ミミック転生~人食い箱の食味記録~   作:LA軍

68 / 68
第68話「残党」

 いえー♪

 「私」最強!

 

 舌でガッツポーズ♪

 

「いやー。しかし、強いんだねぇ、騎士って」

 

 ちょっと舐めてたわ。

 そして、最初から特攻覚悟で来られたらマジでヤバかったわー。

 

「ま、それでも、勝ったのは「私」だ」

 

 くたばったベンウッド君の頭を舌でペシペシ叩く。

 

 どーだぁ。

 一対一なら負け知らずよ!

 

 ふっはっはー。

 

 

 

「ぐ。ま、まさか全滅だと……?」

 

 

 

「ん、誰ー?」

 

 全部仕留めたはず──……って、ああー。

 

(……そういやいたな、コイツ)

 

 忘れてたわ。

 

「よー。今頃お目覚めかい、隊長さーん。悪いけど、もう勝負ついたよー」

「くっ……。そ、そのようだな? 貴様がこれを?」

 

「まーねー。この子も結構強かったけど、「私」の方が強かったということで──」

 

 声のしたほうにゆっくり視線を向ければ、

 茫然とした表情のゲーツ隊長とやらが、ランス片手にぐぐぐっと身体を起こしているところであった。

 

 トドメは……。

 

「……ま、いっか」

 

 どーせ、すぐ死ぬ死ぬ。

 これはどう見ても、死にかけ5秒前だし──ほっとこほっとこ。

 

「な、なンということだ……。わ、我らは近衛ぞ?! 王国最強の一角の騎士が、なンという!」

「いや、知らんて」

 

 確かに強いは強いし、

 統率は取れてたけどね。

 

「君ら、あれでしょ〜? どーせ、生徒の捜索とか言われてたんでしょー?」

 

 その任務があるせいか、行動が思いっきり鈍ってたしね。

 

「そんな(かせ)付きの連中に「私」が負けるわけがないじゃ〜ん」

 

 ぶっちゃけ、

 こいつらが間抜け面で部屋にはいった段階でこうなるのはわかっていた。

 

「人様のテリトリーでさー、半端な覚悟でノコノコとアホ面で来て無事で済むとか、ほんとに思ったのー?」

 

 ばーっかじゃねーの?

 

「ま、唯一勝ち目があったとしたら、最初から、爆撃することくらいじゃね?」

 

 そしたら、誰も死なずに勝ってただろうけどねー。

 

「ぐ、ぐぬぅ……」

「……まぁ~、その時はそん時で、別の手段を考えただろうけどさー」

 

 あははは。

 

「ぬ、ぐぅぅ……。む、無念だ」

 

 ガクンッ。

 

 すでに瀕死だったゲーツ隊長もここでついに力尽きる。

 命の灯が小さくなっていくのがここからでもありありとわかる。

 

 ──せっかくなので、そのまま死ぬに任せようと思う…………ん?

 

「そう、か。ククク……。なるほど、なるほど──最初から、そう、か」

「あん? 何ブツブツ……って、」

 

 ちょ、ちょっと!!

 

「そうか、そうか、そうであったか──!」

 

 グバァァ!!

 

 死にかけの血だらけの身体を引き起こしたゲーツ隊長さんであったが、

 急になにを思ったか、衛生に応急処置を施されてギリギリ生きているだけの体に鞭を撃つと、こっちに向かって全力疾走!

 

「え? え? え? ちょ、何の真似?!」

 

 怖い怖い怖い!

 

 き、切るよ?

 刺すよ!

 

 殺して食うよ────……って、うぉぉおおおおおい!

 

「そ、それ爆弾じゃん!」

「貴様が言ったのであろうが!! 最初から、爆撃しておけとなァァアアア!!」

 

 いや、言ったよ!!

 言ったけど、言ったのは「最初(・・)」な!!

 

「お前のやってるの、ただの最後の自爆じゃねーかよぉぉお!」

 

 最後も最期!

 まさに最初と対極!

 

「同じことよぉぉぉおお! 貴様だけは────ころーーーーーーす!」

「じ、じーざす!」

 

 神も仏も知らんけど、ジーーーーーザス!!

 

「ぅおおおおおおおおおおおお──王国バンザーーーーーイ!」

 

 やっかましいわ!

 何が王国万歳じゃ!!

 

 全然、万歳じゃねーわ、こん畜生がぁぁああ────……ザクぅ!

