どうだぁ!

 これでも一人だって言えるかーい?

 

 突如、周囲から生徒アンデッドに襲撃された騎士たちが悲鳴を上げる。

 正面からの攻撃だけに注視していたせいもあって、それはそれは見事な奇襲となるだろう。

 

「見ぃたかぁ! これが「私」を慕う(・・)生徒たちだよー!」

 

 いけぇぇえ!

  ぶっ殺せぇぇ!

 

 皆を丹念に舌でたっぷり味わったからね。

 皆に存分に慕われてるよー。

 

「そして、君ら、捜索隊にその生徒の身体を君らが切れるかーい!」

 

 何の罪もない、

 無垢で清楚で可愛らしい子供たちだよ!

 

 そして、大切に大切に育てられた高級肉のかぁたまり()だぁぁあああ!

 

「ぎゃははははは──行けぇっ! 襲えッ、戦えッ!」

 

 そして、

  食われた分だけ、

   食い返してやれー!

 

 

とぉぉつげきぃぃいい(突撃)ー♪」

 

 

 

 

 

  ぐるぁ゛ぁ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!

 

 

 

「あははははははは!」

 

 こうして、

 無数のアンデッドが教室を徘徊する──……!

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