キュゴォォォォォオオオオオオオオオオオオオ!
キュゴォォォオォオオオオオオオオオオオオオオオ!
「うぎゃぁぁぁあああああああああああああああああ!!」
ああああああああああああ!
あああああっぢーーーーーー!!
「な、ななななななな、な────?!」
あっぢ、あっぢ、
アッヂーーーーーーーー!!
むわっ! と押し寄せる熱風に思わず息が詰まる。
それどころか喉が焼ける、舌が焼ける、表面が焼けるぅぅ……。
──ぐぁぁぁあああああああ!
「んがー!! な、なななん? ゴホ、ゴホッ!」
なんだこりゃ?!
あ、あっち、
あっち、
「あっちーーーーーーーーー!!」
や、やべー!
火が途切れないし、
……い、息ができない。
「息してるのか知らんけど──」
げーほげほげほっ!
「……おえぇぇええええ!」
やばいやばいやばい!
身体が、燃える……!
キュゴォォォォォオオオオオオオオオオオオオ!
キュゴォォォオォオオオオオオオオオオオオオオオ!
「ぐぅぅぅ! そうか、あれって『火炎放射器』かー!」
な、なるほどなるほどー。
そういう攻撃パターンもありかぁあ!
どうやら、侵入した敵は、こっちの特性を理解したうえで遠距離から攻撃することに特化しているらしい。
だから、初手でダンジョンごと爆燃するし、爆弾も投げ込む。
獣も使う──。
「そんで、次が
たしかにこれなら無理に狙いをつける必要がないし、部屋ごと狙える。
(しかし、思いついたからってやるかー?!)
準備がいいと思ったし、
これまでの攻撃パターンを考えれば十分にあり得たけどさー。
「しかし、だからって、死角から火炎放射器かよ!」
ずりーぞー!!
出てこーい!!
「……ちぃ。そう言って出てくるわけないかー。しかし、なんちゅう思い切りのいい連中だ」
こっちには補給物資が残っててまだ、爆弾もあるかもしれないってのに、このやりようよ!
おまけにさっきまでここには連中の仲間もいたんだぞ?!……もう喰ったけどさー!!
「くっそー! 連中から鹵獲した木箱を検分している時に気付けばよかったー!」
油に噴霧器!
そして、ふいごってそのための装備かー。
「いや、だけどさー! 気づいたからってそれとは別に、普通はビビって火なんてつけられんだろ?!」
だけどやりやがった。
相当に覚悟が決まった連中だ。そも、味方が生き残ってるとか考えなかったのだろうか?
「──考えなかったんだろうなー」
くそっ!
やりおる……。
み、身動きできねぇ!!
「元々動けないけどね!」
パリーン!
ボンッッ! ぶしゅうぅうう!
木箱に残っていたポーション瓶が割れ飛び、糧秣に、武器防具に、床に転がっている死体の残滓にと、次々に消し炭になっていく。
なにより、
連中が突入してくるのに備えて、地面に並べておいた、ぶっ放すつもりの鹵獲ボウガンが軒並み焼け落ちてしまったー。
「ちっくしょー……!」
ゴォォッォォオオオオオオオオ!
ゴォォォォオオオオオオオオオオ!!
なんとか火の直撃を耐えている木箱の方ももう持たない!
すでに炭化してグズグズだ……!
「(旦那ぁ! こ、こっちまで息ができやせんぜ!)」
「(いいから、全部の燃料を使いきれ! 奴はこの先にいる!)」
ハイ正解!
そして、旦那──とやらが指揮官か!
顔も見たことがないが、なかなか状況判断ができる奴らしい!
「やっべー。このままじゃ、「私」の回復ももたないぞ!」
さっき食ったばかりで、満腹ボーナスが効いているが、
この炎による継続ダメージも、相当に効く。
「あちち、あちっ! あちちちー……! くぅ、焼け落ちた表面を直すだけで精いっぱいかー」
どうも自動回復が火炎放射の熱に追いついていない!
