うめぇ!!
うめぇぇええ!!
「ぎゃはははははは!」
うめぇっぇぞぉぉぉお!
「いやー、たまんねぇねな、ガキ肉は」
積み上げた25体の死体の腹をガツガツと食い漁る。
その鮮血が飛び散り周囲に凄まじい血の匂いが立ち込める。
やー。いい匂い!
しかも、これを好きに食い散らかしていいなんて、最高だね!
「こりゃ、ビュッフェスタイルにしてもいいかもなー」
学生肉をケチケチ食ってたのがバカみたいな量だぜ、ゲーップ。
目の前に山と積みあがったガキ肉の群れをみて、満足気におくびを漏らす。
「ふいー……! お腹ポンポン」
いやー。
も、もう食えない……。
「喰った食った。食いすぎたー」
満足満足ぅ。
『いや、マジでどんだけ食ってんのよ!』
「やー。ミユちゃん。おつかれ、おつかれー。警告はどーだったー」
奴等の槍をつまようじ代わりにしながらシーハーしつつ、
そんで、プッ! と少年兵のどっかの部位を吐き出してから、バカなミユちゃんをせせら笑う。
『くそっ、知っててその言い草。つーか、うげぇ……これ、全部食べたんだ』
「んー。まーね」
さすがにこの量はビックリしたけどねー。
先遣隊を退けた後、多分追加が来るだろうとは思ったけど、まさかまさかの100人前だ。
正確には、たぶん、75人かなー?
「3個小隊で、どいつもこいつマ~ジでアホしかいねーから、こっちも腹パンパンだよ!」
食いも食ったり、75人!
やー。こりゃ、新記録だぜ。
まあ、喰ったのは全部内臓だけだけどねー。保存食の「ひらき」を作るためには、内臓とか邪魔だしー。
『い、一日一人はどうなったのよ!』
「何日前の話だっつーの」
こちとらミミックやでー。
人間くったらパワーアップするに決まってんじゃん!
「今なら。まるっと十人は食える!」
ガキなら詰めれば20人かな?
『じゅ、十人んん?!』
うむ。
試してないけど、そんくらいは余裕余裕。
「あとストレージも増えて、「私」超強くなってるよー!!」
むんっ! と舌で力こぶー。
……まぁ、まだまだ75人も入らないけどねー。
「あ、そうそう。あとさっきガキ食ってる途中で気づいたんだけど、新スキルゲットしたかも!」
『…………は?』
いや、『は?』って君ぃ。
「なに? もっと食いついてよ? あ、喰いつくのは「私」か!」
ぎゃははははー!
『……ミミックジョークはつまんないから! って、なによ新スキルって!』
「や、新スキルは新スキルだよ? なんかこう……口から出す息にパワーが乗る的な?」
うまく説明できないけど、そんな感じ。
『え? それっていつものゲロじゃん?』
「ゲロいうなし」
あれは嘔吐!
立派なスキルだっつーの!
……あ、そうかスキル!!
「ステータスで確認すればいいんだったわ」
え~っと、久しぶりだからどうやるんだっけ、たしかこうステータスでろー……みたいな?
ブンン!!
「お、でた」
『凝視』 熟練度5(UP!)
『舌撃』 熟練度6(UP!)
『食いつき』 熟練度7(UP!)
『嘔吐』 熟練度4(UP!)
『ブレス』熟練度1(NEW!)
「おぉー! これこれ!」
『いや、見えないって前に言ったじゃん』
あ、そうだっけ。
もう、しょうがないなー。
「ステータスに追加されてたわ。なんっていうか、『ブレス』ってやつ!」
『ブレス……え? なに、息のこと?』
多分?
知らんけど──……あ、試せばいいのか。
「ちょっと、ミユちゃんこっち向いてー」
『ん? って、グロっ!』
あ、まだお腹に少年兵の内臓詰まってたっけ。
まぁそれはいいとして──。
「え~っと、こうかな」
ハー。
「どう?」
『うん、不快』
不快いうなや。
君が知りたそうやから試したんやんけ。
『って、まさかアタシにブレス使った?!』
「うん」
使った使った。
それくらいしか存在意義のないゴーストに使ったー。
『むっかつくー! 使う時は言いなさいよ』
「言ったら怒るじゃん」
『言わんでも怒るわ!』
それはそう。
『で、なによ? アタシにブレスがごとき効くとでもー』
「まぁ、ゴーストだしね。効かないかー」
つーか、なにそのドヤ顔?
