し、しーぬしぬしぬしぬしぬ──!
目前までダンビラが迫っていて、もーーーー終わりだー!
「──なーんてね」
ニュッ。
「…………は?」
「バーカ。元々、ブレスはそんなに当てにしてねーんだよ」
「私」はニヤリと不敵に笑いつつ、
「いやいや、舌ごと邪魔な女暗殺者を外してくれてどーーもぉ」
そのおかげで前方がクリアになった。
そして、その時点で「私」は口から
ブレス対策、結構結構。
実に結構。
……だけどね、ブレスはあくまでも
効けばいいかな〜程度でしかないのだ。
そもそも、即効性のないブレスは使い勝手が超~~悪いのだー。
なので──。
「……ふつーさぁ。もっと即物的な攻撃に頼るっしょ? 例えば、君らが置いてった火炎放射器とかねぇ!」
ニヤーリ!
「んなっぁあああ!」
「だ、旦那ぁぁああ?!」
はい、遅ーい。
驚愕の表情を浮かべるハゲの前に、ニュー! と、突き出してやったのは、奴等がここに残置していた
最初、なんに使うのかわからなかったけど、コイツ等がデモンストレーションをしてくれたおかげでおおよそ把握。
ようするに、原始的な火炎放射器だ。
そんなの余裕で使えるわ。
「つーか、鹵獲品くらい使うにきまってんだろーが、バーカ」
手がないから火炎放射器が使えないと思ったか?
馬鹿め。
何回爆弾使わせてもらってると思ってんだか。
あと、対策をしてくるのは結構だけどね、自分でその対策外のものを持ち込んでりゃ世話ねーのよ。
「そもそも論としてぇー、うだうだ言ってねーで、さっさとトドメを刺せっつーーーーーーの!!」
ま、そのおかげで助かったんだけどねー!
というわけで、バイバーイ!
「まぁ、追い詰める感覚って気持ちいモンねー!」
よーーーーーーーくわかるよ。
なので、
「その熱い思いに答えてあげるよ!!」
文字通り、熱くね!!
レッツ。
「ファイアーーーーーーーーー!」
キュボォォォオオオオオオオオオオオオオ!!
「ぐあっぁああ!」
「「うぎゃぁっぁあああああ!」」
はっはー!
直撃してやったわー!
「どうだーい! 嘔吐の応用で油を散布して着火してやったわ!」
少々、箱が焼けるけど、その辺はご愛敬!!
そして、肉が焼けるイ~イ匂い!
「ふーははははー! 焼肉おあがりよー」
あとで塩ふって、食ってくれるわー!!
「こ、こんな、こんなぁぁあ…………!」
──おぁぁああああああああああ!!!
ズズーン!
まともに火炎放射器の炎を浴びたギルマスが凄まじい絶叫とともにダウン!
残る二人も、すでに
「ぎゃーははははは! しょーり♪」
なんかどいつもこいつも、焼ける表情でうにゃうにゃと言っていたけど、最後は聞き取れなかったねぇ。
まぁ、肺まで燃えちゃ喋れんわなー。
オマケに、後半のほうは子猫や鳴くみたいな声だしてたし、超きもわるーい。
「いやー……勝ったはいいけど、人間は生きたまま焼くもんじゃないねー」
臭いし、うっさいし、超グロイ。
やっぱ、肉は三枚におろしてから、丁寧に焼いてポン酢が一番だわー。
……ポン酢?? なにそれ以下略。
「ま、それはそれとしてー……今回はさ〜すがに厳しかったなー」
マジしんどいわ。
序盤でアホな爆撃してくれんかったら本気でヤバかったぞ?
