「お、さすがに気づいたかな?」
ボリッ、
ゴキッ!
ズタズタに切りさいたアホ面を三枚おろしにして賞味していると、通路のほうから複数の足音が近づいてくる。
どうやら、こっちが部屋を占拠したことに気付いたらしい。
──や~るねぇ。
「まぁ、これだけぶちまければねー」
しーはーしーはー。
ペッ。
硬い骨を吐きつつ、
「──残り4、5人かな。これで仕舞いだといいんだけどねー」
切り殺したのが数名に、
毒でのたうち回ってくたばったのが数名。
さっきボリボリ齧ったのが二人ー。
ちなみに数人は、えっちぃかっこうした暗殺者っぽいオネーサン達だったわ。
「うーん。今回はけっこうな強敵だなー」
思った通り、ローグ系で固めた討伐隊っぽい。
「ま、だけど、もう終わりだね」
うけけけっ。
最初に一撃を決めなかった時点で、奴等は負けが決まっているのだー。
「なぜなら、ここは「私」のテリトリー!」
そして、巣であり、胃袋なのだ!
そんなところに、のこのこ来やがって、間抜けめー。
「あと、増援にくるにはちょ~っと遅かったね」
勘のいいやつが残っているみたいだけど、一歩手遅れ。
救援に来るなら、もう数分早ければ形勢は違ったかもしれないけど、ざーんねん。
「その数分の間にテメェらの仲間は全滅さ──」
ゲーップ!
そして、今の「私」はご覧の通り、腹一杯だぜー!!
「へへーん、こうなったらもう負ける気はしねーぞぉ」
満腹ボーナスもついて、回復は万全!
やる気も十分!
オマケに物資も潤沢に確保できた。
まぁ、全部が全部使えるわけじゃないし、役に立たないものもあるけどねー。
だけど、爆弾は嬉しいねぇ!
「あとは、塩に小麦粉に、ハーブに油!」
えへへ。
これは揚げ物を作れという啓示かもしれないね。
まだまだ残っていた生徒の肉を切り取ってー、
塩とハーブを振ってー、
小麦をまぶして──……とんかつだぁぁあ!!
「いや、待てよ? 人肉だから、人カツ? ニンカツ?」
人カツだと、ヒトカスっぽいな。
ニンカツは妊活……あ、うん。
「つーか、卵がないやーん!!」
やっべー。
大事なもんがたりねーや。
「あ! ミユちゃんとか生めたりしないかな? アイツ、もう人間じゃないしワンチャンあるかもー」
それくらいしてもらわな、生きてる価値ねーわ、あんな奴。
あ、もう生きてないんだっけ? うけけけー!
──なんか、このセクハラやろー! とか言ってるミユちゃんが幻視できたけど……気のせいだよね。
「まぁ、ミユちゃんなんかどーでもいっか」
そも、卵がなくても出来んことはないし──……っと、
来た来た来た♪
「ヒトカツが来たぞー」
げへへへっ。
一匹は生き残して、ボコして熟成──もとい尋問するとして、残りは瞬殺してくれるわー!
「さぁ、来〜い!」
「私」の前にその間抜け面を、晒すがいいわー!
ジャキーーーーーーン!!
準備万端と、堂々と迎え撃つ気満々の「私」は、
地面にズラーっと装填済みのボウガンを並べておく。
もちろん補給物資の中にあった奴だ。
これわ連中が入ってくるなり、撃つべし撃つべし。
撃つべーし!
まるでマシンガンのように乱射して一気に勝負を決めるってわけなんだけどー……。
「……あれー?」
なんか、連中の動きが止まった?
んんー?
どうしたんだろ?
さすがに一気に突入するほど迂闊ではないってことかな?
いや、もしかしてこっちが待ち伏せしていることに気付いたのかも──。
「ちっ。……さすがに一網打尽は無理かー」
敵もさるもの。
そう甘くはないらしい。
(まぁ、こっちに気付いて攻めてきた連中だし、対策くらいしてるかー)
「だけど、さっきみたいに爆弾は使えまーい!」
うけけけけー!