 

「ちぃ、浅いかぁ!」

「ぐがぁっぁ!」

 

 ズシーーン!!

 

 正面切って迎撃したのはいいが、慌ててたもんだから、足を狙った斬撃が──浅い!

 それでは瀕死とはいえ、重装甲の騎士はやれない!

 

「だ、だけど動きは止めたぞー!」

 この距離なら爆破してもギリギリ──。

「はは! それがどうした!」

 

 

 バサぁぁ!

 

 

「んなぁぁああ!」

 

 な、何個持ってんだよ!

 

 無様に転がったはずのゲーツ隊長が、見ろぉ! とばかりマントを広げると、なんとそこに爆弾がぎっしり!!

 一個や二個なら、離れた位置で爆発するくらいならなんとか防げたかもしれないけど、これは──……無理だ!

 

 

 

 

 

「死ね、化け物」

おーまいが(Oh My GOD)

 

 

 

 

  カッ!

 

 

 

 

 刹那。

 

 最後に見たのは、満足げに笑うゲーツ隊長と……そこに降り注ぐ『(たらい)トラップ』であった。

 

 




お読みいただきありがとうございます!
是非とも高評価、お気に入り登録よろしくお願いします

次回、
最期の最後……?!


感想も返してないけど、みてます!
ありがとうございます

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

【完結】VRMMOで【食屍姫】になった無職だけど、現代ダンジョンでも化け物扱いされ始めて嬉しいです!   (作者:ちんこ良い肉)(オリジナル現代/冒険・バトル)

「働かずに食う飯は美味いか?」「めちゃくちゃ美味いに決まってるわよね?」▼親の小言に白米を頬張りながら満面の笑みでそう返してしまった玉織紬(たまおりつむぎ)は鉄拳制裁と共に毎食をもやしに変えられた。▼大学を中退し、実家で生もやしを主食に生きる無職の玉織紬は、日雇いバイトすらまともにこなせない社会不適合者だった。▼だが、胡散臭いVRMMO【エリュシオン・オンラ…


総合評価:3835/評価:8.55/完結:83話/更新日時:2026年06月02日(火) 11:54 小説情報

いや、死神とか聞いてないし(作者:わお)(オリジナルファンタジー/冒険・バトル)

死神少女にTS転生してしまった一般人。▼本人はただの下っ端役職だと思っている。▼だがそんなはずもなく。


総合評価:2713/評価:7.82/連載:9話/更新日時:2026年05月20日(水) 20:31 小説情報

TS転生したら人類の敵だった(作者:生しょうゆ)(オリジナル現代/冒険・バトル)

私の名前は伊藤桜。前世の記憶がある女子高生!▼そんな私はある日、自分の家族を惨殺し、この世界に原作があることを知ったのだった。▼この作品はカクヨムにも投稿しています。


総合評価:4759/評価:8.51/連載:28話/更新日時:2026年05月27日(水) 23:09 小説情報

ロマン職は異世界から帰りたい(作者:庶民ザウルス三世)(オリジナルファンタジー/冒険・バトル)

これが絶対浪漫の力だ!▼人は夢を見る。▼そして、効率よりも自分の“好き”を信じて、浪漫を追いかける者たちがいる。▼ソロ専、人見知り。▼だけど、クリティカルが決まった時の一撃だけは誰よりも重い。▼そんな趣味全開のロマン職キャラを愛した男は、課金帰りの事故をきっかけに、ゲームで使っていた女性キャラ――ラシア・ラ・シーラとして異世界で目を覚ます。▼しかも、レベルも…


総合評価:4815/評価:8.67/連載:99話/更新日時:2026年06月03日(水) 07:12 小説情報

TS転生人外ロリ、厭世魔法少女の使い魔になる(作者:蓋然性生存戦略)(オリジナルSF/冒険・バトル)

とりあえず地球が爆散して転生することになった人間が一人。▼元凶を名乗る自称神様モドキに願いを聞き届けてもらい、TS転生人外ロリになった彼は、転生直後に浮かれた気分だったためにボコられ、とある魔法少女の使い魔にされてしまう。▼最初は死にたくないがための投降だったが、次第に魔法少女《エンドロール》の私生活の彩りの無さに対し、お世話魂に火がついた。▼これは、厭世家…


総合評価:4335/評価:8.71/完結:12話/更新日時:2026年05月15日(金) 14:40 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>