あと、新兵器か何か知らんが、しょーもないもん持ち込んでくれなければ積んでたわー。
「おまけに、
おー、いててて。
蝶番にはナイフが刺さってままなので、口が閉じらんなーい。
まさかミミックにこんな弱点があるなんてなー。
っていうか、一生このままだったらどうしよう。
「ま、舌が回復するまで、このまま待つかー」
はー。舌さえ戻れば、ナイフくらい引き抜いてやれるのに。
回復ボーナスもほぼなくなったし、こりゃ時間がかかりそうだわ。
「肉食えば回復しそうなんだけど、うーん」
肉、
肉なあ……。
じっと、禿げマッチョとか出っ歯のシーフのそれを見るけど、
「むむぅー……。丸飲みならいけそうだけどなー」
舌もないし、
口も閉じられないから、食べるにも支障がね……。
他にも、ストレージにしまってる生徒達なんかのお肉を吟味するも、やっぱり中に保管してるのはそれなりの大きさなんだよなー。
ちびっ子は美味しいから、す〜ぐ食べちゃうんだよね。
新鮮なのがが一番だし。
「んー。参ったな口が閉じらんないし、舌もほとんど回復してないから、お肉をカットもできないしー……」
おまけに咀嚼もできないから、生徒の干し肉も食べれないしぃ……。
こりゃ、参ったぞー。
騎士見習い肉もダメだし、
ましてや、そこに転がってる元ギルマス肉に盗賊肉もダメ──…………あ!
あああああああああああああああああああああああああああ!
「そうだった、そうだった!」
いるじゃん!
ちびっ子いるじゃーん!!
「いやー! 戦闘に必死でわーすれたー」
元ギルマスの転がっているあたりで、鎖につながれた少女を見つけると思わず歓声が漏れる。
「おほっ! いたいた」
うーまそうなサイズのガキがいたぁぁああ!
──ニチャぁっぁああ。
余りの感動に、顔が歪むぜ~。
「しかも、へへっ。ボカぁ君の顔知ってるぞー」
「私」はモブは忘れるけど、
その時のダイジェストかつ絶品な奴はよ~く覚えているのだ!
ジナちゃんしかり、
初チビっ子しかり、
リーデルちゃんしかりー!
そしてぇぇ、
「リーデルちゃん級の絶品なお肉とくれば忘れるわけないでしょぉぉおおお!」
やー。
この子、どっかで見たことあると思ったんだよねー。
「……ひっ」
そしたら、ほら!
かすかに怯えたような顔を向けるその顔よ。
「や~っぱりそうだ。
あの肉、
あの味、
あの干し加減を忘れてなるものかー!
「そして、ここであったが百年目ぇぇぇ!」
うっひょー!
コイツ食い損ねてたから、ぜひとも食べたかった奴じゃーーーーーーん!
「いやー! よく来てくれたねー!」
ボカぁ、嬉しいね。
歓迎するよー。
「ひぃぃ!」
すると、涎をたらさんばかりのワイルドスマイルな「私」に、ずるりと一歩へたりこんだまま下がる少女。
「ん-! いいねぇ! その顔、その鳴き声!」
そして、
そのサイズ。
その匂い。
その血。
あああ、やっぱり!
そして、忘れるものかー!
「──お前、キングハムの妹じゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーんん!!」
ひゃはぁぁあ!
「ひぃぃぃ!」
おっほ、怯えてる怯えてるぅ!
この顔、この顔ぉ!!
食欲が刺激されるわぁっぁああ!!
「ひゃはぁぁ! こぉのガキ肉めぇぇえええええ、覚~悟しろよー!!」
いやー!
逃がしたと思ってたわー!!
いやー!
野垂れ死んでると思ってたわー!!
いやー!
ゴブリンに食われたと思ってたわー!!!
いやー!!
食える食える食える食える食える食える食える!!
ガキが食えるぞぉぉぉぉおおおおお♪
「いーひひひ! そして、これまでの分も含めて色々試してくれるわー!」
熟成だけでなく、兄妹の食べ比べもできるし!
男と女の味に違いも探求できる!
「なにより、王族の肉は本当にうまいのか!! 丸飲みして圧搾しつつ、喉奥で自分の内臓を吐き出させながら、じ~~~~っくりと数日間かけてジワジワと胃で溶かしてから、泣き顔で死を懇願する様を含めて、確かめてやるわぁぁあ!」
痛いのは我慢しときー!