なにせ、まだ味方が生きてるかもしれないしねー。
「ま、とっくに全部殺したけどー」
ぎゃはー!
三枚におろしてやったわー。美味かったぞー。
「……しっかし、なにしてんだろ?」
なーんか入口のところで ゴソゴソしている気配は感じ取れるけど、詳細はわからない。
ローグ系が多いので気配が希薄なのと、
高レベルがいるのか、単純に強くその辺を力でカバーするタイプがいるのかわからない
いずれにしても、結構な手練れっぽいんだけど──むぅー……?
「……まぁいいかー」
気長に待とう。
どうせ爆弾は使えないし、よゆーよゆー。
そして、連中は討伐隊で確定。
ならば無理に皆殺しにこだわらなくてもいいってことー。
どのみち情報は共有されていると見たほうがいいだろうし それなら、いまさら慌てる必要はもうなくなったってことさ。
「いずれにしても一人は生捕り確定だね」
その辺をぜひお聞きしたいね。
とくに──……ジュルリ。
「……この足音が小さいのはガキだなー♪」
ミユちゃんも言ってたけど、本当にガキが一匹混ざってるっぽいぞー。
おっと、涎涎。
「……だけど、いいねぇ。討伐隊も大歓迎だよー。とくに、ガキ肉のデリバリーとか最高ぉ!」
そういうのはマジ歓迎ー。
なにより、
尋問という名の元、念願のガキをボッコボコにできるぜー。
少しずつ切り刻んでー、
皮を剥いでー、
毒の息で皮膚を溶かして、さらに切り刻んでー……。
「……けーけけけっ! レイラちゃんであんだけ美味かったんだから、ガキを同じ目にあわしたらどれほどになるか──ぎゃはぁ!!」
やべ!
なんだか絶賛楽しくなってきたぞー!
ヒトカツだけでなく、ガキの熟成肉か~。
何日も何週間も何か月も、死ぬまでボッコボコにしたら、どれほど味が濃縮されるか試せるのが最高だぜー!
しかも、尋問の名のもとに合法的(?)にボコして喋べらせるとかサイコーだぜ!
しかも、味も熟成できるとなれば一石二鳥じゃね!
いやー楽しみ楽しみ。
けけけっ。
「へへっ、喋ったら楽に殺してやるよー。とか、ママのとこに帰してあげるーとか、散々に希望を持たせて~、情報を吐き出させつつ~、その実「私」の主目的は味の熟成だー!」
ぎゃーははははははは!!
食うためなんだから、生かして帰すわけねーーーじゃん!!
へぎゃーーーーははははははははは!!
「そんで、長く、長~~く、長~~~~~く、いじめ倒してやるぜ!」
──あー、楽しみ!
早くガキが泣き叫ぶところを見てみたいね!
オマケに生きてじっくり味を熟成させてる間は、あの鬱陶しいミユちゃんも邪魔しに来ないし!
「これぞ、まさに一石三鳥かー!」
うんうん。
肉に骨に血に悲鳴に絶望に希望ぉ!
まさにガキに捨てるとこなーし!!
「ぎゃははははは! いいね、いいねー。
それを楽しみ想像しながら、ガキ肉をとことんまで熟成するのだー!
……あ、もしかして、今も聞いてたりするー?
「ミユちゃ~ん、見てる、聞いてる~?……これから、ガキをとっ捕まえて熟成させるから、覚悟しとくんだよー♪」
ぎゃはははー!
ミユちゃんだったら、苦しめずに殺してあげてー!! とか無駄な懇願するのは目に見えるぜ。
絶〜対聞かないけどねー。
だって、熟成ガキ肉なんてうまいに決まってるやーん!
「そんなん、喰うやん?! 絶対食うやん?! ガッツガツ食うやん? 止める理由になんな──……って、ん?
さっきから、中々来ないなーって、思いつつ、身構えていた「私」であるが、
入口から、ニュッと
刹那、
「よーし、やれぇぇ!」
号令一下。
カッ!
「私」の目の前に真っ赤な炎が出現したのであった!