ほんっと存在意義ないくせにムッカつくわー。
死ねよ。
『もう死んでるわよ!!』
「あ、そうだったー。……って、なんも言ってないけど」
『雰囲気で分かるの!』
「えー」
めんどくせーなー。
『で、なにしたのよ?』
「や。「安息香」ってやつー。眠るんだって」
『は? 眠りの息?! アンタの前で寝ろっての?!』
うん。
寝てくれ。できれば永遠に。
『さ、最悪のスキルじゃん!』
「でしょー。超ためしたい!!」
ほかにも色々あるのよねー。
スキルの説明をみるに、ブレスとは「私」の体内に溜まった腐敗ガス由来のモノらしい。
なので、今は熟練度が足りないけど、『痺れガス』とか視界を奪う『白い霧』とかもあるっぽい。
さらには、『毒の息』ほかにも酸性を高めた『腐食ガス』とか、引火性の強い息とかも!
『試すな試すな!』
「やーだよ。せっかくの新スキル。ぜひともお披露目したいねー」
この分だと、ゆくゆくは火とかも吐けそうだ!
『げー。絶対食らいたくない奴ー』
「君はもう無理だけどね」
残念だね。
ゴーストみゆちゃん。
『アタシ、ゴーストでよかったー』
「前向きだなー」
なんだろね。
ゴーストになる条件って、この前向きさかね?
つーか、なんだよ前向きなゴーストって、いらねーわそんなの。
「まぁ、存在意義のないミユちゃんはほっといて、次に来たのに、試してみよう」
『えー。まだ食べるのぉ?』
食べる食べる!
食べるよー。
「ほら、さっきの新スキル! あれって多分だけど、ちょうど100人目でゲットしたと思うのよ!」
なんせ、今日だけで75人以上も食ったからね!
今までの累計で考えると、それしか思いつかないじゃ~ん!
『うっそ。……そ、そんな最悪な条件なの?!』
「サイコーじゃん。目標ができるっていいことじゃね?」
次が200人かどうかは知らないけど、知らないスキルを覚えるのはわっくわくするよ。
そして、できることなら次は『魔法』がいい!
「ミミック言うたら即死魔法とかでしょ!」
もとが即死攻撃が主体っだから、絶対相性いいと思うんだよね!
「つーか、魔法とかないと詰むわ! 遠距離攻撃がないとかクソゲー仕様にもほどがあるぜー」
クソゲーが何か知らんけどぉ。
『ゲー……。これ以上手が付けられなくなってどうなる気よ』
「いや、どうもしないよ? 冒険者が来たら食う、ただそれだけなり──」
うむ、
真理だね。
『──なりって、かっこつけて言うことがそれかい! アンタが生きてる意味ってなんなのよ』
「意味を問うー? 人間だって、食べ物加工してウ〇コ作ってるだけじゃん」
『違いますー! 子孫繁栄してますー』
あー。
大事だね。
子供はいいよねー(※ 意味深)
『やな顔で遠くを見ないの……』
「じゅるり」
あ、涎。
「なんか子供の話してたらお腹空いてきちゃったー」
『子供の話で食欲沸く奴は、世界広しと言えどアンタだけよ』
えへへ。
『褒めてねーよ』
「ツッコミきびしーなー」
まぁ、ミユちゃんは子供が二度と作れないけどねー!
『むっかつくなー。なにその顔。アタシだって、いい男の一人や二人くらいみつけられるわよ!』
はいはい。
ほざけほざけ。
「冥婚でいいなら、いいの紹介したげるよ?」
ベンウッド君とかどうかな?
細目だけど男前でお金持ってそう──……あ、ダメっぽい。
お腹の中でスケルトンになってるような気配がするわ。
『やかましわ! お腹のなかで人の婚約者探しとかすんなしし……って、出すな出すな! 溶けてる溶けてる! いらないわよ、アンタの紹介なんて!』
「まぁまぁ、今度いい男いたら紹介するからさ」
そして、できればそいつと成仏してくれー。
『けっこーです!!』
「そういわずにさー。物は試しだよ──会ってみたら、案がい気があうかもよ! あ、ほら。ちょうど、いいのがそろそろ来そうだし」
物は試し。
ミユちゃんの彼氏を捜しつつ、「私」のブレスも早速試したいねー。
『だーれがアンタのしょうかい’T’&え?、うそ──……まだくる&’&(&%’』
うんうん。
まだまだ来るよー。
「なにせ軍隊だもんねー」
なんの成果も出せずに撤退はできないよねー。
ぷぷっ。マジ軍隊ってざーこ。
「……さーて、そんじゃ、ミユちゃんの彼氏でも見繕いつつ、念入りに歓迎してあげよう」
多分、本日最後の客っぽいしね。
しかし、全部で100名超えの肉の山か。
「まったく、嬉しい悲鳴とはこのことだね。ブレスも試せて、100人の軍隊で保存食まで作れるなんて!!」
──まさに軍隊めし!
「あぁ、嬉しい! 今日はなんていい日なんでしょーーーか!」
いえぇぇええええい♪
サイコー!!