後日、その2を投稿予定
「げーっぷ」
あーうまし!
いやいや、助かるわぁっぁあ!
「あー。シーハーしたい!!」
さすがBランク。
肉質はいいねー。あと、自分から口の中に飛び込んできてくれてどーもぉ!
「こちとら、まだ舌が完全に治りきってなかったからねーマジたすかるわー」
あ、それと。
「ミユちゃんもありがとねー♪」
ナイスアシスト!
『あ、あ、あ、あ、ああああああああああああああああああああ!』
「私」の感謝に、ついに感情の緒が切れたかのように叫ぶミユちゃん。
お兄ぃの骨の前で
シギンスの血だまりに触れながら絶叫する。
(おっほー、ついに壊れたかなー? けーけけけっ)
まー、気持ちは分かる。
千載一遇のチャンスだっただろう。
実際、ヤバかった。
なにせ奇襲に次ぐ奇襲だ。そして、さらに闇からの強襲。
正直、お腹いっぱいを通り越して食傷気味だったところ。
そこにダメ押しのシギンスの特攻だ。
いやー……マ~ジでヤバかった。
(ぶっちゃけ、アイツに言うほど楽ではなかったのよねー)
それがそれが、なんともまぁ、最後の最期でミユちゃんが大活躍~♪
具体的には、あの時、あの瞬間、
いやー。
だってさー、さすがに骸骨に仲間がいるとは思わんじゃん?
そしたらマジでいるんだもーん。
そのうえ、あの鋭い速攻……!!
やー。
完全にボケてたから、最初マジで気づかなかったんだよねー。
それが、ミユちゃんバグセンサーのおかげで、一瞬早く警戒に移れた。もはや条件反射的なものと言ってもいいだろう。
ミユちゃんがバグると敵襲だー! みたいな?
おかげでシギンスの速攻に対抗出来たってわけ──。
「って、聞いてるぅ?」
けけけ。
『ぐあぁっぁあああ! ああああああ! あああああああああああああ!』
あーあーあーあ。
自分のしでかしに気付いてついにイカレちまったかー。
つーか、
うるさいなー。
『そんな、そんな、そんなぁぁあああああああ! アダジのぜいでぇぇええええ!』
「あははは! マジそれー、マヂ受けるー」
ぎゃははははははは!
ぎゃははははははは!
ぎゃーはははははははははは!
「いやぁ、ありがとう、ありがとう。そして、ありがとう! ミユちゃ~~~~ん、君ぃのおかげで精強なるBランクの冒険者は「私」の胃袋に消えましたー♪」
あ、みるぅ?!
ほ~らほら~♪
「ぐぱぁぁあ!」
『あああああああああああああああああああ!』
あははは!
あははははは!
あーはははははは!
──ポカポカしても効きませーん!
「マージ感謝~♪ 人類の敵にアシスト、マ~ジ大感謝ぁ!」
ぎゃはっははは!
だーから、さっさと成仏しろというんだよ。
それを未練ったらしく、ここにしがみついているからこうなる。
「そして、お兄ちゃんを二度失い、人類の脚を引っ張るのさー」
ぎゃーーーーーーっはっはっはっはっはっはっは!!
ぎゃーーーーーーっはっはっはっはっはっはっは!!
「んぎゃーはははは!……しッかしまぁ、あれだね。ミユちゃんにいいこと一つだけ教えたげるねー」
『ぐぅぅぅうう! あんだなんがにぃぃ……!』
あはは、血の涙流してるぅ。
初めて会った時を思い出すねぇ。
「──で、いいことっていうのは、パパーン♪」
まずは舌復活ぅ!
シギンス君の血肉でほぼ全回復しました~♪
そして、力加減も上々。ほらほら、ハバナちゃんだっけ?
キングハム(妹)を持ちあげてもこの通り──。
プラーンと、無防備に吊り下げられているハバナちゃーん。
目は……もはや死んでる。
さっきよりも酷くドロリと濁って、頭からシギンスの血のソースをかぶって、とっても美味しそうな感じー。
「そして、ほーら見てみて!! 今から、良いことするねー!!!
ぎゃはぁぁあ!
ガキの踊り食いだぜ!!
熟成とかもうめんどくせー。
さすがに今回は疲れたので、いっかい全部リセットだねー。熟成だのは次来た奴でいいやー。
「見て、聞いて、感じてねー!! 皆が必死で守ろうした女の子が、喉奥に押し込められてどんな声で鳴くというのかを!!」
ぎゃーぎゃーと、喚いたら百点!!
激痛にしくしくと泣き出せば減点!!
「諦めてさめざめと泣き出したら、百万て~~~~ん!!」
──ぎゃはぁぁぁあ!