しかしなんとか反撃しないとこのまま押し切られる──……。
「ぐぬぬぬ……! ば、爆弾ならどうだー?!」
ステータスを開くと、生徒肉に騎士肉のほか、
今しがた鹵獲したばかりに爆弾がたっぷりとストレージにある。
「……いや、だけど、無理かー」
こんな火の中で出したら、その瞬間誘爆するっつーの!
くそー!
連中、それも考えての攻撃か!
「マジでやりおるわー」
うーむ。
「何か手は、何か手は──……あちぃぃぃいい!」
ボーン!!
ついに木箱が燃え落ちる!
この後は防ぐものは、何もない!!
「ぎゃぁぁぁああああああああ!」
あっちー!
直接炙られると、めちゃくちゃあっちー!!
あまりの高熱と継続ダメージのせいで思考が追い付かない。
オマケに吐き気が…………はっ!
「そうだ! 嘔吐!!」
嘔吐の水分で、火炎放射に対抗だ!
よーーーーーーし、
大きく息をすって────ごほごほっ、れ、レッツ嘔吐ー!!
「オロロロロロロロロロロロー!!」
食ったばかりの死体と、犬ッころビーーーーーーーーム!!
オロロロロロロロロー!!
「……って、そんなんで押し返せるかぁぁあ!」
ぶしゅうう!! と猛烈な水蒸気が上がって汚い霧のベールが発生するが一瞬で霧散してく!
嘔吐とは言っても水分の出所は所詮はただの死体だ。
猛烈な熱量にかなうはずもない。
ついでに出て来たばかりの死体もアンデッドになる間もなく、崩れ落ちていく!
まさに火葬であーる。
「あー、くっそー! わかってたよ! つーか、吐いてる途中で気づいたわ!」
連中の火炎放射器は2~3器でほぼ間隙を作らないようにローテーション。
一方こっちの嘔吐は腹の中の死体は犬ッコロを含めても、数体程度。
(そんなんで全然足りるかー!)
一瞬で嘔吐を撃ち尽くし、再び炙られる!!
「うぎゃぁぁ! あっちー!!」
ちくしょー!
しかも、満腹ボーナスが途切れちまう!
「(旦那ぁぁ! 燃料はあと5分!)」
「(十分だ! 続けろぉ!)」
ご、五分んんんん!!??
無理無理無理!
死ぬ死ぬ死ぬ、あっちーーーーーー!!
余りの熱量に、意識が飛びかける。
「ちっくしょーーーーーーー!」
もはや打つ手はなく、
満腹ボーナスも途切れていく。
最後は、いつぞやのように走馬灯が──。
笑顔で食べられていくミユちゃん、
楽し気に齧られていくジナちゃん、
ウキウキで飲みこまれていくリーデルちゃん、
優しく微笑みながら天井で吊られるキングハムくん、
喉の奥で可憐に可愛らしくクルクルと踊るリーンちゃんに……。
まだ見ぬ、
今日、熟成する予定のガキ肉ちゃん──……!
(……あぁー、ガキ肉を熟成して、ヒトカツにしたかったなー)
塩振って、
ハーブをまぶして、
小麦粉を絡めて──………………あ、
はッ!!
「……そ、そ、そ、それだ!!」
それだよ、それ!
「(燃料、あと3分!)」
「(休むな、はなてぇぇええ!)」
そして、ほぼ間断なく放たれる火炎のわずかなスキを「私」は見逃さない!
そして、取り出す!! 腹の奥、ストレージにしまったばかりの鹵獲品を!
そして、投げる!!
爆弾なら、自分も自爆するであろうことは明白なので、それよりもはるかに
──思いっきりな!!
あ、そーれ。
「トンカツには────……小麦じゃぁぁああ!」
ブンッ!!
麻袋に入ったそれを思いっきりぶん投げると、それはチリチリと熱気に炙られ、アッというまに燃えていく。
だが、そのたっぷりの中身は「私」の剛腕──……もとい剛舌によって、連中が潜む壁付近に叩きつけられて思いっきり空中に散布される。
その瞬間、部屋中が一瞬で真っ白に染まり────……。
「(次弾、撃てぇええ!)」
「(りょうか
バーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!
炸裂した。