しっかり、熟成してゆっくりゆっくり齧って溶かして、胃で転がしながら、苦悶の悲鳴を上げさせてくれるわぁぁ!!
──ギャハァァァ!!
「まー、絶対に美味い肉に決まってるけどねぇぇぇええ!」
なんせ、公爵令嬢とかいうリーデルちゃんがあれだけ美味かったんだから、それ以上にチっこくて、大切に育てられた王族ともなれば、ぜ~~~~~~ったいに美味い!!
「あーでも! どうしよう!!」
熟成させたいけど、
今、喰わんと舌が回復しないしー。
そもそも、今すぐにでも食べたいしー!
お預けにされてた、
「…………あ、だからか!」
なるほど、どーりで!!
だいたい分かってきたぞー!!
「つまり、禿げマッチョの情報源はお前かぁぁぁあ!」
ぎゃははははは!
……どーりで若干情報が古いわけだぜ。
「けけけけっ。そのおかげで勝てましたー!」
感謝!! 感謝!!
大感謝ぁぁぁあああ!
「御礼に美味しく食べたげるからねぇぇぇええ!」
ひゃはぁ!!
これまでにないほど、熟成させてやるぜぇぇ!
レイラちゃんコースを50周はさせるぞぉぉお!!
何日も
何週間も
何か月も、しつこくねちっこくボッコボコにして、悲鳴と悲鳴と悲鳴と悲鳴をあげ続けるがいいわぁぁぁああああ!!
「──ひゃはぁぁぁああああああああああ♪」
とりあえず片足くらいは、
いっただっきまーす!!
あーーーーーーーん♪
『ちょ、ちょーーーーっと待った!!』
「あべしっ」
う、うお!
なんか突っ込んできたと思ったら──……なんだミユちゃんかー。
「……なに? 今いいとこなんだけど──」
『どこがよ!』
ここだよ!
「──見て見ぃ、。メスのガキ肉ですよ、ガキ肉? しかも、おーぞくですよ、王族!」
キングハムファミリーやでぇ。
「そんな食うやん ガッツガツ食うやん?!」
足か腕の一本や二本くらい食うやーん!
『食うな、喰うな!! だから、小さい子はやめろって言ってんの!!』
「やめるかぼーけぇ」
その小さい子が美味いんじゃねーか。
つーか、他ならいいみたいに言うなし!
肉は等しく肉でしょ!
貴賤はなーし!
『いや、マジでやめて! つーか、足の一本や二本て、あんた死ぬから! ふつーはそれ死ぬから!!』
「死んでんのはてめーだろうが」
マジふわふわしやがってよー。
『だーかーらー! 人間は普通手足を失ったら失血死するのー!』
「そんなん分からんやん〜」
ほら、あれ……。
あのー……隻腕の剣士とか、義足のガンマンとかいるやん!
あれあれ!
あんな感じでひとつ、さ!
こう、義手に仕込んだマシンガンを──……ましんがん?? なにそれ? ま、いいや。
『わかるわよ!! 手当しても助かるかが五分五分なのに、アンタに食いちぎられたら間違いなく死ぬから! 前に言ったけど、自分の口を見てみなさいよ!』
「口ぃ?」
グパァぁぁ……。
もわぁぁぁ……。
「ひぃぃ!」
「……こんなもんじゃね?」
ちゃんと歯磨きもしてるよ?
『馬鹿っ! そんな圧搾機みたいな口で、食いちぎられたら血が止まんないわよ! あと、アンタが腕や足の一本で本当に我慢できるの?! 絶対そのまま丸かじりするでしょ!』
ぬ!!
「それはそう!!」
『──おらっぁあ! 自信満々に肯定してんじゃないわよ!』
……わっ、びっくりしたー。
おらー! て、殴る真似されたから、思わず目ぇつぶっちまったぜー。
まぁ、ミユちゃんの攻撃なんぞ、当たらんけどな!
けけけっ!
なんせ、ミユちゃんは、絶賛ゴーストぉ………………って、あれ?
「ん? んん-?」
なんでミユちゃんが