そ~んじゃチビッ子の丸飲み、
はッじめまーーーーーーーーーす。
「ぐぱぱぁぁっぁあ」
にちゃっぁああああ……!
わざと、ゆ~~~っくりと口をあけて喉奥を見せつけてやる。
その奥には当然、咀嚼中のシギンスく~ん♪
「どうどう~? 君を最後まで守ろうとしたナイトはこの中にいるよー。うひょー、一緒できてよかったねー」
なんなら、
あとで
「そして、胃の中で再会し、歓喜の叫びをあげるがいいわー!」
大丈夫!
すぐには死なないし、溶けもしない!!
なにせ、最近はさ。
こう……喉奥での食べ方にも慣れて来たので、丸一日はゆっくりと、うまくすれば数日はじっっっくり溶かしてくれるぜー!
そのうえで、ブチブチとじわじわと、圧搾と胃液に溺れて、潰し溶かされながら、死ぬまで泣き叫ぶがいいわぁぁぁああああ!!
「ぎゃはははああ! いっただきまーーーーーーーーーーーす♪」
あーーーーーーーん!
『………………囮』
あーーーーーーーーん……?
「あん? なんかいった?」
舌先にハバナちゃんが触れて、もう半ばまで飲み込んだところで、ピタリ。
『……囮に使えるから。……その子。多分、もう自我がない』
「は?」
なに?
囮??
「自我がないって……。あぁー」
どーりで。
ぷっ。
吐き出して、もう一度マジマジ。
「確かに、目ぇ死んでるねー。そーれでミユちゃんがバグらないわけだ」
なるほどねー。
先の生徒ビュッフェの時もキングハム君を目前で失ったせいで状態がアレだったけど……。
これは、禿げマッチョにさらにだいぶ壊され、調教されたってとこかなー。
舌先で頬をペチペチしてみる。
ふむ……?
「……そんで、最後の最期で、自分を守ってくれたはずの冒険者が目の前で貪り食われてついに、って感じかな?」
それも、自身が逃げるチャンスをミスミス捨ててまであえなく死んだのをみて、
さすがに、罪悪感とか、なんとかで、
──うけけけ、この子が悪いわけじゃないのに、な~~~んて殊勝なことでしょう。
「なるほどなるほど~」
それで
生きているけど、死人。
死んでいるけど、生きている。
まともな自我もないから、生者に干渉できないミユちゃんがバグることもないっと。
「なーるほどねー」
ただ、
この状態じゃ、この子自身にミユちゃんが見えてるかどうかはわからねいけど、なるほど……──これは面白いね。
「でも、食べまーーーーーーーす!!」
ミユちゃんバグとか超どうでもいい!
それよりチビッ子丸飲みのほうが重要だーい!!
生きたまま喉の奥で大暴れしてもらい、喉ごしを三日三晩は楽しむのであーる。
「さーて、喉奥で暴れてくれよぉ!」
丸飲み丸飲みー。
『……だから、自我がないのよ。暴れもしないし、叫びもしない。いえ、アナタが言えばもしかして、それに従うかもね』
ふっ。と自虐的に笑ったミユちゃん。
なに、アンニュな雰囲気出してんのよ──……しかし、自我がないから、暴れもしないだと?
「……なにそれ? つまんなくね?」
それって、チビッ子丸飲みする意味なくねー?
「でも、言われればなんでもすると?」
ほうほう。
どれどれ──。
「手ぇ、あげてー」
「ぅぁ……」
ををを?!
「足あげてー……って、そんだけしかうごかないのー?」
「……っ」
辛うじてググと右足を上げようとするハバナ。
なるほど、満身創痍でボロボロでも愚直にいうことを聞くわけかー。こりゃ、お人形さんだわ。
「んー。じゃあ、暴れてー」
「う、ぁ」
じたばたじたばたー。
「おー……」
で、この状態で飲むっと、
「あーん!」
『……うまく使えば、新しいトラップよ』
あーん……。
さっきから何?
「なんなのミユちゃん。……もしかして、囮とか、トラップにコイツ使えって?」
そんで食べるなって??
『知らないわよ。ただ、そういうやり方もあるってだけ』
「……ほーん」
しかし、ふむふむ。
……ミユちゃんにしては面白いことを言うね。
生きた(?)ガキを使ったトラップに囮かー。
ふーむ。
「……どうやら、よ~っぽど食べさせたくないんだねー」
(そういや、この子っていつも私をストーカーしてたっけ)
誰がか生きているときが姿が見えないけど、
もしかして、今までも、こうして、誰かが生きたまま食べられる現場では必死で「私」を説得しようとしてたとかー?
そんで、今回はミユちゃんバグにならないから、なんとか思いとどまらせようと──……。
「面白いじゃん」